2023年10月31日火曜日

大海につながるアドリア海とイオニア海(マーレ・グランデ)に挟まれ、マーレ・ピッコロと呼ばれる閉じたターラント湾はプーリアのシーフード養殖の中心地。

今日はサレント風ムール貝です。
プーリアではムール貝はコッツェ。なのでこの料理は“コッツェ・リピエーネcozze ripiene”と呼びます。リチェッタは(CIR8月号P.8)。
アドリア海とイオニア海に挟まれたプーリアでは、ムール貝の養殖は昔から行われてきました。大海とつながっているイオニア海はマーレ・グランデmare grandeと呼び、閉じたターラント湾はマーレ・ピッコロmare piccoloと呼んで区別していました。ムール貝や牡蠣の養殖はターラント湾の特産品でした。

ターラント湾。マーレ・ピッコロ。

小さな海と呼ばれるターラント湾は生物多様性の海。

プーリアのコッツェ・リピエーネは1個ずつにパン粉を詰める別名“ムール貝のグラタンcozze gratinate”。リグーリアのラ・スペツィアのムスコリ・リピエーニは具を詰めて縛ったムール貝をトマトソースで煮ます(リチェッタは(CIR8月号P.32)。煮るかオーブンで焼くか、です。
ムール貝のグラタンのポイントは焼き立てパンのパン粉。ペコリーノ(またはパルミジャーノやグラナ・パダーノ)入りです。同じ具をミニトマトに詰めて一緒にオーブンで焼いて付け合わせにしてもOK。

ムール貝は地中海沿岸部のお馴染み食材。
ムール貝の数次第で前菜にもセコンドにもなります。
もっともシンプルな地中海のムール貝料理は

ムール貝のマリナーラcozze alla marinara。
アドリア海の夏のムール貝のお薦め料理。

材料/
アドリア海のムール貝・・1㎏
イタリアンパセリのみじん切り・・大さじ2
にんにくのみじん切り・・2かけ
EVオリーブオイル・・大さじ2
レモン・・1個

・貝を左手で持ち、ひげを(下)貝の丸い方に引っ張って取る。
・殻についているものはナイフで削り取り、流水で落とす。
または最低5回水を換えながら貝をこすり合わせて洗う。
・大きなソテーパンに油を入れてムール貝を加える。蓋をして開くまで熱する。
・3分熱して貝が開いたらイタリアンパセリとにんにくのみじん切りを加える。小さく切ったレモンも加えて蓋をして2分なじませる。


プーリアにいると、海はシンブルに“海”と呼ぶだけでなく、アドリア海、イオニア海、マーレ・グランデ、マーレ・ピッコロと、様々な呼び方があることを知ります。マーレ・ピッコロは養殖もおこなわれて、その海産物は、ローマを始めとする古代ローマの都市にも運ばれて、各地の名物料理に使われていました。プーリアのシーフードの特徴は、農作物との相性の良さ。

ムール貝のスパゲッティSpaghetti con le cozze

材料/
パスタ・・400g
ムール貝・・1㎏
ミニトマト・・350g
にんにく・・3かけ
イタリアンパセリ・・1束
唐辛子、EVオリーブオイル

・大きなフライパンを火にかけて油少々、唐辛子、イタリアンパセリの茎数本、潰したにんにくを入れてムール貝を加える。すぐに蓋をして貝が開くまで2~3分熱する。
・その間にミニトマトを4つに切る。イタリアンパセリの葉とにんにく1かけをみじん切りにする。
・ムール貝の汁を濾して殻を取る。霧異なものはそのままでもよい。
・フライパンに油とイタリアンパセリとにんにくのみじん切り、(好みで)唐辛子を入れてソッフリットにし、ミニトマト、ムール貝を加える。
・パスタをゆでる。
・でんぷんがたっぷり溶け出たパスタのゆで汁少々を加える。
・パスタを加えてマンテカーレする。
・仕上げに殻付きムール貝を加えてマンテカーレする。
・あまり飾らずシンプルに皿に盛り付けて煮汁をかける。

プーリア風ティエッラこと、リーソ・パターテ・コッツェ。

次はイカのリピエーノなんてどうでしょう。



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2023年10月30日月曜日

リグーリアのムスコリ・リピエーナやアンチョビは、土地がなくて牛や豚の飼育ができないリグーリアと、肉の保存食が豊富にあったポー河沿岸のエミリア・ロマーニャ地方、山の上で塩がないピエモンテとの貴重な物々交換品だった。


今月の(CIR)は偶然ムール貝料理が重なりました。
プランクトンが豊富な海ではムール貝が美味しくなって養殖が盛んに行われていたようです。
ムール貝の養殖に携わる人は、海の農民(contadini del mare)と呼ばれていました。
地元の経済を支える重要な産物だったんですね。

ラ・スペツィアのムール貝の養殖。

フランス人のお客が多い、というラ・スペツィアの観光客に人気のレストラン。
彼らに人気の料理はムール貝のリピエーニ。

ムール貝の養殖が行われているのは“詩人の湾golfo dei poeti”と呼ばれる場所。バイロン、ゲーテ、シラーなど、19世紀のロマン派の詩人がその美しさに触発されて詩を作ったという湾です。

golfo dei poetiは近くにチンクエ・テッレもある国際的で風光明媚な観光地。
グルメに注目なのはムール貝だけでなく、モンテロッソのアンチョビも有名。

詩人の湾。

モンテロッソのアンチョビ。

モンテロッソのアンチョビは山に住み、塩が不足していたピエモンテやロンバルディアの人によく売れた。北イタリアの産物との物々交換の商品だった。
そしてムール貝は、エミリア・ロマーニャのポー河沿岸の平野でチーズやサラミ、生ハムを作る人たちとの物々交換の産物だった。土地がなくて牛や豚の飼育がしにくいリグーリアで
は、肉の保存食材が求められていた。

ムスコリ・リピエーニは、モルタデッラやグラナ・パダーノ入り。リチェッタは(CIR/8月号)P.32。


北と南の食文化は、どちらか一方だけでなく、互いに支えあいながら発展していったのですね。

次はプーリアのムール貝のリピエーニ。


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2023年10月27日金曜日

溺れるというイメージとは違い、ナポリではタコは自分から出た水分で煮る、と言い、タコを煮る時に水分は一切加えない。


ナポリの話が出たところで、(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の今日の料理は、タコのアッフォガートPolpo affogatoです(リチェッタはP.8)。

この料理は、ナポリのサンタ・ルチア地区という漁師が住む地区の名物で、民謡でも知られるナポリを象徴する海に面した地区です。

ナポリ湾から見るサンタ・ルチア地区。

タコのアッフォガートpolpo affogato。

材料/
小ダコ・・250gが2杯
サン・マルツァーノトマト・・300g
EVオリーブオイル・・大さじ2
イタリアンパセリ・・1房
にんにく・・大1かけ
唐辛子・・少々、塩

・鍋に油を入れてにんにくと唐辛子をソッフリットにする。
・下ごしらえしたタコを加えて炒める。ナポリでは、“il polpo si cucina nel suo brodo”(タコは自分の水分で煮る)と言い、タコを煮る時に水分は一切加えない。タコの色が変わったら刻んだイタリアンパセリの茎を加え、蓋をして熱する。
・刻んだホールトマトを加え、オーブンシートの落とし蓋をしてアッフォガーレする。塩少々を加えて蓋をして弱火で35~45分煮る。
・仕上げにイタリアンパセリのみじん切りを散らす。
・煮汁はパスタのソースにも最適。

タコを“ゆでる”ことはレッサーレlessareと言います。頭を持って熱湯に足先だけを数回浸してカールさせてからゆでます。コルクを入れることに科学的な根拠はありません。タコに結びつけて取り出しやすくするため、という説が有力。

ナポリの魚市場。



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2023年10月26日木曜日

イタリアは、隣国の安価な産物の攻撃を何度も耐えてきたので、生き残り方を知っている。

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)8月号から、お題は“ガスパチョ・ナポレターノGazpacho napoletano”です(日本語のリチェッタはP.5)

大航海時代に、スペインやポルトガルほどの国力がなく、領土獲得には参加できず、逆にスペインに支配されていたカンパーニアには、結局スペイン経由でトマトがやってきました。
イタリア人は、どんな農作物でも、農民の英知を注ぎ込んでアルティジャナーレな一品に変えてしまうのが特徴。大量生産で安価な作物を追求するスペインとは、オリーブオイル、生ハムなど、バッティングする食物もありますが、面白いくらい違いも生まれます。
特に安価なスペイン産オリーブオイルが世界的に出回った時は、イタリアの生産者は、イタリアのオリーブオイルはどうあるべきか、という理想のスタイルを強い信念で生み出し、イタリア産オリーブオイルの利点を消費者たちに伝えました。
トマトに関しては、大量のトマトを投げ合うトマト祭りではなはなく、缶詰を発明してそれに最適なトマトを生み出し、世界中にナポリのトマトを広めました。
スペインとポルトガルは冷たいトマトのスープ、ガスパチョを生み出しましたが、
シチリアにはもっと冷たい究極のトマトのスープがありました。
そしてトスカーナには、思いもかけないことがきっかけて国中に広まったトマトのスープがあります。

アンダルシア風ガスパチョ。

トマトのグラニータ。

トマトを凍らせておろすという、これ以上はない冷たさ。

もう少しベーシックなレモンとバジリコのグラニータ、桃のカラメッラータ添え。

グラニータ/材料1㎏分
ミネラルウオーター・・600g
砂糖・・250g
レモン汁・・120g
バジリコ・・12g

・鍋に水と砂糖を混ぜて沸騰させ、2分煮てシロップにする。
・火から下して室温にし、冷蔵庫で完全に冷ます。
・バジリコとレモン汁を加える。レモン汁はバジリコの酸化を防ぐ。
・これをハンディミキサーで攪拌し、製氷皿に入れて1時間冷凍する。
・製氷皿を冷凍庫から出して固まった氷を粗く崩しながら混ぜ、再び1時間冷やす。できれば最低あと2回繰り返す。
・桃を鍋に入れて砂糖大さじ1ずつをかけ、バジリコと水少々を加えて蓋をして35~45分蒸し煮にする。シロップを煮詰め、冷ます。
・桃が冷めたら皮をむいてくし切りにする。
・皿に桃を盛り付けて中央に丸く削り取ったグラニータを置き、シロップをかける。

トマトの夏向きスープなら、ガスパチョよりトスカーナのパッパ・アル・ポモドーロ。
トマトと、トスカーナのパン、パーネショッコのスープ。

この料理をここまで有名にしたのはリタ・パヴォ―ネのこの曲。


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2023年10月25日水曜日

南米からスペインに伝わったトマトは、トマト祭りとガスパチョを生み出し、北米ではケチャップが生まれた。

今日のお題は、ガスパチョ・ナポレターノ。
(クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)8月号のリチェッタから(P.5)、『サーレ・エ・ペペ』誌の記事から、カセルタ出身のレナート・マルティーノRenato Martinoシェフが考案した料理です。法学部を中退して北伊で料理の修業をし、カセルタの大叔父のレストラン、バイロ・デル・ボルトゥルノVairo del Volturnoを継ぎ、地元料理を地元の特産物と新しい感性で再現した料理を出すようになり、ミシュランの星も獲得した。シェフによってカセルタ料理の認知度も上がった。

バリオ・デル・ボルトゥレのレナート・マルティーノシェフ。

カセルタはナポリの北にあり、世界遺産の素晴らしい宮殿がある。
ナポリのイメージを一新する街、カセルタ。

カセルタのシンボルはモッツァレラ。


トマトはスペイン人が南米で発見してナポリに伝えて、イタリアの代表的産物になったことは前回説明しました。当時世界は、大航海時代。ヨーロッパ人がアフリカ、アメリカなど世界中に富を求めて旅だった時代でした。その主役は、ポルトガルとスペインです。

その両国のトマト料理のシンボルの一つが、ガスパチョです。スペインのアンダルシア地方生まれの料理です。
スペイン南部、アンダルシア州。南伊と雰囲気がそっくり。

アンダルシア風ガスパチョ。




おまけの動画、スペインのトマトと言うと、なぜか思い浮かぶ光景。

この祭りとガスパチョがスペインのトマトのイメージ。
イタリアのトマトはホールトマトの缶詰とトマトソースのイメージ。

ちちなみにケチャップはアメリカの味。


さて、ガスパチョをモダンなナポリ風にするにはどうしたらいいでしょう。
ガスパチョをナポリ風にするには、当然ながら、ナポリの産物を使います。
マルティーノシェフは、サン・マルツァーノとモッツァレラ、レモンを使いました。パンの代わりはフレゼッラ・カンパーナです。

サン・マルツァーノはコンフィにして皿の中央に盛り付けます。

トマトのコンフィ

さて、冷たいスープですが、イタリアにはガスパチョより冷たいトマト料理があります。
リチェッタは次回。


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2023年10月24日火曜日

火山性土壌と豊かな水がある平野で支柱栽培されるサン・マルツァーノ・トマトは、土で栽培して機械で収穫するトマトより色が鮮やかで味が強く、酸味は弱かった。チリオの缶詰になって世界中に広まりました。

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)8月号、今日の料理はナポリ風ガスパチョです。
ガスパチョは、もちろんイタリアの地方料理じゃありません。
スペインやポルトガルの農民の冷たいスープです。特にトマトのガスパチョは有名。
で、トマト、スペインとくればイタリアでは、イコール、ナポリです。
そもそもトマトは中米原産で、スペイン王室のバックアップを受けたジェノバ出身のコロンブスによって、スペインが支配していたナポリのサンマルツァーノに伝わりました。
19世紀初めにはフランチェスコ・チリオによってトマト缶が発明されて保存・移動が可能になり、ナポリのトマトは世界中に広まりました。

それ以来、缶の中でも崩れなくて、種が少なく、皮が薄くてむきやすい缶詰に適したサン・マルァ―ノ・トマトの知名度は、世界的になりました。このサン・マルツァーノ・トマトは、20世紀初めにカンパーニア北部のサルネーゼ・ノチェッリーニ平野の火山性土性で栽培されていた品種を交配して作りだされました。火山性土壌で支柱栽培で栽培されたトマトは土で栽培して機械で収穫するトマトと比べて真っ赤になるそうで、それだけで日曜日のご馳走になりました。

ところが、サン・マルツァーノは一時安い交配品種に押されて消滅の危機を迎えます。
もしこの品種が消滅していたら、カンパーニア人の、最高のトマトの産地という強固なプライドも、消え去っていたでしょう。もちろんサン・マルツァーノを消滅の危機から救ったのは、カンパーニア州とチリオ研究所でした。

サン・マルツァーノ・トマト。

毎年夏がくるとトマトの話題が必ず登場します。
サン・マルツァーノの歴史もこのくらいにして、今年は、トマトの冷たいスープの話です。

ナポリ料理を語る時は、まずナポリのトマトのことを知るべし。


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2023年10月23日月曜日

ウニのスパゲッティは、テフロンのダイスを通したツルツルのスパゲッティではなく、ブロンズのダイスを通したざらざらのパスタとデンプンが溶け出たそのゆで汁で作る。

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)8月号のリチェッタ、今日は“ウニのスパゲッティspaghetti ai cirri di mare”です(リチェッタはP.5)。
ウニは地中海中にいるので、イタリア各地で採れます。グルメな食材としてとても珍重されていますが、かなり小型で日本のウニとは印象が違います。
地中海の漁師町に行ってウニを食べない慎重派もいるでしょうが、海の前や上のレストランでウニを食べないとしたら、もったいない。
イタリアで最上の体験を味わえないことになります。

ウニのスパゲッティはイタリアのリゾート地で食べる定番パスタの一つ。

私はプーリアの港町で呼び止められた漁師小屋のようなところで、ウニをパンにのせて白ワインと一緒にいただきました。パンが美味しかったのか、ウニが美味しかったのかよくわからないけど、それ以来、ウニはパーネ・プリエーゼのお供に最適と信じています。
ところが、現在ではプーリアなど、一部の地方では、ウニは数が減ったために禁漁になっているそうです。

プーリアのウニ。



イタリアでウニのスパゲッティを食べるた人は多いでしょうが、その体験は、イタリア料理の魔法を感じるような、カルチャーショックを受けるような体験なので、どこで食べるかもなかなか重要です。私は、シチリアのパレルモから行けるチェファルーというシチリア人にも海外の観光局にも人気なリゾート地の、海の上に大きなテラスが突き出たレストランの、地中海の波が打ち寄せるテラスで、いただきました。
観光の途中にランチに偶然入った店でしたが、居心地が良すぎて、ずーっと地中海の波をゆったりと眺めていました。

チェファルーは街自体が青い海の上につきだしたテラスのような所。山もあります。
この時の体験が素晴らしすぎて、それ以来、ウニのスパゲッティはシチリア、と強烈に刷り込まれていました。ところが、なんとウニのスパゲッティはサルデーニャの名物だったと最近知りました。

ウニのスパゲッティ。


この料理のポイントは、テフロンのダイスを通したひょうめんがツルツルのパスタではなく、ブロンズのダイスを通した表面がざらざらでゆで汁にデンプンが溶け出るパスタを使うことと、マンテカーレをしっかりしてソースにとろみをつけること。

下の動画のシェフもパスタにはこだわっています。さらに、ナポリ流のアルデンテでなく、私たちローマ人の好みはアル・キオーディal chiodi(爪がたつ)なのでゆで時間が短い、と言ってます。

シンプルな料理だけに、パスタをけちるかどうかが分かれめ。

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2023年10月21日土曜日

サルデーニャの食文化の基礎を作るのは小麦。代表的パスタはマッロレッドゥス。

今日の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)のリチェッタは、サルデーニャのカンピダ―ノの方言で子牛という意味のパスタ、マロレッドゥスmalloreddus(日本語のリチェッタはP.4)。
サルデーニャを代表するセモリナ粉のサフラン風味のパスタで、サルデーニャ以外では、ニョッケッティ・サルディgnocchetti sardiという名前で知られていて、南伊のひっかくパスタ、カバテッリcavatelliの仲間です。棒状に伸ばした生地を長さ1㎝にカットした姿はインゲン豆に似てると言われますが、これに筋をつけながらカールさせた姿は、ミルクでお腹がパンパンに膨らんだ子牛に似てるそうです。

マッロレッドゥス。

カバテッリ。

サルデーニャのオリスタ―ノ地方。

サルデーニャの味。

海を通してパスタの中心地シチリアやリグーリアとつながっているサルデーニャのパスタやパンは、明らかに独自の進化を遂げた。

マッロレッドゥス・アッラ・カンピダネーゼのサルシッチャのラグー。

材料/
サルシッチャ・フレスカ・・200g
トマトのパッサータ・・400g
サフラン・・1袋
玉ねぎ・・1/2個
にんにく・・1かけ
塩、EVオリーブオイル

・玉ねぎとににんにくのみじん切りを油で5分ソッフリットにする。
・腸を取ってほぐしたサルシッチャを加えて5分炒める。
・トマトのパッサータを加えて20分煮て塩味を調える。
・煮上がる5分前にサフランを加える。

サルデーニャの個性豊かなパスタたち。Culingionis

アサリのフレーゴラ。



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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

ゴールデンウイークにイタリアに行く人たち、いいなあ、なんて思いながら、情報だけはどんどん入ってくるので、今年もせめて動画でバーチャルツアーしましょうか。 今年はミラノガイドのカリスマが、新しい本を出したので、その中からミラノのお店をいくつかどうぞ。 まずは老舗のパスティッチェリー...