2023年8月31日木曜日

ジャム入りオムレツに込められた料理人の思いを知ると彼女が母親代わりだったことが分かる。都市の中産階級の料理は、有能な家政婦の料理がルーツだった。

『クチーナ・イタリアーナ』誌の地方料理の連載、“ベルイタリア”は、イタリア20州の食材や料理、食文化をイタリア人ならではの視点で詳しく紹介する面白い記事でしたが、全部の州を取り上げて、残念ながら終了しました。
そして新しく始まった連載が、今度は、『家族のリチェッタ』です。
家庭料理がベースになっているイタリア料理の、イタリア人しか知らない姿がよく分かる記事です。
イタリア料理は農家で代々伝わる各地の伝統料理の集合体、というのはよく知られていることで、農家の暮しは、料理書などで詳しく伝えられています。
でも、今回取り上げたのは、都市の中産階級の家庭料理です。
農家の料理は親から子へと口伝で伝わりますが、都会の中産階級は、料理が得意でない奥様のために、料理人を雇いました。料理人はその家の子供にとっては、農家の母親と同じような役割を果たしていました。今月紹介している料理人は、小学校2年生までしか学校に通わなかったのですが、腕によりをかけて料理を作り、子供の頃の思い出には、必ず彼女の料理が登場しました。そして彼女の料理で育った子供たちは、大人になって、彼女の料理を本にしたのです。
そこには、イタリアの中産階級の子供たちがどんな子供時代を過ごすのかが、料理人への温かい記憶とともに記録されていました。
その温かい料理を紹介したのが今月の家族のリチェッタ(日本語訳はCIR、P.37)です。

下の動画は老人ホームの料理人の女性。なんだか、昔の家庭の凄腕料理人をイメージさせます。

1品目の料理はジャム入りオムレツ。

この家庭に取って、ドルチェは牧師館で信者たちのおしゃべりの時間のために出されるもの、という扱いだった、という面白い話。

牧師館の信者のおしゃべりというと、自動的にブラウン神父とマッカーシー夫人が浮かんできちゃいます。

とにかく、この家の子供たちにとって、厳格な父親のお陰でお菓子は、かなり特別な存在で、カーニバルか誕生日にしか食べられなかったのでした。なので料理人は、特別に子供たちのためにドルチェみたいなオムレツを作って出したのでした。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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2023年8月30日水曜日

シーフードのティンバッロにうさぎ肉と、相性の良い料理も、ワイン自体もバラエティー豊かなチェラスオロ。かなりモンテプルチャーノのイメージが強いけど、トスカーナじゃなくてアブルッツォのワインだから。

チェラスオロ・ダブルッツォと組み合わせる料理の話、きのうの料理は海と畑の食材の組み合わせのピッッァ・コベルタでした。
今日はシーフードのティンバロです(日本語のリチェッタはCIR6月号P.31)。
ラザーニャ用パスタ生地のティンバロで、具は、スカンピ、アサリ、ムール貝、コウイカ、ホウボウと、手づかみで食べれそうなピッツァ・コベルタと比べると、かなりゴージャス感強め。
ティンバッロはティンバッロ(タンバル)と呼ばれる型に詰めた料理のこと。パスタのティンバッロや米のティンバッロ、なすのティンバッロ、そして最高峰の『山猫』のティンバッロなどがありますが、シーフードのティンバッロというのは初めて見ました。かなり貴重なリチェッタです。

パスタのティンバッロ。

お米のティンバッロ。

ナスのティンバッロ。

『山猫』のガットパルド。1963年公開の、ヴィスコンティ監督がシチリア貴族の没落を描き、カンヌではパルムドールも受賞した傑作映画に登場したことで一躍有名になったシチリアの名物料理。



チェラスオロは魚のミネラル感や様々な具材と調和するワインだそうです。お勧めのワインの一つは、
チェラスオロ・ダブルッツォ・“ダミジャーナ”。


そして最後はうさぎのアッラ・カッチャトイア。
うさぎ肉はチェラスオロに一番合う肉だそうです。

お薦めのチェラスオロはアグリコラ・チレッリのアンフォラ。

チェラスオロにも色々あるんですね。チラチラ、トスカーナのモンテプルチャーノが入り込んでくるけど。
なお、(CIR)7月号は9/1発売予定です。

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2023年8月29日火曜日

中央アベニン山脈とアドリア海にはさまれ、ラツィオとカンパーニアにつながる農民と漁師と羊飼いの地方、アブルッツォ。

今月のワイン、チェラスオロ・ダブルッツォを見る前に、
アブルッツォ料理のことをちょっとおさらい。

参考にしたのはスローフードの地方料理書『イタリア・イン・クチーナ

です。

本ではアブルッツォのことをこう説明しています。中央アペニン山脈とアドリア海にはさまれた地方で、無数の川が海に流れ込んでいます。アブルッツォの中央アペニン山脈の一番高い山はグラン・サッソGran Sasso(標高2,914m)。お隣のモリーゼとは切っても切れない強い結びつきがありますが、隣接するラツィオとカンパーニアとも大切なお隣。
昔から、そんな地形のせいか、交通の便はあまり便利ではなく、たどり着きにくい地方でした。そんな地方で発展したのが羊の移牧。アブルッツォの33%は国立公園です。羊飼いの文化は、その料理にも色濃く残っています。
農業は、丘陵地帯のぶどうとオリーブの栽培が主体。羊の飼育は家族経営の農場による半野生状態。テーラモTeramoやキエーティChietiには短期間フランスのブルボン家が支配した時代の影響も見られます。海と畑の幸、特に豆と野菜を使った料理も多くあります。家庭料理の伝統がリストランテやオステリアの料理として受け継がれているのがこの地方の特徴。

“パロッテ・カーチョ・エ・オーヴァPallotte cac'e e ova”などが代表的。

プリーモはリッチな肉のソースをかけた手打ちパスタや貴重なラクイラのサフラン風味のもの、アブルッツォのシンボル、キタッラなど。

ポルペッティ―ネのキタッラ。

アブルッツォの料理はシンプルで、羊飼いの生活や文化に根付いたもの。


(CIR6月号)のチェラスオロ・ダブルッツォの記事で最初に紹介しているリチェッタは、ピッツァ・コベルタ。

生ハムとマッシュルームのトリフォラートのピッツァ・コペルタ。具もそうですが、畑に持っていき、仕事の合間に農民が手で持って食べることができそうな農民料理です。

(CIR)のリチェッタ(P.30)はアンチョビとトマトの具。海と大地の具です。
記事によると、この料理とワインの組み合わせのポイントとなるのはアンチョビ、ペコリーノ、トマトという、アブルッツォの大地の味。塩気と甘さの組み合わせと、カリッと焼いた表面と、しっとりした中身の組み合わせです。この香ばしさを活かすワインとして選ばれたのは、チェラスオロ・ダブルッツォ・ボッサノーバCerasuolo d'Abruzzo Bossanova。

ボッサノーバ。バイオダイナミックス農法でぶどうを栽培。ソフトプレスでモストを絞るというカンティーナ。アブルッツォの豆と野菜にぴったり合いそうなワインです。


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2023年8月28日月曜日

モンテプルチャーノのロゼ、チェラスオロは、毎日飲めるし、どんな料理にも合う農家向きで地中海の反射があるワイン。

今日のお題は、今月のワイン。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2021年6月号のワインは、
チェラスオロ・ダブルッツォ。

アブルッツォのワインです。アブルッツォの主要なワイン、モンテプルチャーノのロゼです。
“正統な色に優雅な地中海の反射があるワイン”、だそうです。
チェラスオロとは、アブルッツォの方言でチェリーという意味。
その色を言い表しています。

チェラスオロ・ダブルッツォ。

上の動画で葉がつく前のぶどうの樹が映っていましたが、これに葉が生い茂るとソーラーパネルのような役割を果たすそうです。この葉っぱが太陽光を吸って、ぶどうが熟します。
ぶどうはモストを絞って絞り粕を取り除き、発酵させ、さらに1年精錬させます。

チェラスオロの特徴は、もちろんその色。モンテプルチャーノはボティーの強い赤ワインになるぶどう。強い赤色をしています。ロゼはモストに絞り粕を浸漬させずに、または数時間だけ浸漬させて造ります。つまりモンテプルチャーノも皮を短時間だけ浸漬させるとロゼになります。
モンテプルチャーノは数年の熟成が可能なワインです。
チェラスオロも数年の熟成が可能の多才なワイン。
イタリアのロゼワインの中でも特殊です。
毎日飲めるし、どんな料理とも組み合わせる農家向きのワインです。
味はセッコでソフト。香りは調和が取れていてアーモンドの後味。アルコール度は11.5%以下。熟成は2~3年以内。地元のチーズや、ペスカーラPescaraやヴァストVastoの魚のブロデット、ブリーモ・ピアット全般によく合います。

アブルッツォのチーズ
ペコリーノ・ディ・ファリンドラ。

モンテプルチャーノの州のワイン、モンテプルチャーノ・ダブルッツォ。

普通、アブルッッォのワインの話をする時は、モンテプルチャーノで終わってしまって、チェラスオロまではいかないのですが、今回は、チェラスオロに合わせる料理の話に進みます。

最後に軽く業務連絡。(CIR)はただ今7月号を作成中です。近々発売予定。もう少しお待ちください。
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2023年8月26日土曜日

モダンなブルスケッタは自由な発想で作る見た目のインパクト大な一品。ティラミスもブルスケッタになります。

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ2021年6月号)から、今時のブルスケッタのリチェッタ(P.33)の話。
田舎パンのガーリックトーストにトマトのコンカッセをのせていたのはちょっと昔の話。
今時のブルスケッタは、ブリオッシュパンにピーナッツバターとルバーブのトッピング(リチェッタはP.35)。ルバーブはジャム状に煮ていますが、赤い色が美しくて可愛い1品です。
半熟卵とアスパラガスのブルスケッタは、特に変わったものを載せているわけではないのに、見た目のインパクトが強烈。
次はブルー・ディ・カプラといちごのブルスケッタです。
パンはくるみパン。
どこかの草原でピクニックでもしたくなるようなブルスケッタです。

山羊のチーズ。

山羊のチーズといちごの組み合わせも、見た目抜群。

最後はマスカルポーネとコーヒーという、相性抜群の組み合わせ。

コーヒー風味のマスカルポーネクリーム。作るのはティラミス・ワールドカップ2019のファイナリスト。



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2023年8月25日金曜日

豚肉を食べるのが禁じられているユダヤ人のために牛肉(イタリアで一番美味しいと言われるピエモンテのファッソーネ牛で作ったサルシッチャ)、サルシッチャ・ディ・ブラ。

今日の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の料理はブルスケッタです。
今月は美味しそうなイタリア各地のパンの料理を紹介してきましたが、このブルスケッタは、比較的一般的な白パンのブルスケッタです。
でも、トッピングはかなり個性的。
そもそも、ブルスケッタとは、炙るという意味のブルスカータbruscataが語源。
ラツィオやアブルッツォの言葉でしたが、イタリア中に広まりました。
パンを炙り、熱いパンににんにくをこすりつけて溶かし、塩、こしょう、プーリア産オリーブオイルなど風味の強いオイルをかけ、刻んだ完熟トマトや白いんげんなどをのせたものでした。
この定番のブルスケッタを現代風にするポイントは、脂肪を少なくする、つまり軽くすることと、食材に徹底的にこだわること。
(CIR)のブルスケッタの記事に登場するブルスケッタも、かなりトッピングにこだわっています。
ブルスケッタ。

ブルスケッタのルーツともいえるのが、フェットゥンタfett'unta。オリーブオイルの重要性が分かります。
フェットゥンタ。

(CIR)のリチェッタのブルスケッタ1品めは、サルシッチャ・ディ・ブラとフィノッキエットのブルスケッタ。
サルシッチャ・ディ・ブラは、豚肉を食べないユダヤ人の影響で子牛肉のみのサルシッチャ。ゆでたりグリルして食べますが、防腐剤を含まないので生でも食べます。豚肉のサルシッチャとはかなり違うものだそうです。

サルシッチャ・ディ・ブラ。


イタリアで一番おいしい牛肉、とも言われているピエモンテのファッソーネ牛。昔はミルクや労働力用としても飼育されていましたが、今は肉専門。脂肪が少ない赤身肉。ピエモンテ料理の主役です。


自然豊かな環境で飼育されています。


サルシッチャのブルスケッタ。


サルシッチャ・ディ・ブラとポロネギのタヤリン。
タヤリンは卵黄をやたら一杯入れるピエモンテのパスタ、タリオリーニです。下の動画のリチェッタは、00番の小麦粉300gと0番の小麦粉700g、卵黄30個です。



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2023年8月24日木曜日

ティエッラが大好きだったシチリア王国のフェルディナンド4世は、これはプリーモやセコンドでなくテルツォ・ピアットにもなると名言を残した。


ラツィオの南端にある海辺の街、ガエタの一番の名物は、ティエッラ。
(CIR6月号)の記事でティエッラが名物の店として紹介されていた店の一つが(P.26)、下の動画の店、ピッェリア・デル・ポルトpizzeria del porto。ピッツェリアで出す料理なんですね。

カンパーニアに近いこの街には、シチリア王国の最後の砦だった時代の名残であるナポリの影響が溢れています。
シチリア王国のフェルディナンド4世は、ティエッラが大好物でした。この料理はプリーモやセコンドだけでなく、テルツォ・ピアットだ、と名言を残しています。
持ち運びもできて、船の上で食事をする漁師にぴったりだったんです。
そしてラツィオの伝統地方料理として認定されたのが、タコのティエッラ。

プーリアでティエッラと言えば、じゃがいもとムール貝のバーリのティエッラ。

ガエタのティエッラとは違いオーブン皿で焼きますが、手で食べれないのでストリートフードにはならないですね。ちなみにティエッラとは器の浅鍋こと。ガエタのティエッラは浅鍋ではなく2枚の生地で包むので持ち運びできて保存もできて栄養もある食べ物でした。

ガエタのタコのティエッラ。

ピッツェリア・デル・ポルトのティエッラーロ、カルロが作るタコのティエッラ。

ガエタに行ったらオリーブだけじゃなくタコのティエッラの味見もお忘れなく。

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2023年8月23日水曜日

ブルボン家がユリシーズの伝説の地に残した料理、ティエッラ。お隣のナポリの影響も強く受けたピッツァのようなパイ。

(CIR2021年6月号)から次の地方料理は、“ガエタのティエッラ”。
記事(P.25~)にもありますが、イタリアのオリーブオイルが好きなら、この名前でまず思い浮かぶのは、ガエタのオリーブのこと。
ティエッラにはこのオリーブが欠かせないので、つまり、何はともあれガエタのオリーブのことは知っとかないと・・・。
まず、ガエタというのはどこでしょうか。
リグーリアって思いがちですが、違います。ラツィオです。トロイの木馬で戦ったギリシャ人が逃げ延びた場所と伝わる場所で、ギリシャ神話やユリシーズの旅の舞台としても知られています。
ガエタgaetaの発音は、アとエの中間で、ゲータとも聞こえます。

観光客的にはオリーブよりユリシーズゆかりの地、というイメージ。

ラツィオの人にとっては手近なリゾート地。

オリーブの話でした。

というか、ガエタのオリーブ入りのガエタの名物、ティエッラの話でした。
ガエタはラツィオの南端の海に近い、海と畑の食材にめぐまれた場所。隣のナポリの影響もうけています。ティエッラのバリエーションは無数にあります。具はオリーブだけでなく、スカローラ、アンチョビ、青魚、バッカラ、タコ、あるいはシンプルに卵とチーズなど。

ガエタのオリーブとティエッラ。

ティエッラ。リチェッタなど詳細は(CIRP.25)

そういえば、ガエタのルーツはシチリア王国の支配者、ブルボン家。シチリア王国とナポリ王国が統合されてできた両シチリア王国は、ラツィオにまで支配が及んでいました。ガエタはその名残なのです。さらにナポリなまりが広まっているという、フランスとナポリの影響を感じさせるおもしろい料理。ティエッラもピッツァの一種と説明する人もいて、なかなか面白い料理です。

タコを詰めたガエタのティエッラ。そういえばタコはナポリの名物でした。



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2023年8月22日火曜日

パンツェロッティとカルツォーネは南イタリア中にあるそっくりな食べ物。違いはサイズと具。


レッチェのプッチャの話が出たところで、今日は、プーリアのストリートフード、“パンツェロットpanzerotto”の話。生地とリチェッタの日本語訳は(CIR/21年6月号P.15)です。

パンツェロッティ。同様の食べ物は南イタリア中にあります。詰め物の定番はトマトとモッツァレラ。
パンツェロッティと、違いが全然分からないカルツォーネ。
カルツォーネの方が大きい。パンツェロッティは手で持ってかぶりつくストリートフードだけど、カルツォーネは物理的にナイフとフォークで食べる。

パンツェロッティ。

カルツォーネを作るピッツァイオーロの後ろの壁が見事に青いタイルで覆われていて、見とれちゃいました。これぞまさに南イタリアのピッツェリア。

ニューヨークで最大のカルツォーネを手で持って食べてる人がいました。さすがに歩きながらは食べれない。


ストリートフードのお薦め本は、ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』 

プーリアでも今年はカルツォーネ祭りが再開。祭りが行われるアックアビーバAcuavivaのカルツォーネは玉ねぎの具。

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2023年8月21日月曜日

プッチャはパーネ・ディ・アルタムーラとはまた違う南イタリアのパンの美味しさを知ることができるレッチェのパン。


イタリア風バーガーの話。
(CIRP.21)トマトとモッツァレラの地中海風バーガーは、パンズはプッチャタイプのパニーニです。
プッチャと言えば、プーリアのおいしいパン。


レッチェに初めて行った時、レッチェのおいしいものをあれこれ調べていきました。その中に入っていたのがプッチャとピッツィです。名前からして可愛いパンですが、レッチェではかなり人気のパンのようですぐに見つかりました。そして食べてみてその美味しさにびっくり。それ以来、ワインを用意して、毎晩いただきました。思えばこれがプーリアのパンとの最初の出会いでした。 

南のフィレンツェと呼ばれるレッチェは、芸術と美食と歴史があふれた街。学生もやたら多かったなあ。
レッチェ・フード・ツアー。観光客向けにすれてない、純粋な本物の味。こんな美味しいもの食べて育つ学生は幸せだなあ。

レッチェでプーリアの美味しいものに初めて出会う旅を再現。偶然通りかかった店で初めて食べるものが美味しすぎて、人生観変わるかも。プーリアは何食べても美味しい。
下の動画はレッチェで最初のプッチェリーアを紹介する動画。次回のプーリアの旅のお薦め、と思ったけど、すでにかなりの観光客に開拓されてそう。

地中華風バーガーのバンズにプッチェを選ぶのは、本気度が違うって感じ。
さらにパテには、牛挽肉、ドライトマト、フェンネルシード、バジリコのみじん切り、刻んだオリーブ入り。さらにスライスしたモッツァレラもはさみます。
ほんとにイタリアの食材はバーガーにぴったり。

イタリア風バーガーHAMBURGER all'ITALIANA。(CIR)P.21のバーガーは地中海風。

プッチャにはさむのは、トマト、モッツァレラ、タッジャスカオリーブ、ドライトマト、ペースト・リグレとなど。
リチェッタでは他にも、ゴルゴンゾーラ、パンチェッタ、玉ねぎのカラメッラ―ト、アボカドのペーストなどを使っています。ペーストは、イタリア風バーガーには欠かすことのできない材料。ペースト挟んだだけでもイタリア風。

アボカドのペースト。





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2023年8月19日土曜日

マファルダはコッピア・フェッラレーゼで知られるパスタ・ドゥーラのパンでした。ただしフェッラレーゼは軟質小麦粉のパン。

(CIR)のイタリア風バーガーの記事(P.20)から、ごま付きバンズを取り上げました。

イタリアではごま付きパンと言えばシチリアのパンで、そのルーツは今はイタリア中に広まったマファルダというパンでした。

の成型方法は、かなり独特です。
まず生地を棒状にし、くねくね折りたたんだら尻尾をさらに伸ばして生地にの中央にかぶせてあの個性的な形にします。そしたら水少々を塗ってごまを散らし、発酵させて焼きます。


スローフードの“スクオラ・ディクチーナ”シリーズの『パーネ・ピッツェ・フォカッチェ
によると、マファルダは硬質小麦粉のパスタ・ドゥ―ロPasta duroという生地です。
パスタ・ドゥ―ロのパンは独特の形で知られるパンばかり。
その代表は、Xの形で知られるフェッラーラ(エミリア・ロマーニャ)のコッピア・フェッラレーゼ。小麦粉は軟質小麦粉で作ります。


ベネトのモンタス
Pane Montasùも軟質小麦粉のパスタ・ドゥーラ生地のパン。

(CIR)のリチェッタでは、水大さじ1と塩少々を加えた溶き卵を塗り、ごまとカボチャの種、またはシリアルなどを散らして焼きます。
バンズは0番の小麦粉とマニトバ粉の(リチェッタはP.20)柔らかい生地です。



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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

ゴールデンウイークにイタリアに行く人たち、いいなあ、なんて思いながら、情報だけはどんどん入ってくるので、今年もせめて動画でバーチャルツアーしましょうか。 今年はミラノガイドのカリスマが、新しい本を出したので、その中からミラノのお店をいくつかどうぞ。 まずは老舗のパスティッチェリー...