2019年12月14日土曜日

北と南の米料理

まず、リゾットの作り方は、使う米によって違います。
南イタリアは硬質小麦とトマトが根付いたことで、ピッツァを生み出しました。
北イタリアでは米が育ちました。

リゾットがピッツァに匹敵する北イタリア生まれの素晴らしい料理だと言っても、ピンとこないかもしれませんね。
でも、南イタリアの地方料理の中にリゾットってあまりないですよね。
南イタリアの米料理は、スップリとかアランチーニのような肉と組み合わせたティンバッロの形に進化しました。

イタリアでは、米は水の中で生まれてワインの中で死ぬ、と言います。
つまり水田で育ってリゾットになる、ということです。
元々、米はとも高価な食材でした。北イタリアの伝統料理のリゾットを探してみると、トリュフ風味、バローロ風味、ゴルゴンゾーラ風味、カエル風味、オッソブーコを添えたミラノ風など、なかなかゴージャスなものばかりです。

リゾットは、米のデンプンを煮汁に溶け込ませながら煮る調理方法です(マンテカーレmantecare)。
パスタはアルデンテ、米はアッラ・オンダalla'onda(wet and wavy)に煮ます。
アッラ・オンダは、煮汁の水分が適度に残って、デンプンのとろみによって波のようになめらかでクリーミーな状態になったことを言います。

ブルーノ・バルビエーレシェフのアッラ・オンダにするマンテカーレ。
見てるだけで疲れます。

これもアッラ・オンダにするマンテカーレ。
笑ってるし。

南の米料理の一つ、
お米のティンバッロ


リゾットに合う米として知られるのはカルナローリですが、ヴェネトもヴィアローネ・ナノという品種の産地として知られ、地方料理にはリゾットがたくさんあります。
ヴェネチアで食べるなら、イカスミのスパゲッティではなく、イカ墨のリゾットを味わって欲しいものです。
さらに言うなら、ヴェネチアの名物リゾットは、グリーンピースのさやでブロードを取るリジ・エ・ビジ。

今まで、ミラノ風のリゾットを中心にリチェッタを見てきましたが、ここで
見方を変えて、ヴェネチアから見たリゾットの話を探してみます。
ヴェネチアの世界的レストランと言えば、ハリーズ・バー。


ハリーズ・バー』のチェッタをすべてさらけ出したこの本にも、米にまつわる興味深い話がありました。

訳は次回に。

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2019年12月13日金曜日

ミラノのグラン・シェフのリゾット

イタリア料理の歴史的な本と言えば、ペッレグリーノ・アルトゥージの『La scienza in cucina e l'arte di mangiare bene』(1891)

この本の中で、アルトゥージは“この料理はミラノ人のように作る必要がある“、と書いています。
具体的には、沸騰したブロードを少しずつ加えながらとろ火で煮込むのがミラノスタイル。

まあ改めてミラノスタイルと言われなくても、リゾットはそうやって作りますよね。
というわけで、ミラノのシェフたちの本を探してみました。
まずはカルロ・クラッコ。
実は、カレの本『Se vuo fare il figo usa lo salogno』という、

とても凝ったスタイリッシュなタイトルだったのですが、意味が伝わらなかったので、「クールにしたいならエシャロットを使う」という直訳にしてしまいました。
実はこれ、ミラノ風リゾットのリチェッタに使われている文章です。

さらに、米については、ロンバルディアの伝統では米は大粒で頑丈なカルナローリを使うが、もっと小粒で楕円形のヴィアローネ・ナノなど違う米を使ってもよい。ただし、この米はマンテカーレがとてもむずかしいので注意が必要だ、とも言っています。

さらに
カルロ・クラッコの地方料理』のロンバルディアの章に登場するリゾット・アッラ・チェルトジーナは、ホテル学校で毎週作るプランゾのメニューの1品で、特に思い入れがあったようです。以前、このブログでも取り上げました。

とにかく、イタリアのホテル学校ではリゾットの作り方をみっちり教えるようですね。

パルミジャーノのリゾットの作り方-チュートリアル

risotto alla parmigiana/材料
玉ねぎ・・1個
バター・・150g
パルミジャーノ・・150g
白ワイン・・1カップ
米(ヴィアローネ・ナノ)・・200g
・玉ねぎをみじん切りにしてバターの半量でしんなり炒める。
・米を中~弱火で炒める。米の粒に膜を作り、煮崩れしにくくする。
・玉ねぎを取り除いて玉ねぎの香りがついたバターを加える。
・白ワインを加えてアルコール分を飛ばし、レードル数杯のブロードをかける。デンプンがブロードに溶け出てクリーミーになる。
・バターとパルミジャーノを加えてマンテカーレする。
仕上げに塩で味を調える。

このマンテカトゥーラが強いので、粒の弱いヴィアローネ・ナノだと崩れてしまう可能性があるのですね。

ヴィアローネ・ナノはヴェネトの米。
ヴェネトもリゾットの美味しい地方ですが、カルナローリが多いロンバルディアのリゾットとは全然違います。
ミラノとヴェネチアで食べ比べてみて。

ちなみに『テイスト・アンド・トラディション1

には、ミラノのダウンタウンは、かつては野菜畑がたくさんあったと書かれています。
さらに運河が張り巡らされていたことからヴェネチアに似ていたと言われていました。
店名にその名残を残す店、トラットリア・デッリ・オルティは、

ナヴィッリ地区で栽培されている野菜を使う店。
この店では、リゾットにサフランだけでなく、卵黄も加えて黄色ととろみを出しているそうです。

リゾットはイタリア料理の中でも初心者向けの料理らしくて、チュートリアル動画もたくさんあります。
リゾットのマンテカーレが完了した状態は、アッラ・オンダalla'onda/波のようと言います。wetでwavyな状態のこと。
アンドレア・ベルトン・シェフのマンテカーレ。
激しいですねー。

冒頭のアルトゥージの本の内容について、『サーレ・エ・ペペ』誌は興味深いことを書いています。
アルトゥージが本を書いた頃のミラノ料理に、トマトはまだ見られない。
南イタリアではすでによく使われていたが、北イタリアでは広まるのに少なくとも100年ほどかかる。
なるほど、北イタリアを制覇した米にトマトが加わるのはまだ先ですね。
 
リゾットの話、次回に続きます。

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“オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ”の記事の日本語訳は「総合解説」2017年11/12月号p.31を御覧ください。
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2019年12月12日木曜日

“オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ”がお薦めの店

「総合解説」2017年11/12月号から、P.31“オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ”の記事で紹介したミラノ風オッソブーコがお勧めの店です。『サーレ・エ・ぺぺ誌』の選抜です。
まずはガレリア・アンティカ・トラットリアgaleria antica trattoria webページはこちら

オッソブーコのポイントは付け合せのミラノ風リゾットだと思っているのですが、このミラノ風リゾットは、イタリアの米料理の傑作で、日本の米料理と比べるものではない、とも堅く信じています。
イタリアの米はリゾットを作るために改良が繰り返され、料理人もその米の特徴を活かす作り方を研究してきました。
ミラノ風リゾットは米の1粒1粒がリゾットとして完成しています。
日本の米とは、まったく違うその味は、食べたら感動するはずです。
でも、はずれのミラノ風リゾットを食べてしまうと、その分失望も大きいし、完璧な店に出会える確率は高くはないので、こういうお薦め店の情報は貴重です。

ミラノ風リゾットはグアルティエロ・マルケージシェフの代名詞。

ガレリア・アンティカ・トラットリアのメニューを見ると、リゾット・ミラネーゼにはグレモラーダをトッピングするのが伝統的。

次はオステリア・デッラックアベッラosteria dell'acquabella
ワインの品揃えが自慢の店。
オッソブーコはリゾットかポレンタ添え。
webページはこちら

最後はラタナ。
ミラノの新高層ビル地帯にあるモダンなオステリア。
軽くて新しいミラノ料理。
webサイトはこちら

トリノのカフェでヘーゼルナッツ風味のコーヒーを飲んで、ミラノでリゾットを食べるのもいいなあ。リゾット・ミラネーゼのレジェンドという人もいるらしいので、次回はその話。

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“オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ”の記事の日本語訳は「総合解説」2017年11/12月号p.31を御覧ください。
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2019年12月11日水曜日

トリノのカフェ

ピエモンテのドルチェの話も終了かな、と思っていたら、先月の「総合解説」にもう1つ記事がありました。
P.28の“コーヒーとチョコレート”です。
忘れちゃいけない。ピエモンテには、特にサヴォイア家の首都、トリノには、19世紀の社交界をリードしたカフェ文化がありました。
その特徴はオリジナルのチョコレート入りコーヒー。

この“コーヒーとチョコレート”の記事には、小さな文字で、カフェ・ヴェルニャーノのアカデミアのリチェッタと書かれていました。
正直言って聞いたことなかったのですが、日本にも上陸したのですね。
カフェ・ヴェルニャーノ1882

ヴェルニャーノ・アカデミー

訳したリチェッタの中に1882スペシャルというのがあって気になっていたのですが、この年は、ヴェルニャーノが創業した年でした。
ちなみに1882スペシャルは、トリノでいちばん有名な老舗カフェの看板ドリンク、ビチェリンにそっくりです。

詳しいことは、「総合解説」2013/2014年1月号のP.44を御覧ください。
さらに上記の「総合解説」2017年11/12月号p.30に作り方を載せたマロッキーノは、なんとヌテラ入りコーヒー。




トリノの老舗カフェ


ナポリには、カフェの中のカフェと呼ばれる名店、ガンブリヌスがあります。

ガンブリヌス』の写真集

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2019年12月10日火曜日

イジニオ・マッサーリのモンブラン

ピエモンテのドルチェの大トリは、イタリアのパスティッチェーレ界のラスボスの登場です。
ブレッシャ生まれの78歳。
1997年にパティシエのワールドカップでイタリアチームを率いて優勝し、1993年にはイタリアパスティッチェーリ・アカデミー設立と、イタリアのドルチェの歴史に燦然と輝く大師匠。
彼の著書、『イジニオ・マッサーリ
には、マエストロが生み出したイタリアのドルチェの数々が収められています。
もちろんピエモンテのドルチェも
バーチ・ディ・ダーマからサヴォイアルディまで様々あります。



ブルッティ・マ・ブオニbrutti ma buoniは何故か、ベッリ・エ・ブオニという名前になっています。
どれも傑作ばかりですが、モンテ・ビアンコは、芸術作品のような美しさです。

それではリチェッタをどうぞ。

材料/スイス・メレンゲ・リビジタータper la meringa svizera rivisitata
卵白・・165g
グラニュー糖・・165g
粉糖・・165g

・ホイップ用ボールに卵白と砂糖を入れ、直火の熱い湯煎にかけてホイッパーで焦げないように混ぜながら熱する。160℃になったらホイッパーにセットして3段目の早さですぐにホイップして艶のあるメレンゲにする。
・振るった粉糖をスプーン1杯ずつ加えてスパテラで混ぜる。
・丸口金を付けた絞り袋でモンテ・ビアンコの底用に絞り出す。
・160℃のオーブンで10分、120℃で2時間焼く。
・オーブンの扉に丸めたアルミホイルを挟んで蒸気が徐々に抜けるようにする。

卵黄入りパン・ディ・スパーニャper pan di spagna con tuorli agiunti
グラニュー糖・・90g
卵・・112.5g
白ワインビネガー・・2.5g
レモンの皮のすりおろし・・1個分
卵黄・・56g
小麦粉・・58g
片栗粉・・32g

・ホイッパーで上記の最初の5つの材料を中速で5分ホイップする。
・その間に卵黄を少しずつ加える。
・小麦粉と片栗粉を2回振るって徐々に振り入れ、スパテラで混ぜる。
・伝統的な型かエンゼル型にバターを塗って小麦粉をまぶし、生地を流し入れてオーブンシートにのせる。
・180~190℃のオーブンで扉に丸めたアルミ箔を挟んで20~22分焼く。

クレーマ・パスティッチェーラper la crema pasticcera
上質の牛乳・・334g
マダガスカル・バニラビーンズ・・1本
レモンの皮のすりおろし・・1/2個
卵黄・・134g
グラニュー糖・・84g
米のでんぷん・・27g

・牛乳にバニラの種とレモンの皮を加えて沸騰させる。
・卵黄、砂糖、米のデンプンをホイッパーで混ぜる。
・牛乳が沸騰したら漉して熱いうちに混ぜた卵黄にかける。沸騰した湯煎にかけてホイッパーで常に混ぜながら熱する。直火で熱する時は銅鍋で熱して鍋肌に焦げ付かないようにする。
・煮詰まってきたらダマにならないように火から離し、冷蔵庫から出したばかりの鍋に入れて混ぜながら素早く冷ます。50℃にする。

バニラシロップper la bagna alla vaniglia
水・・100ml
グラニュー糖・・100g
バニラリキュール・・34g

・浅鍋に水と砂糖を入れて沸騰させ、シロップが冷めたらリキュールを加える。

仕上げper la finitura
マロングラッセクリーム
ナバン・リキュール

・高さ1.5cmのメレンゲのベースに砂糖入りホイップクリームを1段塗り、マロングラッセのクリーム、クレーマ・パスティッチェーラ各1段で覆う。リキュールを染み込ませたパン・ディ・スパーニャを重ね、マロングラッセのクリームで覆ってマロングラッセを散らす。次にホイップクリームを重ねてココアを振りかける。

ネット上の試作の写真

訳してるだけでマロンクリームを山ほど食べた気になりました。

ミラノのドゥオモ広場にも出店 


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2019年12月9日月曜日

カルロ・クラッコのボネと洋梨のソルベット

今日はカルロ・クラッコシェフの後輩料理人への愛があふれる本、
カルロ・クラッコの地方料理』のピエモンテから、

まずは下の動画、
帆立貝のグラタン、バジリコ風味、トマトとオリーブのピューレ添え


・ラルドとバジリコをミキサーにかける。
・トマトのカンディートを作る。
ミニトマトの皮に切込みを入れてオーブンで焼く。潰したにんにく、タイム、粉糖、塩を加えて低い湿度のオーブンで焼く。
・小さく切ったトマトとグリーンオリーブをミキサーにかける。
・小さく切ったセロリを鍋に入れ、油、塩、水少々で蓋をしてさっと熱する。
・ホタテの貝柱に塩と油少々をかけ、熱したフライパンでさっと焼く。
・貝柱を裏返してラルドとバジリコのクリームをのせる。
・低い湿度のオーブンでさっと(2分以内)焼く。
・皿にトマトとオリーブのピューレのクネルを盛り付け、セロリとホタテ貝を添えてホタテの焼き汁をかける。仕上げにトマトのカンディートで飾る。

次はボネの洋梨のソルベット添えのbonet con sorbetto alla pera
写真はこの本のP.32にあります。
“ポネはピエモンテの伝統的なドルチェで名前の由来は平らな形がこの地方のベレー帽に似ていたからと信じられている。
砂糖、アマレッティかビスコッティ、牛乳、ココア、バニラ、小麦粉の生地を湯煎にかけてオーブンで焼き固め、冷めたら裏返して皿に開ける、というとてもデリケートな作り方をする。
家庭料理の“ブディーノ”に似ていて私の大好きなドルチェだ。
アマレッット入り、ビスコッティ入り、チョコレート入りなど様々なバージョンがある。レモン入りなどの多少変わったものもある。
私のリチェッタは伝統的なものとはやや違って、もっとモダンなバージョンで、ボネとクレーム・ブリュレの中間のようなドルチェだ。
クレーム・ブリュレを作る時、底にアマレットを敷いてブディーノをカラメリッザーレすることを思いついて造ってみたもの。
さらに洋梨のソルベットを添えて、もっとモダンにしてみた。”

材料/4人分
生クリーム・・450g
牛乳・・50g
砂糖・・50g
卵黄・・4個(約80g)
ビターココアパウダー・・40g
アマレッティ・・40g
ラム酒・・大さじ4
ブラウンシュガー・・大さじ4

洋梨のソルベット;
洋梨・・800g
水・・200ml
砂糖・・50g
液体グルコース・・25g

・牛乳と生クリームを熱する。沸騰したらすぐに火を止める。
・砂糖とココアをホイッパーに入れて混ぜる。卵黄とラム酒を加えて再び混ぜ、熱い牛乳と生クリームをかけてよく泡立てる。漉してもよい。
・アマレッティを砕いてココット型の底に入れる。
・ブディーノを流し入れ、100℃のスチームオーブンで固まるまで焼く(15分)
・触ってみてクレーマが均一に動いたら固まっている。
・スチームオーブンでない場合は深さのあるオーブン皿に5~6cm水を張り、水が沸騰しないように新聞紙を1枚入れてココットをのせる。180℃で25分焼く。
・ボネをオーブンから出して急速冷凍機か冷凍庫で冷ます。
・冷えたら皿の縁をきれにして表面にブラウンシュガーを散らし、バーナーで焦がす。
・ソルベット;熟した洋梨をオーブンシートを敷いたオーブン皿に入れ、160℃のオーブンで丸ごと、最低2時間焼く。
・ややカラメリッザーレされて焼けたら裏漉ししてピューレにする。
・ピューレ500gに砂糖と水、グルコースを2分煮たシロップを加える。
・冷めたらジェラティエーラでマンテカーレして、またはホイッパーで混ぜながら冷凍してソルベットにする。
・ボネにソルベットのクネルをのせてサーブする。

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2019年12月8日日曜日

ロッショーリのピエモンテのドルチェ

ピエモンテ・ナポリ・シチリアのドルチェはイタリアの3大ドルチェだと度々言っていますが、
イタリアの世界的に人気のレストランのメニューには、何かしらのピエモンテのドルチェがあることに気が付きました。
それを見ると、ピエモンテ、ナポリ、シチリアのドルチェに共通していることが見えてきました。
フランスの食文化の影響です。
ピエモンテはもちろんサヴァイア家、ナポリとシチリアはブルボン家です。

ピエモンテのレストランのリチェッタを探していたのですが、意外なことに、ローマの人気レストラン、ロッショーリの本に、ブルッティ・マ・ブオニとモンテ・ビアンコのリチェッタがありました。

ロッショーリ』は、
ローマで一番カルボナーラが美味しい店として世界的に名を馳せ、一斉を風靡した店。
かねてから、世界中の観光客をターゲットにしたこの店のマーケティング能力はすごいと思っていましたが(店のメニューに、日本のウイスキーというのがありますよ。)、イタリア中のおいしいものを集めたこの店のメニューは、さすがです。

ローマ料理の本としてはもちろんのこと、世界中の人にイタリア料理の美味しさを伝えようとするイタリア料理店の本として見るととても興味深い本です。




それでは、リチェッタをどうぞ。
ブルッティ・マ・ブオニbrutti ma buoni

材料/
ヴィテルヴォ産ヘーゼルナッツ・・1kg
砂糖・・1kg
卵白・・400g

EVオリーブオイル

・ヘーゼルナッツをトーストし、粗く刻んで不揃いな粒のある粉にする。
・卵白に塩一つまみを加えて堅く泡立てる。固くなりすぎないようにする。
・大きなボールで砂糖とヘーゼルナッツを混ぜ、卵白を加えてよく混ぜる。底が厚い(最低2cm)銅鍋に入れて弱火で混ぜながら10分煮て45℃にする。指で触ってくっつかずに弾力があったら出来上がり。
・油を塗った冷えた台にあけてスパテラでゆっくり混ぜながら冷ます。
・冷めたら絞り袋に入れて直径4~5cmに絞り出す。
・150℃のオーブンで焼き色がつくまで、約25分焼く。


モンテ・ビアンコmonte bianco

材料/6人分
メレンゲ;
卵白・・300g
砂糖・・300g
ホイップクリーム;
生クリーム・・500ml
粉糖・・30g
マロンクリーム;
砕けたマロングラッセ・・500g
バター・・80g
飾り;
マロングラッセ・・1個
粉糖
ビターココアパダー

・底の厚い小鍋で室温の卵白と砂糖をホイップして40℃に熱する。
・ホイッパーに移して堅いメレンゲにする。オーブンシートに塗って直径4cmに絞り出す。
・100℃のオーブンで約6時間焼く。
・マロングラッセをマッシャーで潰してバターとよく混ぜる。
・生クリームと砂糖を泡立てて星口金を付けた絞り袋に入れる。1人前用の皿にホイップクリームを絞り出し、メレンゲとマロンクリームをこんもりクーポラのように重ねる。マロンクリームのスパゲッティを表面に絞り出してホイップクリームとメレンゲで飾り、ココアを振りかける。マロングラッセで飾って全体に粉糖を散らす。

シェフのピエモンテのドルチェ、次回はクラッコのボネです。

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2019年12月7日土曜日

ピエモンテのスプーンで食べるドルチェ、パンナ・コッタ、モンデビアンコetc.

ドルチ・ピエモンテージ
を訳しています。
ビスコッテ、ドルチェッティの章の次は、ブディーニ、クレーマ、ドルチ・アル・クッキアイオBudini,Crema, dolci al cucchiaioの章。
ピエモンテにはスプーンで食べるドルチェの名作がたくさんありました。

まずはボネBounet。ピエモンテのスプーンで食べるドルチェを象徴するブディーノです。バリエーションは無数にあり、ボネという名前の由来も不明ですが、
型がボネと呼ばれたベレー帽に似ているから、という説が有力のようです。



ボネBounet

材料/4人分
卵・・5個
牛乳・・1L
ビターココアパウダー・・50g
ミルクチョコレート・・50g
アマレッティ・・100g
砂糖・・200g
レモンの皮のすりおろし・・1個分
トーストしたヘーゼルナッツ・・50g
ラム酒・・リキュールクラス1
型用砂糖・・大さじ4

・卵と砂糖をよく溶き、牛乳、ココアパウダー、おろしたチョコレート、粉にしたヘーゼルナッツ、レモンの皮のすりおろし、砕いたアマレットを少しずつ加える。ラム酒を加える。
・型をカラメッラーレする。中に混ぜた生地を流し入れ、湯煎にかけて15分熱する。

次はランゲ風パンナ・コッッタPanna cotta delle Langhe
材料/4人分
生クリーム・・500g
板ゼラチン・・3枚
ラム酒・・リキュールグラス1
カラメッロ;
砂糖・・200g
バニラエッセンス・・小さじ1強
砂糖・・大さじ4~5

・砂糖を小鍋に入れて弱火で溶かし、カラメルにする。
・カラメルをブディーノの型に流し入れて内側を覆い、完全に冷ます。
・ゼラチンを水でふやかして絞る。
・鍋に生クリームと砂糖を入れ、かき混ぜながら火にかけて砂糖を溶かす。
・数分沸騰させて火から下ろし、ゼラチンとバニラを加える。
・完全に冷まして漉し、ラム酒を加える。
・型に流し入れて冷蔵庫で半日冷まし、型を湯に浸して小皿にあける。



世界的なピエモンテのドルチェをもう1品。
モンブランMontebiancoです。
名前からしてフランス風(サヴォイ家風)ですが、モンテビアンコと呼べはピエモンテ風に。
正確にはヴァッレ・ダオスタ州にある山だけど、モンブラン自身が帰属があやふやな山だけに元祖議論はあまり聞いたことがない。

材料/4人分
栗・・1kg
砂糖・・200g
生クリーム・・200g
ラム酒・・リキュールグラス1
ココアパウダー・・大さじ2

・栗を熱湯でゆでて皮をむき、ピューレにする。
・砂糖の半量、ラム酒、ココアを加えて粗い目で裏漉ししながら皿に落として小山のように盛る。生クリームと残りの砂糖をホイップして栗の山の頂上を覆う。



どれも何てことないドルチェのようですが、イタリアを代表する有名ドルチェなので世界的な有名店のメニューには、たいていどれかが入っています。
次回は有名店やシェフのピエモンテのドルチェのリチェッタです。

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2019年12月6日金曜日

サヴォイア家の王子のために生まれたドルチェ

お手頃価格でリチェッタをやたらたくさん集めた本、ニュートン・クチーナ・レジョナーレシリーズの『ドルチ・ピエモンテージ』のリチェッタを訳してみます。
主に本に写真が収録されているものを訳しました。


まずはボルゴマネーロのブルッティ・マ・ブオニBrutti ma buonidi Bogomarero

材料/4人分
アーモンド・・150g
砂糖・・160g
卵白・・2個
バニラパウダー・・少々
シナモンパウダー・・少々

・鍋で卵白を堅く泡立てる。
・さっくり混ぜながら砂糖、バニラ、シナモンを加える。
・挽いたヘーゼルナッツを加えて混ぜ、弱火で鍋肌から剥がれるようになるまで熱する。
・火から下ろしてくるみ大にまとめ、天板に並べる。
・160℃のオーブンで20分焼く。


本には「噛む骨」のリチェッタも載っています。
ボルゴマネーロの噛む骨/Ossa da morere di Borgomanero

材料/4人分
小麦粉・・150g
アーモンド・・100g
ヘーゼルナッツ・・100g
マルサラ・セッコ・・リキュールグラス1
バター・・20g
砂糖・・200g

・ヘーゼルナッ25gとアーモンド25gを半分に切る。
・残りのアーモンドとヘーゼルナッツを砂糖と一緒に細かい粉にする。
・この粉、小麦粉、マルサラ適量をこねて均質の生地にし、手であまり大きすぎない筒形にする。
・オーブンを200度に熱する。天板にバターを塗ってシートを敷く。
・生地を8つに切って天板に並べ、半分に切ったアーモンドとヘーゼルナツで飾る。
オーブンで30分焼き、焼き色がついたら冷まして天板から出す。

こちらのページによると、
ボルゴマネーロのパスティッチェーレが1869年に店のオープン記念に造り出したと言われている小麦粉が入らないナッツクッキーです。別名“噛む骨ossa da mordere”とも呼ばれるのですが、これは小麦粉を加えてとても硬くなったことを意味しています。
それにしても本のブルッティ・マ・ブオニの写真はちょっと衝撃的。美しさにこだわるイタリア人が美を放棄すると、小学生が作ったみたいに、こんなにぶちゃいくになっちゃうのか、というような姿です。




ボルゴマネーロは北ピエモンテのノヴァーラ県の街。



次はピエモンテがグルメでドルチェがおいしい州となった最大の要因。サヴォイア家ゆかりのもの。
薄々想像ついていると思いますが、あのお菓子です。
その名もサヴォイアルディ。
いかにもサヴォイア家の公認ドルチェ、フィンガービスケットことサヴォイアルディ。
この本には、サヴォイアルディについての話が詳細に記されているのですが、その殆どがイタリア王室の話なので、全然頭に入ってこない。
とりあえず、無骨なブルッティ・マ・ブオニの対局にあるような、繊細で高貴なビスケットです。
最近、オランダやスペインの王様を見て、その威風堂々ぶりに感動しましたが、イタリアの王家、サヴォイア家も立派な一族。
イタリアのロイヤルファミリーで一番有名なのはピッツァにその名を残すマルゲリータ王妃。



ビスケットのサヴォイアルディは、マルゲリータの息子、アメデオ5世が、1348年に神聖ローマ帝国の皇帝になった時、招待客のVIPのために開いた晩餐会で、あっと驚くような特別なドルチェを造ってもてなそう考えたマルゲリータの母心から生まれました。
会場となった雪を抱くサヴォイア家の城や周囲の山を再現した壮大なものだったようです。
こうしてサヴォイアルディは一気に有名になり、ロシア皇帝の宮殿でも作られたんだとか。

ドルチェで再現したのはこのサヴォイア家のシャンベリー城
サヴォイア家の料理人の名は、サヴォイア家の舞踏会のメニューの本を書いたことで知られるジョバンニ・ビアラルディGiovanni Vialardi。



ニューヨークで開かれたサヴァイア家のダンス・ガラ。



サヴォイアルディのラズベリーとクリーム詰めSavoiardi farciti con crema e mirtilli

材料/4人分
サヴォイアルディ・・24枚
ブルーベリー・・100g
クレーマ・パスティチェーラ・・250g
生クリーム・・大さじ2
粉糖・・大さじ1

・よく冷えた生クリームを電動ホイッパーで堅く泡立てながら砂糖を加える。
・クレーマ・パスティッチェーラに加えてさっくり混ぜる。
・これをサヴォイアルディ12枚に塗る。
・その上にブルーベリーをのせる。
・残りのサヴォイアルディ12枚を載せて軽く押し、接着させる。すぐにサーブする。


ビスコッティ、ブディーニ、クリーム、バヴァレーゼ、など、本にはピエモンテの貴族の暮らしを感じさせるようなドルチェが続きます。
次回はドルチ・アル・クッキアイオ。



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2019年12月5日木曜日

ジャンドゥイア対プルチネッラ

ジャンドゥィアの話、ちっょと続きます。
そもそもジャンドゥィアというのは、ピエモンテの仮面喜劇の人気キャラクターの名前です。
語源はGiovanni del bocccale。
フレンドリーで率直で機知に富んだ親分肌の賢人だそうです。
こんな人
仮面のキャラと言えば、ナポリにもいましたね、有名なキャラが。
プルチネッラ。
ジャンドゥイアは1799年にピエモンテで戦われた独立の戦いのシンボルでもあるそうです。
この年あたりのピエモンテの戦いというと、料理の世界では有名なマレンゴの戦いというのがあります。
鶏のマレンゴ風という料理が生まれたナポレオンとオーストリアの戦いです。

ジャンドゥイアと伴侶のジャコメッタのコスプレ版


トリノのチョコレートメーカー、カファレルのジャンドゥィオットもジャンドゥイアの知名度アップに貢献しました。
1862年以降はトリノのカーニバルのシンボルにもなったのだそうです。
カファレルがカーニバルのパレードにチョコレートを振る舞ったのがきっかけです。



ナポリの人気キャラ、プルチネッラは人情味たっぷり。



ヘーゼルナッツのペーストをチョコレートに加えたのは、マエストロ・チョコラティエ・ミケーレ・プロシェのアイデア。
一方カファレルは丸ごとや小片のヘーゼルナッツを加えました。
いずれにせよ、ヘーゼルナッツクリーム誕生の功労者は、カファレルとプロシェと言うことができます。

数年前にトリノにジャンドゥイア博物館もできました。



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2019年12月4日水曜日

経済封鎖が生み出したイタリアの名物ドルチェ

ピエモンテのドルチェから、今日はジャンドゥイアgianduiaの話。

まずはおなじみのうんちくの本、『1001スペチャリタ』には、なんて書いてあるでしょうか。

ジャンドゥイアはピエモンテで1806年に作り出されました。
そのきっかけ、ナポレオンの経済封鎖。
当時入手困難になって価格が高騰していたカカオやカカオバターの代わりに、
トリノのパスティッチェーリが、チョコレートのカカオの一部を、もっと値段が安くて手に入りやすいヘーゼルナッツ(正確にはとても味がよいと評価が高かったトンダ・ジェンティーレ・デッレ・ランゲ)で代用しようと決めたのがこの年です。
歴史的にはナポレオンの没落を招く契機となった出来事ですが、イタリア料理史上も大きな契機となった決定でした。
ヘーゼルナッッで大躍進したイタリアの企業の一つ、フェッレーロ



それまではまだ世界は、チョコレートとヘーゼルナッツの相性の良さを知らなかったのです。でも、知ってしまったら、もうヘーゼルナツなしではいられない・・・。

先月取り上げたオリーブの下ごしらえの大変さと比べたら、ヘーゼルナッツは造り手に超優しい。



ジャンドゥイア





アルティジャナーレのジャンドゥイアの作り手、ズッコットのリチェッタ。

カカオマスにトーストしたピエモンテ産ヘーゼルナッツを練り込んで砂糖とバニラを加えて練ってクリームにする。
まあ、基本的にはチョコレートですよね。
アルティジャナーレのチョコレート。




gianduiaの発音を教えてくれる動画



ジャンドゥイアに似た名前なのがジャンドゥイオットgianduiotto。
この話は次回に。

本屋部門から、再入荷本のごあんないです。

地方料理シリーズの傑作“グイド・トンマージのクチーナ・イタリアーナ・シリーズ”のナポリ版、『クチーナ・ディ・ナポリ』が入荷しました。

今なら在庫があります。


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2019年12月3日火曜日

トリノのチョコレートとランゲのヘーゼルナッツ


さて、ピエモンテのドルチェのリチェッタを集めたお手頃価格の本”ニュートン・クチーナ・レジョナーレ・シリーズ”』の『ドルチ・ピエモンテージ』から、

ピエモンテで大人気のビスコッティーニ、バーチ・ディ・ダーマのリチェッタを訳してみます。
発祥の地、トルトーナのリチェッタが載っていました。
Baci di dama di Tortona/バーチ・ディ・ダーマ・ディ・トルトーナ

材料/4人分
小麦粉・・200g
砂糖・・200g
バター・・130g
皮むきアーモンド・・100g
ミルクチョコレート・・3ブロック
ブランデー・・リキュールグラス2杯
塩・・一つまみ

・アーモンドをオーブンで数分トーストし、皮をむいて細かく刻む。
・台に小麦粉を盛り、刻んだアーモンド、砂糖、塩、溶かしたバター、ブランデーを加えてこねる。
・均質の生地になったら小さく丸める。
・天板にバターを塗って丸めた生地を並べて軽く平らにする。
・200℃のオーブンで15分焼き、完全に冷ます。
・チョコレートを刻んで小鍋に入れ、木べらでかき混ぜながら湯煎にかけて溶かす。
・ドルチェッティの平らな面をチョコレートクリームに浸して2個ずつ底を合わせ、完全に冷ます。

お値段は安いけれど写真が少ないこのシリーズですが、バーチ・ディ・ダーマの写真は一番最初にありました(写真は本の中ほどにあります)。
ちなみにイタリア語のリチェッタもシンプルで読みやすく、難しくありません。
素朴だけれど(アーモンド入りの生地の香ばしさが伝わってきます)、チョコレートクリームが美味しそうなクッキーです。
きれいな球形より、手作り感のあるいびつな形のほうがおいしそう。

Baci di dama

この本には、クッキーのリチェッタがたくさんあります。
ピエモンテはクッキー王国だったんですね。
それと、思い出したのがチョコレート。


グリバウドのグランデ・クチーナ・イタリアーナ”シリーズの『ピエモンテ』によると、
民衆と農民の地と呼ばれるピエモンテ。
農民の地を象徴するのがトリュフとヘーゼルナッツとワインの産地であるアルバとランゲ。
民衆の地を代表するのがサヴォイア家の本拠地トリノ。
インターナショナルで、産業が発展して南イタリアや世界各地からふるさとの味とともに人々がやってきました。
トリノは、スイス人が広めたチョコレート作りが盛んになりました。
トリノは16世紀なかばに、スペインから戻ったエマヌエーレ・フィリベルト大公によって、イタリアで最初にチョコレートが伝わった地です。それ以来、チョコレートとトリノは強く結びつきました。
チョコレートがなければ、トリノの名物の大部分は生まれていなかったのです。
1865年にはジャンドゥイオットが考え出されました。
前出のニュートンのドルチ・ピエモンテージの本にも、ジャンドゥイアクリームとヘーゼルナッの文字が頻ぱんに登場します。

ヘーゼルナッツの木を見分けられる人は少ないだろうけど、古代のイタリアではヘーゼルナッツは魔法の木と信じられていて、らんげ地方では魔女が彫って杖にしたと言い伝えられています。


ピエモンテに行ってヘーゼルナッツを食べなかったらもったいなさすぎる。

クッキー、ヘーゼルナッツ、チョコレートが全部詰まっているのが、バーチ・ディ・ダーマ。

次にピエモンテのドルチェのキーワードとなるのは、ジャンドゥイアあたりかな。

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2019年12月2日月曜日

バーチ・ディ・ダーマでつかんだ成功

ピエモンテの田舎の人口600人の村で、お菓子作りが好きでパスティッチェリーアを開いた若者は、食べていけるわけがない、という周囲の心配をよそに、見事に大成功しました。
いったいどうやったのでしょうか。
答えは、ピエモンテ人やイタリア人が大好きなドルチェのオリジナル版を作った、です。
そのドルチェはバーチ・ディ・ダーマ。BACI DI DAMA。
こうして一気にピエモンテ中、イタリア中の人を対象にしてしまったんですね。


イタリア料理のうんちく満載の本、『1001スペチャリタによると


バーチ・ディ・ダーマは小さく丸めたパスタ・フロッラを平らに潰して焼き、2個ずつチョコレートとアズジャムを挟んで合わせた小さなビスコッティ。2つ合わせた姿が女性の唇のよう、というのでレディーのキス(バーチ・ディ・ダーマ)、と呼ばれるようになりました。
19世紀末に、アレサンドリア県のトルトーナのパスティッチェリーアで考え出されました。

現在でも、このドルチェは地元の小さなパスティッチェリーアで、伝統を守って、厳選した食材で作られています。
どの店も手作りでパッケージして特別な贈り物にぴったりなロマンチックな箱に入れて販売しています。
ピエモンテの人に愛されたドルチェなんですね。



ニュートンのクチーナ・レジョナーレシリーズのドルチェには、
ピエモンテのドルチェを350点集めた本があります。


この本の序文には、ピエモンテはドルチェがおいしいことで有名な地方だ、ピエモンテ人のドルチェ好きは歴史が古く、サヴォイア家と結びついている、と指摘しています。一方、イタリアの3大ドルチェのあと2つ、シチリアやナポリはブルボン朝と教会との結びつきが強い地方。
さらにピエモンテはドルチェが企業と結びついて大量生産されるようになって、独自のドルチェの文化が生まれました。
次回はこの本から、トルトーナのバーチ・ディ・ダーマのリチェッタを訳してみます。



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2019年12月1日日曜日

すべてがドルチェなランゲのバーチョ・ディ・ランゲ

今日は、北イタリア料理の本、『テイスト・アンド・トラディツィオーネ1』のヘーゼルナッツの話を訳します。写真も素晴らしい本なので、ぜひP.54を御覧ください。


ランゲはla dolce Langhaとも呼ばれます。あらゆるものが、ドルチェ(優しい)なのです。
なだらかな丘は自転車でも回れます。テイスティングが目的のカンティーナ巡りには最適。



なだらかな丘陵地帯、暮らしはゆっくり流れ、美味しい食べ物と美味しいワインと友人がすべてのような世界。
すべてが予期していなかった贈り物のような優しさで満ちている。
良き友は、いつでも、1杯のコーヒーと甘いワインで(もちろんモスカート・ダスティ!)
と、地元のベーカリーで焼いた何ヶ月も日持ちするバーチ・ディ・ダーマやヘーゼルナッツケーキで迎えてくれる(もし客が来る前に食べてしまう誘惑に負けなかったら)。


フリザンテ(微発泡)で甘口のワイン、すっかり忘れていたけど、なんとも魅力的なワインがランゲにはありました。

ベーカーの息子、ファブリツィオ・ジャメッロが、1999年にヴェージメVesimeという小さな村でペイストリー・ショップを始めたとき、近所の人たちは、バカなことを、住民600人のこんな小さな村で店を始めたところで食べていけるわけがない、と思った。

ウェージメ



彼は子供の頃からスイーツやデザートを作るのが好きで、いつかは店を持ちたいと思っていた。オリジナルのバーチ・ディ・ダーマもbaci di dama考え出していた。ランゲの定番ドルチェのバーチ・ディ・ダーマだが、彼のバーチ・ディ・ランガbaci di Langaは平らで薄く、オリジナルのバーチ・ディ・ダーマより大きかった。
これが大ヒットした。
店の客は遠くから、バーチ・ディ・ランガを求めてやってきた。店のバーチはティッシュとリボンで手で包んでいた。
彼の店、パスティッチェリア・ファブリツィオ・ジャメッロのwebページはこちら
そこにも書いてありますが、彼の店の主役はヘーゼルナッツのトンダ・ジェンティーレ・トリロバータ。
バーチョ・ディ・ランガは小さな村の小さな店ならではの小さなドルチェ。
今では村の名物にまでなりました。村を上げてもり立ててます。



ランゲっていいところだなあ。
老後はこんなところで暮らしたいなあ。

次回からリチェッタを訳します。
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2019年11月30日土曜日

ピエモンテのヘーゼルナッツ

イタリアにトリュフを食べに行く人は、行く前に少しでもピエモンテ料理の知識を仕入れていって欲しいなあ。

ピエモンテはイタリアを代表するグルメな地方。
チェレット社が企画したリストランテ、
(というか、ピオーラとはピエモンテの言葉でオステリアという意味、地元の伝統料理とワインを出す店のこと)、ラ・ピオーラでは、
店の黒板にランゲの最も重要な料理が20品、書き出されている、というので
(黒板の写真はこちら)
見てみましたが、典型的なピエモンテの代表的料理ですね。


典型的なピエモンテ料理を集めた本、グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズピエモンテ』
多分、ピエモンテ料理のイタリア料理としての知名度は低そう。
でも、ピエモンテの食べ物で、日本全国に行き届いているものもあるんです。
近所のスーパーには必ずあるし、なにしろ味が最高。
私にとってはトリュフやワインとは比べ物にならないほど、一番身近なピエモンテです。
そう、あれ、ヌテラです。
ピエモンテの話をすると、必ずねじ込みたくなるんです。
まあ聞いて下さい。

世界中で人気。
とりあえず、ナポレオンからムソリーニまで出してすんごいPR

元々は、ピエモンテの伝統的なドルチェ、ジャンドゥイオット用のカカオがナポレオン戦争で不足した際にカカオの代用品として使われたというのは有名なヌテラの歴史のエピソード。

ヌテラの原料はヘーゼルナッツnocciola。
そしてピエモンテは上質ヘーゼルナッツの大産地。
このヘーゼルナッツのおかげで、他のチョコレートクリームとは段違いに美味しいんですねー。

ちなみに先月の「総合解説」2017年9/10月号のメイド・イン・イタリーの食材はピエモンテのヘーゼルナッツでした。
で、まず、最も上質とみなされているヘーゼルナッツを紹介。
トンダ・ジェンティーリ・トリロバータTonda Gentili Trilobata、またはデッレ・ランゲdelle Langheという品種です。ノッチョーラ・ピエモンテーゼという名前でIGP製品にもなっています。





トンダ・ジェンティーレの主な産地はランゲ北部のクーネオ県。
トーストした後も味やアロマが長く続き、形が均一で皮をむきやすく、保存にも適している、などが最高と評価される要因。

さらにヘーゼルナッツの油を感じさせない甘さは料理にもよく合った。
というわけで、まずはランゲのヘーゼルナッツからピエモンテ料理に触れいてくなんてどうでしょう。
カファレルのジャンドゥィオット。
そうそう、ピエモンテは、ナポリ、シチリアに次ぐイタリアのドルチェ第3の地方。




庶民的なヌテラと比べると、やたらゴージャスなPV。


トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ1』では、ランゲ地方をドルチェ・ランゲdolce langheと呼び、へーゼルナッツの大きな写真をどーんと載せています。
次回はこのページP.55を訳してみます。
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北と南の米料理

まず、リゾットの作り方は、使う米によって違います。 南イタリアは硬質小麦とトマトが根付いたことで、ピッツァを生み出しました。 北イタリアでは米が育ちました。 リゾットがピッツァに匹敵する北イタリア生まれの素晴らしい料理だと言っても、ピンとこないかもしれませんね。 でも、...