2022年1月31日月曜日

アマトリーチェが大地震の被害を受けたのは2016年。立派に改装して再開した店もあります。

今日の料理は、(CIR/5月号)の記事、“ローマのプランゾ”から、スパゲットーニ・アッラ・グリーチャです。
地方料理の記事で、ローマのプランゾというテーマとなると、ローマを訪れた観光客が選びがちな料理になるのは避けられません。
でも、“カルボナーラ”じゃなくてあえて“グリーチャ”としたところに逆にこだわりを感じてしまいますねー。
カルボナーラはローマを代表するパスタ。または、世界で一番コピーされているパスタとも呼ばれています。
世界中の人がコピーできるほどシンプルな料理だったんですねー。
ベースの材料はスパゲッティ、卵、ペコリーノ、パルミジャーノ。
でも、そもそもローマにもラツィオにも、カルボナーラの痕跡は一切残っていないそうです。むしろラツィオのアペニン山地の森で炭を作っていたカルボナーリたちが作り出した料理、カーチョ・エ・ペペがルーツかも、という説などが有力です。

イタリア料理の初心者向けの本、『マンマミーア

では、難しいコツもいらない作り易い料理と紹介されています。
そういえば、ローマの『ロッショーリ

は、ガンベロ・ロッソでローマで一番カルボナーラが美味しい店に選ばれて大繁盛したのでした。

そしてマッシモ・ボットゥーラシェフのイタリア料理の本、『メイド・イン・イタリー』には、カルボナーラを世に知らしめたのは、ローマのアルフレードの“フェットゥチーネ・アル・アルフレード”↓だという説が載っています。
現在、ローマには、アルフレードの二人の元カメリエーレが開いた“オリジナーレ・アルフレード”と“ベーロ・アルフレード”の2軒があります。
とにかくすごい勢いで世界中に広まったのでした。

ローマのテスタッチョのカーチョ・エ・ぺぺ。

編集が秀逸な地方料理シリーズ、グイド・トンマージの『クチーナ・ディ・ローマ・エ・ラツィオ

は、パスタに特に力を入れている本です。
カーチョ・エ・ぺぺ、カルボナーラの次は、アマトリチャーナ、そしてグリーチャと続きます。
アマトリチャーナはグアンャーレやパンチェッタの産地として知られるアマトリーチェ発祥のパスタでカーチョ・エ・ぺぺによく似ています。
そしてアマトリチャーナからトマトを取ったイン・ビアンコバージョンがグリーチャ。
アマトリチャーナは2016年の地震で大きな被害を受けましたが、立て直した店舗で再開した店も。

おまけの動画。あれから4年のアマトリーチェ↓




2022年1月30日日曜日

スパゲッティはなじまなかったアルタ・クチーナの世界のパスタの主役は、シェフの想像力が惜しみなく発揮されるパスタ・リピエーナ。

ちょっと確認ですが、今取り上げている(CIR/5月号)の料理はエビのラビオリです(日本語のリチェッタはP.6)。
軟質小麦が育つ北イタリアは(ポー河沿いには有史以前から軟質小麦が生えていました)、地中海の国イタリアで、地中海に面していない地方。
そこでエビのパスタというのは、かなり異色なパスタだったのです。
では、北イタリアで一般的なパスタ・リピエーナとは、なんでしょう。
イタリア家庭料理の入門書、『マンマミーア

によると、どうやらカボチャのトルテッリのようです。
中でもマントバのカボチャは有名。

マントバのカボチャのトルテッリTortelli di zucca mantovani by  ristorante la Locanda delle Grazie

シェフによるとマントバのカボチャは締まっていて水気が少なく、風味が強いそうです。
・カボチャは丸ごとオーブンで焼いて冷まし、皮と種を取ります。
・粉にした、または刻んだアマレッティ、グラナ・パダーノ、ナツメグ、リンゴのモスタルダを加えて乾いた詰め物にします。
・生地は軟質小麦粉と硬質小麦粉3対1の割合。小麦粉①㎏につき卵8個でこねて2時間休ませます。薄くのばしたらギザ刃のカッターで正方形に切り、中央に詰め物を置いて長方形に折って閉じます。
・これをゆで、一人10~12個ずつセージバターであえます。


マッシュできるカボチャと違って、エビは叩いて粘りを出しています。
スカンピとエビのラビオリ↓

パスタ・リピエーナ用の生地は薄くのばしますが、これは南イタリアの小麦、硬質小麦の苦手なこと。南にはパスタ・リピエーナはほとんどありません。かなりの御馳走で、家庭料理では例外的。

ところが、家庭料理とは正反対のイタリア最高峰のアルタ・クチーナのリストランテ・グループ、レ・ソステの本、グランディ・リストランティ・グランディ・シェフ

は、かなりのシェフがパスタ・リピエーナを紹介しています。

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2022年1月29日土曜日

パスタ・リピエーナの本体は形じゃなくて閉じ方。サルデーニャのクルルジョネスとボローニャのビーナスのおへそは両巨頭。

ブログのお題は“パスタ・リピエーナpasta ripiena”へと移りました。
参考にした本はスローフードの『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』です。

パスタは、生地を薄く平らに伸ばすパスタ・リッシャpasta lisciaから作りだされる様々な形にした麺を調味した料理です。
基本はタリアテッレやラザーニャ。

パスタ・リピエーナはパスタ・リッシャで具を包んだもの。
このタイプのパスタは、具を包んでどう閉じるかが重要。閉じ方によって形も変わります。
具を包むには薄さとどんな形にもなる可塑性、そしてゆでても敗れない耐性が必要。これは南イタリアの小麦、硬質小麦粉には苦手なこと。
そのため、このタイプのパスタは主に軟質小麦の産地の北イタリアで普及しました。

ラビオリの形は、四角、三角、円形、半月形というタイプと、カッペッレッティや、トルテッリーニといったタイプに分かれます。
職人技が要求されるこのタイプは“ブルジョア風”などとも呼ばれ、農村より都市部で広まります。
アスティのモンフェッラートからトリノに伝わり、ピエモンテのパスタの直流、リグーリアを経由して同じサボイア家が支配するサルデーニャへと伝わりました。

モンフェッラートのアニョロッティ・デル・プリンagnolotti del plin。

リグーリアのパンソッティpansotti。

サルデーニャのクルルジョネスCulurgiones。
閉じ方を口で説明するのは無理。

ボローニャのトルテッリーニombelico di Venere。

さらに、農家の主婦は、ゆでている間にパスタが開いて具が飛び出す、という悲劇を避けるために、あらゆる努力を惜しみませんでした。
そこで考え出された形がビーナスのおへそです。

ビーナスのおへそのスタートは三角形のラビオリ。
2.5㎝角の四角い生地に詰め物をのせ、三角形に折って親指と人差し指を縁を閉じたら指に巻きつけて両方の角を合わせる。

トルテッリーニの閉じ方。





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2022年1月28日金曜日

今日の料理はエビのラビオリ。一見餃子みたいだけど、詰め物入りパスタはラグーのタリアテッレより御馳走だった。

今日の料理はエビのラビオリ、コラトゥーラ風味。
リチェッタの日本語訳は(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2020年5月号P.6。
丸い生地なので見た目は餃子の生地で作ったみたいなパスタですが、コラトゥーラをかければあっという間にイタリアンです。

丸いラビオリは、特殊な道具を必要とせず、コップがあればできるという手軽な形。丸く抜いた生地の中央に具をのせて半分に折って半円形(メッザルーナmezzaluna)にし、縁をフォークで押さえて閉じるメッザルーナは、もっともシンプルなラビオリ。英語ではメッザルーナ・ラビオリと言うらしいです。

スローフードの“スクオラ・ディ・クチーナシリーズ”の『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』

では、ベーシックのメッザルーナをはじめとして、

簡単なアレンジのラビオリから、マルケージのラビオリ・アベルトまで、数々のラビオリのバリエーションを紹介しています。

例えば、メッザルーナ・ラビオリをカーブの面を下にして置き、中央を人差し指で押してくぼませると、メッザルーナ・スキアッチャータmezzaluna schiacciataというボート型のラビオリの出来上がり。縁の折り方を工夫したラビオリもあります。
ラビオリの場合は成型と言っても閉じ方のことです。

下の動画はトスカーナを代表するアルタ・クチーナのシェフ、アルノルフォのガエタノ・トロバートシェフのラビオリ。彼は、粉から形、詰め物、ソースまで発想力と感性を駆使してオリジナルな詰め物入りパスタを作り出している。玉ねぎなどの食材も地元産に徹底的にこだわり、生地も湿度を失わないようにしながら複雑に成型する。

シェフのラビオリは言うならば究極版なので、お手軽さとは無縁。エビのラビオリのコラトゥーラがけは、その対極にあるシンプルなラビオリ。
ガエタノ・トロバートシェフのラビオリ。

ここで詰め物入りパスタの歴史を少々。
詰め物入りパスタの本場と言われるバッサ・パダナ地方では、家庭で毎日パスタを作りましたが、金曜日はパスタの切れ端で作るミネストラ・イン・ブロード(やがて水曜日にも作るようになります)。日曜日は店で買ったタリアテッレにラグーをかけて食べました。そして
守護聖人の日や祭りの日には、パスタ・リピエーナを食べたのです。
つまり詰め物入りパスタは飛び切りの御馳走だったんですね。
なので、伝統料理から現代料理まで、ラビオリには無数のバリエーションがあります。
詰め物入りパスタ(pasta ripiena)は詰め物の種類で大きく3つに分かれます。
肉の詰め物、野菜の詰め物、魚の詰め物です。
魚(海水魚・淡水魚)の詰め物は、海や湖のそばの中~北イタリアの食文化に属し、比較的稀です。モダンな料理では好んで取り上げられています。
パスタ・リピエーナの話、次回に続きます。

おまけの動画、リストランテ・アルノルフォ。webページ



2022年1月27日木曜日

ローマの春の名物料理なのにローマ以外では全然知られていない、ラ・ビニャローラ

(CIR)の料理、次はリングイーネのカルボナーラ・ビニャローラです。
グリーンピースとソラマメの話題の次に紹介するのにはぴったりな料理です。

グイド・トンマージの地方料理シリーズの『ローマ・エ・ラツィオ』では、表紙を飾っている料理です。

ビニャローラとは、ぶどう農家、またはワイナリー、といった意味。
トスカーナの大手ワイナリー、ルフィーノの本、『ルフィーノのトスカーナ

にも大きな料理の写真がドーンと載っています。
本の解説によると、ビニャローラは農民の歴史の古い春の料理で、ブドウ畑のぶどうの樹の間に植えた各種の野菜から作る料理だそうです。
畑で一日中作業した後に、食べ頃になってる野菜を集め、家に帰ってそれらの野菜で作った料理だそうで、このことを知ってから、ぶどう畑の間がどうなってるのかとても気になっているのですが、今どきのぶどう畑は、整然としすぎてて、間には何もないですね。


ローマの春の野菜を集めた緑色に輝く料理、ビニャローラ。

Vignarola/ビニャローラ

材料/
くし切りにしたアーティチョーク・ロマネスキ・・3個
葉玉ねぎ・・2本
さやつきソラマメ・・1㎏
さやつきグリーンピース(さやから出して砂糖と塩を加えた湯でゆでる)・・1㎏
ロメインレタスの細切り・・1個
アスパラガスの柔らかい穂先・・1束
野菜のブロード・・1/2ℓ
塩、白こしょう

・刻んだ葉玉ねぎと塩をさっとソッフリットにし、野菜のブロード少々をかけて蓋をして5分煮る。
・固いものから加えていく。アスパラガス、アーティチョーク、塩、こしょう、ブロード少々を加えて柔らかくなるまで10~15分蒸し煮にする。
・グリーンピースとソラマメ、最後にロメインレタス、塩、こしょう、野菜のブロードを加えて5~10分煮る。
・油を回しかけて火を止める。パンにのせて油を回しかけてサーブする。

確かに、これだけローマ野菜を集めるのは、都会人には無理かも。イタリアの春の代表的な1品なのに、ローマ以外ではあまり知られていないというのも納得です。シーザースサラダ以外のロメインレタスの料理も珍しいかも。

これはまさに野菜だらけでしたが、チッチョリなどの豚の脂身、ペコリーノの小片、メントゥッチャなどの具材も加えてリッチにしました。

チッチョリは豚の脂身から脂を溶かして集めた後のもの。

4月号のリチェッタはこれをカルボナーラ風アレンジでパスタソースにしたもの。ラツィオつながりで同じくラツィオの名物パスタ、カルボナーラと単純に組み合わせたのかもしれないけど、ローマの春野菜のゴージャスなミックスのほうが完全に勝ってるなあ。


2022年1月26日水曜日

4月のグリーンピースpiselli、5月はソラマメfave。


今日の料理はソラマメのオイル漬けです。
scuola ABCの記事なので、初心者向けのリチェッタです。
日本語のリチェッタは(CIR)5月号P.4です。
オイル漬けソラマメを使ったリチェッタはたまーに見ます。
チーズとサラミとトーストしたパンを添えるのが季節の定番の田舎風食べ方です。
サラダに入れたり、ゆでた魚の付け合わせにしたり、ピューレ、ズッパ、トルタ・サラータにします。
ちなみに先月の主役はグリーンピースでした。
イタリアンのグリーンピース料理は、ラツィオ料理のコントルノ、グリーンピースとハムpiselli al prosciuttoや、ピゼッリ・アッラ・フィオレンティーナpiselli alla fiorentinaなど。
ピゼッリ・アル・プロシュット。

ピゼッリ・アル・プロシュットpiselli al prosciutto

材料/2人分
グリーンピース・・300g
ハム・・20g
玉ねぎ・・30g
EVオリーブオイル、塩、こしょう

・玉ねぎの薄切りを油で焦げないようにソッフリットにし、グリーンピースを加えてなじませる。蓋をして弱めの中火で10分熱する。蓋を取って水気を飛ばす。
・小角切りにしたハム、塩、こしょうを加え、蓋をしてハムがしんなりするまで熱し、火を止めてかき混ぜる。熱々をサーブする。

ピゼッリ・アッラ・フィオレンティーナpiselli alla fiorentina

グリーンピースのフィレンツェ風は毎年春になると紹介していているリチェッタ。
春になると食べたくなるコントルノです。

今年はナポリのパスタなんてどうでしょう。
パスタ・エ・ピゼッリpasta e piselli。
パスタの定番はトゥベッティtubetti。この料理でぐらいしか食べる機会がなさそうな、グリーンピースと同じサイズの小さな穴あきパスタ。コントルノ感が強いパスタです。
ナポリにはあらゆる豆とそれに最適のパスタを組み合わせた料理があります。

クチーナ・ディ・ナポリ

のリチェッタを訳します。

材料/4人分
生のさやむきグリーンピース・・700g
トゥベッティ・・300g
パンチェッタ・・80g
玉ねぎ・・1個
EVオリーブオイル・・大さじ4
塩、こしょう、おろしたパルミジャーノ

・大きなフライパンでパンチェッタと玉ねぎの薄切りを油でソッフリットにする。
・玉ねぎが透き通ったらグリーンピースを加えてレードル2杯の水をかけ、10分煮る。
・塩とパスタ用の水適量(水気が多すぎない程度)を足し、火を強めてパスタをゆでる。
・パスタを取り出し必要なら塩、こしょうし、パルミジャーノを散らす。

ローマ料理にはソラマメとペコリーノやソラマメとグアンチャーレなどの名物もあり、春の緑の豆はイタリア中で愛されています。

グリーンピースの収穫



2022年1月25日火曜日

サルバ・クレマスコはかびだらけのチーズを裏返したり洗ったり、とにかく手間暇かけて熟成させて、厳しい冬に備えたチーズ。

  今日の料理は、  (CIR)5月号のリチェッタから、“ピッツェッテpizzette”に続いてパイ生地を使ったリチェッタその2です。
“スフォリアータsfogliata”というネーミング。
パイ生地pasta sfoglia、そのものです。
トッピングはパイ生地と相性が抜群のアスパラガスです。細いワイルド・アスパラガスはフリッタータやリゾットによく使われます。
下の動画ではパイ生地を広げてリコッタのクリームを敷き、その上にアスパラガスとゴルゴンゾーラをのせて焼いています。


(CIR)では、カブリーノに卵と牛乳、パルミジャーノを加えたクリームを敷いてアスパラガスの上にサルバ・クレマスコsalva cremascoというチーズをのせて焼きます。
基本的には誰にでもできる簡単なパイですが、唯一登場する聞き慣れない食材が、この牛乳のチーズです。
ロンバルディアの産物です。





ミラの料理の本、『クチーナ・ミラネーゼ

によると、サルバ・クレマスコはロンバルディアやミラノの農家が厳しい冬を生き延びたチーズだそうで、カビだらけになっても洗って手間暇かけてひたすら熟成させるウオッシュ・チーズ。ミラノは別名チーズの街とも呼ばれていて、ゴルゴンゾーラやタレッジョ、マスカルポーネもミラノのチーズ。
ミラノの牛乳は、粉末や冷凍のミルクなど遠方から運ばれてくるミルクを嫌い、新鮮なミルクの製品を求めるミラノ市民のための牛乳。乳製品もたっぷり作られています。
さらにミラノの人はパルミジャーノより、地元のロディジャーノを好むそうです。
下の動画はその一例。
サルバ・クレマスコのような珍しいチーズも、スフォリアータなら簡単に使いこなせそう。


サルバ・クレマスコとサラミのパニーニdelizie con Salva Cremasco e salame.
・ピッツァ生地を少量ずつ伸ばして中央にトマトソースを敷き、サラミの薄切り1枚とサルバ・クレマスコの小片とベッラ・ローディ少々をのせる。
・生地をつまんで中央で集めて閉じる。
・EVオリーブオイルに塩、こしょう、地中海のハーブを加える。
・天板に並べてオイルを塗り、おろしたベッラ・ローディーを散らす。
・190℃のオーブンで15~20分焼く。

ピッツァ生地とトマトソースを使っても、ロンバルディアのチーズだと、南のピッツァとは違うパンになるんですね。


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2022年1月24日月曜日

1898年にシチリアの土壌と気候に合うように改良されて生み出されたパキーノ・トマト。

イタリアでは、ピエモンテからシチリアまで、様々な品種のトマトが栽培されています。
下の動画のトマトはピエモンテのトマト、“コストルート・ディ・カンビアーノcostoluto di Cambiano”
見るからに生食用の大型の緑のトマトですが、缶詰用としての加工もされていました。

その中でも有名なのは、シチリアのパキーノPachino。
こちらは房付きミニトマトが代表的ですが、大型のコストルートタイプもあります。
ノートやラグーザがある島の南東部で栽培されています。
特徴は味と果肉のコシと艶。ビタミンCや抗酸化物質(リコピン)の含有量が多い。別名“赤い金oro rosso”。
最近大ブームになり、パキーノのソースなど新製品も続々登場。

パキーノがなぜ美味しいかをとてもわかりやすく説明する動画。
豊かな土壌で甘やかされて育ったトマトに対して、シチリアの南の端の海のそばで育ったパキーノは、太陽をたっぷり浴びているが海のそばなので土壌は砂質で、水には塩気が混ざっている。栄養分をたっぷり与えられたトマトと比べて実は小さいが、糖、ミネラル、ビタミンなどトマトの色や味を生む物質は豊富だった。
1989年にイタリアのトマトを改良して生み出されたトマト、パキーノは、パキーノの土壌と環境に合うように作り出されたシチリアのトマト。


新しすぎて、まだ代表的なシチリアのリチェッタはないけれど、トマトの扱いに慣れたナポリでは、どんどん取り入れられている。
『ガンベロ・ロッソ』のトマト特集号のリチェッタで興味を引いたのは、エンツォ・コッチャシェフ・ピッツァイオーロのクアトロ・フォルマッジならぬクアトロ・トマト。
4種のトマトのトッピングは、手で潰したサン・マルツァーノ、コルバイーノのミニトマトの缶詰、ミニトマト、ダッテリー二の缶詰、ミニトマトのコンフィ。トマトとモッツァレッラをピッツァの1/4ずつにのせて焼く、トマトをたっぷり味わえるピッツァです。

ミニトマトのコンフィpomodorini confit。


・ミニトマトを半分に切り、天板に切り口を上にしてのせる。
・塩、ドライオレガノ、タイム、ブラウンシュガー、粗挽きこしょう、パン粉を散らしてEVオリーブオイルを回しかけ、160℃のオーブンで1時間30分焼く。

パキーノのコンフィのリングイーネlinguine con pomodorini confit。
材料/6人分
パキーノトマトかチェリートマト・・500g
リングイーネかスパゲッティ・・500g
EVオリーブオイル、塩、こしょう、砂糖
バジリコ、オレガノ、にんにくのみじん切り
パルミジャーノ

・パキーノを半分に切って切り口を上にしてオーブン皿に並べて均一に塩をし、砂糖を散らすして(トマトをカラメッラーレするため)オイルをたっぷりかける(ソースになる)。コンベクションオーブンを120℃に予熱する。
・バジリコのみじん切り、たっぷりのオレガノ、にんにくのみじん切りを混ぜてトマトに散らす。EVオリーブオイルを回しかける。このあとオーブンで1時間30分焼くので時間を見て作り始める。
・コンフィをフライパンに移す。
・パスタをゆでる。
フライパンを火から下し、パスタを加えて再び火にかける。よく混ぜておろしたパルミジャーノを加える。火を止めてこしょうをかける。


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2022年1月23日日曜日

ポモドリーニ・デル・ベズビオはナポリの気候と土壌の奇跡の組み合わせから生まれたナポリ名物。もう一つの名物、グラニャーノのパスタとよく合います。

トマトの話、次は、サン・マルツァーノ以外のトマトです。
まずは、独特の方法で美しく干しトマトに加工されることで知られるミニトマト、
ポモドーロ・デル・ピエンノロ・デル・ベズビオpomodoro del Piennolo del Vesuvio。

ベズビオはナポリの東にあり、大噴火によってポンペイを埋めてしまったことで知られるカンパーニアの象徴的火山。ちなみにあの噴火は紀元前79年。その後、何度か大噴火を繰り返している。ふもとの土壌はとても豊饒なことで知られている。
元々トマトの栽培に適した乾燥したカンパーニアの気候にヴェスビオ山の土壌が加わったこの地のトマトの栽培は、かなりの重労働。
ビエンノロ・ディ・ベズビオは皮が厚くて真っ赤なミニトマト。ピエンノロにはナポリの方言で振り子という意味があるが、この振り子のような形にトマトを吊るすのは、昔から伝わるトマトを冬のために保存する方法だった。冷蔵庫がない時代に、こうして収穫後8か月も保存できた。当時のトマトの保存方法は干す、と瓶詰め。
動画の中でビエンノロ・デル・ベズビオの代表的なナポリのリチェッタとして紹介しているのは、
ポモドリーニ・デル・ベズビオとストッカフィッソのパッケリpaccheri di stoccafisso e pomodorini del vesuvia。
ポモドリーニ・デル・ベズビオも、グラニャーノのパスタの象徴、パッケリもナポリ人自慢のナポリの特産品。でも、港町でストッカフィッソ?とも思いますが、『クチーナ・ディ・ナポリ

によると、バッカラやストッカフィッソといった干ダラは、その値段の安さから、ナポリではかなり広まりました。現在でもナポリ料理にはバッカラ料理がたくさん残っています。
作り方
・ミニトマトを半分に切る。戻したストッカフィッソをスライスする。
・その間に油でにんにくをソッフリットにする。ケッパーと種を抜いたオリーブ、ストッカフィッソ、トマト、バジリコ、塩を加える。
・パスタのゆで汁とパスタを加えてマンテカーレする。
・皿に盛り付けてイタリアンパセリを散らす。

おまけの動画はアグリポッジョ農協の2020年のトマトの収穫。

ホールトマトの製造過程。

こうして近所のスーパーまで届くんですね。


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2022年1月22日土曜日

サン・マルツァーノは缶詰用に特化したトマト。上質のものは塩とバジリコを加えただけで美味しいソースになる。結局、良いホールトマトを見極める目が重要。

きのうの数字の出典を書くのを忘れていました。
『ガンベロ・ロッソ』2019年8月号のトマト特集の記事から引用しました。
とても興味深い特集でしたが、膨大な記事なので、今後機会があったら少しずつ訳してみたいと思っています。
今日は、それにちょっと追加。出典はイタリア料理の百科事典、1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ

です。今回はサン・マルツァーノトマトに焦点をあててみます。
トマトは中米生まれで、アメリカの発見後、17世紀にスペイン人によってスペインに赤い実がなる観葉植物として広まり、(1770年にペルー王国からナポリ王国への贈り物としてトマトの種がカンパーニアのアグロ・ノチェリーノ・サルネーゼAgro Nocerino Sarnese地区に伝わった、と言い伝えられている。)この地区が現在のサン・マルツァーノのコムーネにあたる。
ノチェリーノ・サルネーゼ平野。

それ以来、サン・マルツァーノはイタリアで最古のトマトとして栽培され、その後、20世紀初めには、フランチェスコ・チリオによってイタリアで最初のホールトマトの缶詰工場ができ、缶詰用トマトとして広まった。
楕円形で筒型のトマト、サン・マルツァーノは種や筋が少なく、鮮やかな赤い色で、皮には甘みがあり、生食しても美味しいトマトだった。つまり、ソースや缶詰には最適のトマトだった。
それまでは天日で干す以外の方法がなかったトマトの保存方法に缶詰が加わって、イタリア料理も変わった。
現在では、サン・マルツァーノはイタリアだけでなく、地中海の食事の食材として世界中で求められるトマトになった。
つまり、サン・マルツァーノは缶詰用に特化したトマトなんですね。チリオは徹底的にサン・マルツァーノを研究し、その結果、缶詰のホールトマトに塩とバジリコとトマトの汁(サン・マルツァーノ限定)を加えれば、ピュアなトマトソースになってナポリの味が世界中の家庭で再現できるようになります。
缶詰になったノチェリーノ・サルネーゼのサン・マルツァーノは世界中に輸出され、ナポリの味とホールトマトはますます普及し、その結果、サン・マルツァーノはイタリア料理でもっともおなじみのトマトになった。

イタリアにはチリオ以外にもホールトマトのメーカーはあり、農作物なので品質や値段に大きな違いがあるのは事実。イタリア料理のベースになっているホールトマトへのナポリ人の目は厳しい。
下の動画はホールトマトのチェックのしかた。個人的な見解と断ってますけど、参考になりそう。
・まずは缶を開けて蓋の裏についた汁をチェック。汁が濃いと蓋の裏にもたくさんつくが、汁が水っぽいとあまりつかない。でも、汁が濃いからと言って良いとは言えない。入っているトマトの数や状態もチェックした結果、値段が高い製品はトマトの数も多く、質も均一。
結局、安いものと高いものではかなり違いがありました。


トマトはピッツァの生命線。ピッツァイオーロはある意味トマトのスペチャリスタ。

2022年1月21日金曜日

トマトとともに歩んだイタリア料理、最初の主役はスペイン人、そしてナポリ人、さらにトリノ人と移り変わった。

ピッツァやパスタの話題になると、トマトの重要性をひしひしと感じます。
ナポリがピッツァやパスタの中心地になれたのは、トマトの産地でもあったからでは・・・。

トマトがヨーロッパに伝わる物語の実写版はかなりの大作↓
最初はスペイン人が主役だけど、ヨーロッパに渡るとナポリ人が主役。

でも、トマトは地中海が原産地ではありません。
トマトの歴史を見てみると、イタリアよりもっと強くトマトと結びついていたある国が浮かび上がってきます。

トマトは、起源8世紀ごろインカで栽培が始まり、メキシコへと伝わり、16世紀にスペイン人のコルテスがモンテスマ皇帝の庭園で発見してヨーロッパに種を伝えました。トマトがヨーロッパで初めて栽培されたのもスペインです。

1692年には料理書に初めてトマトソースのリチェッタが登場します。ちなみにそのトマトソースは“アッラ・スパニョーラ(スペイン風)”と呼ばれています。

17世紀半ばになると、トマトの食用としての栽培が広まり、南ヨーロッパの料理にも多用されるようになります。
1839年には、ナポリ料理史の重要人物、ブオンビチーノ公、イッポリート・カバルカンティが、料理書に、初めて“ベルミチェッリ・コ・ラ・プンマローレvermicelli co pummarole”のことを書き記しました。
ナポリの方言のトマトソースのパスタのデビューです。
1889年にはピッツァ・マルゲリータが誕生しました。
トマトとモッツァレッラのピッツァでの共用は、19世紀前半頃から広まっていたようです。
1891年にはイタリア料理の父、アルトゥージがトマトソースのリチェッタを発表します。おそらくこれが、トマトソースがイタリアの家庭に広く普及するきっかけになりました。
そして18世紀末~19世紀にかけて、チリオがトマト缶を発明して発売します。
チリオの本社はトリノにあります。
ナポリとトマトの結びつきは、さらに薄くなりましたが、トマトはより強力にイタリアの家庭に広まっていきます。

現在、世界で一番トマトの生産量が多い国は、アメリカです。そして中国、イタリアと続きます。
輸出量がもっとも多い国はイタリアです。2位がスペインで3位がアメリカ。
イタリアでトマトの栽培量が一番多いのはプーリア。そして2位がエミリア・ロマーニャ、3位がカンパーニアです。トマト缶の生産が多いのは1位、エミリア・ロマーニャ、2位ロンバルディア、3位カンパーニアの順。

チリオの創業者、フランチェスコ・チリオは、トマトの缶詰によってイタリア料理を変えただけでなく、イタリアで最初の国際的食品メーカーとして大成功を収めました。
個人的には、グッチよりすごいと思ってます。

ソース用トマトに最適とされているサン・マルツァーノトマトの栽培。

ナポリ人のサン・マルツァーノへの信頼は厚い。





2022年1月20日木曜日

ナポリの神髄スペイン地区は、ナポリのトマトソース、スカルパリエッロ誕生の地でもある。

ミラノのパン屋のピッツェッテがなぜあんなに美味しかったのか、その秘密はトマトソースではないかと密かに思っているのですが、ナポリのトマトソースは、ナポリのピッツァだけでなく、イタリア料理の神髄の一つです。
ナポリ料理の本、『クチーナ・ディ・ナポリ
の話は以前にも書きましたが(こちら)、
ナポリのトマトソースは生が手に入る夏の時期のトマトソースと、干しトマトや缶詰のトマトを使う冬の時期のトマトソースがあります。
トマトには、煮汁にとろみをつけてつなぐ効果があります。チーズや卵にも同様の効果があります。
例えば、さらさらの野菜スープも、トマトが入ればこくのある美味しいソースになって、パスタにかけることもできます。シンプルで質素な、農民が手に入るものを使って手早く作った料理から生まれたソースです。

さらに、トマト畑があるナポリの郊外ではなく、大都市のナポリで生まれたトマトソースが、スカルパリエッロscarparielloです。
正確にはナポリの靴屋が多い一角として知られるスペイン人街で、職人のためにすぐ出来て手頃な値段で美味しいトマトソースとして生まれて人気になったソースです。ルーツは家庭の残り物で作る煮込み料理のラグー。

スカルパピエッロのパスタ。

材料/4人分
スパゲッティ・・320g
ミラトマト(ダッテリー二)・・500g
ペコリーノ・ロマーノ(ブロック)・・30g
パルミジャーノ(ブロック)・・30g
バジリコ・・1房
生唐辛子・・1/2本
EVオリーブオイル・・70g
にんにく・・1かけ、塩

・ダッテリー二は最近ではスカルパリエッロによく使われるミニトマト。楕円形でミニトマトの中では大型。ダッテリー二を半分に切る。
・チーズをおろす。チーズは靴屋に代金の代わりにチーズで支払う人が多かったので靴屋にはたっぷりあったと言われている。
・パスタをゆでる。
・にんにくと唐辛子を油でソッフリットにし、ミニトマトを加えてパスタをゆでている間炒める。トマトが柔らかくなったら塩をしてにんにくを取り除き、ちぎったバジリコとでんぷんが溶け出たパスタのゆで汁少々(量産型のパスタだとでんぷんが溶け出ない。アルティジャナーレの低温乾燥のパスタだとでんぷんが溶け出る)を加えて混ぜる。さらにパスタを加える。さらにチーズを加え、必要ならゆで汁少々とちぎったバジリコも加えてあえる。

トマトソースの基本が詰まったソースです。
ただし、トマトについてはナポリのピッツァイオーロが説明する下の動画をどうぞ。
やっぱりサン・マルツァーノの話抜きにはトマトは語れません。



スペイン地区は、ナポリ初心者の観光客にはおっかな過ぎて腰が引けるけど、とにかく美味しそう。

この地区のエキセントリックさはもはや観光の目玉になってます。もっと冷静に見るとこの地区もなかなかいい所。


トマトソースの話、次回に続きます。

2022年1月19日水曜日

ナポリの食材を使わないと、イタリアでも美味しいピッツァはできないけど、パイ生地でもピッツェッタは美味しい。

今日のお題はピッツェッタpizzetta。
その名の通り、小さなピッツァ。
ナポリでピッツァを初めて食べた時も衝撃だったけど、このピッツェッタを食べた時も、かなりのインパクトでした。
ピッツァ1枚分のうまみが、あの小さくてかわいいミニピッツァに凝縮されていたのです。
私が食べたのは、ミラノのパン屋のピッツェッタでした。
そういえば、イタリアで食べたピッツァで美味しいと思ったのは、ナポリとプーリアのバリだけでした。あと、ジェノバのフォカッチャ。むしろ、ナポリ以外で食べるピッツァは全然別物で、びっくりしたものです。
ナポリではピッツェッタには無数のバリエーションがあり、気軽に食べれるビュッフェやバールの1品。
でも、その気軽さを阻んでいるのがパン生地作り。


今回の(CIR)のリチェッタは、パン生地ではなく、市販のパイ生地でピッツェッタを作ります(リチェッタはP.3)。
トッピングはモルタデッラ、ストラッチャテッラ、トマトソース。どれも簡単に本格的なピッツァになる食材です。
トマトソースとモッツァレッラがあれば、パイ生地でもナポリの味のピッツェッテになっちゃうんです。

パイ生地のピッツェッテ↓

下の動画で最初に食べているのはスカルペッタ・アル・ラグー。
トマトソースの食べ方としては画期的。
しかもこのソース、日曜日の御馳走のパスタ用の特別なソース。
パンですくって食べると一段と美味しそうに見える。


スカルパピエッロはナポリのスペイン地区の靴職人の間で流行った食べ方と言い伝えられている、ナポリの代表的なトマトソース。
このお題、次回に続きます。

おまけの動画、ピッツァ・ショー・ナポリのピッツァ/シーズン2。エピソード9。
なんじゃこりゃ。すごいお金をかけて詳細に取材した壮大な番組。



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2022年1月18日火曜日

アドリア海沿岸の漁師町では、ストリートフードならぬ漁船で食べる“ダ・バルカ”料理が広まった。

今日の料理は“コイカのフリット、オレンジマヨネーズ添え”
リチェッタは(CIR)5月号P.2
コイカは、calamaretti spillo、学名Alloteuthis media(アロテウス・メディア)という東大西洋と地中海の小型の極小サイズのイカ。ホテルイカよりさらに小さい印象。和名は不明です。
地中海ではおなじみのイカのようで、リチェッタにもたびたび登場します。
カラマレッティ・スピッロの下ごしらえ。
このリチェッタの面白いところは、フリットを紙を丸めたコーンに入れている点です。
シーフードのフリットミストは、海辺の町の人気のストリートフード。
コーンに入れるのは揚げ物を歩きながら食べるために考え出されたイタリアならではのスタイルです。
動画と提携している本、『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ 


アドリア海沿岸の漁師町では、ストリートフードというより、船の上で食べる“ダ・バルカda barca”の料理。紙のコーン(cono di carta)に詰めるスタイルは、“ネル・カルトッチョnel cartaoccio”とも呼ばれます。漁の後に残った各種の小魚を揚げたフリットは、グラン・フリットと呼ばれた。
今回のリチェッタのフリットは、小イカのみのミニサイズのフリット。
グラン・フリットより気軽につまめる料理です。
グラン・フリットには野菜のフリットも加えました。

漁の後に網(パランツァ)に残った小魚のミックス、パランツァのフリットfrittura di paranzaはナポリの名物料理。


ストリートフードのフライドフィッシュは豪快。

フリットの聖地ナポリで24時間フリットだけを食べるという挑戦がブーム。
こんな企画は消化器官が丈夫な若者じゃないとトライできない。若いって・・・。
ナポリのフリットは紙のコーンに入れて長い木串を刺してサーブされる。


リコッタクリームを詰めたパスクアのドルチェとして、サルデーニャのパルドゥラスとシチリアのカンノーリを紹介しましたが、ナポリのスフォリアテッラを忘れてました。
こんなに手が込んだ繊細なドルチェなのにストリートフードなんですね。




2022年1月17日月曜日

春の三種の神器、ソラマメ、ペコリーノ、サラミ

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)5月号発売しました。
定期購読分は本日発送です。
今月は5月号。春の料理が徐々に増えてきました。
まずアペリティーボは、“ソラマメのクリーム、ペコリーノ、サラミのパンツェロッティ”。
リチェッタはp.2。

ソラマメ、ペコリーノ、サラミは、イタリア料理の春の三種の神器。
とにかくこの季節、この3つを組み合わせておけば間違いない。
“ソラマメ、ペコリーノ、サラミのケークサレ”

ソラマメ、サラミ、ペコリーノのパスタ

今回のリチェッタは、この組み合わせのパンツェロッティです。
さらにソラマメはクリームにします。
ソラマメのペーストはリグーリアの名物、Pesto di fave。

材料/
さやむきソラマメ・・600g
おろしたペコリーノ・・80g
松の実・・25g
オリーブオイル・・60g
ミント・・小8枚
にんにく・・1かけ

・ソラマメを3分塩ゆでして冷水に取り、薄皮をむく。皮をむいたソラマメは約400g。
・ソラマメ、松の実、ミント、にんにく、ペコリーノ、オリーブオイルをミキサーにかけてペーストにする。パンに塗ってクロスティーニにしたり、パスタソースにする。密閉ビンに入れてオリーブオイルで覆い、冷蔵庫で3日程度保存できる。または冷凍する。

ソラマメとペコリーノのクロスティーニCrostini fave e perocino
材料/10~12個分
皮むきソラマメ・・150g
レモン汁・・少々
にんにく・1/2かけ
粗塩、白ごま、EVオリーブオイル、全粒粉のクロスティーニ
ペコリーノ・ロマーノ

・ソラマメを7分塩ゆでして流水に取る。
・ソラマメ、粗塩少々、油、にんにく、レモン汁をハンディミキサーで撹拌してピューレにし、白ごまを加える。
・クロスティーニにピューレを絞り出してペコリーノの小片をのせる。前菜としてサーブする。

パンツェロッティはプーリアの揚げパン

おまけの動画。ファーベとチコーリアFave e cicorie selvaticheは、乾燥ソラマメとチコーリア・セルバティカを使ったプーリアを代表する名物料理。





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2022年1月15日土曜日

リコッタのパスクアのドルチェは、サルデーニャの角のある籠形のパルドゥラvsシチリアの筒型のカンノーリ。

今日のお題は、サルデーニャのドルチェです。
今回の取り上げたドルチェは、パルドゥラスpardulas、またはパルドゥラ。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)4月号P.39に記事やリチェッタの日本語訳があります。
サルデーニャの代表的伝統的バスクアの菓子で、リコッタ・クリームを詰めたタルトレットです。
ちなみに、2022年の復活祭は4月17日だそうです。
パート・ブリゼに似た、パスタ・ビオラーダpasta violadaという、バターの代わりにラードを使った生地をつまんで角を作る籠の形のタルトレット。
パルドゥラスの語源はラテン語でquadurla(四角)と言われていて、最初は4つの角を作ったが、8個以上のものもある。
このドルチェのポイントはこの形。

イメージと違ってかなりふわふわなタルト。

素朴でシンプルなイメージのサルデーニャのドルチェは伝統と職人技の結晶。

サルデーニャのドルチェといえば、一番有名なのはセアーダseada。

羊や山羊のミルクから作るリコッタは、再生を祝うパスクアの典型的な食材。セルデーニャのリコッタは、サルデーニャ特産のペコリーノのホエイから作られる。締まった生地でも柔らかくてクリーミー。かすかな甘みと後味のほのかな酸味が特徴。

一方、リコッタクリームが入るバスクアのドルチェといえば、イタリアを代表するドルチェ、シチリアのカンノーリ。

シチリアのリコッタは、9月から6月の間に作られる。後味に酸味はなく、放牧地の草の香りが感じられる個性的なリコッタ。
伝統的な製法では固まったホエイにイチジクの枝を刺して水分を出すのでイチジクの香りがする。




牛乳を1滴たりとも捨ててはならぬ、というベネディクト会の教えからグラナ・パダーノは生まれた。

今日は、9月号を訳していて、一番記憶に残った文章を紹介します。 その記事は、『クチーナ・イタリアーナ』のチーズについてのものでした。 まず、最初の一文がかっこよかった。 「イタリアには500種類のチーズがある。そしてそのトップはパルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノという...