一流シェフが作るビックリ卵料理の話、その2。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事の解説です。
ミラノのアルタ・クチーナを代表するシェフで、マルケージチルドレンの一人、カルロ・クラッコ氏。
この人はいつも超斬新な料理を作りますが、今回の卵料理もやってくれてます。
卵料理というテーマで彼が披露したのは、まずは「マヨネーズのラヴィオリ」。
なんと、ラヴィオリの詰め物がマヨネーズ、という一品です。
これです。
かなりシュールな外見の一品ですねー。
どこからつっ込んだらいいのか迷いますが、まずはパスタから。
この、テニスボールのような黄色いのがラヴィオリです。
パスタは00番の小麦粉がベースで、卵黄をたっぷり加えて鮮やかな黄色を出しています。
この生地を薄く伸ばし、その上に、普通のラヴィオリのようにマヨネーズを絞り出します。
そしてサルサ・ヴェルデと乾燥ケッパーをトッピングし、生地をかぶせて丸く抜きます。
これを熱湯で30秒ゆでてから、オリーブオイルと水少々で炒めます。
確かにマヨネーズは卵料理と言うことになるんでしょうが、パスタの詰め物がマヨネーズって、普通はちょっと思いつかないですよねえ。
きっと、マヨネーズに相当自信があるに違いありません。
そしてラヴィオリの周囲を覆う黒い粒々。
これ、バジリコの種なんだそうです。
種を野菜のブロードで煮てソースにしています。
それにしてもすごい数。
これだけたくさん種を食べたら、一つぐらいお腹の中で発芽しそうですねえ。
そして仕上げが、ソースにトッピングされているオレンジ色のもの。
これ、ウニです。
マヨネーズにウニに種ですよ。
いったいどんな味なのか、想像できるような、できないような・・・。
うーん。
なんだかかなり無謀な料理のように見えますが、これ、ミラノのトップクラスのレストランの料理です。
ミシュランでは2つ星、ガンベロ・ロッソでは3フォルケッタですから。
店のhpはこちら。
このマヨネーズのラヴィオリは、少し違うバージョンのものが26ユーロ。
もちろん、マヨネーズにこの値段を払っても怒らない人が行く店です。
カルロ・クラッコ氏の料理は、これに限らず、どれもとても骨太な外見をしていて、はっきり言って見た目はそんなに美味しそうじゃないんですねー(言ってしまった~、ゴメンナサイ)。
でも、とにかくその筋の人たちには評価が高い。
実はこの人の料理、見た目は大ぶりなのに、その裏に駆使されている技術は、想像を超えた複雑さなんです。
そして、分かる人には分かる知的な遊び心が、チラチラ隠されているんですねー。
卵料理の特集で彼が披露したもう一つの料理は、「卵黄だけで作った小麦粉の入らないパスタのカッペッレッティ」。
パスタの材料は卵黄です。
卵黄がどうすればパスタになるのか。
そもそも、卵黄だけでパスタを作ろうとなぜ思う!
実は、卵はカルロ・クラッコ氏の料理のシンボルとも言える食材なんだそうです。
卵黄のパスタは卵黄のマリネから作るのですが、これは彼のスペチャリタとして知られています(これがそう)。
逆に、卵黄を加えないタリアテッレというのまで考え出しました。
まったく、とどまるところを知らない発想力の持ち主です。
カルロ・クラッコ氏はこんな人。
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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年3月号
カルロ・クラッコの“マヨネーズのラヴィオリ”と“卵黄だけで作ったパスタ”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年3月号、P.12に載っています。
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2009年10月19日月曜日
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2 件のコメント:
アルタ·クチーナともなれば、イタリア·フランスのジャンルを超えて芸術の世界ですねo(^-^)o
しかし、ミシュランの影響は凄いものですねぇー
私の知り合いが★星を取ったら、忙しくなって時間に余裕がなくなったそうです、忙しくて手元がくるわなければいいのですが…
そういえば、温泉にみかんのネットに入れ放しの温泉卵、本当に美味しかったですね、和歌山の十津川温泉でした。
Vittorioさん
ミシュランはほんとに影響力ありますねー。
でも、一度星を取ると、失う恐怖も背負い込むわけで、自殺する人もいたりして、想像するとちょっと怖いですよー。
十津川温泉ですか。メモメモ。
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