2018年11月14日水曜日

ジェンティーレ、ストーリア・ディ・ファブリカンティ・ディ・マッケローニ

グラニャーノの話が出たので、グラニャーノのパスタメーカー、ジェンティーレの本、『ジェンティーレ/ストーリア・ディ・ファブリカンティ・ディ・マッケローニ


を見てみたら、いきなり、グラニャーノのメインストリートでパスタを乾燥させている白黒写真が載っていました。
この写真を見たくて色々探したのですが、ネット上では見つからず、想像するにも限界があったのですが、この写真は、あたかもナポリの路地で洗濯物を干しているかのような、通路の上に紐を渡すのではなく、通路に物干し台をずらっと通りの端から端まで並べているこの光景は、南国の人ならではの、太陽を目一杯活用した干しっぷりで、見とれてしまいしました。
さらに、もともと大型の本なのですが、その大きなページ目いっぱいにパスタをドアップで撮った写真が何点も。
これは、ブロンズのダイスの効果ですね。
見事にざらざらの表面。
数ミリの太さの麺を数cmに拡大して見せる徹底ぶり。
その後に続くリチェッタは、これぞ王道のナポリのパスタというリチェッタばかり。

著者はこの女性。
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“グラニャーノのパスタ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年6月号に載っています。
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2018年11月12日月曜日

硬質小麦粉と地元の地下水で作るグラニャーノのパスタ

今月のメイド・イン・イタリーの食材は、グラニャーノのパスタ。
何度も取り上げてきた話題です。

グラニャーノがパスタの町になったのは、1841年に地すべりが起きたのがきっかけでした。

そういえば、今年のヴェネチアは大変なことになってるようですね。
店も客も根性ありすぎ
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大量生産の時代を迎えて町の主要な産業になっていたパスタのために、グラニャーノは災害復興もパスタ産業優先で考え、町のメインストリートをパスタを大量に乾燥させやすいように作り変えたのでした。

グラニャーノを車で通り抜けるタイムラスプ動画。
こ怖~い。
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どこがどうパスタ向きなのか、素人目にはまったくわからない。

さらに、1861年のイタリア統一後は、グラニャーノを来訪する王様のためにグラニャーノまで鉄道が通り、パスタを北イタリアに運ぶことができるようになりました。

グラニャーノのパスタの原料はタンパク質の含有量が多い硬質小麦のセモリナ粉と地元の地下水。
水源のラッタリ山地
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麺はモダンなテフロン製ではなく伝統のブロンズ製のダイスを通し、40~80℃でゆっくり、最高で60時間かけて乾燥させます。

アルティジャナーレと大量生産とが適度にミックスされているのがグラニャーノのパスタ。

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“グラニャーノのパスタ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2018年6月号に載っています。
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2018年11月9日金曜日

matcha と umami

今日は、今月の「総合解説」で訳していて面白かった記事、マッチャの話です。
マッチャmatcha、そう抹茶です。
昔は「ミルク?レモン?」と聞いたものですが、今は「緑?黒?」なんだそうです。
そして人気なのは緑だそうです。
テ・ヴェルデです。

紅茶はテ・ネロで、どちらも学名チャノキの葉ですが、テ・ネロは発酵させて特有の香りを生み、テ・ヴェルデは逆に発酵の過程を抑えています。
ネロと比べてカフェインは・・・
と、ミニ知識とうんちくがたっぷり詰まった記事で、テ・ヴェルデの中でもパルム・ドールに値するのがマッチャだと、すごい高評価。

マッチャに対するかなり専門的な知識を紹介し、しかも、マッチャは至高のお茶と、恥ずかしくなるほどの称賛ぶり。
高い抗酸化作用があり、色素としても使え、金と同価値があったスパイスや香りの良い染料のように貴重だ、と言っています。

ここまでマッチャ推しの記事には初めて出会いました。
日本の食材の浸透ぶりは目を見張る物があります。

 

そういえば、先日訳した某シェフの料理には umami di pomodoroなんて言葉が登場してました。
海辺の漁師料理を出す人気トラットリアの料理でした。

ウマミ、この言葉が広まるのも早そうです。
リストランテ・ウマミなんて店もあります。



最近、和食の食材やテクニックが怒涛のように広まっているのを感じます。
次は何がくるかなー。


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“マッチャ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2018年6月号に載っています。
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2018年11月7日水曜日

米の粉のパスタ

今週紹介しているのは、筋金入りのベジタリアンが、母親の発病をきっかけにセリアック病の人のために小麦粉以外の、グルテンを含まない、あるいは含有量がわずかな粉の料理の研究に取り組み、その結果をまとめた美しい本。
ディ・ファリーナ・イン・ファリーナ』です。

今日はリチェッタを何点か訳してみます。
使っている粉は、アマラント、オートミール、ファッロ、そば粉、カムート、とうもろこし、キビ、大麦、キヌア、米。

まず米の粉はどうでしょう。

「米の起源は古すぎて不明だが、人間の歴史の中で米ほど世界中で代々受け継がれてきた穀物はない。
 現在、イタリアでは北部の一部の地域で大量に栽培されている。
米は長い栽培、精米の過程を経て流通する米になる。
穀物の中でも完璧なものの一つで、消化しやすく、デンプンが豊富だがタンパク質は少なく、グルテンを含まないのでセリアック病の人でも食べることができる。
 米を挽いた粉は、大抵の料理に使うことができる。
本のリチェッタ、“パン・ブリオッシュのコルネッティ”ではファッロの粉をミックスして、ふんわりした軽い生地にした。
“マルタリアーティ”は軽くてマイルドなプリーモになった」

マルタリアーティ/Maltagliati
ショートパスタはあまり好きではないが、米粉だけで作ったマルタリアーティは実はとてもお気に入りのパスタだ。
マルタリアーティは不揃いの小さなひし形のパスタで、エミリア地方の代表的なショートパスタ。
エミリア地方ということは、このパスタはしっかり打ち粉をした麺棒で伸ばすとても柔らかいパスタということ。
グルテンを含まないパスタだが、慎重に作る必要がある。
このリチェッタでタリアテッレやラビオリの生地を作るのは無理。
お勧めはトマトとチェーチやいんげん豆などの豆のソース。

材料/2人分
パスタ;
 米粉・・100g
 片栗粉・・60g
 卵・・1個
 ぬるま湯・・30ml
 EVオリーブオイル・・大さじ1
 塩
ソース;
 いんげん豆(ボルロッティ)・・300g
 皮むきカットトマト・・300g
 玉ねぎ・・1個
 セロリ・・1本
 野菜のブロード・・500ml
 おろしたパルミジャーノ・・50g
 EVオリーブオイル
 塩
サーブ用パルミジャーノ

・ボールに米粉と片栗粉を混ぜて中央をくぼませ、塩一つまみ、油、卵を加える。
・フォークで溶いて粉を端から混ぜ込み、ぬるま湯を少しずつ加える。
・台にあけてなめらかな生地になるまでこねる。
・台に打ち粉をして綿棒で厚さ2mmに伸ばし、カッターで不揃いの小さなひし形に切る。粉を軽く散らす。
・ソースを作る。豆をたっぷりの塩を加えない水で柔らかくなるまでゆでる。
・火を止めて塩を加える。
・鍋に油大さじ2を熱し、玉ねぎとセロリのみじん切りを3~4分しんなり炒める。
・薄く焼き色がついたらトマトを加えて数分煮る。
・豆を加えて濃いソースになるまで煮る。
・野菜のブロードを加えて沸騰させる。
・マルタリアーティを弱火でゆでる。
・パスタがゆで上がったらソースであえてパルミジャーノを加え、味を見て塩味を整える。
・深さのある皿に盛り付け、パルミジャーノを散らしてすぐにサーブする。


著者が初めて作った小麦粉以外の粉の料理、キヌア粉のチェリーパイ

チェリーのクロスタータ/Crotata di ciliegie
大好きなキヌアの粉で作った大好きなチェリーパイ。
とても独特で強い香り。
キヌアの粒をミキサーで粉にして、底の厚い口の広いフライパンで弱火で炒って作りました。
キヌアの粉が売られていたら良かったのですが。
クロスタータは一番手早く出る生地ですが、あまり特別な生地ではありません。
このパイを特別なものにしたのは炒る作業です。
これによって香りがぐんと引き立ちました。

材料/6人分
パスタ・フロッラ;
 キヌア(粒)・・100g
 ファッロの粉・・100g
 室温のバター・・50g
 グラニュー糖・・80g
 卵・・1個
 ノーワックスレモン・・1個
 ベーキングパウダー・・小さじ1
 塩
詰め物;
 チェリー・・500g
 グラニュー糖・・150g
 シナモンスティック・・1本
 アガー・・小さじ1

・パスタ・フロッラ(タルト生地)を作る。キヌアをミキサーで粉にし、口の広いフライパンでとろ火で炒る。焼き色がついたら火から下ろし、陶器のボールに入れて冷ます。
・冷めたらファッロの粉、塩一つまみ、ベーキングパウダーを加えて混ぜ、台にあける。
・中央をくぼませて砂糖とバターの小角切りを入れ、クリーム状になるまで練る。
・卵とレモンの皮のすりおろしを加える。最初はフォークで粉を縁から混ぜ込む。次に手早くこねてまとめ、ラップで包んで冷蔵庫で一晩休ませる。
・オーブンを180℃に予熱する。
・直径25cmの底取れ型にバターを塗って粉をまぶす。
・パスタ・フロッラを2枚の軽く打ち粉をしたオーブンシートではさみ、伸ばす。
・これを型に敷き込み、縁を押して型にぴったりつける。底をフォークでピケする。
・アルミ箔を敷いて乾燥豆を重石にし、オーブンで20分焼く。縁に焼き色がついたら豆とアルミ箔を取り除き、さらに5分焼いて均一に焼き色をつける。オーブンから出して冷ます。
・詰め物を作る。チェリーの形をできるだけ崩さないように種を抜き、鍋に入れる。砂糖とシナモンスティックを加え、弱火で10分煮る。
・チェリーが適度に柔らかくなって煮汁がシロップ状になったらチェリーをすくい取る。
・アガーを少量の水で溶き、シロップに加える。ホイッパーで混ぜながら5分煮て冷ます。
・チェリーを半分に切って切り口を下にしてクロスタータに入れ、シロップを均一にかける。完全に冷めたらカットする。

この人、面白いのはコメント。
作り込んでいる自らの経験が伝わってきます。


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総合解説
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2018年11月5日月曜日

キヌア粉のチェリーパイ

さて、小麦粉以外の粉ですが、今日は『di Farina in farina』という本から。


実はちょっと前に入荷していたのですが、内容があまりにも専門的でボリュームもすごいので、日本では売れないだろうと、紹介しないでいました。
小麦粉以外の粉のリチェッタを、知りたいと思う人がいるのかなあ、というのが正直なところです。

でも、この本の著者が、小麦粉以外の粉を研究するようになった経緯を綴った前書きを読んで、少しずつでも紹介してみようか、という気になりました。

著者が小麦粉以外の粉に関心を持ったきっかけというのは、母親の突然の病気だそうです。
病気というのは、大抵が突然ですよね。
そしてそうなってみて初めて、我が身のことと思うようになります。
幸か不幸か、イタリアにはいわゆる一般的な小麦粉、00番の小麦粉を受け付けない人がたくさんいて、その種の研究が進んでいます。
それを活かせないのはもったいない。

著者が初めて作ったのは、キヌア粉のチェリーパイでした。
それは今まで知らなかった新しい味のパイだったそうです。
粉にしたキヌアを炒ると、驚くほど味と香りがたつのです。
母親がこのパイを食べた時の笑顔は、何よりも美しかったと綴っています。
その最初の1歩が、この立派な分厚い本へとつながっていったのです。

小麦粉以外の粉を使いこなすとは、イコール新しい味と香りを生み出すことで、創造力が問われます。
失敗を恐れずに、創造をやめないで、というメッセージがこの本には込められています。

手作りキヌア粉の作り方
 



『di Farina in farina』より、キヌアの解説文

キヌアはアンデスの標高3000m以上で栽培されている植物で、植物性タンパク質や鉄分を豊富に含み、アンデス文明以前から用いられていた。
サポニンで覆われているので、使う前によく洗って取り除く必要がある。
穀物ではなく、ほうれん草やビーツと同じアカザ属の植物。
リジンが豊富で低血糖指数の炭水化物、カリウムや鉄分は豊富。
グルテンは含まず、セリアック病やグルテンにまつわる障害のある人向きの食材。
この章の“チェリーパイ”は私がキヌアから最初に作った料理。
キヌアをミキサーにかけ、粉を大きなフライパンで弱火で炒ると、すでに香ばしかったキヌアの香りが独特のものになって広がった。
アマラント粉やそば粉のように味が強いので慣れるには時間もかかる。
しかし、くるみやヘーゼルナッツなどナッツとの組み合わせは抜群だ。
パン用の他の粉を15~25%加えるとパンやフォカッチャもできる。


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“小麦粉以外の粉”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年6月号に載っています。
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2018年11月2日金曜日

小麦粉以外の粉

今日は小麦粉以外の粉の話。
イタリアは、グルテンフリー食品の開発にはとても積極的です。
グルテンフリーというと、日本人にはダイエット用、というイメージが強いと思いますが、イタリアでは、主にグルテン過敏症やセリアック病の人のための食べ物です。
「総合解説」では、以前“グルテン過敏症とセリアック病”の記事を訳しています。
 ↓
こちら
イタリアではセリアック病の人のために国が給付金を出しているそうです。
それだけこの病気の人が多いということなのでしょう。
でも、遺伝の要因が大きいこの病気、日本人にとっては、まだまだ他人事。

最近目にするアマゾンのCM。
確か、小麦粉の代わりに米粉を使って料理を作る、というものでしたが、今月の「総合解説」で紹介した「小麦粉以外の粉」の記事は、グルテンを全く、または微量しか含まない粉として、オートミール粉、きび粉、そば粉、黒米粉、白米粉、キヌア粉、とうもろこし粉、アマラント粉、コーンスターチを紹介しています。
この詳細さを見ただけでも、イタリアのグルテンフリー対策は本気だ、と感じます。
米の粉も、黒米と白米の粉があるんですね。
色が違うのはもちろんのこと、香りや味、栄養価も違います。

そうそう、ヨーロッパの中でも米の生産が盛んなイタリアにはヴェーネレという品種の黒米があります。



『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事には、色々な粉のリチェッタが載っていたのですが、スペースの関係から、数点に絞って訳しました。

キビ粉のグリッシーニと米粉とオートミール粉のカントゥッチです。

ちなみに米粉は肌理が細かい粉になるので、パスティチェリーアでよく使われているそうです。
キビ粉はデンプンの含有量が多く、他の粉より塩気があり、強い香りと香ばしさが特徴。
今回は小麦粉とそうでない粉、という分け方ですが、小麦粉の中でも、ファッロやカムートといった古代小麦の粉も小麦粉の代用品としてイタリアでは使われています。
次回はこれらの小麦粉のリチェッタを紹介します。

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“小麦粉以外の粉”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年6月号に載っています。
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ジェンティーレ、ストーリア・ディ・ファブリカンティ・ディ・マッケローニ

グラニャーノの話が出たので、グラニャーノのパスタメーカー、ジェンティーレの本、『 ジェンティーレ/ストーリア・ディ・ファブリカンティ・ディ・マッケローニ 』 を見てみたら、いきなり、グラニャーノのメインストリートでパスタを乾燥させている白黒写真が載っていました。 こ...