2019年2月27日水曜日

21世紀のブラザートとストゥファート

今日はブラザートとスゥファートの話。
イタリアの冬の基本の料理です。

以前、このブログでも説明しています。(こちら)
3年前の記事ですが、今回訳した『クチーナ・イタリアーナ』の記事(今月の「総合解説」P.24)は、たった3年でイタリア料理が変化していることを感じさせる興味深い記事でした。

ブラザートbrasatoは炭という意味のbrasaが語源で、炭で鍋を覆って煮る料理でした。
一方、ストゥファートstuatoはストーブstufaで煮る料理。
3年前、イタリアの人たちは、両者の違いがよくわからない、と言っていました。

ストゥーファ
 ↓

暖炉で料理
 ↓

おばあちゃんの時代の薪用コンロ
 ↓

薪用コンロは生き残ったようですね。
ガスの火では出せない良さがあったのでしょう。
炭火で煮ている動画はみつかりませんでした。
もう絶滅したのでしょうか。

とにかく、炭も薪も、一昔前の、ガスコンロが普及する前の、言うならば明治の台所の話だったのです。
一昔前はその過渡期で、携帯に黒電話が駆逐されたように、炭や薪で料理することを知らない世代には、ブラザートもストゥファートも、なんのこっちゃ、だったのでしょうね。

イタリア中、ガスのコンロが当たり前になった現在、あえて炭や薪で料理しようとする人がいなくなった代わりに、ガスのコンロでブラザートやストゥファートと同じ効果を出す調理方法が研究されています。
さらには、コンロの持つ特徴を活かした調理方法も加えられるようになりました。
それが現代のブラザートとストゥファートなのです。

強火で焼いて焼き色をつけてからから、とろ火を保ってコトコト煮る、という調理方法が、ガスコンロが普及した現代だからこその料理だったとは、目からウロコでした。

炭火の調理を低温調理という方法で再現したブラザート。
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“ブラザートとストゥファート”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2016年11/12月号P.24に載っています。
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2019年2月25日月曜日

ファッロことエンマー小麦

本で見かけると、いつも猛烈に気になる食材があります。
ファッロfarroです。

starr-170723-0274-Triticum_dicoccum-Emmer_kernels-Hawea_Pl_Olinda-Maui
 ↑
これはハワイで栽培されたファッロ。

昔はスペルト小麦と訳していたのですが、ファッロには大中小の3種類あります。
そしてスペルト小麦はファッロ(大)のことです。
ところがイタリアで普通ファッロというとファッロ(中)のことです。
Triticum dicoccum(エンマー小麦)です。
やっぱりイタリアのファッロはスペルト小麦じゃないですよね。
この事実を知って以来、ファッロのことはスペルト小麦と呼ばずにファッロと呼ぶことにしました。

詳しくは、以前のブログ(こちら)を御覧ください。

イタリア各地の名産品の解説本、『1001スペチャリタ』によると、

ファッロ(中)は現在の軟質小麦粉の先祖。
人間が利用した最初の穀物の一つで、エトルリア人やローマ人の基本の食料でした。
石が多い痩せた土地でも育ち、厳しい冬の寒さや夏の日照りにも強く、栽培には農薬や殺虫剤を必要としない穀物です。
ちなみにfarinaの語源はfarroです。
ファッロ、あなどれない。

いくつかの種類がありますが、ウンブリアのモンテレオーネ・ディ・スポレートで栽培されている品種は、もっとも上質なファッロとみなされています。
ヨーロッパで唯一のDOP製品。
エトルリア人が文化を築いたウンブリアで、ファッロは大切に受け継がれてきたんですね。
しかも、モンテレオーネ・ディ・スポレートのファッロは、イタリアならではの親から子へと技術を厳格に受け継ぐ伝統が守られてきたために、皮が固くて向きにくいという欠点があるにもかかわらず手作業が守られ、古代の品質が守られました。



ファッロは痩せた土地でも、厳しい気候でも育ったので、飢饉の時に大勢の命を救いました。
そのため、ファッロをモンテレオーネ・ディ・スポレートに伝えた聖人、サン・ニコラは、街の守護聖人となり、21世紀の現在でも、サン・ニコラのファッロの祭りで、その奇跡が語り継がれています。

2017年12月5日のサン・ニコラのファッロの日
 ↓


最近ではファッロの粉を使ったパスタも普及してきました。
ファッロの粉には食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれているそうです。


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総合解説
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2019年2月22日金曜日

カラブリアのベルガモット

今月の食材の話、続きます。
今月と言っても、現在発売中の「総合解説」2016年11/12月号の話ですので、あしからず。

P.2ページの、上段中央の柑橘果物。
ベルガモットbergamottoです。
ミカン科の植物ですが、カラブリアの宝と呼ばれているレッジョ・カラブリア特産の柑橘フルーツです。

聞いたことはあるけど、どんな味や香りなのか、知らないなあ。
それもそのはず、ベルガモットは生食用や飲料用ではなく、もっぱら精油を香料として使用する柑橘果実。
1kgの精油を得るにはベルガモットが千個必要です。
スポンジを使って精油を絞り出す独特の手作業。


ディオールのすべての香水にも使われています。
 ↓

カラブリアは全世界のベルガモットの95%を生産しています。
ミカン科の果実は中国原産で他の品種との交配によって様々な果実が生み出されています。

どんな経緯でベルガモットがカラブリアに定着したのか、諸説入り乱れていますが、カラブリアが出てくる説は、スペインのムーア人がカラブリアの領地に生えていたビターオレンジの木にある植物を接ぎ木したことから広まった、というもの。

こちらのページによると、ビターオレンジをアラブ人は9世紀から栽培していて、11世紀にはシチリアにも伝えています。
ベルガモットの黄色い皮はレモンやビターオレンジ、ライムの血統が入っていることの証明。
ベルガモットの皮から取れる精油は、ビターオレンジの血統の証だそうです。
結論は、ベルガモットは14世紀にカラブリアで人為的に造られた品種とのこと。
この説、説得力あるなあ。
北イタリアのベルガモは関係なさそうですね。

カラブリアでは、まだ知られていないものも含めて様々な柑橘フルーツが栽培されています。
 ↓

2008年まで、ベルガモットは精油用の工業製品で農作物とはみなされていませんでした。
でも、最近では栄養価などが注目されて、食用として認知されるようになってきました。
生のものが出回るのは11月から3月の収穫期だけ。


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“ベルガモット”は「総合解説」2016年11/12月号P.2に載っています。
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2019年2月20日水曜日

11/12月の食材~トスカーナの栗の粉

「総合解説」2016年11/12月号発売しました。

最初の記事は、11月や12月に旬を迎えるイタリアの食材。
今月は面白い食材が一杯ありました。
まずは、farina di castagne、栗の粉です。

栗の粉なんて、カスタニャッチョ以外の料理が思い浮かばなかったのですが、これが最近では、グルテンフリーの粉として、小麦粉の代用品として注目されるようになっていたとは、全然知らなかったですねー。

下の動画によると、1950年台末まで、山岳地帯に暮らす人々に取って、栗は冬の間の主要な食料でした。
栗拾いも大切な日課。
子供は栗拾いをしてから学校に行ったものでした。
集めた栗は1ヶ月かけて干してから皮をむいて、山の雪解け水の水車で粉にします。
こうして長期間保存できるようにしたのです。
当然ながら山の暮らしが改善された現在、栗の粉を作る人も減っています。
消えつつある伝統のようです。



村の住民総出で行う、手作業の粉作り。
手間のかけ方で品質の良さが左右されます。
栗の粉に対するイメージが変わるような動画でしたね。

栗の粉のポレンタ・・・。
食べたことない・・・。

イタリア各州の特産品と料理を集めた大型本、『1001 スペチャリタ』によると、

カスタニャッチョはイタリアで全国的に広まっている料理ですが、中でもトスカーナは上質の栗の産地として、昔から栗料理には一目置かれていました。
代表的な栗は、モンテ・アミアータのカスターニャ、ムジェッロのマローネ(最上質と言われているのはマロン・ブオノ・ディ・マッラーディ)
マッラーディの栗の収穫祭
 ↓



トスカーナのカスタニャッチョは上質の栗の粉を使ったカスタニャッチョと言われています。
カスタニャッチョは10月に収穫した栗から冬に作る料理です。
ノヴェッロワインやヴィンサントを添えるそうです。
11月は新ワインの季節でもありました。

モンテ・アミアータの栗生産者組合のページのリチェッタ(原文はこちらのricette antiche)を訳してみます。

カスタニャッチョ/Castagnaccio
・栗の粉500gを振るい、塩ひとつまみを加える。
・水800mlで溶き、松の実、くるみ、レーズン、ローズマリー、オリーブオイル大さじ3を加える。
・オーブン皿に油を散らして生地を厚さ2cm程度に流し入れ、190℃のオーブンで約30分焼く。

GialloZafferanoのカスタニャッチョ
 ↓


超簡単。


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栗の粉は「総合解説」2016年11/12月号P.2ページに載っています。
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2019年2月18日月曜日

農民料理人、ピエトロ・パリージ

今月のシェフは、まず、ピエトロ・パリージさん。
18歳までナポリの農園育ちで、ホテル学校卒業後、マルケージのもとでスタージュ、その後はパリのデュカスの元で働き、24歳でドバイの高級ホテルの料理長という輝かしいキャリアを歩んできました。
イタリアに戻ってからは、通称、cuovo contadino(農民料理人)と呼ばれて、職人と農民の仕事の成果を世に広めています。

自信作の1つ、揚げずに蒸して作るパルミジャーナ


ローマでイタリア版フード・ジャーの店を開いたそうですが、フード・ジャーってこういう料理のことでしたか。
パルマ・カンパーニアの彼の店、エーラ・オーラ



食材を提供する農家の紹介や、野菜の皮などの残り物の利用方法にもこだわった本。
彼は、食材の造り手と料理人の同化を目指すシェフ。




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“シェフ~ピエトロ・パリージ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年2月15日金曜日

ジビエに合うイタリアワイン

今日はジビエに会うワインの話。

最近はジビエが話題にされることも多いようで、ジビエを食べる機会に遭遇するチャンスも多くなっているのではないでしょうか。
サーレ・エ・ぺぺ』によると、イタリアのソムリエさんが言うには、ジビエ特有の硬さのある味は、ジビエの脂肪の中にあり、食べてすぐに感じるものではなく、肉の味の中に溶け込んでいるのだそうです。

さらに、ジビエ料理に多い長時間の加熱によって、複雑な風味が生まれるので、単純に食材とワインの相性だけを考えるものではないのだとか。

猪肉にも鹿肉にもとんと縁のない生活ですが、もしもの場合にそなえて、知識だけはためておくか・・・

それにしても、この記事を読んで思わず二度見したのが、記事の中で上げられている野生動物。
cinghiale(猪),cervo(アカシカ),capriolo(ノロシカ), daino(ダマジカ), lepre(ノウサギ)までは、ふんふん、と読んでいたのですが、最後のriccioで?となりました。

ご存知ですか? riccioという名の野生生物。

di mareがつくとウニですよね。
つまりウニのような姿の陸上の動物というわけなんでしょうけど、とげとげがある動物というと、ハリネズミ以外、思い浮かびませんよ、私。

Little Hedgehog Adventure

でも、この記事は料理とワインの話。
つまり食べる肉としてのハリネズミ?
ということで話を進めてOK?

とりあえず調べてみると(こらちのページ)、ヨーロッパハリネズミはイタリアでは全国的に生息しているそうですが、現在は保護のために禁猟となっているようです。

そんなわけで、もしもの時にそなえて、ハリネズミ料理にはどんなイタリアワインが合うかという知識まで引き出しにしまわれてしまいました。
答えは「総合解説」を御覧ください。

それでは、イタリアの代表的なジビエ、cervoの話です。
日本の鹿、ニホンジカより大型の、森の王様です。

ciao, mi chiamo alan

どんな料理が適するかは、「総合解説」2016年9/10月号の“シェフと肉屋のジビエ”を御覧御覧ください。

答えはずばり、
「高貴なバローロは鹿肉に合う」
だそうですよ。

これは覚えやすいですね。
もっと高貴なバルバレスコにはノロジカだそうです。
ノロジカCaprioloというのはCervoによく似た味で調理方法も似ていて、Cervoより小さいので、ニホンジカに近いかも。

ペットのノロジカ。かわいすぎー。
さすがは森のともだち。
 ↓


猪肉に合うのはブルネッロ・ディ・モンタルチーノだそうです。

ジビエをプリーモ・ピアットのソースにしたときにお勧めなのは、デリケートなボディーの中程度の強さの香りのワイン。

ノロジカのラグー
 ↓

ノロジカ肉・・500~600g
マリネ液
 赤ワイン・・1.5カップ
 小玉ねぎ・・1個
 にんにく・・1かけ
 にんじん・・小1本
 セロリ・・1本
 ローズマリー、セージ、ジュニパー、ローリエ、その他好みのフレッシュのハーブ
 
・肉を粗く切ってマリネ液で最低12時間マリネします。
・肉を取り出して小さく刻みます。
・玉ねぎ、にんじん、セロリ、マリネ液と同じ量のハーブをみじん切りにします。
・鍋に油1/2カップ、バター一塊、コロンナータのラルド50gを入れ、香味野菜とハーブのみじん切りを炒めます。
・しんなりしたら刻んだ肉を加えて炒め、白ワイン1カップを加えてアルコール分を飛ばします。
・皮むきカットトマト350gを加え、蓋をして弱火で1時間煮ます。
・レードル1杯のブロードか湯を加えて塩、こしょうし、1~1.5時間煮ます。

久しぶりに動画のリチェッタを訳してみました。
作る人、いるかなー?
「総合解説」には猪のラグーのリチェッタを載せました。
仕上げにズッキーニの輪切りのフリットとペコリーノを散らし、香味野菜のソッフリットにはグアンチャーレを加えています。

相性の良いワインは、ネッビオーロが共通項。
cervoはバローロ、caprioloはバルバレスコ、ジビエのラグーにはネッビオーロ・ダルバ。

ネッビオーロ
 ↓


鹿肉のハンバーガーに合うお勧めのワインは、オディリオ・アントニオッティのブラマテッラ。
ネッビオーロと地元の数種類の品種を使っています。




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“ジビエに合うワイン”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年2月13日水曜日

チロってるチーズたち

チーズの原料のミルクは牛乳、水牛乳、山羊乳、羊乳があり、一番多いのが牛乳のチーズ。

イタリアの代表的な牛乳のチーズはパルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノ。
他に、ゴルゴンゾーラ、フォンティーナ、アジアーゴ、タレッジョ、カステルマーニョ、カチョカヴァッロ、モンタジオなど。

パルミジャーノやグラナ・パダーノなどの硬質チーズは特徴や製造方法が似ていて、まとめてグラナと呼びます。

パルミジャーノ・レッジャーノという名前ができたのは1938年。
1954年に名前を定めた法律ができるまでは、両者の違いもかなりあいまいだったと想像できます。

パルミジャーノとグラナ・パダーノ以外にも似たようなチーズはあったけれど、現在では生産量がかなリ減っているようです。

「総合解説」の硬質チーズの記事に、グラナ・パダーノの仲間として紹介されているチーズの一つ、トレンティングラナは、こんなチーズ。
 ↓

山の牛乳を使った山の風味が特徴の質の高いチーズ。

山で生まれて平野では姿を消し、今では古いチーズ作りの伝統を守るためにローディー県でのみつくられているチーズ、グラノーネ・ロディジャーノ。
5年間も地中に埋めておきます。
 ↓

硬質チーズがしっかり熟成されているかどうかを判断するのはチロシン。
塩のような姿をした小さな結晶で、味を豊かにして消化しやすくするアミノ酸だそうです。


この納豆についてる白い粒もチロシンだそうで、チロってる、って言うんだって。

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“硬質チーズ”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年2月11日月曜日

イタリアチーズとシャルル・ド・ゴール

今日はイタリアのチーズの話。
『クチーナ・イタリアーナ』誌2016年10月号のチーズの基礎知識の記事は、シャルル・ド・ゴールの逸話からスタートします。

シャルル・ド・ゴールはフランスの第二次大戦の英雄で大統領で、パリの空港に名前がつけられてることを考えても、フランス人から尊敬されている人ということが分かります。
その彼が、チーズに関する有名な逸話を残しています。

詳しくは、こちらのwikiのページをご参照ください。

私は初めて知りました。
フランス料理に詳しい人には有名な話なんでしょうか。
上記のページでは、フランスのチーズは246種類となっていますが、2016年のイタリアの記事では、かなりの余裕を見せて、400種類と大幅に増やしています。

フランスとイタリアは、隣同士の国なのに、何かとライバル視して対立するのも有名な話。
チーズの数を246から400種類と増やしたのは、時代に合わせて正確に表記したかったからか、それとも、素直に多いねーと驚いてみせたのか・・・。
そして、この逸話に続く一言が、完全にイタリアの本心を吐露しています。
それは
・・・イタリアには少なくとも700種類ある・・・
というさりげない一言。

ひよっとして、これが本場のマリーシアですか。

400程度じゃお話になりませんねー、こちとら700ですよー。笑っちゃいますねー。
という小学生みたいなやじが聞こてきそうです。

という訳で、この記事は、上げといて落としながらフランスの英雄をいじる、という高度なテクニックでイタリアのチーズのバリエーションの豊かさを自慢していたのでした。
イタリアの料理雑誌は、こういったイタリア人の本音がぽろぽろこぼれているので面白いですよー。

牛や羊のミルクという同一の原料から、700種類もの違うチーズが作り出されているのです。
その違いは、製造方法と産地から生まれます。
そのどれもが、ミルクの貴重な蛋白質や脂肪などの栄養を保存して運べるようにする、という目的で作られました。

下の動画ではイタリアのチーズは400種類と、ちょっとひかえめ。
イタリアのDOPチーズを中心にとてもわかりやすく解説している動画です。
これは永久保存版かも。
 ↓


イタリア産チースの海外への輸出が増え、今やフランスへも輸出していることを伝える動画。
フランスとイタリアはライバルだけど、フランスはチーズの重要な消費国で上質チーズをよく知っている、そんな国に輸出できるなんてすごい、と言ってます。
イタリアチーズの主な輸出先は、米国、インド、中国、日本。
イタリア国内のチーズの消費量が減少している中で、輸出は希望の光となっているようです。
 ↓



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“チーズ入門”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年2月8日金曜日

鹿肉のハンバーガーのトリュフがけ

イタリアでジビエも売る肉屋とレストランをやっているアルドさん。
 webページはこちら

ここまで下処理してもらえれば、私でも鹿料理ができそうな気になります。
 ↓

これだけやってもらっても、ジビエは硬そう、臭そう、時間がかかりそうと、手を出しにくい理由が色々あります。

でも、肉屋ではジビエを熟成させて売るので、これによって心地よい味の柔らかい肉になります。
柔らかくなれば調理時間も短くなります。
さらに、若い動物の肉ほど柔らかくなります。
前回のブログで解説したように、チェルヴォより小さいノロジカやダマジカは、味は鹿に似ていても、もっとマイルド。

つまり扱いやすいのは、若い小型の動物の肉でミンチや一口大にカットしたもの、ということになります。
今月の『サーレ・エ・ペペ』の記事では、これらのジビエを使った手軽にできるリチェッタを紹介しています。


若い鹿の挽肉が手に入れば、“鹿肉のハンバーガーのタレッジョとトリュフのせ”(写真はこちらのページに)なんて簡単にできます。
刻んだタレッジョにおろしたトリュフを加えて弱火で溶かし、ハンバーガーバンズにはポルチーニのパテを塗ります。
グリルした鹿肉のハンバーグをのせたらとろとろのタレッジョで覆い、削りたてのスライスしたトリュフをのせるという1品。

タレッジョ。
 ↓

鹿肉とトリュフとポルチーニという森の美味しいもの三つ巴。
ラグーにすれば、パスタソースにも使えますね。

鹿肉のタリアテッレ
 ↓


イタリア料理は、地中海のマグロからアルプスの鹿まで、バリエーション豊かですねー。

アルト・アディジェでアルタクチーナを作るノルベルト・ニーダーコフラーシェフの鹿のヒレ肉料理。
 ↓

ジビエは脂肪分やコレステロールが低く、タンパク質が豊富。
肉食系ってこういう肉を食べる人なんだろうなあ。



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“シェフと肉屋のジビエ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年2月6日水曜日

ジビエ、イタリアの鹿(Cervo, Capriolo, Daino)

今日のお題はジビエ。
今月の「総合解説」は2016年9/10月号。
毎年秋になると必ず出てくる恒例の話題の一つが、ジビエです。
今年は、ジビエを売っている肉屋とシェフが一緒に始めたレストランの記事でした。
記事の中に、セルヴァッジーナとかカッチャジョーネのことをイタリア人はどう思っているのか、という面白い話がありました。

野生動物を狩ることは、肉食系のイタリア人にだって残酷と映ります。
日本人の私だって、テレビで魚が銛で突かれるシーンは目を背けます。
ジビエも売る肉屋のアルドさんは、大規模に飼育されて結局は殺される牛も、野生動物も同じだ、というスタンスです。
さらに、増えすぎて駆除される野生動物が多いのはイタリアも同じ。
人間が捨てた森で繁殖して人間の畑を荒らすようになって駆除された野生動物を十分に活用できていないと考えるイタリアのシェフも多いようで、イタリアのジビエ料理の第一人者イグレス・コレッリシェフは、ジビエを“未来の肉”、と呼んでいます。

さて、イタリアでジビエという場合、主な動物は、鹿と猪です。
イタリアの鹿にはCervo, Capriolo, Dainoといった種類があります。

日本の鹿と違うのか、なんて疑問もあって当然。
日本の鹿は分類上はニホンジカ。
イタリアの鹿(Cervoチェルヴォ)はアカシカ。
 ↓


奈良の鹿しか知らないので、愛すべき神の使いなんて考えてしまいますが、野生の暮らしは残酷で過酷です。
イタリアのチェルヴォはアルプスの貴公子とか森の王様とか呼ばれているようです。
日本の鹿より一回り大きく、長い大きな角を生やして山の斜面にすっと立つ姿は高貴で、見るからに狩りの獲物にぴったり。

Capriolo(ノロジカ)はチェルヴォより小型の鹿で、森のトモダチなんて呼ばれてます。
環境の変化に弱く、激減したこともありました。
料理書には頻繁に登場するので、全国的に入手しやすい肉なのでしょうか。
 ↓


Dainoダマジカも小型の鹿。
初めて聞いた名前です。
料理も今回のリチェッタで初めて見ました。
 ↓

日本もイタリアも、同じような野生動物が暮らして、かつては食べていたはずですが、ジビエの食文化は日本よりはイタリアのほうが広まっているようです。
イタリアではどんな料理にしてきたのでしょうか。
次回に続きます。

ジビエ料理のおすすめ本『カッチャジョーネ

イタリアの本格的ジビエ料理をイグレス・コレッリシェフを初めとする
グランシェフのリチェッタで紹介する本。


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“シェフと肉屋のジビエ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年2月4日月曜日

鶏の悪魔風のルーツを探して


今日のお題はポッロ・アッラ・ディアヴォラです。
鶏の悪魔風。
そう言えば、この料理がどこの地方のものなのか、ご存知ですか?
『サーレ・エ・ペペ』誌によると、パダナ平野からラツィオに至る一帯には、この料理の発祥地を名乗る町がたくさんあるそうですが、決定的な記録は何も残っていないそうです。

悪魔風という名前の由来も不明で、唐辛子の辛さが悪魔級だからとか、平らに潰して強火で焼かれる姿が地獄の業火で焼かれているみたいだからとか、諸説あるようです。
でも、現代では唐辛子やスパイスの量は少なくなる傾向があり、全く使わない人もいるようです。

さらに、フライパンで焼くのはこの料理のいくつかある調理方法の一つでしかありません。
パン粉で包んで網で焼いたり、下の動画のようにオーブンで焼いたり、色々ありますがフライパンで焼くのは現代的なリチェッタのようです。



ですから当然、これが正解というリチェッタもありません。
リチェッタが残っている古い本はいくつかあるようですが、50年代にオステリアの王様と呼ばれたHostaria Romanaオスタリア・ロマーナの開業時のシェフ、ジージ・ファッツィのリチェッタが、フライパンで焼き、レモン汁をかけるという、現代のものに一番近いそうです。
この店、経営者が変わっても同じ名前でローマにあるようですが(webページ)、メニューに鶏の悪魔風はないですね。


フライパンで焼くリチェッタ
 ↓

フライパンで焼く場合、鶏を平らにする方法は各種あるようですが、「総合解説」の方法はお手頃で簡単。

おすすめの店の1軒。
アッピア街道のそばのソーラ・ローザ。
 ↓

そう言えば、トスカーナ料理に鶏にレンガを乗せて焼くPollo al mattoneというのがあります。
鶏のレンガ焼き。
悪魔風との違いがよくわからなかいのですが、トスカーナではこの料理を悪魔風とは呼ばないんですね。



トスカーナ料理のおすすめ本、“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『トスカーナ』にもレンガ焼きは載っています。



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“ポッロ・アッラ・ディアボラ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年2月1日金曜日

ナポリのジェノヴェーゼ

ナポリの人が作る料理は、想像力が豊かで発想が自由、という話はよく聞きます。
ナポリのジェノヴェーゼも、そんなナポリ人気質がよく表れたソースです。

まず、世界中の人にとっての常識、バジリコのソースのジェノヴェーゼと、ナポリのジェノヴェーゼは違うものです。

ジェノヴェーゼ・ナポレターナというネーミングは、多少意地張ってるような気もしますが、外見からして全然違います。
 ↓

ナポリのサルサ・ジェノヴェーゼは、玉ねぎと香味野菜のソッフリットで肉を煮た煮汁のパスタ用ソースです。
パスタには煮汁を使って肉はセコンド・ピアットにします。
何やらナポリ風ラグーとよく似ています。
そもそも、ナポリ以外ではラグーと言えば挽肉を煮込んだボローニャ風、というのが世間の常識ですが、ナポリでは違う料理です。
ナポリ風ラグー
 ↓


なぜナポリでジェノヴェーゼという名前の伝統料理が生まれたのか、文書としての記録は何も残っていません。
ただ、かつてジェノヴァが海洋共和国として栄え、ナポリも港で栄えた大都市だったことを考えると、ナポリにジェノヴァ人が大勢暮らしていても不思議ではありません。
彼らが作っていた料理がナポリで広まったという説は、根拠は見つかっていませんが、広く信じられているようです。

ただし、これはあくまでもナポリの人たちの間でだけ通じる話で、普通のイタリア人にとってサルサ・ジェノヴェーゼといえば緑のバジリコのソースのことです。
なぜかイタリアでも知られていないようです。

こちらの動画でも、ナポリのサルサ・ジェノヴェーゼとは、と説明しています。
 ↓

ラグー・ビアンコとの説明も。
イタリアでも、ラグーはボローニャ派とナポリ派に分かれるようです。

ナポリのジェノヴェーゼが広まらなかったのは、塊肉を2~3時間かけてじっくりコトコト煮るという調理方法が、現代の生活に合っていなかったからではないかと考えます。

ところが、実は、じっくりコトコト煮る料理はイタリア中にあるのです。
ただし、暮らしがモダンになるにつれて、調理器具が進化し、昔ながらの調理器具や調理方法を名前にした料理が、現実とそぐわなくなってきています。
このテーマ、追求していくと、とても深いのです。
来月の「総合解説」に続きます。

各種のラグーを始めとする南イタリアのレストランのパスタのリチェッタのお勧め本
パスタ ; サポーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド


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“サルサ・ジェノヴェーゼのジーティ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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モデナのセレブのマダムが本気で集めたラグーのリチェッタ

新着本の紹介です。 『 100ラグー 』という本です。 ラグーは、トマトソースと共にイタリアが世界に誇るソース、別名ミートソース。 著者のマリア・ベナッサーティさんはモデナの実業家の一族出身。 当然、エミリア地方のラグーこそ、正統なラグー、と信じていますが、ナポリ...