2022年3月31日木曜日

ベネチアがイン・サオールを食べる日、ベネチアで一番美しい祭り、レデントーレの祭り。

今日のお題は魚料理です。
最近はアブルッツォ料理の話題を取り上げてきましたが、アブルッツォと言えば、アドリア海、アドリア海と言えば、ベネチアです。
アブルッツォから海沿いを北上するとベネチアです。
ベネチアの魚料理から、今日取り上げるのは、“イン・サオールin saor”。
定番のイワシのイン・サオールは、グイド・トンマージの『クチーナ・ディ・ベネチア・エ・ラグーナ
など多くのベネチア料理の本に載っています。
ちなみにこの本には、サオールは魚料理だけではない、という解説とともに、カボチャのサオールも載っていました。


ダビデ・オルターニシェフの地方料理の本、『メイド・イン・イタリー

には、ベネチアではイン・サオールは7月の第3日曜日の夜、レデントーレ祭りの時に、ボートの上で家族が集まって食べる料理 、とあります。
なのでイン・サオールと聞くと条件反射的にこの祭りの動画が見たくなります。

レデントーレ祭りfesta del Redentore

1577年、疫病の終焉を祝ったベネチアで一番美しいと言われる祭り、レデントーレの祭り。地元の花火大会の雰囲気にそっくり。

一族が大集合するんですね。
今日のリチェッタは、グイド・トンマージから“カボチャのイン・サオールzucca in saor”をどうぞ。

材料/4人分
カボチャ・・1㎏
白玉ねぎ・・4~5個
松の実・・40g
レーズン・・50g
ビネガー・・200ml
白ワイン・・1/2カップ
揚げ油用ピーナッツ油、塩、こしょう

・カボチャは皮、種、綿を取って薄く切る。
・たっぷりの熱い油で少量ずつ揚げ、シートに取って油を切って塩をする。
・玉ねぎの薄切りを油で焦がさないようにソッフリットにし、ワインで戻したレーズンとビネガーを加えて数分煮る。色がつかないようにする。
・テリーヌにカボチャと玉ねぎ、松の実一握りを材料がなくなるまで交互に重ねてこしょうをかける。
・覆いをして1日休ませてサーブする。

サルデ・イン・サオール。

動画は見つからなかったけど、

カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ』には

“アンコウのイン・サオールcoda di rospo in saor”という料理もありました。




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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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2022年3月30日水曜日

アブルッツォのパロッテは、前菜にもセコンドにもなるたんぱく質たっぷりだけど素朴で家庭的な料理。

今日はアブルッツォの名物料理、“パロッテ・カーチョ・エ・オーヴェ”の話。
アブルッツォ料理を紹介する時は必ず登場する1品ですが、昨日から紹介しているビッラ・マイエッラの本サポーリ・デッラ・マイエッラ

にもリチェッタがあったので、訳してみます。

食べた人をあっという間に虜にしちゃう素朴で家庭的な料理です。主役はパン粉、卵、チーズの揚げたボール。

それでは、ビッラ・マイエッラのリチェッタをどうぞ。
パロッテ・カーチョ・エ・オーヴェpallotte cacio e ove in salsadi pomodoro
材料/4人分
《パロッテ》
おろしたペコリーノ・・150g
おろした牛乳のセミスタジョナートチーズ・・250g
卵・・3個
硬くなったパン・・75g
牛乳・・200ml
スルモーナの赤にんにく・・1/4かけ
イタリアンパセリのみじん切り・・少々
EVオリーブオイル
《トマトソース》
細く切ったトマト・・250g
スルモーナの赤にんにく・・1かけ
玉ねぎ・・10g
バジリコ・・2枝
野菜のブロード・・200ml
EVオリーブオイル、塩

《パロッテ》
・パンを牛乳に浸す。
・卵、にんにくのみじん切り、絞ったパン、イタリアンパセリを混ぜてチーズを加え、30分休ませる。
・スプーン2本でクネル形にする。または手で楕円形にする。
・130~140℃に熱したたっぷりの油で膨らんできつね色になるまでゆっくり揚げる。シートに取って油を切る。
《トマトソース》
・テラコッタの浅鍋に油100mlを熱し、潰したににんにくと玉ねぎのみじん切りを入れる。にんにくに色がついたら取り除き、バジリコ1枝とトマトを加えて5~6分煮る。揚げたポルペッテを加えて野菜のブロードで覆い、5分煮る。塩味を調える。
・皿にパロッテとトマトソースを盛り付けて油を回しかけ、バジリコを添える。

本にはパロッテを使ったバリエーションも1品紹介されています。
パロッテを野菜スープの浮き身にした1品です。
これは、アレンジは無数にできそうですね。
野菜料理がボリュームと強い味のある料理になります。
見た目もとてもきれいです。
パロッテは前菜にも、セコンド・ピアットにもなる1品です。
パンを添えてサーブします。
パロッテ作り。
家族が出来上がるのを楽しみにしている様子が伝わってきます。

動画は見つからなかったけど、

カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ

“アンコウのイン・サオールcoda di rospo in saor”という料理もありました。



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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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2022年3月29日火曜日

アブルッツォの名店、ヴィッラ・マイエッラの基本は家族。料理はアブルッツォ料理の基本、羊飼いの料理。

   今日は、詳しく紹介したいと思いながらその機会を逃していた本の紹介です。
クレアパッソの紹介ページはこちら。  

アブルッツォの名店、Villa Maielaヴィッラ・マイエッラの本です。  


アブルッツォは、アドリア海とアペニン山脈にはさまれた、マーレ・エ・モンティなロケーション。
現在のオーナーシェフ、ティナーリ夫妻は2代目。そして3代目の孫たちがミシュランの星を獲得する、いう、なんとも幸せな一族。家族の結束も強そう。
ペッピーノは両親が経営する家族経営のトラットリアを子供のころから手伝っていました。
そのトラットリアは木製と錬鉄の家具の素朴で温かい雰囲気の、温かいもてなしと家庭的な地元の伝統料理で知られる老舗で、地元の職人たちに大人気で、味と同じくらい人間関係を大切にしている店でした。
夫妻は、普段はスイスのフランス語圏で、バカンスの間は故郷で過ごしていました。そして故郷で出会ってひと夏のうちに雷に打たれたような一目惚れをします。ちなみに息子たちはフランスで料理を勉強しています。
ヴィッラ・マイエッラの基本"は家族。

本のリチェッタはどれも美味しそうなものばかり。
最初の料理は、
《フリッタティーナのカンノーリ、トラットゥーロのリコッタとワイルドアスパラガス詰めCannolo di trittatina con ricotta ”del tratturo" del aspatagi selvatici》。
トラットゥーロというのは、アブルッツォ中にある、羊の移牧の通り道で自然にできた道のことだそうです。
薄いフリッタータにリコッタとワイルドアスパラガスをたっぷり詰めて巻いた素朴な1品。
アブルッツォとプーリアを結ぶ主要な移牧の道、トラットゥーロ・マーニョ↓

地中海人は羊飼いだったことを思い起こさせるような風景。

材料/4人分
《カンノーロ》
卵・・2個
新鮮な羊のリコッタ・・300g
ワイルドアスパラガス・・500g
野菜のブロード・・1ℓ
にんにく・・1かけ
おろしたパルミジャーノ・・30g
ペコリーノ・・20g
EVオリーブオイル・・200ml、塩

《トマトのカンディート》
熟したトマト・・2個
粉糖・・30g
たっぷりのタイム・フレスコ
EVオリーブオイル、塩

・トマトのカンディートを作る。
・トマトを湯むきして4つに切り、種を取る。
・オーブンシートを敷いたオーブン皿に並べ、塩、砂糖、にんにくの薄切り、タイムを散らして油を回しかけ、180℃のオーブンで3時間焼きます(柔らかさを保って乾燥させる)。
・冷ましてボールに入れ、油とタイムをかけます。
・アスガラガスは硬い部分を取り除いて半分に切り、油でソッフリットにする。
・アスパラガスの一部に野菜のブロードをかけて煮る。裏漉ししてクリームにし、塩味を調える。
・残りのアスパラガスを油とにんにくでしゃきっと炒めて塩味を調える。にんにくを取り除いて穂先は飾り用に別にして冷蔵庫に入れる。
・卵と塩少々を溶き、直径21㎝のフライパンで薄いフリッタータを4枚焼く。
・《詰め物》を作る。リコッタを裏漉しし、パルミジャーノと塩を加える。
・フリッタータにリコッタを塗ってアスパラガスをのせ、巻いて斜めに切る。油を塗った天板に並べ、160℃のオーブンで8分焼く。
・トマトのカンディートを細く切る。
・皿に熱いクリームを敷き、その上にカンノーリを盛り付ける。アスパラガスの穂先とトマトのカンディーとを添えて油をたらす。

羊のリコッタは得意な食材のようで、ということは当然ペコリーノも得意分野。
次回はアブルッツォの名物料理、パロッテ・カーチョ・エ・オーヴェのリチェッタを訳してみます。


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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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2022年3月28日月曜日

鶏肉のカッチャトーラは地方の珍しい食材を使わないので世界中に広まったのかも。

今日のお題は“鶏肉のカッチャトーラPollo alla cacciatora”
スローフードの力作の地方料理書、『イタリア・イン・クチーナ

ではピエモンテ州の章に載っているが、ルーツはエミリア地方とも考えられている、とある。昔からある家庭料理で、北イタリア各地に普及している。
歴史の古い家庭料理のリチェッタは、各家庭で進化しているので、これが正しいというものはない。
本にリチェッタを提供したのはアスティのレストラン、Ristorante Belbo da bardòn。

この店はスローフード御用達で、『オステリア・ディ・イタリア

でもたっぷり紹介されている。というか、そもそも、『オステリア・ディ・イタリア』が新しくなったのが『イタリア・イン・クチーナ』なのです。

下の動画の人気投票ではアスティでベスト10に入っています。
スローフードは、ピエモンテのオステリアのベースとなる店で、温かい雰囲気やもてなしのよさから客はすぐにファンになる、もちろん料理も美味しい、と高評価。


それでは『イタリア・イン・クチーナ』から同店の“鶏肉のカッチャトーラ”を訳してみます。

Pollo alla cacciatora 鶏肉のカッチャトーラ
Del belbo da bardòn, San Marzano Oliveto(Asti)

材料/下ごしらえした平飼いの鶏・・1羽
赤と黄のパプリカ・・各1個
ソース用トマト・・4~5個
セロリ・・2本
にんじん・・3~4本
玉ねぎ・・3~4個
バジリコ・・1房
ローズマリー・・1枝
白ワイン・・1カップ
ブロード・ディ・カルネ
EVオリーブオイル、塩、こしょう
砂糖・・大さじ1

・玉ねぎとローズマリーのみじん切りを油でソッフリットにする。
・焼き色がついたら小さく切った鶏肉を入れる。
・フライパンのソッフリットを取り出す。セロリ、にんじん、パプリカを小さく切る。
・鶏肉にワインをかけてアルコール分を飛ばし、レードル2、3杯のブロードをかけてブラザーレする。半ば(30~40分煮たら)で野菜を加えて塩、こしょうする。
・トマトを湯むきして小さく切る。砂糖とバジリコを加える。
・鶏肉が煮上がったらトマトを加える。



地方独特の食材を使っていないので、世界中に広まったのも納得。でも、その分料理は地方色が薄まった。

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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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2022年3月27日日曜日

ラミネーテッド・パスタ、パスタ・コン・フィリグラナ(透かし模様)、どちらも出来上がりは同じもの。どんなパスタを連想しますか?

昔の『サーレ・エ・ぺぺ』を見ていたら、“イースターのラザーニャ”という記事がありました。その中に、“ハーブの透かし模様のエビとズッキーニのラザニェッテ”というのがありました。
ハーブの透かし模様のラザーニャは、セルフィーユやディルを生地に練り込んだ、薄緑色の、なんとも春らしいパスタです。
ハーブの透かし模様は、ラザーニャの生地の半量にハーブを押し込んで残りの生地で覆い、パスタマシンで薄く伸ばした生地です。
こうするとハーブが伸ばされながら生地に埋め込まれるので、ハーブの透かし模様が出来上がります。
ズッキーニとエビの具のラザーニャにはぴったりのラザーニャになります。
このタイプのパスタを英語ではラミネートパスタと呼ぶんですね。
『サーレ・エ・ペペ』では透かし模様のパスタpasta con filigrana と呼んでいました。
違いはパスタマシンで薄く伸ばしてハーブを縦に長く伸ばすので、透かし模様のように薄い模様になる点。
ハーブ・ラミネーテッド・パスタHerb-Laminated Pasta


材料/4人分
小麦粉・・2.5カップ
卵・・4個
塩・・小さじ1
EVオリーブオイル・・大さじ1
打ち粉用セモリナ粉
ハーブ(エストラゴン、ディル、パセリ)・・1/4カップ
水・・1/4カップ

・小麦粉、塩、卵、油をこねて均質の生地にする。ラップで覆って20分休ませる。
・生地を厚く伸ばす。
・片側にハーブをのせて残りの生地をかぶせる。
・生地を薄く伸ばして好みの形に切る。

ベシャメルとピンクのエビの白いラザーニャにぴったりのパスタです。

春らしい色合いのパスタをもう1品。藁と干し草という意味の“パリア・エ・フィエノPaglia e fieno”です。

材料/
パリア・エ・フィエーノ(ほうれん草入りの緑とプレーンの黄色いタリアテッレ)・・250g
グリーンピース・・200g
玉ねぎ・・1/4個
EVオリーブオイル・・大さじ2
生ハム・・80g
卵・・2個
生クリーム・・100ml
おろしたパルミジャーノ・・60g、塩

・玉ねぎのみじん切りを油でソッフリットにし、グリーンピース、塩、水1/2カップを加えて蓋をして煮る。
・細く切った生ハムを加えて5分なじませる。
・卵、生クリーム、パルミジャーノを混ぜる。
・ゆでたパスタとグリーンピース、生ハム、卵のクリームを混ぜて皿に盛り付ける。



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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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2022年3月26日土曜日

生ハムのパスタはどの産地の生ハムを使うかでリチェッタが全然違う。

春のブリーモ・ピアット、今日は
サン・ダニエーレ風タリオリーニTagliolini alla San Daniele”なんてどうでしょう。

サン・ダニエーレと言えば、もちろん生ハムの本場。生ハムのパスタと呼ばないで、サン・ダニエーレ風パスタと呼ぶところにこだわりを感じます。
サン・ダニエーレの生ハムは、フリウリが世界に誇る自慢の産物です。
この料理はフリウリ料理の中でも珍しくメジャーな料理。
サン・ダニエーレの生ハムの特徴は、甘さ。この甘さを活かすようなリチェッタになっているはずです。
サン・ダニエーレの生ハム↓

パルマの生ハム↓

サン・ダニエーレ風タリオリーニ。tagliolini alla San Daniele


材料/2人分
タリオリーニ・・200g
サン・ダニエーレの生ハム・・80g
生クリーム・・80g
バター・・10g
ポピーシード・・小さじ2

・ポピーシードを1分炒って香ばしい香りを立たせる。焦がさないようにする。
・ポピーシードをフライパンから出す。生ハムを細く切って同じフライパンで弱めの火で炒めて香りを立て、皿に取る。
・同じフライパンにバターと生クリームを加えて火を弱める。
・タリオリーニをゆでる。
・フライパンにゆでたタリオリーニ、生ハムの一部、ポピーシード少々、ゆで汁少々を加えてマンテカーレし、皿に盛り付ける。

ボローニャ風の生ハムのラグーのタリアテッレ↓

材料/4人分
卵4個入りのタリアテッレ
ガンブッチョ(生ハムの一番先端の足の部分)・・200g
バター・・50g
牛乳・・125ml
トマトのパッサータ・・330ml
玉ねぎ・・1/2個
粗挽き黒こしょう
好みのおろしたグラナ

・ガンブッチョを小さく切る。
・フライパンでバターと玉ねぎのみじん切りを5分ソッフリットにし、生ハムを加えて弱火で5分炒め、牛乳を加えて沸騰させる。トマトのパッサータを加えて20分煮る。生ハムの塩気があるので塩は最後に味を見て加える。
・タリアテッレをゆでてざっと水気を切り、ラグーに加える。

ボローニャでは挽肉のラグーより人気があるそうです。



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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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2022年3月25日金曜日

イタリア料理のクラシック、春野菜のラザーニャは、手打ちパスタと軽いベシャメルと季節の野菜の組み合わせ。別名ラザーニャ・ビアンカ。

今日のお題はアスパラガスです。イタリアにはどんなアスパラガスがあるのでしょうか。
アスパラガスはメソポタミア原産と考えられていますが、古代ローマではすでに人気があり、ビーナスに捧げられたりしていました。
まずはエミリア・ロマーニャのアルテドのアスパラガス、Asparagi di AltedoはIGP製品です。きのうのムール貝といい、エミリア・ロマーニャはマーレ・エ・モンティの産物に恵まれています。アルテドはボローニャ郊外の村。

ビテルボ(ラツィオ)のモンタルト・ディ・カストロという村も美味しいアスパラガスの産地として有名。
ベネトのトレビーゾ県のチマドルモはホワイト・アスパラガスの産地。


結論、アスパラガスはイタリア中で様々な品種が栽培されていて、春を告げる食材として愛されています。緑、白、紫など、色も様々ですが、ワイルドアスパラガスやブルスカンドリルッポロ(ホップ)の芽などもあります。
ブルスカンドリ。


春のブリーモと呼ぶにふさわしい1品が、トスカーナ料理の本、『ルフィーノのトスカーナ

にありました。“野菜のラザーニャle lasagne di verdure”です。
アスパラガス、グリーンピース、ズッキーニ、ズッキーニの花という、イタリアの春の典型的な野菜ばかりを詰めた定番イタリア料理です。
この本の特徴はトスカーナの食文化を詳しく語ることに中心を置いていて、リチェッタはなし、という徹底したもの。野菜のラザーニャは、美しくて特大の料理の写真はあるものの、リチェッタは、最初に野菜を炒め、最後の層にはパン粉とバターの小片を散らしてオーブンで美味しそうな焼き色がつくまで焼く。とだけ。
このラザーニャは、パスタもベシャメルも色が薄くてほぼクリーム色なのでアスパラガスの鮮やかな緑がとても目立つのが特徴。

春野菜のラザーニャ・ビアンカLASAGNA PRIMAVERA Lasagne Vegetariane alle Verdure




材料/
ズッキーニ・・2本
にんじん・・1本
グリーンピース(生か冷凍)・・100g
生パスタのラザーニャ・・250g
モッツァレラ・・250g
ベシャメル・・500ml
おろしチーズ・・30g
パン粉
水・・1/2カップ
玉ねぎ1/2個
オリーブオイル、塩

・ズッキーニを小さく切る。
・玉ねぎのみじん切りを油でソッフリットにし、にんじん、グリーンピース、ズッキーニ、塩を加える。水1/2カップをかけて15分煮る。
・オーブン皿にベシャメルを薄く敷き、ラザーニャ、ベシャメル、野菜、モッツァレラの小片、おろしチーズを交互に重ねる。表面にパン粉を散らし、180℃のコンベクションオーブンで28分グラティナーレする。


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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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2022年3月24日木曜日

ポー河は養殖ムール貝やアサリの産地。

今日は暖かくなるようなので、そろそろ春の料理の話に入りましょうか。
春のアペタイザー、今日はムール貝のグラタンです。
天然物のムール貝はcozze di scoglioと呼びます。
海底が全部ムール貝という衝撃の光景↓

天然物と養殖物を見分けるのは簡単だそうです。天然物のほうが汚れてるから。
下ごしらえしたムール貝は冬用に冷凍しておきます。
ちなみにムール貝についた藻のような足糸は、イタリア語では犬の歯denti di caneとよびます。
イタリアの養殖ムール貝の一大産地は、ポー河のスカルドバリScardovari。スカルドバリのムール貝はムール貝の美味しさをよく知っているフランスにも輸出しているのが自慢。



アサリの産地としても知られる、淡水と海水が混ざり合う潟の汽水域、デルタ・デル・ポーdelta del Po。イタリア最長の河、ポー河の知られざる美しい姿↓

ムール貝のグラタンCozze gratinate al forno


材料/
下ごしらえしたムール貝・・1.5㎏
固くなったパンか食パンのクラム・・150g
パン粉・・50g
パルミジャーノ・・大さじ1
にんにく・・1/2かけ
イタリアンパセリ
EVオリーブオイル・・大さじ3~4
塩、こしょう

・ムール貝を熱して開ける。火を通しすぎると固くなる。
・小さく切ったパンのクラム、イタリアンパセリ、パン粉、チーズ、こしょう、にんにくをミキサーにかけて細かい香草パン粉にし、油を加える。ムール貝の汁を加えてしっとりさせる。塩はムール貝の塩気を見て最後に加える。
・ムール貝の片側の殻を外してたっぷりの香草パン粉で潰さずに覆う。
・オーブンシートを敷いた天板に並べて油をまわしかけ、200℃のオーブンで10分焼く。

余談ですが、姑が新米のお嫁さんにアドバイスするような本、『マンマミーア

には、魚には、頭と尾以外ほとんど捨てるところはないけど、貝の殻はズッパやスーゴのペースになる美味しい出汁が取れるから捨てないこと。ズッパ・ディ・ペッシェを作る時は、おいしい出汁が取れる頭の大きな魚を選ぶこと。だって。



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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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2022年3月23日水曜日

パッサテッリ・アッシュッティは、冬の定番ロマーニャ料理パッサテッリ・イン・ブロードにアサリやエビを組み合わせる北の人の執念を感じる料理。

今日も寒いですねー。
春の口になってたので、この寒さはキツイ。
今日も、イタリアの地方料理を季節ごとに集めた本、『カルロ・カンビのミリオーレ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ

から、冬のブリーモ・ピアットを見てみましょう。
定番は、ラザーニャやミネストローネといったところですが、
今日のブリーモは、ロマーニャ地方の冬の料理、
パッサテッリ・イン・ブロードpassatelli in brodoです。



本のリチェッタを訳してみます。

パッサテッリ・イン・ブロードpassatelli in brodo
材料/
卵・・6個
パン粉・・300g
パルミジャーノ・・300g
レモンの皮のすりおろし、ナツメグ
去勢鶏のブロード、塩

・ブロード以外の全部の材料を混ぜてこね、冷蔵庫で3時間休ませる。
・ポテトマッシャーを通して押し出し、ブロードでゆでる。

カッボーネ(去勢鶏)のブロードbrodo di cappone。


去勢鶏はクリスマスのご馳走用に太らせたチキン。これでとったスープで、トルテッリーニやパッサテッリをゆでるのがロマーニャ地方の伝統のクリスマスのご馳走だけれど、実際はパンで作ったパスタという、かなり質素な農民料理。最近のシェフは、パッサテッリにパスタと同じラグーをかけたり、エビやアサリのソースを組み合わせることが多い。パッサテッリ・イン・ブロードに対してブロードをかけないパッサテッリはアッシュッティと呼ぶ。
車エビとアサリのパッサテッリ・アッシュッティpassatelli asciutti con vongole e gamberi。山の人にとってはシーフードを使いこなせるのが凄腕シェフの証明なのかも。



カルロ・カンビの本によると、“パッサテッリ”はロマーニャ地方の冬の料理で、この地方のもう一つの名物“ピアディーナ”は夏の料理なんだそうです。でも一年中食べます。
さらにピアディーナはイタリアの代表的なストリートフードでもあります。夏やビーチ、バカンスと結びついた食べ物。

ピアディーナpiadina。





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ピエトロ・パリージ』
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2022年3月22日火曜日

アーティチョークのユダヤ風もモレケも率直な感想は油っこい。食材の貴重さを理解してないと、感想もこの程度の薄さ。

今日のお題は、季節柄、春の料理にでもしようかと思っていました。
3月21日の春分の日を過ぎれば、世界中で暦の上では春。
ところが今日は真冬とでも言いたい寒さ。
震えながらお花見しているような、あの寒さ。
毎年の恒例で、今年もブルブルです。
こんな春なのに冬みたいに寒い日の料理は何があるのかなあ、と思って参考にしたのが、

カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ(伊・英)』
地方料理のリチェッタを季節ごとにまとめた本です。


ジョルジョーネ/オルト・エ・クチーナ

も季節ごとの料理の本。
カルロ・カンビの本のアペリティーボの最初の一品は、アーティチョークのユダヤ風、でした。
アーティチョークは日本にいる限り食べる機会が全然ないので、ローマのゲットーで初めて食べた時は興味一杯でした。
その時の感想は、実はベネチアでモレケ(ソフトシェルクラブのフリット)を初めて食べた時とまったく一緒。
どちらも、観光客に大人気の揚げ物だけど、なにしろ初めて食べたものなので、美味しかったとかの味の判断を下す比較材料がなく、油っこいけどまあ、こんなもんだろ、後で自慢しよ、ぐらいのもでした。
でも、この料理は他では手に入らないローマのアーティチョーク(マンモレmammole)を味わうもの。ただの揚げ物と思って食べると、本質を見失います。
ローマの市場ではマンモレをここまで下処理して売っています。

逆に言うとローマのマンモレが手に入らない場所では、ローマに行って食べる日まで我慢です。
初めて食べて以来、もう当分味わえないものだったけど、周り中そういうものばかりでありがたみがわかってなかった。

アーティチョークのユダヤ風



アーティチョークにはいろんな種類があり、季節によって出回るアーティチョークが違います。食べる部分は限られていて、下ごしらえは大変。適する調理方法も違います。

アーティチョークの下処理。

ちなみにモレケはベネトの潟の脱皮したてのソフトシェルクラブ。脱皮する瞬間をずっと見張ってる。


もっと手軽な食材の冬のアペリティーボ、トスカーナのレバーのクロスティーニはどうでしょう。
リチェッタは、スローフードのイタリア地方料理書、『イタリア・イン・クチーナ』のものを訳してみます。

Crostini neri al Vin Santo/クロスティーニ・ネリのヴィン・サント風味
Gian Marco Mazzanti,Firenze

材料/4人分
鶏レバー・・250g
香味野菜(玉ねぎ・セロリ・にんじん)・・150g
唐辛子・・1本
マジョラム
塩漬けケッパー・・30g
ヴィン・サント・・リキュールグラス2杯
赤ワイン・・1カップ
ブロード・ディ・カルネ(好みで)
パーネ・トスカーノの田舎パン、EVオリーブオイル、塩

・レバーから脂身と筋を取り除いて粗く刻む。
・テラコッタの鍋で香味野菜、唐辛子、マジョラムのみじん切りを油でソッフリットにし、レバーを加えて炒める。色が変わったらワインをかけてアルコール分を飛ばし、20分煮る。必要ならブロード少々をかける。
・火を止める数分前にヴィン・サント1杯をかけて数分休ませ、塩抜きして刻んだケッパーを加えて粗く刻む(ミキサーは使わずに手で刻む)。
・パンを厚さ1㎝弱、幅5㎝(2口で食べれるサイズ)にスライスしてトーストし、片側だけヴィン・サントをかける。裏側に刻んだレバーをのせる。




クロスティーニは2口で食べるサイズとは、知らなかったなあ。


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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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2022年3月20日日曜日

子羊肉のブロデッタート、フリカッセ、カーチョ・エ・ウオヴォなど、復活祭には家庭的な煮込み料理がイタリア各地で主役になる。

子羊といえば、ローマ料理のことを忘れるわけにはいきません。
ローマは、パリ、ロンドンに次いでヨーロッパで3番目に観光客の多い街。観光客たちは、都心のリストランテや郊外のトラットリアに出かけて、地元の食材を使った伝統料理を食べて、ローマの食文化を作り、守ってきました。中でも、子羊肉とリコッタは、ローマを象徴する人気の食材です。
お勧めローマ料理の本、“グイド・トンマージ”の地方料理シリーズの『クチーナ・デル・ローマ・エ・デル・ラツィオ

ローマの人気店の本、『ロッショーリ

グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・シリーズの『ラツィオ』

などがあります。

『ロッショーリ』からは子羊のコストレッタとチコーリアcostolette di agnello e cicoria
いわゆる子羊のリブロースのスコッタディートです。
材料/4人分
ラツィオ産子羊のコストレッタ・・12本
ラリアーノのパン粉・・200g
00番の小麦粉・・200g
卵・・4個
卵黄・・2個
ミネラルウオーター(ナトゥラーレ)
ピーナッツ油
《チコーリア・リパッサータ》
野草のチコーリア・・約600g
粗塩
EVオリーブオイル・・40ml
にんにく・・1かけ
唐辛子・・1本、マルドン塩

・固くなったラリアーノ1本の皮を粗くおろす。
・子羊肉を軽く叩く。
・小麦粉、卵黄、冷えたミネラルウオーター1/2カップを混ぜて軽い衣にする。
・子羊肉に衣とパン粉をつけてしっかり押さえる。たっぷりの油で10分揚げる。シートに取って油をきる。
・チコーリアを10分塩ゆでする。中心部分が柔らかくなったら取り出す。
・油に潰したにんにくと半分に開いた唐辛子を熱し、にんにくに色がついたら唐辛子と一緒に取り除き、チコーリアを5分炒める。
・これを子羊肉に添えてマルドン塩を散らする。
子羊肉のコストレッタ↓

パーネ・ディ・ラリアーノはカステッリ・ロマーニ地方のパン。

パスクアの料理、次はブロデッタートbodettato。
グイド・トンマージの本には、子ヤギのブロデッタートcapretto brodettatoのリチェッタがありました。
材料/6人分
粗く切った子ヤギ肉・・1㎏
グアンチャーレ・・50g
玉ねぎ・・1個
小麦粉・・大さじ1
白ワイン・・1カップ
卵黄・・2個
EVオリーブオイル・・大さじ4
レモン汁・・1個分
マジョラム、イタリアンパセリ、塩、こしょう

・底の厚いソテーパンで玉ねぎのみじん切りとグアンチャーレの薄切り、子ヤギ肉を油大さじ4でソッフリットにする。肉の色が全部変わったら塩、こしょうし、小麦粉大さじ1を振り入れる。ワインをかけてアルコール分を飛ばし、湯で肉を全部覆って40~60分煮る。
・必要なら湯少々を足す。
・卵黄とレモン汁を混ぜてマジョラムとイタリアンパセリを加え、火から下した肉にかける。火からずらして卵に火が入りすぎないようにしながらとろ火で煮る。

※復活祭や祝日の料理。この本のリチェッタの中でも人気の料理。

ブロデットといえばアドリア海のズッパ・ディ・ペッシェとして知られているけど、子羊肉の煮込みなら、ブロデッタートbrodettatoやフリカッセfricasse


さらに子羊料理が美味しいことで知られるアブルッツォには、子羊のカーチョ・エ・ウオバagnello cacio e uovaという名物料理があります。


材料/
子羊肉・・1㎏
白ワイン・・300ml
ローズマリー・・3枝
卵・・12個
おろしたペコリーノ・アブルッツェーゼ・・250g
塩、黒しょう
EVオリーブオイル・・100ml
にんにく・・3かけ

・肉を一口大に切る。
・油ににんにくを加えて熱し、肉を入れて塩をする。
・軽く焼き色がつくまで炒めてローズマリーとワインを加え、蓋をして15分煮る。
・卵を溶いて塩、こしょうし、ペコリーノを加える。
・肉からにんにくを取り除く。卵をかけてかき混ぜてつなぎながら煮る。


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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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牛乳を1滴たりとも捨ててはならぬ、というベネディクト会の教えからグラナ・パダーノは生まれた。

今日は、9月号を訳していて、一番記憶に残った文章を紹介します。 その記事は、『クチーナ・イタリアーナ』のチーズについてのものでした。 まず、最初の一文がかっこよかった。 「イタリアには500種類のチーズがある。そしてそのトップはパルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノという...