映画『ゴッドファーザー』の、フランシス・フォード・コッポラ監督が、実はシチリア出身じゃなくて、イタリア人も“無名”と呼んじゃうマイナーなバジリカータ出身だった、という事実を知った次は、バジリカータのスペチャリタの話です(CIR/P.21)。
バジリカータのスペチャリタ。
知られていない地方だけに、本物の純粋な食材の宝庫です。
中でも代表的なのは、ペペロー二・クルスキ。
食物を保存する時、北イタリアでは、塩漬けという方法と、木を使った燻製という方法が利用されました。いずれも身近に安価で手に入るものを使う工夫です。
アルト・アディジェのスペックはスモークする生ハム。
スペック。
そして南イタリアで身近で安価なものと言えば、太陽です。
干す、という方法が用いられました。
バジリカータでは、肉ではなく、ピーマンを干しました。細長くて黒ずんだ赤色をしたペペローネ・ディ・セニーゼという品種です。甘くて水分が少なく、干すのに最適の品種。
ペペローニ・セニーゼの生産者。
このペペローニ・セニーゼを干して揚げたものがペペローニ・クルスキ。
こんなのどかな地方で生まれて、どうやってあんな『ゴッドファーザー』なんて映画を思いつくのでしょうか。
上の動画はペペローニ・クルスキのパスタの超シンプル版。
基本は(CIR)P.23のフジッリと同じ。パンのクラムをほぐして炒めて加えます。ペペローニ・クルスキはヘタと種を取って使います。パスタは生麺が合います。
フジッリ・アル・フェッレットFusilli al ferretto。編み棒のフジッリ。
やっぱり、バジリカータが舞台だったら、あの映画は生まれなかったなあ。
=====================================
ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』
(CIR)2020年1月号、(CIR)2020年2月号、(CIR)2020年3月号、(CIR)2020年4月号、(CIR)2020年5月号、(CIR)2020年6月号、(CIR)2020年7月号、(CIR)2020年8月号、(CIR)2020年9月号、(CIR)2020年10月号、(CIR)2020年11月号、(CIR)2020年12月号、(CIR)2021年1月号、(CIR)2021年2月号、(CIR2021年3月号)、(CIR2021年4月号)、(CIR2021年5月号)、(CIR2021年6月号)
“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズ
『スーゴとソース』
『カッチャジョーネ』
[creapasso.comへ戻る]
0 件のコメント:
コメントを投稿