2020年7月31日金曜日

大地震で破壊されたノルチャは、静かに復興していた。再生しつつあるニューノルチャ。

今月の「総合解説」から、きのこのパスタ2品めは、ノルチャ風スパゲッティです。
ウンブリア料理の記事の中にあります(P.15)。
ノルチャはウンブリアが誇るグルメな街。
山の中にあっても世界中からグルメがやって来ます。
周囲の環境も素晴らしく、イタリアの肉屋発祥の地、または黒トリュフの産地としても知られています。

と思っていたのです・・・
ところが、この地方は、2016年10月30日の大地震で大被害を受けました。
街の歴史的建築物で街の中心地にあった、聖ベネデット教会堂も崩れました。
聖ベネデットはヨーロッパの守護聖人。
教会の地下には聖人の生家の跡もありました。



元々、修道院の影響が大きい地方でしたが、教会は復興にも大きく関わりました。
街の様子も観光も劇的に変わり、
現在のノルチャはニュー・ノルチャと呼ばれています。


かつて訪れた活気に溢れたグルメタウンとは、比べようもない変わりようで、ちょっとショックですが、ウンブリアは、イタリアの他の地方と比べると、元々、落ち着いた静かな地方。
ノルチャの黒トリュフの見本市↓


食文化や暮らしがあまりに大きく変わって、驚くばかりです。
まさに今、ルネッサンスです。

ウンブリアは、中世の教会を中心にした昔ながらの姿を残した小さな集落の集合体で、地理的にイタリアの中央にあることから、イタリアのハートと呼ばれています。
海とは接していない州です。
でも、イタリアの地方料理を1冊にまとめたスローフードの本、『イタリア・イン・クチーナ
によると、トラジメーノ湖がウンブリアの人々にとっては海の代わりなんだそう。
トラジメーノ湖↓

ノルチャの話、次回に続きます。


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イタリア・イン・クチーナ
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2020年7月30日木曜日

乾燥ポルチーニの定番料理、乾燥ポルチーニのリゾット

ポルチーニの話題、続けます。
旬の季節は秋ですが、一年中採れるポルチーニ。
さらに、フレッシュが出回らない季節でも、乾燥ポルチーニという手があるので、事実上、一年中いつでも手に入ります。
しかも、生のポルチーニが高価すぎて手に入らなくても、乾燥はお手軽価格。
乾燥は、トマトが缶詰化されて世界中に広まったのと同じくらい、画期的な保存方法。
乾燥ポルチーニは、イタリア料理の素晴らしい食材なのです。

イギリス人の熱いイタリア料理愛が伝わる本、

クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジには、乾燥ポルチーニを活かしたリチェッタまで載っています。

それはポルチーニのリゾットRistoto ai funghi porcini
材料/4人分
乾燥ポルチーニ・・30g
野菜か鳥のブロード・・1L
バター・・100g
玉ねぎのみじん切り・・1個
スライスしたきのこ・・250g
潰したにんにく・・2かけ
米・・375g
ナツメグ
イタリアンパセリのみじん切り・・大さじ1
おろしたパルミジャーノ・・45g

・乾燥ポルチーニを湯500mlで覆い、15分戻す。
・絞って水気を切る。戻し汁は取っておく。
・大きなきのこは粗く刻む。
・鍋に戻し汁とブロード500mlを入れて沸騰させる。
・底の厚い鍋にバターを溶かし、玉ねぎを焦がさないようにソッフリットにする。
・フレッシュと戻したきのこを加えて数分ソッフリットにし、にんにくを加えてさっと混ぜる。米を加えてとろ火にし、塩をして米をバターとなじませる。
・火を強めてレードル1杯のブロードをかけ、かき混ぜながら煮る。米がブロードを全部吸ったらレードル1杯のブロードをかける。
・これを約20分繰り返して米がアルデンテになるまで煮る。
・ナツメグ、イタリアンパセリの半量、パルミジャーノを散らしてマンテカーレし、皿に盛り付ける。

おふくろの味の本、『マンマミーア』によると、イタリアではきのこのリゾットでリゾットの作り方を姑から嫁に伝えるようです。
トリュフが採れる地方では、トリュフのリゾットが一般的。ちなみに初心者が作るトリュフのリソットに使うのは黒トリュフ。

乾燥ポルチーニのリゾット




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2020年7月29日水曜日

ポルチーニ狩りは専門家と一緒に。スパゲッティ・ボスカイオーラ。きのこ料理のベースはフンギ・トリフォラーティ。

ウンブリアの山の中で、畑を耕し、家畜を育てながらレストランを経営するシェフがいます。
その人懐こい人間性が愛されているシェフで、ガンベロ・ロッソチャンネルで料理番組も持っています。
ニックネームはジョルジョーネ。

彼の本、「ジョルジョーネ/オルト・エ・クチーナ」は、自らが育てた四季折々の食材を使った料理書です。


ジョルジョーネはこんな人。↓

彼は本の中で、きのこについてこう語っています。
「私はとてもラッキーだった。私にとって、きのこは探しに行くものではなく、見つけに行くものなのだ。
ただしそれは、きのこをよく知っていて、どこに生えているか、どれが安全かをよく知っているからだ。
森の素晴らしい贈り物、例えば美しいポルチーニは、デリケートに扱うわなくてはいけない。ポルチーニの収穫には小さなナイフが必需品。根本を切り離し、軸の土をこそげ落とし、新鮮で中に虫が入っていないか調べるために使うのだ。
ステーキのような歯ごたえのカラカサタケや、カサが土と同じ色で簡単には見つからないベニタケのような特別なきのこもある」

マニアのきのこ狩りに同行↓
ナイフはこう使う。
チーニにそっくりな毒きのこもたくさん生えています。

きのこのパスタと言えば、秋の定番、きのこのソースのボスカイオーラ。
フィレンツェ出身でトスカーナ料理の研究者として知られるイタリア料理アカデミー会長、パオロ・ペトローニ氏の本、『スパゲッティ・アモーレ・ミオ』のリチェッタをどうぞ。
バリエーションが多数ある料理ですが、一番シンプルなバージョン。
スパゲッティ・アッラ・ボスカイオーラ/Spaghetti alla boscaiola
材料/4人分
スパゲッティかバベッテ・・350g
ポルチーニかミックスきのこ・・300g
にんにく・・1かけ
イタリアンパセリ
オリーブオイル
塩、こしょう

・きのこを薄く切り、ソテーパンで油大さじ6、にんにくのみじん切り、イタリアンパセリで炒める。
・きのこに焼き色がつく直前に水かブロード少々をかけて約10分煮る。仕上げにイタリアンパセリのみじん切りを散らす。
・パスタをアルデンテにゆでてソテーパンに加え、粗挽きこしょうをかけてよくなじませる。チーズは加えない。

ベーコン200g、玉ねぎのみじん切り60g、トマトのパッサータ400g、生クリーム30g入りバージョンのペンネ。↓
材料はすべて好みで。


キノコ料理のベースはトリフォラーティ↓
パスタのソース、クロスタータ、コントルノなど様々使えます。
きのこ以外の食材も、同様に料理すればトリフォラーティに。


材料/
EVオリーブオイル・・大さじ4
イタリアンパセリ・・1束
バター・・20g
にんにく・・2かけ
ミックスきのこ・・600g

・ポルチーニは軸の土を削り落とす。
必要なら流水でさっと落とすが、水をすいやすいのですぐに水をふき取る。
・きのこを調理時間が均一になるように同じ厚さに切る。
・フライパンにバター、油、半分に切ったにんにくを熱し、きのこを入れて強火で10分炒める。
・塩とたっぷりのイタリアンパセリのみじん切りを加えて5分炒める。



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ジョルジョーネ/オルト・エ・クチーナ
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2020年7月28日火曜日

ポルチーニのタリオリーニ。きのこの王様はアペニン山脈の秋の主役。

秋のパスタは、“ポルチーニのタリオリーニ”「総合解説」(2018年9/10月号P.4)。
ポルチーニは、イタリアではきのこの王様と呼ばれています。
イタリア半島を貫くアペニン山地あたりが産地として知られていますが、イタリア中で採れる天然のきのこ。
ポルチーニのタリオリーニはイリア中部、トスカーナやウンブリアあたりの名物料理。
アペニン山脈の麓の丘↓

この山脈はパルマとローマを結んでいて、古い巡礼路でもありました。
今は、ポルチーニを求めるグルメたちがやってきます。
巡礼路の途中にある街、ボルゴターロでは、毎年ポルチーニの収穫祭(webページはこちら)も開かれています。
ボルゴターロのポルチーニ祭り↓
トスカーナとエミリア・ロマーニャの食文化が堪能できる美味しそうな祭りです!


イタリアの地方料理書の大力作、『テイスト・アンド・トラディション1巻』では、地元のポルチーニの達人と呼ばれているリストランテ・マヌビオラristorante manubiolaのシェフの料理を紹介しています。
ベルゴットの近くのくるみの木に生えるポルチーニが最高、と語っていますが、正確な場所はトップシークレットだそうです。
シェフの手打ちのタリオリーニの写真はP.249。

ポルチーニのタリオリーニTagliolini ai funghi porcini
材料/6人分
小麦粉・・3カップ
セモリナ粉・・3カップ
卵・・5個、塩
EVオリーブオイル・・大さじ3
にんにく・・1かけ
下ごしらえして薄く切ったポルチーニ・・3カップ
塩、イタリアンパセリのみじん切り

・小麦粉と卵をこねてなめらかな生地にする。
・できるだけ薄く伸ばして巻き、細くカットする。
・ソテーパンに油とにんにくを熱し、にんにくに焼き色がついたらポルチーニを加えて炒める。塩味を整えて火を弱める。
・塩を加えた熱湯でタリオリーニをアルデンテにゆでる(約3分)。レードル1杯のデンプンが溶け出たパスタのゆで汁をポルチーニにかける。
・パスタを加えてなじませ、皿に盛り付ける。イタリアンパセリを散らす。

麺の太さは写真を参照とのことですが、平麺感は全然なく、ラーメンのような存在感のある麺です。

ポルチーニの下処理↓


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テイスト・アンド・トラディション1巻
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2020年7月27日月曜日

ラグー・ボロニェーゼ(ナポレターノ)は硬質小麦の産地で生まれた乾麺のパスタのためのソース。

きのうのお題のサルサ・ジェノベーゼは、深く考えずに取り上げたのですが、これが、とても深い料理でした。
イタリア料理アカデミーがイタリア各地の地方料理のソースを研究した本、『スーゴとソース


によると、“サルサ・ジェノヴエーゼ”の前身は“ラグー・ナポレターノ”。

ラグーと言えば、“ラグー・ボロニェーゼ”。

そこでボローニャのあるエミリア・ロマーニャ州のソースについて読んでみたら、こんなことが書いてありました。

そもそもラグーは硬い肉を煮込んで食べやすくするための料理。

ラグーはパスタのソースとして世界中に広まりましたが、硬質小麦の産地、カンパーニアのラグー・ナポレターノは、乾麺のソースとして広まった。そして軟質小麦の産地、エミリア地方のラグー・ボロニェーゼは、生麺のソースとして広まります。

なるほど、サルサ・ジェノヴェーゼは乾麺のためのソースだったんですね。挽肉を食べるのではなく、塊肉や香味野菜から旨味やだしをたっぷり取り出すソースです。
長時間煮込んだ肉はフォークでほぐせるくらいほろほろになっています。
下の動画はそれがよくわかります。
ちなみにこうしてほぐした肉はカルネ・スフィラッチャータと言います。
パスタ・アッラ・ジェノヴェーゼのリチェッタは「総合解説」9/10月号P.3を御覧ください。
サルサ・ジェノヴエーゼ



伝統的な、リジナルのラグー・ナポレターノに近いリチェッタは時間がかかりすぎて現代的ではないですが、「総合解説」のジェノヴェーゼは、玉ねぎをミキサーにかけるなど、もっと現代的にしたリチェッタです。

それにしても、なぜジェノウェーゼなのか。
ナポリの食文化に人一倍強いプライドを抱いているくせに、こういうところは案外おおらかなナポリの人。


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総合解説
スーゴとソース
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2020年7月26日日曜日

ジェノバとは無関係のナポリのソース・ジェノベーゼ。まずはラグー・ナポレターノから。

今月の「総合解説」の“クチーナ・イタリアーナのリチェッタ”から、今日はパスタ・アッラ・ジェノベーゼです(P.3)。
この料理は、ナポリ料理を作っている人なら必ず出会う料理。
ジェノベーゼという名前でも、バジリコのペーストとはなんの関係もなく、それどころかジェノバではもう忘れ去られている料理という説まであります。
どの説も曖昧でぼやけていて、バリエーションが多くてよくわからい、という話ばかり。

スーゴの本なら、イタリア料理アカデミーの学術書のような貴重な本、スーゴとソース
というわけで、この本で早速サルサ・ジェノベーゼを調べてみました。
まあ、普通のことが書いてあるわけはない、とは思いましたが、いきなり出てたのが、ナポリの旗です。
サッカーチームじゃないですよ。
街の旗です。(これ)
黃・赤・緑の3色がとて印象的な旗。
中央の2色に分かれた部分は、あるものを象徴しているそうです。
ちょっと無理やりですが、ラグーなんだそうです。
著名なジャーナリストのプレッツォリーニや劇作家のデュマなど、様々な人が言ってる説なんだとか。
しかも、昔はラグーといったけど、今はジェノヴェーゼなんだそうです。

ラグー・ナポレターノは、ナポリ人の間でもリチェッタで喧嘩が起きるほどで、みんな自分のリチェッタが一番と硬く信じている料理。
複雑な材料と長い調理時間が必要です。
ラグー・ナポレターノといえば、ソフィア・ローレン主演映画の『土曜、日曜、月曜』の肉屋での喧嘩シーン。
以前ブログでラグーを取り上げたときも紹介していました。(こちら)
今月の「総合解説」のナポリ料理の記事P.11にも登場しています。
ナポリ人もこのシーンが勉強になると言ってます。


ラグー・ナポレターノ/Il ragù napoletano | O' rrau'

材料/
牛すね肉・・500g
牛バラ肉・・500g
豚もも肉・・500g
牛ランプ・・500g
玉ねぎ・・1個
赤ワイン(お勧めはアリアニコ)・・2カップ
イタリアンパセリ・・1房
にんにく・・3、4かけ
EVオリーブオイル
ラード・・大さじ1
パルミジャーノ
ペコリーノ

リガトーニ・・500g
粗塩
パルミジャーノ
ペコリーノ
こしょう

・玉ねぎを粗く刻む。
・肉が入る大鍋を用意して、オリーブオイルと大さじ1のラードを入れる。伝統的なリチェッタではラードだけを使うことが多いが、重すぎるので今はオリーブオイルがお勧め。ラードは風味のために少量加える。
・玉ねぎを加えて火にかけ、ソッフリットにする。
・インボルティーニを作る。薄切り肉にイタリアンパセリ、にんにく、パルミジャーノ、ペコリーノを散らして巻き、タコ糸で縛る。
・ソッフリットにインボルティーニを加える。他の肉も加えて全体をよく焼く。
・ワインを加えてアルコール分を飛ばす。
・たっぷりのトマトペース200~300gを少量の水で溶いて(またはトマトのパッサータ)鍋に加え、蓋をずらしてのせてとろ火で1時間煮る。
・塩を加えてさらに2~4時間煮る。
・ラグーが煮上がったらちぎったバジリコを加える。
・リガトーニをアルデンテにゆでてラグー、こしょう、パルミジャーノ、ペコリーノでマンテカーレする。

こまででもうクタクタですが、これはまだラグー。次はジェノベーゼです。


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スーゴとソース
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2020年7月25日土曜日

「総合解説」のこと。最新のグランシェフのモッツァレラ・イン・カロッツァは日本のパン粉で揚げます。

総合解説」9/10月号発売しました。
「総合解説」は、イタリアのメジャーな料理雑誌『クチーナ・イタリアーナ

と『サーレ・エ・ペペ

のリチェッタと記事を日本語に訳して1つにまとめた小冊子です。
クレアパッソは、イタリア料理書の専門店ですが、最初は料理雑誌を主に販売していました。
そもそも私は外国の料理雑誌が大好きだったのですが、記事の内容はとてもおもしろいのに、外国語で読むのが大変で、写真しか見ていなかったのです。
そこである日、もっと記事を読んでほしい、記事を日本語に訳そう、と思い立ち、何冊かの雑誌のリチェッタと記事を訳しだしました。

最初は雑誌1冊丸ごと訳そうという夢のようなこと考えて、1冊ずつ解説を作っていたのですが、翻訳は想像していた以上に大変で莫大な時間がかり、結局は、いくつかの雑誌をまとめた翻訳にしよう、と今の形になりました。
その過程で、「総合解説」という変な名前になっちゃいました。
もう、かなり昔の話です。

長年続けていく間に、料理雑誌は、知識や情報の宝庫だという思いはますます強くなりました。
私は日本在住でイタリア人の親戚もいません。
現在の私のイタリアやイタリア料理の知識は、すべて雑誌を訳しながら手に入れました。
もちろんイタリアで食べ歩きができたらそれにこしたことはありませんが、それも無理なので、記事を訳す時は、イタリアでの食べ歩きの訳にたつことを意識しながら訳しています。
こんなことを知りたい、という皆様からのリクエストも大歓迎です。

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それでは、「総合解説」2018年9/10月号の最初の記事“『クチーナ・イタリアーナ』のリチェッタ“(P.2)の説明です。

最初の料理は“モッツァレラ・イン・カロッツァ”。
この料理は、つい最近訳したばかりのような気がします。
イタリアの人が大好きな料理です。
イタリア料理の基本の1品で、アレンジのバリエーションも豊富。
今月の「総合解説」では、チェリーモッツァレラで作るとてもカワイイフリットに、桃とトマトのサラダを添えるという、ファンタジーな1品に仕立てています。


ナポリ出身のミラノで注目されてる星付きシェフ、アンドレア・アプレアシェフのモッツァレラ・イン・カロッァmozzarella in carozza

材料/24個分
食パン・・12枚、計600g
モッッァレラ・ディ・ブファラ(できれば1日たった、水分の含有量が少ないもの)・・500g
卵・・大5個
00番の小麦粉・・100g
パン粉・・300g
揚げ油(ひまわり油)・・1L

・モッツァレラを厚さ1cmの輪切りにしてシートにのせ、シートをかぶせて抑えて水気を切る。
・パンにモッツァレラをはみ出さないように全体にのせて軽く塩をし、パンをかぶせてしっかり抑える。
・パンの耳を切り落とす。
・4つの四角形や三角形に切る。
・小麦粉、溶き卵、パン粉をまぶす。卵は余分な卵液を落としてダマができないようにしてからつける。形を整えて再びパン粉をつける。
・冷蔵庫で30分休ませて衣を固める。
・卵とパン粉をつけて冷蔵庫で30分休ませる。
・一部にはカリッと揚がる日本のパン粉をつけて、普通のパン粉のものと区別しています。
・170~180℃に熱した揚げ油で揚げる。
・バリエーション: ドライトマト、アンチョビ、バジリコをはさむ。

パン粉で揚げたのは、見慣れたおなじみの外見になりますね。
イタリアのパン粉はpangrattato、日本のパン粉はpanko。

そう言えば、数年前から、日本のパン粉が海外のグルメの間で注目されていました。
なんの変哲もなさすぎて、逆に不思議。
コロッケやメンチカツを超えられる腕のある人は、挑戦しがいがあるかも。



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総合解説
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2020年7月23日木曜日

シチリアのズッキーニとミントのパスタは白いズッキーニをこんがりきつね色に揚げる。

ナポリのズッキーニのパスタの次は、シチリアのズッキーニのパスタ。
シチリアはズッキーニと言うと、ロング・ズキーニのククッツァ・ルンガか、ズッキーニの葉とつるのテネルーミの料理のことで、ミネストラが一般的ですが、
テネルーミのミネストラ↓


もっと手に入りやすい食材のパスタを探したら、さすがは世界中から顧客がやってくるシチリアを代表するワイナリー、プラネタ。

島の各地に5つのワイナリーがあります。
シチリアはイタリアで一番ぶどうが栽培されている地方。
ズッキーニとミントのパスタは、プラネタ創業の地、メンフィとサンブーカ・ディ・シチリアのワイナリーのリチェッタ。
プラネタのプライドが感じられるシチリア料理本の秀作、『プラネタ
には、テネルーミのミネストラと一緒に、ズッキーニとミントのパスタのリチェッタがありました。
ズッキーニとミントのパスタPasta zuccchine e menta
材料/4人分
ロングパスタ(バベッテがお勧め)・・400g
白いズッキーニ・・400g
ミント・・1束
EVオリーブオイル・・1カップ

・ズッキーニをできるだけ同じ厚さの輪切りにする。
・少量の油できつね色になるまで揚げる。
・シートに取って油を切る。油は漉す。
・パスタをゆでて、揚げたズッキーニ、揚げ油大さじ2、ミントで調味する。
・サリーナ産ケッパーやトーストしたピスタチオ、レモンの皮のすりおろし、パルミジャーノを加えてもよいが、伝統的にはあまり複雑にしないシンプルなパスタ。




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総合解説
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2020年7月22日水曜日

ナポリのズッキーニのスカペーチェ。

ズッキーニの話、続きます。
今日はナポリのズッキーニ料理。
定番中の定番、ネラノのズッキーニのスパゲッティは以前に取り上げているので、

今日はナポリのもう1つのズッキーニの定番料理、スカペーチェ。

ナポリ料理のバイブル、『リチェッテ・ディ・ナポリ』のリチェッタをどうぞ。

ズッキーニのスカペーチェ/Zucchine alla scapece

材料
長いズッキーニ・・6本
EVオリーブオイル・・2、3カップ
ビネガー・・1カップ
ミント
塩・・大さじ1
ハーブ風味の粗塩
にんにく・・2かけ

・ズッキーニは厚さ0.5cmの斜めの輪切りにし、塩大さじ1を散らして覆いをし、2時間水気を切る。またはふきんを敷いた台の上に広げて天日で最低1時間乾かす。
・フライパンに油と潰したにんにく1かけを熱し、色がついたら取り除く。
・この油にズッキーニを入れて塩をし、ゆっくり揚げる。
・シートに取って油を切り、ビネガーをふりかけて粗くちぎったミントを散らしながらオーブン皿に重ねる。
・最低1日馴染ませてからサーブする。


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リチェッテ・ディ・ナポリ
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2020年7月21日火曜日

ズッキーニの花はちょっとお高くても他の食材がシンプルでいいから結局お得。ズッキーニの花とパンチェッタのスパゲッティ。

今日のお題は、夏になると必ず登場する野菜、ズッキーニです。
今月の「総合解説」(P.31)で取り上げていたリチェッタ、ズッキーニと花。
さすがに毎年の話題なので、今年はちょっとひねって、『花』とズッキーニを一緒にした料理です。
1品目のイカのスパゲットーニは、ベーシックなイカとズッキーニのパスタですが、ズッキーニの花が加わると、かなり華やかになります。

ズッキーニの花の下処理↓



ズッキーニの花とパンチェッタのスパゲッティ/Pasta con fiori di zucca e pancetta

・パスタをゆでている間にできる1品。
・ズキーニの花は茎、ガク、めしべを取り除く。さっと水に浸して洗い、シートに取って水気を拭き取り、乾いたら粗く切る。
・フライパンにオリーブオイルと潰したにんにく1かけを熱し、小角切りにしたパンチェッタをカリッとなるまで炒める。
・ズッキーニの花を加え、数分炒めてしんなりさせる。塩少々とこしょうを加える。
・にんにくを取り除く。
・パスタをゆでる。
・ズッキーニの花とパンチェッタにパスタのデンプンが溶け出たゆで汁をレードル1杯加える。
・ゆで上がったパスタを加えて火にかけたまま馴染ませ、その上からペコリーノをおろしながら加える。好みでゆで汁にサフラン1袋を加えてもよい。

ズッキーニの花のピッツァ/pizza con fiori di zucchine 

材料
中力粉・・1kg
水・・580ml
生イースト・・1g
塩・・30g
フィオルディラッテ(牛乳のモッッァレラ)
ズッキーニの花

・ピッツァ・ドウを伸ばしてバジリコ、ズッキーニの花、フィオルディラッテをのせる。
・オリーブオイルを回しかけ、500℃で60秒焼く。

ズッキーニ料理、次回に続きます。

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総合解説
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2020年7月20日月曜日

育ち盛りのベネチア人の空腹を満たしたソールフード、ポレンタ、バッカラ・マンテカート

ポレンタについて、もう少々。
“グイド・トンマージ”の力作地方料理シリーズの『ヴェネチア』に、ポレンタについてこんなことが書いてありました。
ポレンタは単なる食べ物以上の食べ物で、伝統と習慣と愛が詰まっている。
特にベネチア人にとっては、空腹で食べるものがない時に、たっぷり食べてお腹を満たす食べ物がポレンタだった。
ベネチアではポレンタは白だ。
黄色よりも軽くて栄養がある、と信じられていた。
魚料理だけでなく、肉料理にも合う。

なるほど、育ち盛りのベネチアの子供は、ポレンタを食べて育ったんですね。
空腹を満たすポレンタには、家族の愛情を感じる優しい思い出もたっぷり添えられて、ソールフードへとなっていったのでしょう。
確かに、ベネチアのオステリア料理の本を見ると、ポレンタが添えられた料理ばかり。
バッカラ・マンテカートだけじゃないですねー。
でも、欠かせないのはやっぱりこの料理。

バッカラ・マンテカートBaccalà manecato


材料
戻したストッカフィッソ・・800g(バッカラは塩漬けの干しダラ、ストッカフィッソは塩漬けしていない干しダラ)
イタリアンパセリのみじん切り・・1房
牛乳・・200ml
EVオリーブオイル・・200ml
にんにく・・1かけ
塩、こしょう

・ストッカフィッソを粗く切って鍋に入れ、水で完全に覆う。
・牛乳150mlと塩を加える。
・沸騰してから柔らかくなるまで20~30分煮る。表面に浮かんだ泡は取り除く。ストッカフィッソは戻すと元の重さの2倍になる。
・ストッカフィッソを取り出して皮と骨を取り除き、ミキサーに入れる。油を少しずつ加えながら撹拌して身が少量残ったクリームにする。または木べらでマンテカーレする。必要なら牛乳少々を加える。
・塩、こしょう、イタリアンパセリ、潰したにんにくを加えて仕上げのマンテカーレし、グリルした黄色いポレンタか、定番の白いポレンタを添えてサーブする。

ストッカフィッソを戻す。
ストッカフィッソとバッカラ↓

・表面の塩をブラシでざっと落として流水で洗う。
・皮を取りながら容器に合わせて筒切りにして水で完全に覆い、冷蔵庫に入れる。
・8時間ごとに水を替えながら最低48時間戻す。

ホテル学校の授業のイカのトマト煮とポレンタ


・バターと塩を加えた湯でポレンタを作って型に詰める。
・玉ねぎをみじん切りにする。
・イカを細く切る。
・玉ねぎとローリエ数枚をオリーブオイルでソッフリットにし、イカを加えてよく混ぜる。
・白ワインを加えてアルコール分を飛ばし、トマトペーストを加えて40分煮る。
・塩味を整える。
・ポレンタを皿にあけてイカを添える。皿の縁にトマトの粉を散らし、イカにイタリアンパセリを散らす。

入門編イタリア料理の教科書、
ポレンタの調味はバリエーション豊か。
唐辛子やパルミジャーノを加えたり、水の代わりに牛乳やブロードで煮てもよい、とあります。
魚や肉の付け合わせとしても万能ですが、きのこも定番です。
この本の著者はイギリス人なので、ポレンタをしばしばじゃがいものピューレに例えています。
この料理はきのこ狩りして集めた野生のきのこのこの料理。
料理の説明には、きのこ狩りは丘陵や山に住むイタリア人には趣味みたいなものとも・・・。
確かに。

ポレンタときのこpolenta e funghi

材料/6人分
塩・・大さじ1
ポレンタの粉・・300g
オリーブオイル・・60ml
ポルチーニなど生のワイルドフンギ・・400g
潰したにんにく・・2かけ
タイムのみじん切り・・大さじ1
マスカルポーネ・・150g
バター・・50g
おろしたパルミジャーノ・・50g+少々

・底の厚い鍋に水1.5Lと塩を入れて沸騰させ、強くかき混ぜながらポレンタの粉を振り入れる。
・すぐに火を弱めてダマにならないようにかき混ぜながら最低30秒煮る。
・時々かき混ぜながら40分煮る。固まって腰が出て、木べらから固まって落ちるようになったら煮上がり。
・その間に大きめのフライパンに油を熱し、表面を覆う程度のきのこを入れて強火でかき混ぜながらきのこの水分が完全に飛ぶまで炒める。
・にんにくとタイムのみじん切りを加えてさっと炒める。
・きのこをフライパンから取り出し、残りのきのこを炒める。
・きのこを戻してさっとなじませ、塩味を整える。
・ポレンタが煮上がったらきのこを再び熱してマスカルポーネを加え、ゆっくり溶かす。
・ポレンタにバターとパルミジャーノを加えて必要ならこしょうを加える。
・皿にきのこを盛り付けてポレンタを添え、残りのパルミジャーノを散らす。

ポレンタのリチェッタは探すと次から次へとおもしろそうなのが出てきます。


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グイド・トンマージの『ヴェネチア

クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ

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2020年7月19日日曜日

南伊の兵士は北部人をマンジャポレンタと呼んでからかったが、彼らがポレンタを食べたことがないのはバレてた。ハリーズ・バーのポレンタ

きのう、ハリーズバーのイカのスミ煮を訳したときに、一部省略した部分があって、ずっと気になっていたので、今日はその部分を訳します。
“ポレンタ”です。
リチェッタの前に、ポレンタについて、こんなことが書かれていました。
おそらく、ハリーズ・バーは、50年前にポレンタを出した最初のリストランテだと思う。
ポレンタは、長い間、質素な食べ物とみなされ、料理の付け合わせとして用いられていた。

私の父(ハリーズ・バーの創業者のジュゼッペ・チプリアーニ)が作っていたのは、母のリチェッタのポレンタだった。
煮るのに40分もかかるポレンタは、料理人が好んで作るような料理ではなく、忍耐が必要な料理だった。
子供の頃の、ポレンタの大好きな食べ方はいくつかあった。一つは、板の台にあけたできたての湯気のたったポレンタを厚くスライスしたもの。バターをのせるとすぐに溶け、そこにパルミジャーノを散らして食べた。
冷めたポレンタは、毎朝、牛乳か熱いカフェラッテに小片を入れた。あるいは薄すぎない程度にスライスして、てオーブンで炙るか、油で揚げた。

 南イタリア出身の兵隊は、北部人を「マンジャポレンタMangiapolenta」と呼んでからかったが、彼らがポレンタを食べたことがないのは明白だった。

確かに、ポレンタは 北イタリアの山間部の食べ物です。
小麦の栽培ができない地方で、小麦の代わりに栽培されたとうもろこしから作る食べ物。
パスタがあるところには、ポレンタの文化は根付かなかったのでしょうね。
逆に北イタリアには、様々なポレンタがあって、粉の種類もバリエーションも豊かです。
ベネトには白いポレンタもあります。
ジュゼッペ・チプリアーニは黄色いほうが風味が強そうで好きだと言っていますが、マイルドな白は、主に魚料理に添えます。

それではハリーズ・バーのポレンタLa polentaです。
材料/6人分
水・・1.5L
とうもろこしの粉・・250g
塩・・小さじ1.5

・底の厚い鍋(できれば銅鍋 )で水を沸騰させ、木べらでかき混ぜながらとうもろこしの粉をゆっくり加える。
・かき混ぜながら40分煮る。
・軽い焦げた香り(この香りが大好きだった )が立つまで煮る。


おまけの動画、ポレンタ・フリッタ

・硬めのポレンタを作り、台にあけて冷ます。
・塩とローズマリーを混ぜる。
・ポレンタが冷めたら縁を切り落として長方形に切、油で揚げる。
・熱いうちに塩とローズマリーを散らす。

ベネトのポレンタ

ベネトでは、焼き立てのパンはなくても毎朝、暖炉にかけた鍋にとうもろこしの粉を入れて混ぜながらことこと煮て、朝食にした。固まる前のポレンタは“パトゥーゴリ”と呼ばれ、これを鍋からすくって子供の朝のミルクと一緒に朝食にした。
ポレンタの縁にできたおこげは、冷めたら剥がして子供のおやつにする。
そんな食べ物でした。

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ハリーズ・バー
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2020年7月18日土曜日

シチリア料理の本からイカ縛り、イカスミのスパゲッティ、イカのリピエーノ、イカのフリット、ハリーズバーのイカのスミ煮、イカのマルサラ煮

イカのパスタの話、続きます。
ちなみに、今月の「総合解説」には、カラマラータ(P.24)の他に、小ヤリイカのリングイーネ(P.19)もありました。
イカと言えば、外せないのがイカ墨のパスタ。
最近入荷したシチリア料理のミニシリーズ、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”の『シチリア・イン・ターヴォラ
を、イカ縛りで見ていて、シチリアはイカ料理が豊富だということに気がつきました。
イカ墨のスパゲッティ、イカのフリット、イカのリピエーニ、イカのサラダ、などなど。
イカリングのリチェッタを、大きな写真つきでこれだけ大々的に取り上げてる本、見たことないです。

イカ墨のスパゲッティというとベネチア料理のイメージですが、ベネトはパスタよりリゾットの地方。
イカ墨のリゾットです。
では、イカ墨のスパゲッティと言うと、シチリアだったんですね、これが。
それではこの本から、イカスミのスパゲッティを訳してみます。
イカスミのスパゲッティSpaghetti al nero di seppia
材料/4人分
スパゲッティ・・350g
コウイカ・・4杯
玉ねぎ・・1個
トマトペースト・・大さじ2
白ワイン・・1/2カップ
EVオリーブオイル
唐辛子・・1片、塩

・イカを墨袋を破かないように下処理する。
・玉ねぎをみじん切りにして油大さじ5でソッフリットにする。
・その間にイカを細く切って小さく切り、ソッフリットに加える。火を強めてソッフリットにする。
・ワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・トマトペースト、唐辛子、イカスミを加える。
・弱火で15~20分煮る。塩味を見て(イカ墨には塩気がある)塩味を整える。
・ スパゲッティをアルデンテにゆでてイカのスーゴであえる。オリーブオイルを回しかける。
・皿に盛り付けてイカで飾り、すぐにサーブする。
イカ墨のスパゲッティ↓

次はやっぱりベネチアのイカ墨料理。

ハリーズ・バー』のリチェッタのポレンタのイカのスミ煮添えです。
パスタやリゾットにもよく合います。
ソースにする時は熱いブロード・ディ・ペッシェ少々を加えます。
コウイカのイカスミ煮Seppie in tecia col nero


材料/6人分
コウイカ・・1kg、小型なら500g
オリーブオイル・・少々
セロリのみじん切り・・1本
玉ねぎのみじん切り・・1個
にんにくのみじん切り・・1かけ
皮と種を取ったトマトの小角切り・・4個
白ワイン・・1カップ強
ローリエ
ポレンタ・・500g
粗挽きこしょう、塩

・イカを下処理して墨袋を外す(最低2個)
・イカの胴は皮をむいて幅2、3cmに切る。足は4つに切る。
・セロリ、玉ねぎ、にんにくを油で5分ソッフリットにし、トマトを加えて3分煮る。イカを加えて火を強め、数分炒める。
・ワインをかけて2、3分熱し、火を弱める。
・イカのスミ袋をザルで濾しながらスミを加えて黒い煮汁にする。塩、こしょうで調味し、蓋をずらしてのせて弱火でイカが柔らかくなるまで煮る(1時間30分)。必要なら時々水を足す。 
・オリーブオイルで揚げた、またはオーブンで温めたポレンタに添えてサーブする。
コウイカのスミ煮↓かなりマイルドなバージョン。
ハリーズ・バーの料理はどろどろで真っ黒です。

次は『シチリア・イン・ターヴォラ』から、シチリア風ヤリイカのリピエーニCalamari ripieni
材料/6人分
ヤリイカ・・6杯
トマト・・300g
卵・・1個
パン粉・・200g
にんにく・・3かけ
イリアンパセリのみじん切り・・大さじ2
EVオリーブオイル、塩、こしょう

・イカを破かないように下処理する。
・トマトは皮と種を取って粗く刻む。
・イカの足と潰したにんにく2かけを油で炒め、トマトを加えて塩味を整える。
・パン粉、卵、イタリアンパセリ大さじ1、残りのにんにく、塩、こしょうを混ぜてイカに詰め、楊枝で閉じる。
・鍋にイカを入れてトマトソースで完全に覆い、約25分煮る。
・トマトソースをかけてサーブする。足は小さく切ってパスタソースにする。



イカのフリットは、特に変わったこともなく、小麦粉をつけて揚げるだけですが、セモリナ粉で揚げます。ヤリイカのフリットCalamari frittti

最後はシチリアのちょっと変わったイカ料理です。
ヤリイカのマルサラ煮Calamari al Marsala
材料/5人分
輪切りにしたイカ・・500g
玉ねぎ(ジャッラタナの玉ねぎ)・・1個
トマト・・小2個
マルサラ・・1カップ
塩、こしょう、EVオリーブオイル

・玉ねぎを薄切りにして水大さじ数杯で煮る。
・玉ねぎが柔らかくなったら油、皮をむいてフォークで潰したトマトを加えてよく混ぜ、イカの輪切りを加える。
・マルサラ1/2カップを加えて火を強め、アルコール分を飛ばす。
・火を弱めて10分熱する。
・塩、こしょうを加えて仕上げに残りのマルサラを加える。火を止めて馴染ませる。

ジャラタナの白い金こと玉ねぎは、少し前にも出てきました。
ジャッラタナはラグーザ県の町。景気がいい収穫祭↓



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クチーナ・シチリアーナ
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2020年7月17日金曜日

パッケリを輪切りにするとカラマラータに。そう言えば、どちらもグラニャーノ生まれでした。ストラッチャテッラのカラマラータ。

パッケリに続いて、もう1品。
今日はカラマラータCalamarataです。
今月の「総合解説」P.24にあります。
料理名はカラマラータ・アッラ・ポネンテ・コン・ストラッチャテッラ。
カラマラータは、イカリング型パスタですが、パッケリを輪切りにした形でもあるんですね。
ナポリではメッツィ・パッケリとも呼ばれるそうです。
グラニャーノ生まれのパスタということもあって、パッケリの一種だと勝手に思っています。
カラマラータはイカのソースと組み合わせるのが定番ですが、今回は、ストラッチャテッラのソースです。
定番のイカのソースのカラマラータ↓

ストラッチャテッラは、パスタ・フィラータのチーズをちぎった小片に生クリームを加えたクリーム状のものです。
言い換えればブラータの中身。
今回は、それにペスト・ジェノヴェーゼを加えただけの簡単ソースです。
写真はこちら。 
ポネンテはジェノバの西のリビエラ西海岸のこと。
ジェノベーゼ入なので、アッラ・ポネンティーナ。
この名前は応用できそう。
ブラータはアンドリア生まれのプーリアの特産品。
ストラッチャテッラの作り方↓

a.モッッァレッラ少々を小さく切ってボールに入れ、熱湯を加える。
・なめらかになるまでこねる。
・冷水に入れる。
・牛乳、ヘビークリーム、海塩を混ぜ、割いたaを加える。ヘビークリームを足す。

パスタが食生活に起こした革命を教えてくれる本、『パスタ・レボリューション』には、

アンドレア・アプレアシェフのカラマラータのリチェッタがありました。
彼はナポリ出身でミラノで成功した人。ナポリとミラノの伝統を組み合わせたら右に出るものがいない人です。
ナポリのイカリング型パスタは、どんな料理になるのでしょうか。
アンドレア・アプレアシェフの店は、パーク・ハイアット・ミラノのリストランテ・ヴン。
2018年ミラノのベストレストランに選ばれた。

カラマラータ、子牛のジェノベーゼ、ペコリーノとサフラン風味Calamarata, genovese di vitello, pecorino e zafferano
材料/4人分
カラマラータ・・250g
子牛のジェノベーゼ
 子牛のほほ肉・・600g
 白玉ねぎ・・200g
 にんじん・・20g
 セロリ・・40g
 ローリエ・・0.5g
 白ワイン・・2カップ
 野菜のブロード・・1L
 EVオリーブオイル

ペコリーノとサフランのスプーマ
 ペコリーノ・ロマーノ・・350g
 卵白・・100g
 牛乳・・500ml
 サフラン(ホール)・・3g

仕上げ用クレソン・・20g

・子牛のジェノベーゼ;ほほ肉を両手鍋で焼き、深さのある天板に移す。
・玉ねぎ、にんじん、セロリをソッフリットにして白ワインをかける。
・香味野菜を肉にのせ、ローリエを加えて熱い野菜のブロードをかけて肉を覆う。
・140℃のオーブンで肉が柔らかくなるまで焼く(3 時間)。
・粗熱を取って肉をほぐす。
・焼き汁と玉ねぎは別にしてほぐした肉にかける。

・サフランとペコリーノのスプーマ;牛乳を2/3に煮詰めて火から下ろし、おろしたペコリーノとサフランを加える。ハンディミキサーで撹拌してシノワで漉し、卵白を加える。
・カートリッジを2個充填したサイフォンに入れ、湯煎にかけて55℃に保つ。
・パスタを硬めのアルデンテにゆでてEVオリーブオイル少々でマンテカーレする。
・皿に子牛のジェノヴェーゼを注ぎ、その上にカラマラータを盛り付ける。各パスタにサフランとペコリーノのスプーマ少々をのせる。
・クレソンのスプーマや葉で飾る。

ナポリ名物のラグー・ジェノヴェーゼと、ミラノ風リゾットの主役サフランの組み合わせ。

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パスタ・レボリューション
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2020年7月16日木曜日

パスタの設計図はスーパーカーなみ、メチャかっこいい。今日のリチェッタは、プーリアの揚げパスタ、チチェリ・エ・トリア

今日は今月の「総合解説」から揚げパスタの話。
揚げパスタは、イタリアではとても珍しい料理です。
パスタに対する取り組みが画期的ですごい本、
パスタ・レボリューション』によると、そもそもパスタは、最初はゆでるんじゃなくて揚げていたんだそうです。でも、その後広まらなかったことを見ると、やっぱりゆでる方が美味しかったのか。
パスタの歴史は発明の歴史で、乾かして長期保存可能にした麺を戻す方法として、普通に考えつきそうなゆでるという作業も、誰もやったことのないことを思いつくというのは、柔軟な発想と奔放な想像力が必要な革命だったのでした。
パスタを揚げる料理というのは、長年イタリア料理を訳していても、地方料理で思い浮かぶのはただ1品だけ。純粋に揚げるのではなく、手打ちパスタの一部だけを揚げて、生麺と一緒に混ぜる料理です。
お味噌汁に油麩が入ってるイメージかも。
その料理はプーリアのチチェリ・エ・トリア。

チチェリ・エ・トリアCiceri e tria
・セモリナ粉500g、ぬるま湯80ml、塩少々をこねてまとめ、ラップで覆って10分休ませる。
・薄く伸ばしてフェットチーネにカットする。
・半量をピーナッツ油できつね色に揚げる。
・残りのパスタをゆでる。
・ゆでたひよこ豆(チチェリ)とパスタ、(揚げたパスタ、トリアも)を混ぜる。好みで唐辛子を加えてもよい。
 
今月の「総合解説」の“モッッァレラ・ファミリー”の記事には、数年に一度しかない、揚げパスタのリチェッタが紹介されていました。
“モッッァレラとリコッタ詰めパッケリのフリット”です。
リチェッタはP.28
パッケリはチーズを詰めると俵型になって、揚げるのにピッタリの形じゃないですか。
しかもパン粉がきつね色になるとお稲荷さんみたい。



パスタ・レボリューション』には、とても興味深い写真もありました。
パッケリを元にしたパスタの設計図です。
グラニャーノのパスタメーカー、カンピのマウロ・オリヴィエーリというデザイナーが設計したカンポッティというパスタですが、2013年に、工業デザインの権威ある有名な賞、コンパッソドーロを取っていて、イタリアのスーパーカーの設計図かと思うくらい、カッコいい設計図です。
パスタで唯一受賞した作品。
こんな形を可能にしたのはダイスの発明。
ダイスは最初は木製で、スパゲッティ用の丸い穴が空いていた。
次に銅製、ブロンズ製になり、煮崩れないパスタの大量生産が可能になった。
ゆでても崩れずに形を保つパスタは、麺大国のアジアにもなかった。
イタリアの偉大な発明だった。
グラニャーノのパスタメーカー・カンピ

有名なフード・デザイナーなんですね。マウロ・オリヴィエーリ氏。


形、歯ごたえ、厚さ、粗さ、カーブなどが考えつくされています。
パスタの形は、最初のフードデザインと言われています。
2018年のコンパッソ・ドーロ受賞作


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パスタ・レボリューション
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2020年7月15日水曜日

レンガ型のカチョカバッロ、ラグザーノは、シチリアを代表するチーズの一つ。ラグザーノのリゾット。

モリーゼのカチョカバッロのリチェッタを調べていて、結局シチリア料理に
たどり着きました。
シチリア料理のミニシリーズ“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”の『シチリア・イン・ターヴォラ』をパラパラ見ると、ほとんどのシチリア料理にはペコリーノやカチョカバッロ、プリモ・サーレなど、何かしらのチーズが入っていることがわかります。
さらに、熟成具合はスタジョナートやセミスタジョナート、形状はおろす、細くおろす、薄片など、実に様々、こだわりの指定がされています。

色々見た中で、一番インパクトがあったのは、シチリアを代表するワイナリー、プラネタの力作、

シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタの1枚の写真。

レンガのような形のラグザーノがたくさん吊るされている写真でした。
ラグザーノは、カチョカヴバッロの一種です。
シチリアでも最も古いチーズの一つで、その名前は生産地、ラグーザからつけられています。
ラグーザ、世界遺産のバロックの街。


ラグザーノはイタリアを代表する牛乳のパスタ・フィラータのチーズの一つで、強い味と生地のなめらかさが特徴。
吊るされていてもレンガ型なので吊るし首感がなくて、あのトラウマが消えていく・・・。ただしこれ↓はアート・インスタレーションなので、鑑賞用。

シチリアのチーズ。シチリアはチーズ天国だった。

ラグザーノの巨大なレンガ型は輸出に最適。
それでは、プラネタ家のラグザーノのリゾットRisotto  al Ragusanoのリチェッタをどうぞ。
材料/4~6人分
カルナローリ米・・400g
ラグザーノDOP・・250g
セロリ・・1本
にんじん・・1本
ジャッラターナの玉ねぎ・・2個、300g
ワイン・・1カップ
塩、粒こしょう
ジャッラターナの白い金、玉ねぎ


・セロリ、にんじん、玉ねぎ、塩、粒こしょうで軽いブロードを取る。
・口の広い鍋で米を炒める。米が熱くなったらワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・ブロードをかけながらリゾットに煮る。
・ラグザーノをおろす。
・8~10分煮たら火を止め、おろしたラグザーノを加えてマンテカーレする。
・沸騰したブロードでクリーミーで適度な濃度にする。


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シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ

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2020年7月14日火曜日

シチリアのカチョカバッロ料理。うさぎ料理に香りが似ていたので、見栄を張るためにご近所に香りを漂わせていました。カチョカバッロの銀細工職人風。

昨日のお題、難しすぎました。後悔してます。
そもそも、カチョカバッロ、プローボラ、スカモルツァは、両シチリア王国に広まったチーズ。両シチリア王国は、言い換えれば南イタリア。
王国の首都があったナポリとシチリアを除けば、プーリア、カラブリア、アブルッツォ、モリーゼ、バジリカータという、イタリア料理の世界では情報の少ないまだあまり知られていない地方。
そんな地方のチーズを調べようなんて、牛飼いでもないのに無理でした。
しかも、カチョカバッロ料理の一つとして紹介したストリートフードの吊るし焼きは、なんと、イタリア語でcaciocavallo impiccatoと呼ばれているなんて。
impiccatoって、絞首刑ですよ。外国語でこんな言葉知ってるわけないじゃないですか。
見た目は確かにインパクトあったけど、こんな名前じゃ、広まらないよ~。
そもそも、外国に広める気ないですよね。

仕方がないので、今月の「総合解説」P.23の記事“モッッァレラ・ファミリー”の話でお茶を濁すか・・・。
モッツァレラもカチョカバッロも、パスタ・フィラータのチーズの一種。
モッッァレラは元々は水牛のミルクから作ったものを意味していましたが、次第に牛乳から作ったものの量が増えて、両者ともモッツァレラと呼ぶようになったという経緯があります。
昔は水牛のチーズはブファラ、牛乳のチーズはフィオルディラッテと呼んで区別していたのですが、次第にこの習慣も廃れました。
両シチリア王国のチーズは、このパターンが多いですよね。
最初は同じ製法のほぼ同じチーズだったけれど、次第に区別しなくなる。
そもそも、そういうことにはこだわらない地方のようです。

今日は違いを調べるのは諦めて、カチョカバッロを使っているシチリアやナポリ料理を探してみました。
から、まずは“チーズの銀細工師風Cacio all'argintera”

材料/4人分
カョカバッロ・フレスコ・・500g
EVオリーブオイル・・1/2カップ
ビネガー
にんにく・・2かけ
オレガノ、こしょう

・チーズを厚さ1cmにスライスする。
・フライパンでにんにくを炒める。焼き色がついたら取り除き、チーズを弱火で焼く。
・さっと焼いたら裏返し、こしょう、オレガノ、ビネガーを散らす。
水気が飛んだらすぐにサーブする。


巷には様々なリチェッタが出回っているようですが、
こちらのページによると、この料理の名前は、パレルモのヴッチリア市場の近くにあった銀細工師が多く住む“アルジェンテリア通りvia Argenteria”からつけられたそうです。
ヴッチリア市場

この通りに住むある銀細師は、破産したけれど見栄を張って、うさぎ料理のようないい香りがするこの料理で、いつもごちそうを食べている風を装ったのだそうです。

めんどくさいシチリア人気質から生まれた料理だけど、香り、かいでみたい。

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ルスティケリーア
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2020年7月13日月曜日

カチョカバッロ、プローボラ、スカモルツァの違いを述べよ。おまけのリチェッタ、ペコリーノのグリルの蜂蜜ソースがけ。


まず、カチョカバッロ。
ストリートフードの無敵の王者、カチョカバッロとアッロスティチーニ。

火の上で吊るして溶かすと、ラクレットによく似た状態に。
ちなみにラクレットはこう↓焼き方が上下逆。


南イタリアのもう1つの代表的チーズ、ペコリーノはグリルして蜂蜜のソースをかける。

上の動画のソースはこけももの蜂蜜のソース。
材料/ミックスチーズのグリル、こけももの蜂蜜のソースがけformaggi alla griglia con salsa al miele di corbezzolo
こけももの蜂蜜(ほろ苦さがある強い味の蜂蜜)・・80g
りんご酢・・大さじ2
油・・60g
塩、こしょう
タイム
・スライスしたペコリーノ・・4枚
・スライスしたスカモルツァ・・1個
・トミーノ・・3個

ペコリーノのロースト



カチョカバッロは南イタリア全域で愛されているチーズ。
でも、突き詰めていくと、必ずぶつかるのが、プローボラやスカモルツァとなにが違うの、という疑問。
どれも南イタリアでよく聞くパスタ・フィラータのチーズです。

カチョカバッロ・ポドリコ。ポドリカ種の牛のミルクから作ります。


カチョカヴァッロ・シラノDOP。カラブリアのシーラ山地で作られています。

カョカヴァッロ・ディ・ゴドラノ。シチリアのパレルモ県のゴドラノで作られています。


どのカチョカバッロも製法は同じ。南イタリアの旧両シチリア王国(ナポリ王国とシチリア王国)の領土で作られていて、違いを生むのは牛が飼育されている環境だけ。
ちょっと頭をスッキリさせないと。
明日はプローボラです。

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総合解説
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2020年7月12日日曜日

名物チーズはアブルッツォはペコリーノ、モリーゼはカチョカバロ。カチョカバロのフライパン焼き

イタリア・イン・クチーナ』の解説、次は、今月の「総合解説」(2018年7/8月号P.14~)でも取り上げた、アブルッツォ(とモリーゼ)の料理です。
度々言ってますが、アブルッツォとモリーゼは1962年までは1つの州でした。
アペニン山脈とアドリア海に挟まれた、手つかずの自然に満ちた、あまり知られていない、イタリアでトップを争うマイナーな州ですが、素晴らしい地方です。




料理もほとんど知られておらず、本で紹介されているリチェッタは、珍しいものばかり。
モリーゼ料理↓

アブルッツォ同様、モリーゼにも羊の移牧の文化があり、豚や家禽の飼育、チーズ用の牛の飼育も普及している。
アブルッツォで一番普及しているチーズはペコリーノだが、モリーゼではカチョカバロだ。

最初に知るべき名物食材は、カチョカバロ・ディ・アニョーネcaciocavallo di agnone

カチョカバロは、南伊で最も普及している南伊独特の製法、パスタ・フィラータの山の放牧地で放し飼いにされている牛のミルクに子羊や子ヤギのカートを加えたチーズ。
大きな洋梨型にして吊るし、天然の洞窟の熟成庫で3~12ヶ月熟成させる。
熟成が進むと色が濃くなり、味は強くなって辛味も増す。

アニョーネはモリーゼのイセルニア県の山の中にある小さな村。
冬は雪が2mも積もるような場所で作られているチーズ。
モリーゼ料理は羊飼いと農民の、手に入るわずかなもので作る質素な料理といわれているが、ボローニャなど北イタリアの大都市まで行き来する羊飼いによって北イタリアの食やワインの文化が伝わった。
ワインもオリーブオイルも白トリュフもある。
各種のサルーミやチーズが作られている。

カチョカバッロの比較的ポピュラーなリチェッタ、カチョカバロのフライパン焼きアッラ・ピアストラCaciocavallo appa piastra


・ラクレット用鍋を熱する。カチョカバロを幅5mmに切る。鍋が温まったらチーズをのせて、最初の泡ができて蜂蜜色になったら裏返す。両面焼けたらすぐにサーブする。好みでジャムを添えてもよい。
動画では自家製唐辛子のジャムを添えている。


いろんな意味ですごいカチョカバロのストリートフード、つるし焼き?

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イタリア・イン・クチーナ
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2020年7月11日土曜日

ピエモンテの鶏肉のカッチャトーラ。ただし全国的に普及した家庭料理なので発祥地は不明。バリエーションはビアンコかロッソ。

新入荷の『イタリア・イン・クチーナ』は、読めば読むほど便利な本だなあ、と感じます。
ただ、今頃大発見。

リチェッタは、オステリエ・ディ・イタリア2017と同じものであることが判明
『オステリエ・ディ・イタリア』は、膨大な数のリチェッタを集めた分厚い本ですが、『イタリア・イン・クチーナ』は、その中からリチェッタを厳選したらしいです。
その文、写真や解説もあって、かなり読みやすい本です。

とりあえず、イタリアの地方料理の本を1冊選ぶなら、『イタリア・イン・クチーナ』がお薦めです。

この本の紹介がてらピエモンテ料理を日本語に訳していますが、今日はセコンドから、カッチャトーラなんてどうでしょう。
そもそも、カッチャトーラって、ピエモンテ料理なんだっけ。
本には、多分エミリア地方発祥の家庭料理だが、北イタリア全域に広まった、と最後にさらっと書いてあります。

クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』には、中部イタリア発祥だが、イタリアではありがちで、イタリア全国に広まっていると、あやふやにする気満々のコメント。

長年の経験から言うと、この時点でルーツ探しはあきらめたほうが懸命です。

スローフードの本で、カッチャトーラのリチェッタを紹介している店は、アスティ県の名店、リストランテ・ベルボ・ダ・バードン。

トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ/1巻北』にもこの店が取り上げられています。
それによると、店はニッツァ・モンフェッラートとカネッリの間にあり、1891年にジュゼッペ・バードン氏がレストランのライセンスを取った時、ここはトラットリアをやるには理想的な場所だ、馬小屋まである、と思って始めたのだそうです。昔ながらの伝統的なピエモンテ料理を出す店で、現在は4代目が継いでいます。

それでは、『オステリア・ディ・イタリア』から、“”鶏肉のカッチャトーラPollo alla cacciatora”のリチェッタをどうぞ。
材料/4人分
鶏肉・・1羽
赤と黃のパプリカ・・各1個
ホールトマト・・4~5個
セロリ・・2本
にんじん・・3、4本
玉ねぎ・・3、4個
バジリコ・・1房
ローズマリー・・1枝
白ワイン・・1カップ
ブロード・ディ・カルネ
EVオリーブオイル
塩、こしょう
砂糖・・大さじ1

・玉ねぎとローズマリーのみじん切りをソッフリットにし、きつね色になったら小さく切った鶏肉を加える。
・ワインをかけてブラザーレする。
・35~40分煮て水気がなくなったらレードル2、3杯のブロードをかけてさらに煮る。30分ほど煮たら小さく切ったセロリ、にんじん、パプリカを加えて塩、こしょうする。砂糖とバジリコを加える。
・鶏に火が通ったら小さく切ったトマトを加える。

カッチャトーラのバリエーションは、トマト入りと

トマトなしのカッチャトーラ・イン・ビアンコPollo alla cacciatora in bianco
この場合のトマトとは、缶詰のトマトのこと。


材料/4人分
鶏上もも肉・・8本
グリーンオリーブ・・200g
にんにく・・2かけ
EVオリーブオイル・・大さじ2
白ワイン・・1カップ
セージ・・2、3枚
ローズマリー・・2枝
ローリエ・・1枚、塩

・フライパンに油少々と皮つきにんにく2かけを熱し、鶏肉を皮目から焼く。しっかり焼き色がついたらワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・セージ、ローズマリー、ローリエ、塩を加えて最低40分煮る。
・オリーブを加える。必要なら湯か野菜のブロードを足して5分煮る


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2020年7月10日金曜日

バーニャ・カウダのポイントはカンタブリコのアンチョビだった。スローフードvs料理アカデミー

スローフードのイタリアの地方料理が1冊にまとまった力作地方料理書
イタリア・イン・クチーナ』を読んでいます。
ピエモンテ州の地理や歴史、主要な食材をざっと紹介したら、次はリチェッタです。
まずはピエモンテ料理の入門料理ならこれ、という代表料理、バーニャ・カウダから。
その次は何でしょうか。
カルピオーネでした。そして玉ねぎのリピエーネ、ジャルディニエーラと続きます。
さらに次はPess-còjという聞いたこともない料理。ロールキャベツのカルピオーネでした。

こんな風に、メジャーとマイナーを織り交ぜながら、料理はプリーモ、セコンド、ドルチェへと進んでいきます。
アレッサンドリアの商業会議所のリチェッタのバーニャ・カウダ↓


バーニャ・カウダは無数のバリエーションがある料理です。
それでは、スローフードが紹介するバーニャ・カウダBagna caodaのリチェッタをどうぞ。
材料
にんにく・・6玉
生やゆでた季節の野菜
塩漬けアンチョビ・・500~600g
牛乳・・500ml
卵(好みで)・・4~6個
EVオリーブオイル・・6カップ

・アンチョビは洗わない。にんにくは皮をむいて中の芽を取り除く。
・野菜は秋から冬の旬の野菜を使う。カルド・ゴッボ・ディ・ニッツァ、パプリカ、エンダイブ、スカローラ、トピナンブール、かぶ、キャベツ、ポロネギなど。
ニッツァ・モンフェッラートのカルド・ゴッボ

・じゃがいも、ビーツ、カリフラワー、玉ねぎはゆでる。パプリカはローストする。
・陶器の浅鍋ににんにくと牛乳を入れて沸騰させずにゆっくり煮る。
・牛乳を取り除き、にんにくをフォークで潰して濃い均質のクリームにする。オリーブオイルとちぎったアンチョビを加えて弱火でアンチョビを完全に溶かす。
・陶器の専用卓上ウォーマー(fojòt)に入れて下処理した野菜を添える。

次は、スローフードと並ぶイタリア料理の2大お目付け役、イタリア料理アカデミーの本、

スーゴとソースバーニャ・カウダbagna caudaです。

さすがは料理アカデミー。とにかくうんちくが山のように書かれています。
まず最初に、バターについての考察があり、ピエモンテ料理におけるバターの役割がばっちりわかります。
話はさらにラルドやラード、オリーブオイル、くるみオイルへと広がっていき、バーニャ・カウダのオリーブオイルも元々はくるみオイルだったと、いいかげんなことは許さない徹底した調査ぶり。
もちろん、海なし州ピエモンテの魚のソース、バーニャ・カウダのアンチョビは、海上アルプスの塩の道を通って運ばれてきて、やがてアスティの名物になり、庶民の食べ物と言われながらも、その栄養価や味が高く評価されて、バーニャ・カウダのようなピエモンテの名物料理にまで昇華したといった壮大な歴史も記されています。

現代の塩の道は人気のツーリングコース


それでは料理アカデミーのリチェッタをどうぞ。
材料/12人分
にんにく・・12玉
EVオリーブオイル・・6カっプ
くるみ油・・小カップ1
スペインのカンタブリコの赤アンチョビ・・600g
カンタブリコのアンチョビ


・皮をむいて目を取ったにんにくを薄切りにして陶器の浅鍋に入れる。
・オリーブオイル1カップを加えてとろ火にかけ、木べらでかき混ぜながら色がつかないように熱する。
・アンチョビを塩抜きして骨を取り、赤ワインで洗って水気を拭き取る。
・アンチョビを浅鍋に加えて混ぜ、残りのオリーブオイルで覆って弱火で揚げないように30分煮る。
・好みで、もっとマイルドにしたい時はバターを少量加える。

・熱した専用ウォーマー(fojòt)に入れて下記の野菜を添える。

カルド・ゴッボ・ディ・ニッツァ、きくいも、キャベツ、チコリ、スカローラ、パプリカ、酢漬けのピーマン、4つに切ってバルベーラに浸した葉玉ねぎ
温野菜
ビーツ、ゆでたじゃがいも、オーブン焼きの玉ねぎ、カボチャ、ポレンタ・フリッタ、ローストしたパプリカ


次はスローフードの得意分野、オステリアのリチェッタです。

オステリエ・ディ・イタリア2017から、ニッツァ・モンフェッラートのヴィネリア・デッラ・シニョーラ・イン・ロッソのリチェッタをどうぞ。

と思ったのですが、なんと『イタリア・イン・クチーナ』のリチェッタと同じことが判明。
アンチョビは
・肉厚で脂ののった、できればスペインのカンタブリコのものを選ぶ。
・塩から出したてのアンチョビの骨を取る。洗わない。
となっていました。
微妙に違いもあるみたい。

それにしてもカンタブリコのアンチョビ、美味しそう。



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オステリエ・ディ・イタリア2017
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2020年7月9日木曜日

『イタリア・イン・クチーナ』のイタリア地方料理レッスン、ピエモンテ

新入荷の本、『イタリア・イン・クチーナ』の案内、続けます。
イタリア地方料理の教科書としても秀逸な本です。


州別に食文化と伝統、リチェッタを紹介しています。
今日は、ピエモンテの一部を訳してみます。
まず最初に、各州の特色が短くズバッと言い表されています。

ピエモンテは、ヨーロッパの主導権をめぐる争いの中でサヴォイア家と共に成長した地方。
トリノの公爵領から、スペインとオーストリアの戦争によって一国の首都へと変貌した。
現在のピエモンテ料理の名声の大部分は、ワインの素晴らしさと貴重な白トリュフと結びついている。
ピエモンテ州↓


ピエモンテは限界の地の起業家精神に満ちた地方。
フランスとの国境地帯にあるピエモンテは、フランスから大きな影響を受けてきた。その一地方のランゲは、エノガストロノミー観光業の中心地として国際的な市場を形成してきた。この幸運を支えているのは伝統と職人技が作り出す農作物だ。
トリノでは18世紀にベルモットやジャンドゥイオットを生み出し、ニッツァ・モンフェッラートのフランチェスコ・チリオはイタリアの保存食産業のパイオニアとなった。

ピエモンテ料理

現在のピエモンテ料理の名声の大部分は、飲食業者とワイン製造業者によって作り上げられた。
ピエモンテ料理は他の州と比べると、宮廷料理と庶民料理の垣根が低い。
宮廷料理に庶民が作る食材がたくさん使われているからだ。
ロンバルディア州との堺の平野は米の産地。湖からは川魚が届いた。アルプスの山はチーズやピエモンテ牛の産地だった。

ピエモンテ独特の食習慣の一つが、アンティパストの重要性、生麺のプリーモ・アッシュット、バターやラードといった動物製油脂、ドルチェの豊かなバリエーションなど。

ピエモンを代表する産物は、アルバの白トリュフ、ピーマン、ヘーゼルナッツ、ピエモンテ牛。

中でも特徴的なのが、クーネオやアスティ地方で栽培れているペペローニpeperoni。
特に知られているのが肉厚なカルマニョーラ(トリノ県)産。ピンツィモーニオpinzimonioやうさぎ肉の付け合せに最適。

カルマニョーラのピーマン。

そして現在のピエモンテの注目の料理人は、マッテオ・バロネットシェフ。

ミラノのカルロ・クラッコシェフの元で長年働いた後と、2013年に故郷のトリノに戻って、街のシンボルのレストラン・デル・カンビオのシェフになった。

デル・カンビオ
動画の中で話している人(オーナー)の横に立っているのがマッテオシェフ。


トリノ一の一流店。
シェフがトリノに戻って感じたのは、ミラノとトリノの根本的な違いだったそうです。

トリノではそこら中が伝統で一杯で、何にでも最高と試行錯誤を求められた。ミラノではここまで伝統へのこだわりを感じたことはなかった。すでに先人が試行錯誤の中から最高のものを作り出しているピエモンテ料理の、新しい1品を作り出すのは、料理をさらに複雑にする行為だった。

だが、伝統料理の素晴らしい点は常に変化することだと私は考えている。シェフが各地で培った経験が料理に加えられて、革新が生まれる。

伝統を誇る一流店のシェフになるのは、大変なことなんですねえ。
ピエモンテ料理の話、次回に続きます。

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イタリア・イン・クチーナ
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2020年7月8日水曜日

スローフードがシチリアの食文化を代表する料理人として選んだのは、ノートのカフェ・イタリアのオーナー・パスティッチェーレ。

新着書籍のご案内です。


スローフードの地方料理書です。
1冊にイタリアの約20ある各州の代表的料理が詰まったこの種の本の中でも最新版です。
もっともモダンなイタリア地方料理書。
しかも、スローフードの本には珍しく、写真が一杯。
かつ、スローフードの本らしく、料理はとことんディープ。
記事は深い考察がいっぱいで、何より、安心の信頼感。
イタリアの珍しい地方料理のリチェッタを知りたい、と思った時に、手元にあると、とても便利な1冊です。
相当分厚いけれど、手に持てない厚さじゃなく、実用性も追求されています。
各州の注目の料理人や職人を紹介しているのも、この種の本にしては、野心的な試み。
例えば、シチリアでは、1892年創業のノートの歴史的カフェ“カフェ・シチリア”(webページはこちら)のオーナーでイタリアを代表するパティシエのコッラード・アッセンツァ。↓
昔ながらの職人気質のアッセンツァ氏。


どんな最果ての村でも、イタリアでナンバー1の素晴らしい職人を探し出すスローフードの組織力と確かな判断力は、本当に素晴らしい。
今すぐこの店に飛んでいきたい。

シチリアを代表する食材として選んだのはリコッタ。





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2020年7月7日火曜日

ナポリのサングリア、ペルコーカ・ネル・ヴィーノ


ナポリのワインの話になったところで、今日は番外編。
おなじみピニャタロさんはワインにも詳しい人なので、彼の著書リチェッテ・ディ・ナポリ
の中からワインの話題を探していたら、
面白そうな話を見つけました。
この本は本当に素晴らしく、ナポリ料理だけでなく、イタリアの食文化のまったく知られていない話でも、ナポリにまつわる話なら、丁寧に調べ上げています。
ただ問題は、写真が一切なく、イタリア語を読み込まなくてはならないこと。
最初はとっつきにくい。
でも、ちょっと頑張って読んでみると、ナポリ料理の面白すぎる世界にすぐに引き込まれます。
今回、ちらっと目に止まったのは、「ナポリのサングリアsangria napoletana」という文字。
ナポリのサングリアと呼ばれている飲み物があるのだそうです。
おそらく、スペインがナポリを統治していた時代に伝わったと言われています。
軽くてフレッシュなワインに、南イタリアの夏の果物、“ペルコーカpercoca”と呼ばれるナポリの桃、(中部や北部では、加工品用に栽培が広まっている品種)を切りながら落として浸します。

プーリアのペルコーカの収穫祭↓


これをタンニンの少ない、よく冷えた赤や白ワインに浸した飲み物で、材料は2つだけなので、どちらも質が良いことが大事。
私のお勧めワインはビアンコレッラBiancolella。

ペルコーカ・ネル・ビーノ


ペルコーカ入りワインPercoche nel vino
材料
ペルコーカ・・1kg
ワイン・・1L

・ペルコーカの皮をむく。
・大きなピッチャーを白ワインで満たし、その中にペルコーカを粗く、不揃いに切りながら落とす。
・一晩冷蔵庫で冷やしてサーブする。
※桃は完熟して、実が締まったものを使う。不揃いに切る間に出た汁が美味しいのでこれもワインに落とす。

切り方がぎこちないほうが美味しくなるみたいなこと書いてあります。


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「総合解説」
リチェッテ・ディ・ナポリ
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ミラノでは、洋梨とチーズの組み合わせは、農民には教えるな、と長い間言い伝えられてきた。姑いびりかい。

今日は、ミラノ料理の本、『 クチーナ・ミラネーゼ 』 洋梨とゴルゴンゾーラという黄金の組み合わせについて、こんなことが書いてありました。 洋梨とゾーラはミラノの定番の伝統的農民料理、ポレンタ・エ・ゾーラのバリエーション。 ゾーラ(ゴルゴンゾーラ)はタレッジョやストラッキーノなど、...