2023年8月7日月曜日

バジリカータのシンボル、ペペローニ・クルスキの編み棒のフジッリ。

映画『ゴッドファーザー』の、フランシス・フォード・コッポラ監督が、実はシチリア出身じゃなくて、イタリア人も“無名”と呼んじゃうマイナーなバジリカータ出身だった、という事実を知った次は、バジリカータのスペチャリタの話です(CIR/P.21)。

バジリカータのスペチャリタ。

知られていない地方だけに、本物の純粋な食材の宝庫です。

中でも代表的なのは、ペペロー二・クルスキ。

食物を保存する時、北イタリアでは、塩漬けという方法と、木を使った燻製という方法が利用されました。いずれも身近に安価で手に入るものを使う工夫です。
アルト・アディジェのスペックはスモークする生ハム。

スペック。

そして南イタリアで身近で安価なものと言えば、太陽です。
干す、という方法が用いられました。

バジリカータでは、肉ではなく、ピーマンを干しました。細長くて黒ずんだ赤色をしたペペローネ・ディ・セニーゼという品種です。甘くて水分が少なく、干すのに最適の品種。

ペペローニ・セニーゼの生産者。

このペペローニ・セニーゼを干して揚げたものがペペローニ・クルスキ。




ペペローニ・セニーゼの産地、セニーゼ。



こんなのどかな地方で生まれて、どうやってあんな『ゴッドファーザー』なんて映画を思いつくのでしょうか。


上の動画はペペローニ・クルスキのパスタの超シンプル版。
基本は(CIR)P.23のフジッリと同じ。パンのクラムをほぐして炒めて加えます。ペペローニ・クルスキはヘタと種を取って使います。パスタは生麺が合います。

フジッリ・アル・フェッレットFusilli al ferretto。編み棒のフジッリ。


やっぱり、バジリカータが舞台だったら、あの映画は生まれなかったなあ。




=====================================
イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
[creapasso.comへ戻る]
===================================

0 件のコメント:

スパゲッティの伝統がないベネチアで最近普及したのがクロアチア発祥のスパゲッティ・アッラ・ブザラ。スカンピのスパゲッティです。

ベネチアのシーフードの話、モエケまでやって気が付きました。 このままでは永遠に終わらない。 ベネチア甘く見てました・・・。 ベネチアの人が大好きな貝の話はまた次回に。 という訳で、ベネチア料理の話、次はパスタの話に移ります。 シーフードの料理は終わりが見えないほど各種あるベネチア...