今日はサレント風ムール貝です。
プーリアではムール貝はコッツェ。なのでこの料理は“コッツェ・リピエーネcozze ripiene”と呼びます。リチェッタは(CIR8月号P.8)。
アドリア海とイオニア海に挟まれたプーリアでは、ムール貝の養殖は昔から行われてきました。大海とつながっているイオニア海はマーレ・グランデmare grandeと呼び、閉じたターラント湾はマーレ・ピッコロmare piccoloと呼んで区別していました。ムール貝や牡蠣の養殖はターラント湾の特産品でした。
ターラント湾。マーレ・ピッコロ。
小さな海と呼ばれるターラント湾は生物多様性の海。
プーリアのコッツェ・リピエーネは1個ずつにパン粉を詰める別名“ムール貝のグラタンcozze gratinate”。リグーリアのラ・スペツィアのムスコリ・リピエーニは具を詰めて縛ったムール貝をトマトソースで煮ます(リチェッタは(CIR8月号P.32)。煮るかオーブンで焼くか、です。
ムール貝のグラタンのポイントは焼き立てパンのパン粉。ペコリーノ(またはパルミジャーノやグラナ・パダーノ)入りです。同じ具をミニトマトに詰めて一緒にオーブンで焼いて付け合わせにしてもOK。
ムール貝は地中海沿岸部のお馴染み食材。
ムール貝の数次第で前菜にもセコンドにもなります。
もっともシンプルな地中海のムール貝料理は
ムール貝のマリナーラcozze alla marinara。
アドリア海の夏のムール貝のお薦め料理。
材料/
アドリア海のムール貝・・1㎏
イタリアンパセリのみじん切り・・大さじ2
にんにくのみじん切り・・2かけ
EVオリーブオイル・・大さじ2
レモン・・1個
・貝を左手で持ち、ひげを(下)貝の丸い方に引っ張って取る。
・殻についているものはナイフで削り取り、流水で落とす。
または最低5回水を換えながら貝をこすり合わせて洗う。
・大きなソテーパンに油を入れてムール貝を加える。蓋をして開くまで熱する。
・3分熱して貝が開いたらイタリアンパセリとにんにくのみじん切りを加える。小さく切ったレモンも加えて蓋をして2分なじませる。
プーリアにいると、海はシンブルに“海”と呼ぶだけでなく、アドリア海、イオニア海、マーレ・グランデ、マーレ・ピッコロと、様々な呼び方があることを知ります。マーレ・ピッコロは養殖もおこなわれて、その海産物は、ローマを始めとする古代ローマの都市にも運ばれて、各地の名物料理に使われていました。プーリアのシーフードの特徴は、農作物との相性の良さ。
ムール貝のスパゲッティSpaghetti con le cozze。
材料/
パスタ・・400g
ムール貝・・1㎏
ミニトマト・・350g
にんにく・・3かけ
イタリアンパセリ・・1束
唐辛子、EVオリーブオイル
・大きなフライパンを火にかけて油少々、唐辛子、イタリアンパセリの茎数本、潰したにんにくを入れてムール貝を加える。すぐに蓋をして貝が開くまで2~3分熱する。
・その間にミニトマトを4つに切る。イタリアンパセリの葉とにんにく1かけをみじん切りにする。
・ムール貝の汁を濾して殻を取る。霧異なものはそのままでもよい。
・フライパンに油とイタリアンパセリとにんにくのみじん切り、(好みで)唐辛子を入れてソッフリットにし、ミニトマト、ムール貝を加える。
・パスタをゆでる。
・でんぷんがたっぷり溶け出たパスタのゆで汁少々を加える。
・パスタを加えてマンテカーレする。
・仕上げに殻付きムール貝を加えてマンテカーレする。
・あまり飾らずシンプルに皿に盛り付けて煮汁をかける。
プーリア風ティエッラこと、リーソ・パターテ・コッツェ。
次はイカのリピエーノなんてどうでしょう。
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