2022年2月28日月曜日

南イタリアのストリートフードの聖地は、みかじめ料の支払いでマフィアに対抗したことも含めてパレルモの誇り。

イタリアの美食の街、今日はサリーナです。

サリーナは、先日取り上げたエオリア諸島の島。
島のおすすめレストランとして紹介したのはタスカ・ダルメリータグループが経営する高級リゾートホテル、ロカンダ・カポファロでした↓。

その料理はシチリアのストリートフード、パーネ・エ・パネッレをアレンジしたもの。
パーネ・エ・パネッレはチェーチの粉のフリット。

ストリートフードは南イタリア料理のシンボル。中でもパーネ・エ・パネッレはパレルモの名物。ごま付きパンにはさんでコロッケと一緒に食べます。
パレルモ風パネッレ。

南イタリアのシンボルのストリートフード、その聖地、パレルモのアンティカ・フォカッチェリア・サン・フランチェスコ。1834年開業の店。2005年、パレルモでマフィアにみかじめ料を払うのを拒否する運動の最初の賛同店なんだそうで。

この超素朴な料理を高級リゾートホテルのロカンダ・カポファロのシェフは、ヒメジの形にしてヒメジにのせ、ひよこ豆のマヨネーズを添える、というアレンジをしました。ひよこ豆の粉を水で溶いた生地の可塑性を活かした、見た目にも楽しい1品です。
ストリートフードのおすすめ本、『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ



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ドルチ・デル・ソーレ
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2022年2月27日日曜日

硬質小麦の産地プーリアの隠れた傑作、レッチェのピッツィ。

レッチェのことを語ると、いつもバロック芸術で熱くなちゃって、料理のことすっかり忘れてました。美味しいものが多くて料理の話題も尽きない街ですが、その料理の源になっているのがイタリアの穀倉地帯、タボリエレ平野。
イタリアのヒールの部分、アドリア海とイオニア海に挟まれたサレント半島にあります。

南イタリアでは一番広い平野。
そのほぼ全域で小麦が栽培されています。
小麦は、乾燥した風が強い大地で育つ硬質小麦。
小麦粉からは、ピッツァ、フォカッチャ、パン、そしてパスタなどが生み出されました。
タボリエレ平野の料理。

農業と放牧が中心のこの地方の料理は、風味豊かで軽いのが特徴。
粉もの天国のプーリアのレッチェの名物は、ピッツィ。
オリーブオイル、玉ねぎ、トマトなどでたっぷり調味してあるのが特徴のパン。プーリアの人気ナンバーワンのストリートフードです。

レッチェのピッツィPizzi Leccesi


材料/
硬質小麦粉・・150g
00番の小麦粉・・150g
生イースト・・1/2キューブ
水、塩、砂糖・・少々

《具》
玉ねぎ・・大1個
熟したトマト・・10個
黒オリーブ(サレント地方のもの)・・一握り
唐辛子・・たっぷり

・生地をこねて冷蔵庫で半日発酵させる。
・少量ずつまとめて平にし、天板にのせて発酵させ、200℃のオーブンで20分焼く。

このおねーさんの塩対応ぶりは、プーリアの職人の店に行くと必ず体験します。
私は人気のブッラータの店で買い物した時、職人さんにずっと「ゼッタイ冷蔵庫入れるなよ、素人が」と怒られていたような気分で小さくなってたら、店を出る時は、店内にいた満員のお客さん全員が、そうそう頑張って、と私を送り出してくれました。
とにかくプーリアって面白すぎ。
ピッツィは生地に具が練り込んであるのでプーリアの美味ししいワインがよく会いました。

きのう登場したフリゼッレもサレント地方のパン。2度焼いて完全に乾かして長期保存できるようにしたパンです。
水で戻して使ったり、皿の代わりにして具をのせることもできるパンです。具の汁気もパンが吸ってくれます。
(CIR6月号P.16)のリチェッタでは、アボカドやトマトソース、生のエビ、ナスの甘酢煮などと混ぜてクリームにして型に詰めたフリゼッレにのせ、フォークで食べる3種の盛り合わせにする、という農民風料理の本質を保ったままグルメな1品にしています。
フリーゼの3種盛り



・戻したフリゼッレに、
・1つめは、ストラッチャテッラ、バジリコとEVオリーブオイルで調味したパキーノトマト。
2つめはアーティチョークのパテ、リコッタ、オイル漬けトマト、ルーコラ。
3つめはリコッタとマスカルポーネ、ミントとレモン汁のムース、スモークサーモン、ルーコラのトッピング。

これもワインが合いそう。
プーリアの普段の食事のフリゼッレ。




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ドルチ・デル・ソーレ
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2022年2月26日土曜日

ライトアップされたレッチェのドゥオモは夢のように美しバロック建築の傑作。食べ物も美味しい街です。

イタリアの美食の街、パルマの次は、南に下って、レッチェです。
パレルモやカターニアといったシチリアの街ではなく、プーリアの小さなバロックの街。
私は行ってみるまでほとんど何の知識もなかったのですが、大聖堂を見て半日ほどぶらぶらしたら、大好きになっていました。
学生が多く、若々しい活気に満ちた街で、人情も温かく、食べ物も美味しくて、南のフィレンツェと呼ばれています。
地理的にはアテネとフィレンツェの中間にあるという、ギリシャ、アラブ、フランス、スペインの影響を受けた街ですが、料理の主役は間違いなく農民です。
あれこれ説明するより、とにかく一度訪れてバールにでも入って何か食べてみてほしい街です。
そうそう、レッチェのドゥオモはライトアップされると素晴らしいので、夜訪れることをお勧めします。

レッチェのリチェッタ(CIR6月号P.16)は、アンティノーリグループのカンティーナの高級リゾートホテル、トルマレスカ農園のプーリア名物の二度焼きパン、フリゼッレがベース。

トルマレスカのカンティーナ。


バロックの街は、ラグーザやモディカ、ローマなど、イタリアにはたくさんあるけれど、ライトアップされたレッチェのドゥオモは強烈なインパクトを私に残しました。

昼間見たのに、夜見たらあまりの感動に、その後、何度も見に通いました。巨大なのに狭い街の一角にぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、全貌を写真におさめることもできないドゥオモの姿を印象に残そうと、夢中で見つめていたっけ。夢の中にいたみたいな体験でした。

『プーリア』


スローフードの『イタリア・イン・クチーナ
写真の2019年版は売り切れたので、2020年版を取り寄せます。表紙のデザインは若干変わっていますが内容は同じです。
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ドルチ・デル・ソーレ
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2022年2月25日金曜日

ユネスコの食文化創造都市のパルマの名は、職人の手で作り上げた食材で世界中に知れ渡った。

イタリア人が考えるイタリアの美食の街、次はパルマです。
きのうのポジタノとは正反対の街かも知れません。


この街が選ばれたのは、生ハムとパルミジャーノというメイド・イン・イタリーを象徴するイタリアが誇る名物の産地で、イタリアで一番豊かな食文化を持っている街だからでしょう。
DopやIgp製品の数はイタリアで一番多く、バリラやムッティといったイタリアを代表する食品企業の本拠地。
ムッティはホールトマトなど、トマトの加工品専門のメーカー。

地中海に面していないエミリア・ロマーニャの街は、まさにこれらの食材とその食文化によって大勢の人々を惹き付けています。
パルマのお勧め店は、リストランテ・パルミジャーノ。

スローフードのイタリア地方料理書の力作、『イタリア・イン・クチーナ

のエミリア・ロマーニャ州の章には、南の気候や地形に恵まれた地方でなくても、その起業家精神や職人気質、ラベンナという大きな商港でのオリエントや黒海との交易、といった利点を大きく活かして豊かな食文化を作り上げてきた。と書かれている。2015年からは、ユネスコの食文化創造都市にも選ばれている。
トルテッリも、生ハムも、モルタデッラも、職人技が生み出した傑作だ。
エミリア・ロマーニャを代表するシェフに選ばれたのはオステリア・フランチェスカ−ナ(webページ)のマッシモ・ボットゥーラシェフ。

オステリア・フランチェスカ−ナのソムリエの本、サーラ・エ・カンティーナ

トルテッリーニをパルマで初めて食べた時は、金色のブロードの美味しさにびっくりして、パスタよりブロードのほうが気になりました。

トルテッリーニ・イン・ブロード。




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ドルチ・デル・ソーレ
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2022年2月24日木曜日

ポジタノはリッチな外国人観光客とハネムーン客の集まる街。リア充とレモンの天国。

イタリア人が考えるイタリアの美食の街、大都市の次は地方都市。
1つ目はポジタノPositanoです。
カンパーニアの美しい街。
ポンペイ、カセルタ、カプリ、アマルフィ海岸といった世界的に人気の観光地に近く、イタリア観光の王道中の王道。
イタリアにやってくる観光客は、こんなイタリアを期待している、とも言えそう。

ポジタノとアマルフィ海岸

地元の人がイメージする外国人観光客は、リッチな人たち。
お勧めレストランもそんな人向けの店。
ポジタノでおすすめの店はサン・ピエトロのリストランテ・カルリーノだそうです。
このホテル、別名、ハネムーンホテルと呼ばれる分類のホテル。
生涯の記念に最高の贅沢をしようというリッチでリア充な外国人が集まる高級リゾートホテル。
間違って紛れ込まないように。


この地方の名物はレモン。

アマルフィに来てレモンを味見しない人はいないと思うけど、レモンのイメージががらっと変わるから、生のレモンを是非一度食べてみて。私はあのでっかいレモンを泊まってた安宿の掃除のおばちゃんからもらって、レモンのぶつ切りを生で食べたことがなくて、どうしたものかと途方に暮れながらかぶりつていてみたら、全然酸っぱくなくて、甘くて、白い綿の部分も丸ごと食べられるくらいで、その美味しさに、すっかり虜になりました。

(CIR6月号)のリチェッタは、ソレント・レモンと唐辛子のスパゲッティ(リチェッタP.13)

上の動画はポジタノ風レモンのフェットゥチーネFettuccine al Limone

アマルフィに始めて来た人は、あとレモンのデリツィエにもかなりの確率でハマります。


アマルフィ海岸の有名パスティッチェーレ、サルヴァトーレ・デ・リーゾのリチェッタ集。


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ドルチ・デル・ソーレ
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2022年2月23日水曜日

フィレンツェのレストランやトラットリアにはワインと肉のソムリエがいる。

イタリア美食の街。今日はフィレンツェです。
イタリアで一番美味しい炭焼きステーキを食べられる地方、トスカーナの代名詞、フィオレンティーナ。
フィオレンティーナとは、キアニーナ牛のヴィテッローネの背肉のTボーンステーキ。
イタリアの牛肉については、今月号ではマルキジャーナの記事を訳しているので、後ほど詳しく。
今回の記事で気になったのは、フィレンツェのリストランテ、トラットリア、オステリアなどには肉のソムリエがいる、ということ。
牛肉や熟成などについて熟知した人だそうです。

もちろん主な仕事は最上質のフィオレンティーナをお客に提供すること。

フィレンツェの肉のソムリエ。
肉のことならイタリア以外のことでもなんでも知ってると豪語してます。

フィレンツェでフィオレンティーナの有名店として紹介しているのはここ。
トラットリア・ダッロステTrattoria Dall'Oste↓
肉とワインのソムリエがいる店なんて、最高。
トスカーナはワイン王国でもあるから、肉に夢中になってワインのことを忘れないように。


トラットリア・ダッロステのキアニーナ牛。

トスカーナ料理のお勧め本、『ラ・クチーナ・トスカーナ

2022年2月22日火曜日

オッティミスタで、伝統と新しさのバランスが取れた若いシェフが次世代を担う街、トリノ。

今日のお題は「イタリアの美食の街」です。
(CIR6月号)の記事では、イタリア人が感じるイタリアを体表する美食都市を紹介するというもの。
国際的な観光都市が多いイタリアで、観光客が選ぶ美食の街は、なんとなく想像できます。
でも、あえて観光抜きでイタリア人が美食の街、と認めているのはどんな街でしょうか。
まずは順当に、トリノ、フィレンツェ、ミラノといった大都市が選ばれています。
トリノを代表する店に選ばれたのは、リストランテ・デル・カンビオ↓
歴史的な名店。
マッテオ・パロネットシェフ。
こんな時代でも自分はオッティミスタottimistaだと、冷静に語っています。
動画で2:00あたりに登場していたのは、リチェッタを(CIR)に訳したインサラータ・ピエモンテ−ゼだと思われます。

新旧、東西、南北、海山のとにかく複雑な食材を自由自在に操ったサラダです。イワシのコラトゥーラにわさびを加えています。

トリノといえば、フィアットとジャンドゥィオットの街、というのが一般的なイメージ。

フィアットの本社工場


チョコレートにヘーゼルナッツクリームを混ぜるというアイデアは、チョコレートの世界に革命を巻き起こした。
ジャンドゥイオットgianduiotto



こんな時代、美食の街にも大きな改革が起きているそうです。
工業の街トリノでは、ルーツと未来が常に話題。新しさと革新のバランスが大事です。

工業の街、というのキーワードは、他の大都市とトリノを区別する大きなポイント。

次回の冬季オリンピックも楽しみです。

2022年2月21日月曜日

タコのラグーとズッキーニのペーストのパスタ。

今日はタコのパスタです。

(“タコのラグーのキタッラ”、日本語のリチェッタはCIR/6月号、P.5にあります。)

タコのラグーのパスタPasta al ragù di polpo

基本は香味野菜のソッフリットに赤ワインとパッサータ、小さく切ったタコを加えてとろ火で煮ます。
パスタをグラニャーノのパスタにするとナポリ風に。

次のプリーモは、ズッキーニのペーストのリゾット(リチェッタは(CIR6月号P.6)。

解説によると、イタリアでは、リゾットは寒い季節の料理というイメージがあるそうですが、リゾットが大好きな地方、ミラノ風リゾットでも知られるロンバルディアでは、一年中作るそうです。
一年中作らないとは、逆に意外でした。

ズッキーニのペースト

ペーストは、例によって材料をミキサーにかけるだけ。
ズッキーニはおろして塩をし、水気を抜いてから使います。

ズッキーニのペーストは応用力抜群。ズッキーニのペーストとパンチェッタのトロフィエ。



2022年2月20日日曜日

ナポリのサンタ・ルチアとパレルモのヴァラッロのゆでタコ。

きょうの料理は“タコのラグーのキタッラPasta alla chitarra e ragù di polpoです”。
イタリア料理でタコといえば、ルチャ−ナつまりルチア風、ルチアとはサンタ・ルチアのこと、タコ漁師が多く住んでいたというナポリの港の1地区です。つまりナポリです。

タコのアッラ・ルチアーナPolpo alla luciana。

ナポリの伝統的なタコのゆで方は、コルクを1個入れてゆでること。こうするとタコが柔らかくなる、という都市伝説が広まっていたけど、今ではコルクを入れることに意味はない、という説がすっかり広まって、珍しい光景に・・・。上の動画では、大鍋にタコを入れてゆでる時にコルクに縛り付けて鍋に入れ、ゆであがったらコルクごと引き上げるため、という説。結局、タコを柔らかくゆでたかったら肉叩きで叩く、だって。

ナポリの伝統のもう一つ見ていて面白いところは、タコの足を湯に3回浸してカールさせてから鍋に入れる、という話。下の動画はシチリアのパレルモ風だそうです。
そういえば、シチリアにはタコのストリートフードの伝統があったのでした。

パレルモのヴァラッロ市場のゆでタコ。




シチリア料理のミニシリーズ、ブランカートの『ペッシェ・アッラ・シチリアーナ

に、シチリア風ゆでタコのリチェッタがありました。
Purpu a strascinasale

材料:4人分
タコ・・約500gが2杯
EVオリーブオイル
レモン汁
塩、こしょう

・たっぷりの熱湯を沸騰させて塩を加える。タコの足を熱湯に浸す。これを3回繰り返して最後に全部鍋に入れ、15分ゆでる。
・ゆで汁に漬けたまま冷まし、皿に取り出す。
・足を切り取り、頭は開いて内蔵を取り、粗熱を取ってサーブする。好みで油、レモン汁、こしょうを乳化させてかけてもよい。

若い時、初めてパレルモの市場に行った時はちょー怖かったなー。

2022年2月19日土曜日

カラブリア料理は温かくてフレンドリー。地中海式ダイエットの典型。

きょうの料理は(CIR)6月号のprimiの1品目、“スカローラ、アンチョビ、ランドゥーヤ、ブッラータのフジッリ”です。
見るからに南イタリアな食材が並んだパスタですが、
中でも一番目を引くのはランドゥーヤ。どうやらカラブリア風パスタです。

カラブリア料理

温かくてフレンドリー、それがカラブリアの暮らしです。
ランドゥーヤはイギリスでも人気。


カラブリアの名物で、“nduja”という不思議なスペル。
ンドゥーヤと呼ぶのかいつも迷いますが、la'ndujaランドゥーヤがしっくりきました。
塗ることができるサラミ。原料は豚肉のラルド、グアンチャーレ、パンチェッタ、唐辛子、塩など。

ランドゥーヤla'nduja。


ランドゥーヤ、トロペアの玉ねぎ、カチョカバッロのスパゲッティ”Spaghetti 'nduja, cipolla di Tropea e caciocavallo
は、カラブリアの名物全部入ってます。

・トロペアの玉ねぎ小3個のみじん切りを油と大さじ4とレードル1杯の湯でソッフリットにし、皮をむいてほぐしたランドゥーヤ80gを加える。
・スパゲッティ360gをゆでてソッフリットに加え、さらに少量ずつカチョカバッロに入れてチーズをとかしながらからめて巻く。
・皿に盛り付けてサーブする。

カチョカバッロの中でチーズとあえるのは、南イタリアならではの光景。


サポーリ・ディ・カラブリア

カラブリア料理は研究者が少ないので本もほとんどない、という現状。でも、今月の注目記事、地中海式ダイエットを訳していて、なんとなくその本質が少しわかりかけてきました。カラブリアの料理は、まさに地中海式食生活。


2022年2月18日金曜日

チキンサラダはバニェット・ベルデでピエモンテ風に

6月号の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)最初の1品は、チキンサラダのバニェ・ベルデbafgnetto verde(日本語訳はP.2)。
バニェット・ベルデはボッリート・ミストに添えるソースとして知られるピエモンテの代表的ソース。
それをチキンに応用した1品。バニェット・ベルデは標準語に言い換えればサルサ・ベルデ。イタリアンパセリがベースの緑のソースです。
トマトがベースのロッソもあります。
グラン・ボッリート・ミストの伝統があるピエモンテ料理は、ゆで肉は得意分野。
ゴージャスな料理が多いピエモンテ料理にしては、かなりガチな農民料理。

バニェット・ベルデBagnetto verde piemontese。
・イタリアンパセリ50g、ビネガーに浸したパン30g、にんにく1かけの薄切り、アンチョビと唐辛子各1片、塩、オリーブオイルをミキサーにかける。

バニェット・ロッソbagnetto rosso


・ホールトマト250g、にんにく2かけ、アンチョビ4枚、塩抜きしたケッパー大さじ1、バジリコ1束、唐辛子3片、塩、イタリアンパセリ大さじ3、粗く切った黃と赤のパプリカ各1/2個、粗く刻んだ玉ねぎ小1個、EVオリーブオイル、赤ワインビネガー1/2カップをフライパンで40分炒め煮にしてミキサーにかける。
そしてマヨネーズの3つがボッリート・ミストの定番ソース。

他に蜂蜜のソース、フルーツのソース、ホースラディッシュのソース、マスタードソース、ケッパーとアンチョビのサルサ・トンナータなどを添えます。

クーネオのカルーのオステリア・デル・ボルゴのグラン・ボッリート・ミスト。


によると、ボッリート・ミストは豚や牛の飼育の文化がある北イタリアの伝統料理で、中心地はピエモンテ。大人数で賑やかに食べる料理で、肉やソースは7種類用意する、というのが約束ですが、家庭で作るなら牛肉の部位は3種類で十分、という意見もあります。肉はイタリアならではのカットだったりするので、ピエモンテ以外で食べるのは難しそう。
さらに肉が主役のメニューなら、プリーモ・ピアットや前菜は省略し、その代わりにコントルノとソースはたっぷり用意します。

伝統的なボッリート・ミストで有名なカルーの家族経営のトラットリア・バッシェッロ・ドーロ。

カルーの名物はブルー・グラッソという巨大な牛のコンテスト。

2022年2月17日木曜日

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2020年6月号発売しました。

(CIR)6月号定期購読分、発送しました。

グリーンピース、ソラマメと、緑の豆が季節の主役になりながら、徐々に春の訪れ感が強まっていきましたが、今月は、真っ赤です。チェリーの季節になりました。下の表紙の料理はタルトレットではなく、フォカッチャです。生地の縁にはスライスアーモンドがまぶしてあります。

イタリアのチェリーは、サワーチェリーとも呼ぶアマレーナAmarenaあたりが有名ですが、プーリアには、“フェロビア鉄道Ferrovia”という名前のチェリーがあります。真っ赤で甘いのが特徴で、鉄道駅のそばに生えていたから、この名になったそうです。


フェロビア・チェリー


チェリーのジェラート

アマレーナの収穫



訳していて面白かったのは、地中海式ダイエットのリチェッタ。
野菜が嫌いで肉ばかり食べている今どきの人は、反省したほうがいいと真剣に思いました。




------------------------------------------------------- 「総合解説」
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2022年2月16日水曜日

執事とソムリエ

“星付きシェフの家庭料理”、今日のシェフはモデナのオステリア・フランチェスカーナのマッシモ・ボットゥーラシェフです。
実は、フランチェスカーナのマネージャー兼ソムリエの本を仕入れたことがあるのですが、さすがはイタリアでも指折りのトップクラスの店のマネージャー兼ソムリエの本だけあって、難解すぎてちょっと紹介するのに腰が引けていました。
でも、いい機会なので紹介してみようかな。

有名店の動画というと、普通は料理に注目しがちだけど、今回は、とりあえず、ソムリエやマネージャーという仕事に注目して見てみて。


オステリア・フランチェスカーナ

きのうのリストランテ・ムデックの動画でも感じたけど、ソムリエって、まるで貴族の館に努める執事のように、美しく、無駄なく、自信に満ちて、もはや伝説の存在。

イギリスの執事。執事は主人の威厳の一部なんですね。

ソムリエ兼マネージャーというのはワインをサーブするだけでなく、シェフの考えを汲んでレストランのビジネスを任されている人、ということがわかるような本です。

ソムリエの一日。











2022年2月15日火曜日

若いユーチューバーからプロまで、食べた人を魅了しまくっているミラノのイタリアンのニューリーダー、リストランテ・ムデックのエンリコ・バルトリーニシェフ。

今日は(CIR5月号の記事、『星つきシェフの家庭料理(P.30)』で取り上げられているシェフたちの紹介です。
今、一番注目されているシェフたちのリストにもなっています。
大半がすでに知名度の高い有名シェフたちですが、中にはまだマスコミへの露出が少ない人もいます。まずはミラノのリストランテ・ムデックのエンリコ・バルトリーニシェフ。

下の動画のユーチューバーは、予約した時は星2つだったけど、行ったときは3つ星になってた、と語っています。

ミラノで唯一の3つ星ということは、未来のイタリアンを担うシェフとも言えます。
1979年トスカーナ生まれ。
お客に取っての特別な時間を素晴らしく演出しています。
皆帰る時はほとんど圧倒されてています。
料理はイタリア料理の食材や歴史など、イタリア料理にかなりの知識がある人(プロ)向けに作られていることを強く感じます。
ちなみに528ユーロです。
リストランテ・ムデックは元文化博物館という建物にあります。
紹介しきれないくらい華々しい経歴も、イタリア各地や世界中に散らばる彼が提携している店もこちらのページにあります。

シェフはこんな人↓
それにしてもsnsでの拡散ぶりはすごい。食事した人の衝撃の大きさを物語っているのかも。



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2022年2月14日月曜日

島の農民の伝統の煮込み料理、うさぎ肉のイスキア風、貴族の趣味の狩りをまねたトスカーナの農民のうさぎ料理。

お題は「鶏肉とうさぎ肉」です。
どちらも白肉carne biancaと呼ばれるタイプの肉で、似ている肉です。
調理方法も、どちらにも応用できます。
イタリア料理で一番有名なうさぎ料理と言えば、たぶん、“うさぎ肉のイスキア風coniglio all'Ischiana”。

この島でうさぎ料理が伝統料理として伝えられてきたのは島に野生のうさぎ(あなうさぎconiglio da fossa)が生息していたから。
うさぎというのは昔から、貴族の間では狩りの対象。実用的な娯楽としての狩りです。
つまり、ジビエ。
たぶん、野うさぎlepreです。
野うさぎは赤肉の分類に入るので、うさぎとは料理も違ってきます。
貴族と狩りとなると、これはトスカーナ料理の得意分野。

トスカーナ料理書、『ルフィーノのトスカーナ

によると、うさぎと鶏は、トスカーナの田舎の農家でもっとも普及している家禽で、たいていが放し飼いされているそうです。

田舎の暮らしを知らない都会っ子には、庭でうさぎを放し飼いにしてるというだけでもうファンタジー。

いけない、ディズニーの世界に足を踏み込んでいた。現実に戻らなくては。

貴族の間で人気のうさぎ狩りを、やがて農民も真似するようになります。
うさぎ狩り

でもその狩りは、猟犬が追い立てて銃でズドンという貴族の狩りとは違いました。
うさぎの巣穴に草を投げ込んで太らせ、夜、食料を探しに出てきたところを捕まえるのです。そして朝まで吊るして血抜きをしました。
トスカーナの農民、おいしくたいただく気満々です。

イスキアのうさぎ肉は、トマトや畑の野菜と一緒に陶器の浅鍋で煮ました。
農家の庭で飼われているうさぎの肉は強い味になるのでその場合は肉を酢水にさらしてから使いました。

うさぎ肉のイスキア風coniglio all'Ischiana”。

煮込みの煮汁はパスタソースにしました。

鶏肉とうさぎ肉のトスカーナ料理といえば、トスカーナ風フリット・ミスト。


ナポリ料理の本『リチェッテ・ディ・ナポリ

には、イスキアのうさぎ料理について詳しい話やリチェッタがたっぷり載っています。




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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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牛乳を1滴たりとも捨ててはならぬ、というベネディクト会の教えからグラナ・パダーノは生まれた。

今日は、9月号を訳していて、一番記憶に残った文章を紹介します。 その記事は、『クチーナ・イタリアーナ』のチーズについてのものでした。 まず、最初の一文がかっこよかった。 「イタリアには500種類のチーズがある。そしてそのトップはパルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノという...