2023年8月5日土曜日

バジリカータの有名観光地、マテーラは、一大ブームを迎えて生活が急速にスマートになりました。無名の地方都市からの脱却を果たした街の今後、気になります。

『La Cucina Italiana』の地方の食文化の連載記事、《ベル・パエーゼ》が、5月号で終了となりました。
最後に取り上げられたのは、イタリアの中でもかなりマイナーな地、バジリカータです。
バジリカータをイタリアの編集者たちは、どう紹介しているのでしょうか。
なかなかユニークな紹介の仕方でした。
まず最初に、映画『ゴッドファーザー』で知られるフランシス・フォード・コッポラ監督は、バジリカータのベルナルダという小さな村の出身だ、と、いきなりマニアックなネタを振り込んできました。
イタリアでは、世界的に強い影響を与えた映画監督はとても尊敬されていて、リミニ出身のフェリーニ監督などが知られていますが、コッポラ監督がバジリカータの出身とは、知りませんでした。

フェリーニ監督の出身地のリミニにはフェリーニ博物館があります。

街を挙げてのフェリーニ推し。

代表作の一つ、『甘い生活』

コッポラ監督はの代表作はもちろん『ゴッドファーザー』

バジリカータからアメリカに渡って、アカデミー賞受賞監督になり、アメリカンドリームを実現させたバジリカータのヒーロー、コッポラ監督。



監督は、故郷にゴージャスなバカンス用の5つ星ホテルを持ってます。いろんなサイドビジネスも考えていたようですが、バジリカータでコッポラ監督を超えて国際的な知名度を獲得したものがもう一つありました。

故郷の村、ベナルダについて語るコッポラ監督。

出身地に錦を飾った監督としては、ベナルダをメジャーな場所にしたかったようですが、バジリカータには、ベナルダを超えてもっと有名になった場所があります。
それはマテーラです。

マテーラは映画『007』のノータイム・トゥーダイのロケ地で、しかも世界遺産。ライバルにするには強敵すぎたかも。


歴史と南イタリアの自然と時間がのどかに流れるマテーラの町は、私が訪れた時は、観光地としてのブームになり出したころでした。そこら中が改装中で、洞口住居という悲惨な歴史があった割には活気に満ちていました。建築資材用の巨大な砂の山を野良猫が夢中になって掘っていた光景は、今も瞼に焼き付いています。半地下のようなおしゃれなレストランでは、とてもハイセンスな料理を出していました。ニャンコもワンコも人もみんな素朴で、まだ観光地として擦れていない、純情な街でした。
その後、マテーラは観光地として大ブームになったそうです。料理人やパン屋からも、国際的に活躍する人たちが巣立っていきました。ほんの数年でマテーラのライフスタイルは急激にスマートになり、その影響は周辺にも及んでいるそうです。
バジリカータの話、次回に続きます。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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