2019年1月30日水曜日

リコッタのニョッキ

前回は何やらとても楽しそうなヴェンデンミアの祭りを紹介しましたが、今月の「総合解説」のピエモンテのブドウ農家のヴェンデンミアのパーティーのメニューで、とても気になった料理がありました。 
リコッタのニョッキです。

以前、リコッタパンケーキという文字を初めて見た時に感じたようなときめきがありましたよ~。

リコッタパンケーキを広めたビル・グレンジャーさん。
 ↓


パンケーキにリコッタを入れるレシピを世に出したこのオーストラリア人は、この料理で一世を風靡したので、リコッタパンケーキに魅せられた人は世の中には多いハズ。
パンケーキにリコッタを入れるとふわふわになるのでしたっけ。
見た目は違いがよくわからないけど、リコッタがなんだか素敵な作用を及ぼすのでしょうか。
パンケーキが素敵になるのなら、ニョッキだって素敵になるはず。
そもそもリコッタ入りのニョッキはあるのでしょうか。

こういう時に頼りになるのが、スローフードの本スクオラ・ディ・クチーナシリーズの
パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ


まずはニョッキについてのミニ知識。

「ニョッキとは、小麦粉と水分を練った小さな筒型の生地で、場所によっては卵や他の粉を加えることもある。
主に北部の山岳地や中南部でよく作られていたが、イタリアにじゃがいもが伝わる前から、イタリア中の代表的な家庭料理の一つだった。

ニョッキといえばじゃがいものニョッキとしてイタリア北部を中心としてイタリア中に広まり、特に北東部では、シナモンやココア入り、パン入りなど様々なニョッキ
が考え出された。
ピエモンでは山のチーズや栗の粉、カボチャ入りのニョッキが考え出された。
じゃがいもは入らずに野菜、パン、ハーブ、リコッタなどが入るニョッキもあった。」

というようなことが書かれています。
そうです。じゃがいものニョッキは、じゃがいもがイタリアに伝わる前は、存在していたなかったんですねー。
食材としてのじゃがいもがイタリアに伝わったのは19世紀。
その前はパン粉と小麦粉で作っていたのです。
バリエーションとして加えられたのは、卵、おろしたグラナ・パダーノなど。

リコッタもよく加えられる食材でした。
特にほうれん草やビエトラと小麦粉の生地とは相性がよく、定番の食材でした。
北東部では、溶かしバター、砂糖、卵黄、泡立てた卵白、軟質小麦粉、レモンの皮、塩にリコッタを加えた生地のニョッキも作られていました。

どうやらリコッタのニョッキはイタリアでも珍しくはなく、そこにリコッタパンケーキの世界的ヒットが重なって、世界的にプチヒットしたようですね。



今回の「総合解説」のリチェッタで惹かれたのは、白いニョッキと、生クリームとポルチーニの白いソースの組み合わせです。
ポルチーニとクリームのソースだけでも美味しそうなのに、リコッタ入りの白いニョッキは、じゃがいも入りのニョッキより見た目のふわふわ感がアップしています。
形もマシュマロにそっくりです。
リコッタのニョッキ、一度食べて見たくなりました。

リコッタのニョッキの写真は「総合解説」のページにも載せておきました。
探してみてください。

スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズは
『ドルチ・ダ・フォルノ』と

『パーネ・ピッツェ・フォカッチェ』


もあります。

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“ヴェンデンミア”のホームパーティーの記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年1月28日月曜日

ヴェンデンミアのフェスタ

「総合解説」で毎月訳している記事、ホームパーティーメニューは、イタリアの農家の季節行事や料理、旬の食材、地方の名物がわかる記事です。
日本のサラリーマンの家庭で育った人でも、イタリアの農家の暮らしをあれこれ垣間見ることができます。
9~10月は、ヴェンデンミアの季節です。
今さらですが、訳していてようやく気が付きました。
農作物の収穫は、raccolta等と言いますよね。
じゃがいものraccolto。
 ↓


でも、ぶどうはvendenmmiaです。
どうやら語源のラテン語に、ワインにするためのぶどうの収穫、という細かい意味が含まれているようです。

「総合解説」の記事を読むと、ヴェンデンミアに対するブドウ農家の思いも伝わってきます。
「ヴェンデンミアの時期(9~10月)は、農民文化の中では一年で一番華やぐ祭りの季節だ。
一年の労働をねぎらい、自然の恵みに感謝する収穫祭には、昔は老人や子供を含む家族全員が参加して、畑のつる棚の下に集まった・・・。」

そういったことをふまえて下の動画を見ると、一段と面白いです。
ヴェンデンミアは、まず、おじいちゃんを一人用意して、から始まります。
 ↓


うちのワインは世界一美味しい、と胸を張るブドウ農家の気持ちがわかるような動画でした。

現代の収穫祭は、子供や友人たちと夏の最後のぬくもりと美味しいご馳走やワインをたっぷり味わうお祭りです。

インペリアのワイン農家が経営するレストランのヴェンデンミア祭。
 ↓


ヴェンデンミア最終日のプランゾ。
 ↓



フォンタナフレッダの2018年のヴェンデンミア祭り
 ↓


なにこれ超楽しそうなんですけどー。
ヴェンデンミアはただきつい作業をするだけじゃないのだそうです。

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“ヴェンデンミアのホームパーティー”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年1月25日金曜日

ラ・スペツィアの夏の終わりのホームパーティー

今月のホームパーティーメニューは、ラ・スペツィアの海辺の別荘と、ピエモンテのぶどう農家という設定です。

ラ・スペツィアというのはトスカーナに近いリグーリア東海岸の海辺の町。

ミラノやトリノなどの北イタリアの都会人にはアクセスも便利な別荘地で、
チンクエ・テッレにも近く、地中海の空気を感じられて洗練された、比較的身近なバカンス地。
ラ・スペツィア
 ↓


ジェノヴァの東側、リヴィエラ・レヴァンテにあります。
 ↓


南イタリアほど開放的ではないけれど、とても洗練されていて、過去に繁栄していた歴史を感じます。
でも、どこか下町的な、たくましさも感じる地方です。
欧米からの年齢層の高い観光客に人気なのもわかる気がします。

ラ・スペツィアはムール貝の養殖が盛んな町だと、知ってましたか?



イタリアのムール貝というとプーリアが有名ですが、ポー河が海につながるデルタ地帯のスカルドヴァリも養殖が盛んです。
 ↓



リヴィエラ・レヴァンテに行く機会があったら、ぜひ味見してみたいのは、ラ・スペツィアのムール貝、モンテロッソのアンチョビ、ヴェサリコのにんにく、バジリコ・ジェノヴェーゼ、オリーブオイルといったところ。
メニューもこれらの食材を活かしています。

ラ・スペツィアの料理は町の雰囲気とよく似ています。
洗練されていて、なおかつ庶民的。
「総合解説」に訳をのせた料理は、まずアサリとペスト・ジェノヴェーゼの炭パンのせが前菜。
炭入りの真っ黒なパンは、イタリアでもブームだったようです。
ペスト・ジェノヴェーゼにアサリを加えると、海の香りが強くなり、それをパンにのせるとカジュアル感が増しますが、真っ黒なパンのおかげでとてもオリジナルな料理になっています。
ただし、パンはリグーリアなのでフォカッチャという選択肢もありますねー。

パスタはムール貝のソックアドリ。
ソックアドリは断面が四角くて筋付きのリング型ショートパスタ。
カラマーリを四角くして厚くしたようなパスタ。
ムール貝と大きさがぴったりです。
セコンドはアンチョビと野菜のフリット・ミスト。
ズッキーニの花の詰め物は、定番のリコッタとアンチョビにアボカドを加えています。

デザートのピスタチオのクロスタータは、ピスタチオの鮮やかな緑と、表面に散らしたビーツの粉のバラ色がとても美しいタルト。→こんなタルト

海辺の別荘に招待されて、こんな料理をご馳走になったら、帰りたくなくなります。

おまけの動画。
ラ・スペツィアのオステリア。
 ↓


次回はピエモンテのブドウ農家でパーティー。


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“ラ・スペツィアの海の味”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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2019年1月23日水曜日

根パセリ、ロマネスコ

「総合解説」2016年9/10月号発売しました。
今月からしばらく2ヶ月分を訳して、ペースアップします。

それにしても、毎回、グランシェフのリチェッタを訳すたびに思うことは、日本の食材や調理方法が、すごい勢いで浸透している、ということ。
抹茶やみりんは、すっかり定着したし、梅干し入りのグラニータまで登場して、そろそろ追いつけなくなりつつあります。
これが2年前の状況なので、今後どうなるのか楽しみです。

ただ、あくまでもイタリア料理は家庭料理がベース。
シェフの料理でなく、家庭料理に取り込まれて、初めてイタリアでも浸透したと言える、と考えると、梅干しは、まだまだこれからかな。

「総合解説」の最初の記事、“今月の食材”は、この現象の逆のパターンです。
見たことも聞いたこともない食材がある一方で、日本ですっかり定着してスーパーで売られている食材もあります。
今月の見たことも聞いたこともない食材は、PREZZEMOLO TUBEROSO。
根セロリのイタリアンパセリ版。
こんな野菜です。

葉でなく根を食べるパセリ。
パースニップによく似ていますが、別物だそうです。
最近紹介され始めたようですが、イタリアでは全く馴染みのない野菜。

日本のスーパーても売られている食材は、CAVOLOFIORE ROMANESCO。
ロマネスコ。

ロマネスコのオリーブオイル、にんにく、唐辛子、コラトゥーラ風味のカンパニア風
 ↓



ロマネスコはその名の通り、ローマ農村部名物のブロッコリの一種。

1001スペチャリタ』によると

産地では、単にブロッコロと呼ばれているそうです。
地元では、オイルとレモンをかけて生で食べるall'agroや、オリーブオイル、にんにく、唐辛子で炒めるripassaatoといったリチェッタが一般的。
ほんのり辛いパスタとブロッコリのミネストラ、パスタ・エ・ブロッコリも広まっています。

最後に聞いたことがあるようなないようなピエモンテのチーズ、ベッテルマット。
イタリアよりフランスのほうが有名なんだとか。
 ↓




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総合解説
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2019年1月21日月曜日

シチリアのドルチェ~異文化の影響

ニュートン・クチーナ・レジョナーレ・ドルチェ”シリーズ、『シチリア』の続きです。

シチリアのドルチェとはいうものの、事実上、イタリアのドルチェと言い換えてもいいくらい、シチリアのドルチェは、イタリア中、そして世界各地に広まっています。
つまりシチリアのドルチェを知ることは、イタリアのドルチェを知ること。

前回は、シチリアのドルチェと修道院の深い関係の話でした。
シチリアの食文化と言えば、忘れられないのがアラブの影響。
アラブから伝わった様々な食材のなかで、ドルチェ関連と言えば、ピスタチオやシナモンなどを筆頭に様々あり、カッサータは、アラビア語が語源というのは有名な話。
でも、シチリアのドルチェに影響を与えた国は、他にもあるんです。
さて、どこでしょう。
ヒントはチョコレート。
そう、スイスです。

意外なことに、スイスにも貧しさから移民になって外国に移り住んだ人たちがいたのです。
19世紀から第一次世界大戦にかけての時期でした。
イタリア系が多く住む地域からは、ナポリやシチリアに移り住みました。

シチリアで最初に店を出したスイス系菓子職人はカフリッシュ。
1895年のことでした。
シチリアにスイスの洗練された職人技を伝えたカフリッシュですが、
最近では店は売りに出されて、バール・アルバに吸収されたようです。

まだありますよ、シチリアならではのドルチェ。
しかも世界中に広まった傑作です。

ジェラティエーラのドルチェです。
ジェラート、ソルベット、グラニータ、セミフレッド、朝食に食べるグラニータとブリオッシュなどなと。

ジェラートがどこで生まれたのかを示す、確かな証拠は残っていません。
シチリアのエトナ山の氷で作られたとか、トスカーナでカテリーナ・デ・メディチの料理人が作り出したとかいう話は有名です。
私も、カテリーナ・デ・メディチが結婚した時フランスに連れて行ったのは、料理人、パスティチェーレ、そしてジェラタイオだったという説が大好きです。
下の動画では、カテリーナが誰も見たことがない料理というお題で開催した料理コンテストに、ソルベットを作って優勝したフィレンツェの鶏肉屋、ルッジェーリをマルセイユに連れて行ってフランスにもジェラートが伝わったという説を披露しています。
カテリーナがフランスに連れて行ったジェラタイオが、フィレンツェの鶏肉屋というのはとんでもなさすぎますねー。



ジェラートがアメリカで英語に訳されないで広まった、という事実はシチリア人の誇り。

下のカルピジャーニのジェラート・ミュージアムの動画。
フランスとイタリアのジェラートの元祖争いにも言及していますが、ジェラートの父はパリでカフェを開いてジェラートがヒットして成功したシチリア人。



最後はシチリアのクリスマスのドルチェ、ブッチェッラートの都会版。
なぜかシチリアを出ず、世界に広まらなかった1品。




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ニュートン・ドルチ・シチリアーニ』より前書きの日本語訳は、「総合解説」2016年8月号にのっています。
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2019年1月18日金曜日

シチリアのドルチェ~修道院のドルチェ

ニュートン・クチーナ・レジョナーレ・ドルチェ”シリーズの『ナポリ』は以前紹介しましたが、今月の「総合解説」では『シチリア』の前書きを訳しました。



このニュートンシリーズ、お手頃価格がセールスポイントのお手頃な本と侮っていると、前書きのとても専門的な分析に、ビックリします。

この本に限らず、料理書の前書きはとても面白いです。
イタリアのドルチェの代名詞と言えるほどにイタリア中、世界中に広まったシチリアのドルチェとはどんなものなのか、読んでみると、思わずなるほどお、とうなりたくなる説でした。
詳細は、ぜひ「総合解説」をご覧ください。

まず、シチリアのドルチェは宗教行事や家族の特別な記念日などと密接に結びついている、というのは、なんとなく感じ取れますよね。
シチリアに限らず、イタリアには日曜日に小さなお菓子をきれいに盛り合わせたトレー、"グアンティエーラ”を手土産に親戚や友人の家を訪れる習慣があります。

イジニオ・マッサーリの店のパスティチェーリのトレーの盛り方。
 ↓


日曜のバール・パスティッチェリーア



イタリア系移民が出てくるアメリカのドラマにも、シチリア菓子の盛り合わせのトレーはよく登場しますよね。
もちろんソプラノズにも
 ↓



グアンティエーラのトレーの包み方がとても美しくて、日本まで大切に持って帰ったこともあったっけなー。
そもそも、この種のドルチェを作るのは、パン屋と薬屋だったんです。
パン屋はシンプルなドルチェを作り、薬屋は複雑なものを作りました。
ちなみに、上のソプラノズでドルチェを売っている店はベーカリー。
パン屋のシンプルなドルチェの代表みたいな店。
さらに、宗教的なルーツを持つドルチェは、修道女が作りました。
死者の日のドルチェ、オッソ・ディ・モルティ。
 ↓



この修道院のドルチェが、シチリアのドルチェの最大の特徴でした。ナポリなど他の大都市では貴族のフランス系料理人が担った役目を、修道院が果たしていたのです。
パン屋のドルチェも修道女の手にかかると洗練されたものへと進化しました。
その背景には、修道院の力があります。
各修道院はオリジナルのドルチェを考え出し、独占権を持ち、リチェッタは門外不出で大切に保管されました。
シチリアのパスティチェリーアのライバルは修道院でした。
というか、そもそもシチリアのパスティッチェリーアのルーツが修道院でした。

修道女が開いたパスティッチェリーア 
 ↓


独自の文化を花開かせたシチリアの修道院のドルチェ。
ところが、イタリアの教会と国は水と油で、対立していました。
その果てに、国は教会の財産没収という手に出ます。
修道女の中には、家で暮らすことを余儀なくされて、教会を離れる者が相次ぎました。
こうした修道女たちは、ドルチェを作って生計をたてたのです。
こうして修道院のドルチェはシチリア中に広まっていったのでした。

シチリアのドルチェの話、次回に続きます。


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“『ニュートン・ドルチ・シチリアーニ』前書きの日本語訳は、「総合解説」2016年8月号に載っています。
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2019年1月16日水曜日

イタリアのビール~中部、南部

今日も「総合解説」2016年8月号を見ながらどうぞ。
まずはウンブリアでいちばん有名な造り手、ビッリフィーチョ・サン・ビアージョのモナスタ。
www.birrasanbiagio.com

ウンブリアで最初のクラフトビールで、修道院の製法を取り入れて作られたビール。




作っているのはハイネケンで20年働いていた彼。
 ↓


いかにも高級そうなビール。
ダブルモルトで瓶内発酵。
価格は75clのボトルが€11.50。
ちなみにフォルストのビールは33clが3本パックで€3。
妥協はしないで作っています。

次はアブルッツォはペスカーラのビール。
ペスカーラ名物のコンフェッティ用にアーモンドを加工していた建物で作られているビールなので、その名もアルモンド。
www.birraalmond.com




次はバジリカータのビールですが、ラベルには、例の昭和な口ひげのおじさんが。
モレッティです。本社はミラノ。
www.birramoretti.it

提供はハイネケン・イタリア。
いつの間にか多国籍企業になっていたんですね。
しかも、いち早く地ビールに着目して、モレッティおじさんをカラーレンジャー化。
カラブリア(ルカーナ、青)は地元産モルトを使用。





最後はサルデーニャのバーレイ。
www.barley.it

BB7はモスカートぶどうのモストを加えた革新的なビール。



バーレイは、注目の革新派。
バーレイのビールが飲める、というだけでレストランの宣伝になるほど注目されています。

今日もたっぷり飲んだ気分。

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“ワインと対等のビール”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年8月号に載っています。
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2019年1月14日月曜日

イタリアのビール~北イタリア

ビールの話、続きます。
今月の「総合解説」で紹介したイタリア各地のビールから、動画をいくつか。

まずはアルト・アディジェのフォルスト。
www.forst.it






雪の中で震えながらビール飲むのも、おつでんなあ。

次はヴェネトのテレジアネル。
www.theresianer.com



歴史を感じさせる造り手ですね。
会社の現住所はヴェネトですが、マリア・テレジアを連想させる社名からも、フリウリ=ヴェネチア・ジューリアのトリエステとのつながりが強そう。
実際、トリエステがオーストリア・ハンガリー帝国の一部だった1766年に創業した、町で最初のビッレリアだったのでした。
いわゆるウィーン派のビールです。

次はエミリア・ロマーニャのラ・マータ。
www.birrificiolamata.it
イタリアで最初にホップの栽培を始めた農家の1軒が経営しています。



ビールはラベルが可愛い系。

北イタリアの3社を紹介しました。
職人技の伝統が独自の進化を見せるイタリアのビールは個性豊かで楽しいですねー。
全部飲んでみたくなります。

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“ワインと対等のビール”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年8月号に載っています。
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2019年1月11日金曜日

ビールのサーブ方法

今日はイタリアビールの話。

ビールはワインと同じくらいこだわりが詰まった飲み物ですよね。
下の動画ではビール用グラスについて語っていますが、ずらっとグラスを並べて、それぞれの特徴を語る語る。
イタリアソムリエ協会の元会長のジュゼッペ・ヴァッカリーニさんが、『クチーナ・イタリアーナ』誌の連載記事で勧めた万人向けのビールグラスはすらりとした足のあるチューリップ型です。
下の動画にも登場しますよ。



次の動画の彼もヴァッカリーニさんと同じ結論に達したようです。
チューリップグラスでビールを飲むイタリアの人、多いんですね。



次は注ぎ方。



最後のステンレスの薄片を落とす実験は衝撃的ですが、これが胃袋の中で起きている現象なのだそうです。
つまりビールを正しく注がないと、お腹の中で泡がどんどん発生して胃袋が大変なことになってしまうわけですね。

泡の大切さを知ったら次は中級編



見てるだけでゲップが出そう。
でもビールの話面白そうなので次回に続きます。
「総合解説」を見ながらどうぞ。

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“ワインと対等のビール”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年8月号に載っています。
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2019年1月9日水曜日

アンツィオのグルメ旅ガイド

月に一度のイタリア食べ歩きの旅ガイド、今月はアンツィオとネットゥーノです。
先日はフィウミチーノの店を紹介しましたが、ローマの人が休日を過ごす近郊のこのあたりは、さすがにレストランも充実してますね。
偶然ですが、アンツィオは先月、ロモロ・アル・ポルトという店を紹介した時にさらっと紹介したので(こちら)、基礎知識はあったので今回の『ガンベロ・ロッソ』の記事を訳す時に、とても役に立ちました。

それでは、ローマを拠点にしているグルメな旅人が、次に目指す目的地の1つ、アンツィオの食べ歩き旅に、出発です。

ロモロ・アル・ポルトの時は、アンツィオという町だけ出てきて、ネットゥーノという町には、まったく触れていませんでした。
アンツィオとネットゥーノをセットで検索すると、第二次大戦の上陸作戦の話ばかりが見つかります。

総合解説」の記事の冒頭部分を読めば、この地方のかつての空気感がすぐにわかります。
そもそも、アンツィオとネットゥーノは2つ合わせてネットゥーノというコムーネでした。
かつて、ヴァカンスと言えば避暑地やきれいな海辺で過ごすことを意味した時代、このあたりはローマの知識階級の別荘地でした。
そしてその黄金時代は、1944年に装甲車が上陸して、リバティースタイルの部屋がアメリカ軍の将校の司令部になった時代に終ったのだそうです。
そしてその後数十年に渡って、アンツィオは新しい姿に生まれ変わり、地中海最後の自然を残すビーチや、ローマの遺跡、自然保護区、漁港などが観光名所となりました。

ネットゥーノ、アンツィオ、チルチェオ
 ↓


漁港とレストランは切っても切れない関係です。
高級魚はガイドブックで高評価の高級店が仕入れます。
市場で売れないような魚は、港のそばにある漁師のオステリアの料理になります。

アンツィオの港では午後になると漁から戻った漁師が新鮮な魚を売っています。
 ↓


アンツィオのリストランテ
 ↓



アンツィオでは、漁師さんがやってるオステリアに行くのが一番のようです。
ということは、市場で魚を買いながらの情報収集が最適ですね。

さらに、記事でお勧めのエノテーカはこちら。
 ↓


お勧めのジェラテリーアはこちら。
 ↓


最後はラツィオのドルチェ、ワイン入りチャンベリーネ、“ウブリアケッレ“




リチェッタは「総合解説」にあります。
レストラン等の情報も「総合解説」を御覧ください。


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“グルメ旅~アンツィオとネットゥーノ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年8月号に載っています。
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2019年1月7日月曜日

フィウミチーノの人気店

今月のシェフ、二人めは、ジャンフランコ・パスクッチさん。
フィウミチーノのパスクッチ・アル・ポルティッチョロのシェフです。

彼と店の歴史は「総合解説」をご覧いただくとして、一度は手放した祖父の店を、ジャンフランコが買い戻して、見事に高評価のインターナショナルな店に生まれ変わらせた、その店とは、どんな店なのか。
魚料理の新しい姿と言われる彼の料理はどんなものなのか、気になりますねー。

店と料理はこんなイメージ。
 ↓



口コミサイトでは軒並み高評価。
こちらではフィウミチーノのレストランベスト10に。
 ↓


シェフの料理はテッリーネのパスタの動画をどうぞ。
テッリーネは小型の二枚貝。
 ↓


リチェッタは、
・にんにく、オイル、唐辛子、白ワインで貝を熱して開けます。
・パスタをゆでるトマト水を作ります。
・トマトを角切りにしして鍋に入れ、ジュニパー、バジリコ、タイム、こしょうを加え、水で覆います。
・弱火で40分煮て濾し、水を足して、これでパスタをゆでます。
・イタリアンパセリと水をミキサーにかけて濾します。ソテーパンで軽く熱してイタリアンパセリの色素を表面に浮かび上がらせます。
・パスタをアルデンテにゆでて貝と一緒にソテーパンに入れ、イタリアンパセリの色素を散らしかけます。

人気の1品、グラン・フリット・ミスト。
 ↓


衣はとうもろこしの粉とコーンスターチ、ウオッカ、水や、小麦粉と塩、水の衣を使い分けています。

最後にシェフと愛車の動画をどうぞ。
BMWローマの面白い企画。
 ↓





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“ジャンフランコ・パスクッチ”シェフの記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2016年8月号に載っています。
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2019年1月4日金曜日

大注目のピッツェリア・ベルベレ

今年もよろしくおねがいします。

最初のお題は、マッテオとサルヴァトーレ・アロエ兄弟のグループ・ピッツェリア、ベルベレ。
 ↓


最初の店をボローニャに開いて数年後には、ロンドンを含む5店舗に成長という怒涛の快進撃。

動画で話しているのはマッテオ。
カラブリア生まれでボローニャ大学卒業。
最初の店もボローニャ県のカステルマッジョーレに開きました。
その後、フィレンツェ、トリノ、ミラノと出店しています。
北イタリアで大成功を収めているナポリ派でないピッツェリア。




彼らはなぜ成功したのか。
彼ら自身は、イタリアの庶民的な国民食に、職人技と極上の品質を取り入れたから、と考えています。

小麦粉や発酵、栄養価、世界的な高級レストランを研究して、導き出した答えです。
天然酵母だけを使い、26℃で24時間発酵させた軽くてスローなピッツァ。
仲間たちと大勢で食べることを意識して、細かくカットを入れて手でつかみやすくしているのも特徴。

紫玉ねぎとサルシッチャのピッツァ
 ↓



軽くてスローって、最高。


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シェフ~マッテオ・アロエ(ベルベレ)の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年8月号に載っています。
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生ハムの一番美味しい部位はガンベレットこと端っこ。

生ハムやパルミジャーノを、パルマの食文化の観点で見ると・・・。 食の都パルマのシェフが語るパルマの食文化 これはアルタ・クチーナとしてのパルマ料理ですね。 もう少し庶民的な、パルマの日曜日の家庭のプランゾの場合、スタートは、クラテッロ、パルマの生ハム、コッパ、ストロルギーノなどの...