2022年9月6日火曜日

山の暮しはきつくて危険。山村は人口の減少が著しい。人は出て行っても、栗の樹は残って、今も村の伝統は受け継がれている。

今日の料理は、“カスタニャッチョcastagnaccio”です。
リチェッタは(CIR10月号P.39)。
アプアナ山地のカスタニャッチョ↓

栗の粉がベースの、北から南までイタリア中の山岳地にある素朴な秋のドルチェです。トスカーナのドルチェとしても知られています。
山岳地で暮らす人々にとって、栗の粉は手に入れやすい食材で、栗の樹はパンの樹と呼ばれました。第2次大戦以降は基本的な食物となり、松の実やくるみ、ドライフルーツ、ローズマリー、オリーブオイルを加えたしっとりした発酵させないケーキ。卵、バター、砂糖は加えないで、栗自身の甘味を味わうケーキです。

マッサ・カラーラ(トスカーナ)の山の上の村の暮し↓

アブアノ山地と呼ばれる大理石の世界的産地。今でも山の上に切り出し所があるが、仕事はきつくて危険。人口は大幅に減っている。
毎朝あげるうさぎや鶏と言った家畜の餌も栗。
鶏が卵を産む箱には、鶏の目印用に大理石の卵、endice /エンディチェが置いてある。
今では栗も生活に昔ほど欠かせないものではなくなりましたが、栗の樹が放棄されることは ありませんでした。
冬の間はカンティーナにこもってラルドを作ります。家畜は豚を飼っていました。豚が死ぬと肉屋さんに来てもらって加工したそうです。
昔から、山のきつい仕事の後に食べる食事は栄養たっぷりの料理でした。
山に暮らすことを選んだ人には、便利さや快適さよりも大切な価値基準があるようです。

秋の山のお楽しみ、栗祭り。



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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