『ヴィエ・デル・グスト』の解説です。
ミラノに行ったら、どこに行きますか?
まずはドゥオモとガレリアあたりでしょうか。
それと、プラダやグッチといったブランド店も外せない。
スカラ座に行く人もいますよね。
ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』もありましたねえ。
ミケランジェロの遺作があるスフォルツェスコ城やブレラ絵画館も有名。
ドゥオモ, photo by redbanshee
ミラノを訪れる人は毎年800万人以上。
でも、地中海の国イタリアにあって、そのほとんどが目的はビジネス。
ミラノ県のデータによると、中~上ランクホテルの宿泊客の平均滞在日数は、わすが1.8日だそうで。
しかもこの数字、徐々に短くなりつつあります。
ミラノを訪れる人は多いのに、みんなちゃちゃっと仕事をして通り過ぎて行くだけ・・・。
ミラノ県の観光課としては、ミラノにだって魅力的な場所がたくさんあるのに~と、悔しい思いをしている訳ですねえ。
そんなミラノの観光課もお勧めの、知られざる魅力の一つが“ナヴィーリ”です。
ナヴィーリとは運河のこと。
ミラノの左右を流れるアッダ川とティチーノ川から人工的に通した運河です。
12世紀から建設が始まり、レオナルド・ダ・ヴィンチが設計を試みたこともありました。
最も大きな運河はナヴィーリオ・グランデ。
かつては、運河に沿って貴族の別荘が立ち並ぶ瀟洒な地区だったのだそうです。
それが1930年代になって、船より車、という訳で、運河は次々と埋められて姿を消していきました。
今ではナヴィーリは、主にナヴィーリオ・グランデとナヴィーリオ・パヴェーゼを指す言葉となりました。
で、その運河沿いが、なかなか素敵な雰囲気なんですねえ。
レストランもたくさんあります。
一番有名なレストランは、エツィオ・サンティン氏のアンティカ・オステリーア・デル・ポンテですかね。
ちょっと音がうるさいですが、ナヴィーリの雰囲気を味わえる動画。
こちらはナヴィーリの様々な姿を紹介したフォトギャラリーのページ。
ミラノ近郊とは思えないような、静かな田園風景が広がっています。
ナヴィーリはミラノの中心部からは少し離れているので、1.8日の滞在ではちょっときついかも。
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2008年3月号
“ミラノのナヴィーリ”の解説は、「総合解説」'07&'08年3月号、P.32に載っています。
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