2018年9月19日水曜日

地方料理のシリーズ本

ニュートンの地方料理シリーズを、久しぶりに更新したら、新シリーズの表紙が料理の写真に変わって、とても賑やかになっていました。

クレアパッソのニュートンのページはこちら

このシリーズは、何度もデザインを変更しながら、昔から続いてきました。
表紙を頻繁に変える割にはリチェッタは一切手を加えず、頑なに昔のままという、
頑固な職人気質のシリーズです。

魚料理を集めたディ・マーレ・シリーズの次に売り出したのが、アンティパスト、パスタ、ドルチェというテーマで集めたシリーズ。

あとは野菜とカルネが出れば、コンプリート。

それにしても1000点のリチェッタというのは相当な数です。
他の地方料理のシリーズ書との大きな違いは、この数。
リチェッタと比べると写真の数は少ないですが質はいいです。

質と言えば、表紙がふかふかな仕様なのはなぜでしょう。
表紙だけは100年もつように作ってあります。

一方、ニュートンとは対象的なのが“グリバウド”シリーズ。
数をぐっと絞って、基本的な料理をコンパクトにまとめています。
シリーズを全部揃えても本棚の一角を埋めるだけ。
手軽で手に取りやすいいいシリーズですが、売り切れ間近です。


さらに、新入りの“イン・クチーナ”シリーズは、
リチェッタにも写真にも惜しみなくお金をかけた、とても豪華な本。

英語とイタリア語の2カ国語版で、世界中で売ることを念頭に作られています。
大力作。

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2018年9月17日月曜日

ヴィテッロ・トンナートじゃなくてトンノ・ヴィテッラート

今日のお題はヴィテッロ・トンナート。
いや、正確に言うと、トンノ・ヴィテッラート。

なんじゃこりゃ、と思いますよね。
ヴィテッロ・トンナートのバリエーションの話をする時、イタリア人の心に必ず浮かぶダジャレが、これなんですわ。
以前にも訳したことがあるんです。このどーしようもないダジャレ。

マグロのソースをかけた子牛肉があるなら、子牛のソースをかけたマグロがあってもいいじゃん、
というか、ゴロが面白ければ、味なんてどうだっていいじゃん、というラテン系なノリが見えるこのネーミング。

今回も、大真面目に訳しちゃいましたよ。
総合解説」2016年5月号P.15をご覧ください。

動画もちらほらあります。
 ↓



それにしても、tonnoやvitelloの語尾に~toをつけると、食材がソースに変わるのって、便利だなあ。
解説に載せたもう1品は、鴨の胸肉のアグルマータ。
agrumiは柑橘フルーツのことだから、レモンやオレンジのソースです。
でも、これはダジャレじゃなく、柑橘フルーツのミックスジュースのことをアグルマータというのでした。
 ↓



もう1品の七面鳥のヨーグルトソースはヨーグルタートじゃなくてアッロ・ヨーグルトallo yogurtでした。
ひょっとしたら、トンナートというのは珍しい言い方なのかも、
と思って他の名前を探してみたら、意外と~toとい言い方はなかった・・・。
トンノがたまたまトンナートに変化させやすい言葉で、
ヴィテッラートは、言ったもん勝ちのダジャレだったんですね。

お口直しに、市販のマヨネーズを入れない伝統的なリチェッタのヴィテッロ・トンナートをどうぞ。
この料理はフランス料理ではなく、ピエモンテ料理だったんだなあ。
 ↓


ゆでないので肉がジューシーに仕上がります。
ソースの油分は少量加えるだけ。
盛り付けも斬新で、別の料理のようですね。

お勧めの料理書は
スローフードの『オステリエ・ディ・イタリア2017




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“ヴィテッロ・トンナートのバリエーション”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年5月号に載っています。
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2018年9月14日金曜日

パスタのお焼き、トルテッリ・アッラ・ラストラ

訳して以来、気になっていた料理、“石板焼きトルテッリ”。

聞いたことのないパスタだったので、動画もないだろうと思っていたら、意外とあって、ちょっと意外。
ひょっとして、知らなかったのは私だけ?
こんなパスタです。
 ↓


何も知らないと、この動画を見ても???ですが、『サーレ・エ・ペペ』の記事では、このパスタが誕生したいきさつを詳しく説明しています。
なるほどの歴史があったのです。

ちなみに上の動画は、「総合解説」で、「毎年石焼きトルテッリの祭りが開かれる町」と紹介されているアレッツォ県のコレッツォのもの。

さらに、蛮族が超えたというトスコ・ロマニョーロの山脈はこんな感じ。
 ↓


この地方の羊飼いが移牧の時に用いる調理方法が、石板焼きトルテッリ。

鍋に水を張ってゆでるよりは、このあたりで取れる砂利まじりの石の板を熱してその上で焼いたほうが簡単なのか。

これは一種のお焼きですね。

お焼きは餡を生地で包んで焼きますが、このトルテッリも、詰め物はトマトソース入りマッシュポテトで、餡という言葉がぴったり。

祭りには欠かせないストリートフードだそうで、これはぜひコレッツォで食べてみたい。
それにしても、ここまでどうやって行くのでしょうか。

去年の祭りの告知
 ↓




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“石板焼きトルテッリ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年5月号に載っています。
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2018年9月12日水曜日

春のジェノヴァ料理とスペッツァティーノ

総合解説」2016年5月号発売しました。


5月号の記事なので、春の料理が中心です。
イタリア料理は、夏はシチリア、秋はピエモンテ、冬はヴァッレ・ダオスタというイメージがありますが、春はリグーリア、中でもジェノヴァなんですねー。

最初の記事、“ジェノヴァのホームパーティー”は、ジェノヴァの伝統料理を取り入れた春のメニュー。
それにしても、ラッテ・ブルスコ、フリッシェウ、コンディッジョン、シュメッテと、聞いたことがない料理ばかりでした。

リグーリア料理、まだまだ開拓されていないですね。

もちろんリチェッタには松の実のソースのコルゼッティもあります。



地方料理はトスコ・ロマニョーラ地方の石板焼きトルテッリ。
知ってましたか?
焼きパスタです。
以前に揚げパスタ(プーリアのチーチェリ・エ・トリア)を紹介した時も、パスタにはすごい種類があると感じたものですが、石焼きは想定外でした。
何十年やっていても、新しいパスタとの出会いがあります。

フレッシュチーズも春を感じさせる食材なんですね。
でも、白いソフトチーズを白い皿にのせて白いテーブルの上で撮影する感性、理解できない。
写真がほぼ真っ白なんですけど(汗)。

ソラマメとサラミは、この季節の定番の組み合わせで、毎年記事に登場する度に、イタリア人どんだけ好きなんだろうと思っていました。
カルボナーラに入れたり、ピッツァのトッピングにしたりと、応用方法も無限にあります。

スペッツァティーノは、「春の」と季節を限定。
主役は白肉と春野菜です。

ワインも白肉のスペッツァティーノに合うワインの提案。

「豚肉・赤玉ねぎ・ソラマメのビネガー煮」に組み合わせるのは、
カラブリアのテヌータ・デル・コンテのチロー・ロッソ・クラッシコ・スーペリオーレ。




訳した料理書は『グランディ・クラシチ』の肉のセコンド12品。


国民的イタリア料理の肉料理をほぼ全部訳しました。
スペースの関係で載せられなかったのは、サルデーニャの『子豚のロースト』。



全部は紹介しきれません。
今月も盛りだくさんです。
詳しくはこちらのページで。

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2018年9月10日月曜日

エトナ山麓の旅、カターニア

今月のグルメ旅はエトナ産の麓。
これまでにも度々登場している地方です。
近年、注目度がかなり上がっているようです。

ビジュアルガイドのまず最初は、訳していて、ごめん何言ってるのかわかんない、状態だったのが、
イカ墨のリゾットとリコッタを噴火しているエトナ山の形に盛り付けたripiddu nivicatu。
そもそも読めないしね。
意味は雪をかぶった火山。

ネットで調べると、シチリアの有名料理だそうですよ。

こんな料理

インスタばえっ、ちゅーやつじゃないの。

読めないと言えば、nから始まる、ncaciata。

どちらもエトナ産の麓の美食の街、カターニアの名物パスタです。

他にも、青魚の稚魚のパスタpasta con il muccu、
豚肉とレモンのジェラティーナ zuzzu、
など、面白そうで発音が難しそうなものが一杯。
「総合解説」に写真は載せたけれど、解説しないとちょっと分からないのが、カターニアの守護聖人に捧げられたドルチェのサンタガタのミンネ。

聖アガタはカターニアの有名な殉教者。
乳房を切り落とされるというとんでもない拷問を受けます。
衝撃的だったゆえか、多数の伝説が生まれ、
病いからの再生のシンボルとされて、熱い宗教心を捧げられるようになりました。
乳がんの守り神とされるのも納得です。
乳房をかたどったドルチェも、看護婦などの、見守って支えてくれる愛情を表現した、究極の母性の表現。
「総合解説」に写真を載せたものは、素朴で優しくて美しいミンメ。




種明かしをすれば、カッサータの一種ですが、カターニアの守護聖人に捧げられたこのドルチェは、カターニアで食べてこそ。

エトナ山の麓をぐるっと走るチルクメテネア鉄道は、こんなに立派になっていました。
ビックリ。




エトナ山の麓巡りも楽しそうです。


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“グルメ旅~エトナ山麓”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年4月号に載っています。
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2018年9月7日金曜日

ヴェローナ、カーサ・ペルベッリーニ

今月の「総合解説」の二人目のシェフは、ジャンカルロ・ペルベッリーニさん。
ヴェローナのカーサ・ペルベッリーニのシェフです。

この記事で一番目を引いたのは、1品目の料理名。

suschi di maccheroni・・・/マカロニのスシ
とありました。

しかもソースはpesto di alga nori/海苔のペスト(と、わさびマヨネーズ)

です。

さて、どんな料理を想像しましたか?
2016年4月号の『ガンベロ・ロッソ』に載った記事でした。
2年前の記事ですが、オープンはその2年前の2014年。
現在は注目度がもっとアップしているよう。
すごい勢いで注目されてきたようです。
この1年くらい前のミラノ万博の頃から、イタリア人の日本料理への関心は、目に見えてた高まってきたように感じます。
しかも以前は、観光で日本を訪れて日本料理に初めて出会った、といった印象が強かったのですが、その専門色はどんどん強くなっています。
この料理は、ちょうどその両方を足して割ったような料理です。

カーサ・ペルベッリーニの繊細な料理。
 ↓


シェフのジャンカルロ・ペルベリーニとマグロのパスタ。
 ↓


マグロは可能だったらpinna blueを使うと言っています。
ピンナ・ブルーはタイセイヨウクロマグロのことです。
今では絶滅の危惧や世論から、入手はさらに難しくなっていることでしょう。
しかも、その上におろしかけているのはマグロのボッタルガ。
これも近年、お目にかかりません。

下ごしらえは、ミニトマトの皮を湯むきして小さく切ります。
玉ねぎは薄い輪切りにして塩とバター、油を加えて崩れない程度に柔らかくなるまで炒めます。
マグロはスカロッパに切って塩をし、片面だけさっと焼いてスライスします。
これにおろしたボッタルガとこしょう、オイルをかけます。
パスタをゆでている間に、にんにくと唐辛子少々をオリーブオイルで炒め、香りが立ったらミニトマト、野菜のブロード、トマトソースを加えて炒め煮にして、にんにくを取り除きます。
ここにゆでたパスタを加え、少量のオリーブオイルをかけてマンテカーレします。
皿にマグロを盛り付け、中央にレードルとトングを使って巻いたスパゲティを、横にしてトングを抜く方法で楕円形に盛りつけます。
最近トレンディーになっているお手本のようなパスタの盛り付けです。
その上にミニトマトのソースを縦長にのせます。
さらに玉ねぎをのせ、その上にマグロをのせてシブレットを散らします。

ちなみにイタリア料理の普通のツナのスパゲッティはこんな1品。
 ↓


この違いがミシュランの星付きシェフの料理と家庭料理の違いなんでしょうか。

とにかく、ペルベッリーニシェフ、繊細な料理というものを理解していますねー。

マカロニの寿司のリチェッタは、「総合解説」2016年4月号を御覧ください。

リストランテ・カーサ・ペルベッリーニのhpはこちら

グラン・シェフのパスタの力作を集めた本、『パスタ・レボリューション』もお勧めです。



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“ジャンカルロ・ペルベッリーニ”シェフのリチェッタは「総合解説」2016年4月号に載っています。
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2018年9月5日水曜日

入門編でもやけに本格的な本

もうすぐ発売の次号の「総合解説」には
グランディ・クラシチ
のリチェッタの翻訳を載せました。

国民的イタリア料理を集めたこの本は、協力がイタリア郵便局です。

郷土愛の強いイタリアで、国民的イタリア料理を決めようと思っても、みんな地元の料理が一番、と言うに決まっています。
単純な人気投票では、人口の多い大都市が断然有利。

そんな時、イタリア全土を網羅している郵便局が投票に協力すれば、田舎の過疎地の声も取り上げやすいはず、というナイスなアイデア。

確かに、選ばれた料理はどれも対等な扱いです。
例えば、今回はセコンドピアットを中心に訳しましたが、本に載っている最初の料理は
ヴァッレダオスタ風フォンドゥータ。
 ↓


確かに、南イタリアの人も国民的イタリア料理と認めるに違いない料理。
フォンドゥータは、イタリアだけでなく、フランスやスイスでも広まっている多国籍料理。
国民的イタリア料理の中には、明らかに外国から伝わった料理もありました。
例えば、ゴリツィア風グーラッシュ。



これはトマトとパプリカ入りビーフシチュー。
イタリア料理にシチューという名前は定着しなかったけれど、グーラッシュが、発祥地ハンガリーからイタリアで一番近い州、フリウリ・ヴェネチア・ジューリアで広まって、結局イタリア料理に取り込まれたのには歴史を感じますねー。

国民的イタリア料理を1冊に集めた『グランディ・クラシチ』は、イタリア料理の入門編、とも言える本です。
もう1冊、不思議な魅力を持った入門編の本があります。











イギリス人が著者なのに、イタリアでロングセラーのイタリア料理の本、です。

最初に紹介されているのが、野菜の前菜、シーフードの前菜、肉の前菜、クロスティーニ、ブルスケッタ、ズッキーニの花のフリット、バーニャ・カウダ、カルパッチョと、
イタリアンレストランではおなじみでも、地方料理書では一緒に並ぶことがない、無国籍、かつインターナショナルなイタリア料理。

野菜のグリッリアータ・ミスタ、オーブン焼き、オイル漬けの盛り合わせを一番最初に紹介する本。



この本がイタリアで売れている理由がなんと何分かります。
地方の伝統料理とレストランで食べたいイタリア料理は、きっと微妙に違うんですね。
この本で取り上げている料理は、一見するとイタリア料理だけど、よーく見るとインターナショナル料理。
入門編の料理の間に、うずらのぶどうの葉巻きローストなど、やけに専門的な料理が混ざっています。
一番最初のセコンドは、子豚の骨付き背肉のミルクロースト。



実は子豚のローストはサルデーニャ料理の国民的イタリア料理。
『グランディ・クラシチ』にも載っていました。


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2018年9月3日月曜日

「総合解説」のレストランとショップ情報

今日はナポリのレストラン、ティンパニ・エ・テンプラの話。

この店の名前、かなりインパクトありますよね。
総合解説」を作ってかなりたつのですが、その当初から、この店の名前を訳していたことを記憶しています。

今回の記事によると、1987年オープンだそうですよ。
もう30年前の話だったんですねー。

「総合解説」では、レストランやショップの情報は、なるべく訳すようにしています。
私自身、イタリアで食べる店を探す時は、いつも「総合解説」の情報を頼りにしていました。
イタリアで食べ歩きする時に、日本発の観光客向けの情報ではなく、イタリア発のグルメなイタリア人向けの情報で店を選びたかったからです。

実際に行ってみて、今までで一番記憶に残っているレストランは、ローマのユダヤ料理の記事で紹介された店です。
ローマ料理にとって、内臓料理とユダヤ料理は大きな柱。
ユダヤ料理の店なんて、興味はあっても想像もつかなかったのですが、イタリアの料理雑誌じゃなきゃこんな特集組まないですよ。

記事を頼りに探し出して入ってみて、周囲の客を見渡す余裕も出てきた頃、あることに気が付きました。
男性客が全員、頭の後ろに小さな帽子をのっけているんです。
ニュースなどで見たことがある、どうして落っこちないのか不思議なあの小さーな帽子です。

ローマのユダヤ人街は、観光地の真ん中にあるので、観光客がいっぱいいる店だろうと思っていたら、ど直球のユダヤ人向けレストランでした。
観光客らしき外国人もいましたが、彼らもユダヤ人でした。

トスカーナのワインを頼んだら、ラベルがへブライ語でした。
ユダヤ教ではユダヤ教徒が作ったワインを飲む、異教徒が触れたワインは飲まない、なんてことを知ったのは、旅行から帰ってからでした。
なにしろ体験が強烈過ぎて、激しく興味を持ち、遅まきながら調べてみたのです。
それにしても、その時はすべてが驚きで、ドキドキしながら食事をしました。
これが普通のイタリア人向けの記事なんだから、他の記事も当然、超ディープです。

ローマのゲットー
 ↓


観光客にとっても魅力的。

もう1軒、8年前、ヴィッサーニが仕入れているブッラータの店がプーリアのアンドリアにあるという記事があったので、その店に行った時も、超面白かったです。
そのチーズ屋は、常にお客で店がいっぱいの大繁盛店。
店員は頑固な職人気質で愛想は皆無。
ブッラータの注文の仕方も知らないド素人が買いに行くと、店員とお客が総出で、絶対冷蔵庫に入れてはいけないよ、と何度も念を押され、その日はブッラータが入った袋を持ちながらプーリアを歩き回るというハードな1日になりました。

でも、冷蔵庫に一度も入れないブッラータの味は、格別でした。
バターに生クリームが溶け込んだような濃厚でフレッシュなあのブッラータは、ぜひ、食べてほしいなあ。

どちらの店も、一生記憶に残る出来事になりました。

こんな風に、「総合解説」のレストランとショップ情報は、実は超ディープなんです。
強烈な異文化体験ができる情報源としてもお薦めです。

そんなレストラン情報で30年前から気になっていた店、ティンパニ・エ・テンプラ。
シェフの奥さんが日本人なのかな、ぐらいにゆるく考えていましたが、違いました。
この店名には深い意図があるそうです。

まず、ティンパニはマカロニを使ったカンパーニアの修道女の古い伝統料理でした。
シチリアではティンバッロと呼ばれる料理の一種です。
店ではこれを小さな一人前サイズにして、さらに生地で包んでテイクアウトできるようにしていました。
リチェッタは「総合解説」にのせています。

テンプラは、ナポリのストリートフードとしての揚げ物に、日本のテンプラからインスピレーションを受けた軽い揚げ物のテクニックを取り入れていることを表明している、とても高度な専門技術を持つ自信に満ちた名前だったのです。

ティンパニ・エ・テンプラ
 ↓


という訳で、
総合解説」は強烈な異文化体験をしてみたい人にもお勧めです。


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“アントニオ・トゥベッリ(ティンパニ・エ・テンプラ)”の記事の日本語訳は
総合解説」2016年4月号にのっています。
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2018年8月31日金曜日

フィリグラナのパスタ

今月の「総合解説」で一番気になったリチェッタは、“イースターのラザーニャ”の記事の1品目、
“ハーブの透かし模様のエビとズッキーニのラザニェッテ”です。

ハーブを生地に練り込んだパスタはマルケージが好みそうな、グラン・シェフのアルタ・クチーナのテクニックの一つ。
でも、このテクニックを何と呼ぶかはずっと謎でした。
このリチェッタ、イタリア語では
“Lasagnette con filigrana di erbe, gamberi e julienne di zuccchine”です。

filigrana/フィリグラナ を辞書で調べると、
フィリグリー、金線細工、銀線細工、透かし(模様)だそうです。
 ↓


これはお札の透かし模様そっくりですねー。
フィリグラナはヨーロッパ発祥のテクニックのようですが、これをパスタに応用すると、芸術的なパスタになります。

パスタといってもタリアテッレのような細い麺ではなく、板状のラザーニャ。
フィリグラナのテクニックをそのまま応用するのではなく、出来上がりのイメージが透かし模様になっています。

「総合解説」でイースターの春のパスタに使ったハーブはセルフィーユ、ヘンルーダ、ディル。
これを伸ばしたパスタの1枚に埋め込み、もう1枚パスタを重ねてパスタマシンで薄く伸ばします。
そうするとパスタの中に薄緑色のハーブの透かし模様が出来上がります。
特に難しいテクニックではないので、グラン・シェフでなくても作れます。

詳しいリチェッタは、ぜひ「総合解説」を御覧ください。

ハーブの透かし模様の入った薄いパスタの間に赤いエビと緑のズッキーニをはさんで、エビのビスクをかけたパスタです。

こちらはイタリアンパセリ入り

リグーリアのカンポ・リグレは銀線細工のフィリグラナで昔から有名。
 ↓



ため息が出るような美しさ。
さすがは伝統のイタリアの職人技。
動画まで芸術的。
カンポ・リグレはリグーリアのジェノヴァ近くの町だそうですよ。

パスタからは外れてしまいましたが、イタリアのトップシェフのパスタを集めた本
パスタ・レボリューション


もお勧めです。


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“イースターのラザーニャ”のリチェッタは、
総合解説」2016年4月号に載っています。
詳細・ご購入はこちら
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2018年8月27日月曜日

フライパンで調理する薄切り肉料理、グラッサーレ

今日のお題はグラッサーレglassare。
『クチーナ・イタリアーナ』の“スクオラ・ディ・クチーナ”の記事からです。

グラッサーレは料理をグラッサで覆って味を濃くして艶を出す調理方法のここと。
フライパンで肉や魚を調理することが少ないイタリア料理では少数派の、
フライパンで調理する基本のテクニック。

ベースは肉や魚の焼き汁。作り方の過程は、
・肉や魚の切り身を下ごしらえする。
・焼き汁をデグラッサーレdeglassareして焼き汁やメイラード反応した焦げを溶かす。
・小麦粉(繊維があるので不透明なソースになる)やデンプン(透明なソースになる)、生クリーム(脂肪分とソースの水分が乳化してとろみがつく)などを加えてつなぎながら煮詰めてボティーを出す。
・火を止めたら仕上げに香草や香料を加える。

と、基本中の基本。

この料理に適した食材は、薄切り肉や筒切りの魚。
子牛のスカロッピーネ、白ワインソース
 ↓



イタリア料理の初心者向き本を見ると、セコンドの入門は、まず鶏や鴨の解体から。
イタリア料理の入門書としてイタリアで昔から人気の本、『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ

によると、肉のセコンドは、まず鳥pollameから、
鶏、鴨、七面鳥、ガチョウ、鳩、うずら、ホロホロチョウ、雉の解体の仕方、
オーブン焼きやグリル用下ごしらえ
そしてブロードのとり方、
と続いていきます。
鶏の次がカルネcarneです。
薄切り肉の料理には、なかなかたどりつかない。

ロースト、牛肉のブラザート、オーブン焼き、ボッリート・ミストなどの地方料理が次々と紹介されて、初めて登場したフライパン料理は、レバーのヴェネチア風でした。

薄切り肉を使った伝統料理の代表はサルティンボッカ。
 ↓


かなり変形版ですが、基本はグラッサーレ。
子牛肉のマルサラ風味もそう。
 ↓


グラッサーレとはちょっと違うけれど、フライパンを使った薄切り肉料理の1つ、ナポリ料理の肉のピッツァイオーラ風。
鶏から豚肉までどんな肉にも合います。
動画は牛肉版。
 ↓


鋳鉄の鍋にトマトソースを入れてその中に薄切りの牛肉を広げて煮ています。
こ、これひょっとして、基本はすき焼きと同じではないですか。
学会に発表したくなるレベル。

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“グラッサーレ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年4月号に載っています。
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2018年8月24日金曜日

フォカッチャのバリエーション

フォカッチャの話の続きです。
総合解説」のフォカッチャの記事を読み返して、フォカッチャには大きく分けて3つのタイプがあることに気が付きました。

元々は料理をのせる皿のような役割のパンから、
フォカッチャ・ジェノヴェーゼのように皿に特化して皿だけを味わうもの、
ピッツァ・シーマのように具を挟むタイプのもの、
スフィンチョーネのように具をトッピングするタイプのもの、の3つです。
この記事はタイプの違うフォカッチャをちゃんと選んで取り上げていたんですね。

フォカッチャは朝から夜中まで、一日中どんな機会に食べても合う食べ物です。
フォカッチャ・ジェノヴェーゼは朝食にぴったりのタイプに進化しました。
そう言えば私も、フォカッチャ・ジェノヴェーゼをジェノヴァのホテルの朝食で初めて食べた時、日本で何度も食べたことのあるフォカッチャとまったく違う、想像を超えた美味しさにびっくりしました。
食べる直前に軽く温めたフォカッチャは、カリッと香ばしいのに中はふんわり。軽い塩気とオリーブオイルの風味だけで十分にコーヒーに合います。
トッピングも具も排除して、生地だけで完結する美味しさを目指して造られている味でした。

これとは逆に、具を取り込んでナポリの特産品の数々を一緒に味わえるように進化したのがナポリのピッツァ。
姿も食べ方も全く違う両者ですが、食べた時の驚きには共通点がありました。
ちなみに、私が食べて衝撃を受けたパンは、あともう1品、プーリアのパーネ・ディ・アルタムーラです。
イタリアのパンの奥深さは素晴らしい。

ストリートフードのお勧め本『ストリートフード・アッラ・イタリアーナ』には、

フォカッチャ・・ジェノヴェーゼは、
「16世紀にサン・ロレンツォ大聖堂で結婚式や祭りがあるときにフォカッチャの香りが充満したので、大司教が禁止令を出したほど。ストリートフードというより教会の食べ物だった。各パン屋に秘密のリチェッタがあるが、重要なのは生地への愛だ」
と書かれています。
(諸説あり)

サン・ロレンツォ大聖堂
 ↓


具をトッピングするタイプのフォカッチャとして「総合解説」でリチェッタを紹介しているフォカッチャは、パレルモのスフィンチョーネです。

クリスマスに食べる名物で、ラテン語のspongiaが語源。
スポンジャ?というくらいだからスポンジのように高く発酵させたふわふわした柔らかい生地のフォカッチャです。



前述の『ストリートフード』によると、
スフィンチョーネを考え出したのはサン・ヴィート修道院の修道女だそうです。

この他に、生地に食材を練り込むタイプのフォカッチャもあります。
ぶどうのスキアッチャータ。
下の動画はボンチバージョン。
 ↓


ぶどうのスキアッチャータは、生地に練り込むタイプで、さらにもう1つのタイプのフォカッチャでもあります。
フォカッチャ・ドルチェです。
フォカッチャ・ドルチェについては2012年9月号の「総合解説」でリチェッタを訳しています。
ぶどうのスキアッチャータはキアンティとフィレンツェ地区で9、10月のぶどうの収穫期に作るフォカッチャ。
残ったパン生地、砂糖、フルーツが材料の質素な農民料理がルーツです。
いちじくもフォカッチャと相性がよいそうです。
生地は00タイプの軟質小麦粉が一般的ですが、発酵させやすいマニトバ粉を加えてもOK。
田舎風ならそば粉、とうもろこし粉、ファッロの粉など数種類の粉を混ぜます。

結局5つのタイプがありました。

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“フォカッチャ”の生地の日本語訳は、「総合解説」2016年4月号に載っています。
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2018年8月22日水曜日

『ピッツァ』から

クレアパッソで販売している本の翻訳をする水曜日。
今日は最近入荷したお勧め本、スローフードの『ピッツァ/グランデ・トラディツィオーネ・イタリアーナ』から。


エンツォ・コッチャさんの話は度々訳しましたが、彼は上質の食材を使って生地にこだわったピッツァを作って、新しいナポリ・ピッツァの一時代を築いた人です。

彼の後に続いてナポリ・ピッツァに大きな影響を与えた人物は、
まずはサルヴォ・ファミリー。
次男のチーロ・サルヴォは限界まで弾力のある生地を作りました。
これだけ水分の多い生地は、以前は適する粉がなかったので作れなかったそうです。

チーロ・サルヴォのピッツァ
 ↓



チーロの兄と弟のフランチェスコとサルヴァトーレのピッツェリア
 ↓


3代続くピッツェリアの家系で、ナポリでもこれほど大成功を収めたファミリーは他にいないそうです。

そして新しいナポリ・ピッツァの主役はダヴィデ・チビティエッロさん。
世界最大のナポリ・ピッツァの流派を作り上げてナポリ・ピッツァを世界中に知らしめた人。




ピッツァは庶民の食べ物ですが、ピッツァイオーリはとても尊敬される職業になりました。

ところで、今週のブログではフォカッチャの記事を取り上げています。
この本にはピッツァに関することがマニアックなまでに詳しく調べられています。
フォカッチャ・リグレについては、こんなことが書いてありました。

「フォカッチャ・ジェノヴェーゼは、方言ではフガッサfugassaとも言う。
主な材料は上質の小麦粉とエクストラヴェルジネのオリーブオイル。
特徴は、厚さは2cm以内。
外はこんがり焼けていて、中は柔らかい。

古代から広まっていたフォカッチャ・ジェノヴェーゼからピッツァ・ジェノヴェーゼは生まれた。
ルーツはリグーリア東海岸のオネッリア。
海軍大将のアンドレア・ドリアの生まれ故郷だ。
ピッツァ・アッランドレアは、彼に由来すると考えられている。
このピッツァはジェノヴァ県一体に広まった。
その結果、ピッツァとフォカッチャが混ざり合い、厚みのある生地のピッツァが生まれた。



ピッツァ・アッランドレアのトッピングはアンチョビ、イワシ、トマト、玉ねぎ、バジリコ、にんにく、タッジャスカの黒オリーブ。
別名サルデナイラとも呼ばれるが、これは昔、小イワシの頭だけで作っていた時の名残り」

ピッツァとフォカッチャがミックスされたことがよく分かるサルデナイラ
 ↓



どっちかと言うと、フォカッチャかなあ。



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総合解説
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2018年8月20日月曜日

地方料理のフォカッチャ

今月の「総合解説」、次の地方料理はフォカッチャです。

イタリア料理と出会ったばかりの頃は、フォカッチャというと、指でくぼませた穴が特徴の平らなパン、と思っていました。
これはフォカッチャ・ジェノヴェーゼ。



ピッツァのドウの伸ばし方に似ています。
というか、そっくりです。
引っ張ったり麺棒で押し潰したりしないので、結果的に指で押したくぼみがたくさんできます。
このくぼみは“オンブリサッリ(ombrisalli/へそ)”と呼ばれます。
ここにリグーリア産のデリケートなオリーブオイルがたまって、香ばしいシンプルな生地を一段とおいしくします。

ピッツァ生地の伸ばし方
 ↓


フォカッチャは、パンとピッツァの中間で、原料は小麦粉、オリーブオイル、水。
イタリア料理のエンブレムの一つです。
「総合解説」でも、これまでに度々取り上げてきました。
ここではスローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの『パーネ・ピッツェ・フォカッチェ』から、引用してみます。


そもそもフォカッチャは、一説ではパンより古く、発酵やかまどが発明される前のもので、熱した石板の上で焼きやすいように、生地を薄く平らに伸ばしたもの。
元々は皿の代わりに料理をのせて、最後には食べてしまえるものとして使われていました。
フォカッチャの語源は古代の焼いた食べ物という意味のfocusと言われています。
でも、どうも古すぎて、はっきりした証拠はみつかっていないようです。

「総合解説」“2015年3月号”では、フォカッチャの基本について少し詳しく解説しています。

フォカッチャに最適な粉は、イタリアの分類では00タイプでW270の小麦粉でした。
Wとは粉に含まれるタンパク質を表す数字で、含有量が多いと小麦粉は“強く”なります。
つまり、長時間の発酵に耐えて、卵やバター、砂糖を加えたリッチな生地に適します。
一般的にパンにはw150必要で、強力なカナダのマニトバ粉はw500あります。

生地に加える水分の量は、生地が水を吸い込む力にもよりますが、小麦粉500gにつき250~300mlが一般的。

十分発酵した生地は2倍に膨らみます。
発酵時間が長すぎると焼いている間にたるみ、酵母が不快な匂いを発します。

小麦由来の糖分、モルトを使うと他の砂糖より心地よいアロマが生まれます。

フォカッチャのバリエーションは、まず、詰め物をしたフォカッチャ・リピエーナ。
「総合解説」2012年6月号に“具をはさむフォカッチャ”のリチェッタを載せています。
主に野菜の具です。
さらに、“じゃがいも入り生地のフォカッチャ”があります。
じゃがいも入りの伝統的フォカッチャとして、「総合解説」13/14年7月号では、プーリアのフォカッチャを紹介しています。
これは、硬質小麦がプーリアに広まる前から造られていました。

じゃがいもというのは、飢饉の時の農民の命綱で、どこの村でも育てていました。
とても身近で、手に入りやすい、庶民料理には欠かせない食材だったのです。
さらに生地を柔らかくする効果もありました。

フォカッチャ・プリエーゼ
 ↓



今月の「総合解説」で紹介している地方料理のフォカッチャは、シチリアのスフィンチョーネと、アブルッツォのピッツァ・シーマです。
イーストを加えない、発酵させないパンです。
ルーツはユダヤの発酵させないパン、scemaシェーマと言われています。
 ↓



イタリア各地で個性的なフォカッチャが造られているんですね。
フォカッチャの話、次回に続きます。

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“フォカッチャ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年4月号にのっています。
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2018年8月17日金曜日

パイヤータのリガトーニ

総合解説」2016年4月号発売しました。

今月の「総合解説」で取り上げた地方料理の1品目は、ローマのパイヤータのリガトーニ。

“パイヤータpajata”は、小腸のローマの方言(標準語はpagliataだけど、ローマ方言の名前のほうが一般的じゃないでしょうか)。

貧しい食材を美味しい料理に変えるという庶民料理の本質を守りながらも、
内臓という最近では食通に人気の食材が主役のこの料理は、
グルメな人々の心をがっちり捉えていました。

しかも、BSEの影響で15年に渡って販売が禁止され、解禁されたのは2015年と、まだ最近の話。
禁止されれば食べたくなるのが人間。
パイヤータは、伝説の食材になりかけていました。

小腸を食べたーいと熱望しているローマの人々に教えてあげたい。
日本にはこてっちゃんがあるよー。

でも、日本のこてっちゃんも一時は2年間販売を休止したというから、あの頃は、日本のホルモン好きも、振り回されたんだろうなあ。

腸の販売が禁止されたのは腸を食べる習慣がある国だけでした。
こてっちゃんの原料の腸はアメリカやオーストラリア産。
ということは、これらの国では食べる習慣がない。

こてっちゃん、BSE問題時にはこんな努力が・・・。

イタリアは、前回のブログで紹介したサルデーニャの羊の腸の炭火焼き、コルドゥーラなど、地方によってはよく食べていました。
地方どころか、ローマに関しては、小腸はトラステヴェレ生まれでない人には馴染みのない食材だそうですよ。
私も、こてっちゃんを使えばパイヤータのリガトーニができると考えてる時点で、食べる習慣がない人でしょうか。

パイヤータを見栄えの良い料理にするには、完璧な下処理が必要だそうです。
小腸を長さ20~25cmに切ってリング形に結ぶ
こんな面倒な作業があったんですねー。
知らなかったー。
ローマの肉屋さんはリクエストがあればこの下処理もやってくれるそうです。
馴染みの店が必要ですね。
こてっちゃんの会社なら、結んだこてっちゃんを売り出していたはず。

ローマの肉屋の教祖と言われているボッテガ・リベラーティのロベルト・リベラーティさんは、こんな人。
 ↓


もう1本どうぞ。



さすがに解禁されてまだ3年のパイヤータは、料理の動画がほとんどないですねー。
解禁されたとは言え、まだ豊富に出回ってはいないそうです。
この料理が消滅する前に戻ってきてよかった。




最後は、パイヤータのリガトーニがお勧めの店の1軒
フラヴィオ・アル・ヴェラヴェーヴォ・デットのフラヴィオさん。
 ↓


ローマの伝統的なオステリアのシェフです。


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“パイヤータのリガトーニ”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年4月号に載っています。
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2018年8月13日月曜日

ダ・カイーノのヴァレリア・ピッチーニシェフ

今月の「総合解説」に登場した2店目のシェフは、ダ・カイーノのヴァレリア・ピッチーニシェフです。

かなり昔から活躍している女性シェフですよね。
個人的に一番印象に残っているのは、インパクトがあるその店名。
ダ・カイーノ。

たぶん人の名前だろうなあとは思っていたのですが、日本人には覚えやすい名前ですよね。

下の動画に最初に登場して店名の由来を語っているのは、ご主人でワイン担当のマウリツィオさん。
彼のお父さんのニックネームが店名だと語っていますが、なぜこの名前が生まれたかは息子にも不明だそうです。
かなりの腕白小僧だったみたいです。




勉強が嫌いだった彼は、学校を卒業すると、彼のお母さんが初めた店を手伝います。
その店は、やがて彼の妻が受け継ぎました。
なのでそれ以降、彼は妻を手伝っています。
それが同郷のヴァレリアです。
彼のスタンスは、強い情熱を持って料理を作っている母と妻を支える、というもの。
幸せなイタリア男だなあ。

ヴァレリアは夫とは違って化学の学位を持つ勉強好きな理系女子でした。
そのディプロマを店の厨房に飾ってあるそうです。
マウリツィオは、一生、妻と母親には頭が上がらないですね。

『ガンベロ・ロッソ』の記事では、ヴァレリア側の目線で店を取材しています。
70年台末に、プロとして何の経験もなしに、姑を手伝うために料理を始めたヴァレリア。
とにかく彼女も、姑に劣らない情熱の持ち主でした。
そしてオステリア・トラットリアだった店を、高級ホテル、ルレ・エ・シャトーグループのミシュラン2つ星レストランに作り上げます。

上の動画で素敵な客室のベッドメイキングをしているのがシェフですよ。
なんて働き者。

店があるマレンマ地方という場所柄か、彼女の狩猟肉料理は有名でした。
さらに今回の記事では彼女のもう一つの得意分野、内臓料理の腕前も披露しています。

内臓料理について語るシェフ
 ↓


内臓料理を語る時は、なぜ内臓を料理するか、という基本中の基本の証明から入るのですね。
さすがはリケジョ。




料理の基本は味、見た目も大切だが、それはあくまでも2番目、と語るシェフですが、「総合解説」で紹介した内臓料理は、とてもゴージャスな盛り付けの美しい料理です。
皿を覆う大きなドーナッツ形に切ってオーブンで焼いたブリック生地の上に、豚の耳、足、ネルヴェッティ、リードボーを盛り付けるという、見た目のインパクトも特大な1品。
美しい料理を作れる人だから、見た目はあくまでも2番目なんて語れるんですね。




物静かにワインを語るマウリツィオ、バリバリ仕事をこなしている親分肌のヴァレリア。
互いを尊敬しあっている素敵な夫婦の店でした。

イタリアの一流シェフの団体、ソステの会員でもあるヴァレリア。
会員のリチェッタ集『グランディ・リストランティ・グランディ・シェフ』もお勧め。



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ヴァレリア・ピッチーニの記事の日本語訳は「総合解説」2014年3月号に載っています。
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2018年8月10日金曜日

サルデーニャの子羊のロースト

今日はメイド・イン・イタリーの食材の一つ、サルデーニャの子羊の話。
 
冬と夜間以外は野生状態で育てます。
 ↓



サルデーニャで子羊をローストするというのは儀式のようなものなんだそうです。
  ↓


サルデーニャの子羊は、半野生状態で、自然のものだけを食べて育ちます。
5~7kgになると母乳以外の放牧地のハーブも食べるようになります。
このハーブが、サルデーニャの子羊肉を特別なものにしている要因です。

ローストするときに加える香りの良い枝は、ミルトが代表的。



総合解説」で、子羊の腸を編み込んで炭火で焼いた“コルドゥーラ”と説明しているのはこれ。
 ↓


ちなみに2014年のサルデーニャの子羊の消費量は約55万頭だそうです。

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2018年8月8日水曜日

シチリア料理で夏を乗り切る

今日は、夏が暑ければ暑いほど、どの料理も美味しそうに見えるシチリア料理の本、
グイド・トンマージ地方料理シリーズの『ラ・クチーナ・シチリアーナ』のリチェッタを訳して、夏バテを解消してみたいと思います。


ただし、この本の最大の魅力は、空気感が素晴らしい写真なので、見ただけで涼しくなって食欲が湧いてくる写真をお届けできないのが残念です。

オリジナルのアレンジを加えたリチッタから。

■ジャスミンのリモナータ/Limonata al gelsomino。

材料/1.5リットル分

 ジャスミンの花・・一握り
 レモン(できればグリーンレモン)・・4個
 砂糖・・100g

・日没後にジャスミンの花を摘み、水500mlに一晩浸す。
・グリーンレモン1個の皮をすりおろし、グラニュー糖100gと一緒に沸騰した湯500mlに入れて冷ます。
・翌朝、ジャスミンの花とレモンの皮入り水の両方を漉して混ぜる。
・残りのレモンの汁を絞り、これも加える。
・よく冷やし、好みで砂糖とジャスミンの花を加えてサーブする。


■ロング・ズッキーニのガスパチョ/Gazpacho di cucuzza lunga

材料/4人分
 ロング・ズッキーニ・・500g
 きゅうり・・1/2本
 玉ねぎ・・大1個
 にんにく・・1/2かけ
 ミント・・2枝
 ビネガー・・大さじ7
 EVオリーブオイル・・1/2カップ
 水・・2カップ
 1日たったパン・・2枚
 塩・・5つまみ

・ロングズッキーニは皮をむいて輪切りにし、2~3分ゆでる。
・水気を切って密閉容器に入れ、小さく切った玉ねぎ、にんにく、ミント、パンのクラム、ビネガー、塩を加える。
・冷蔵庫で約1時間マリネする。
・水と油を加えてミキサーにかける。
・よく冷やしてサーブする。

■キンカンのイワシ巻き/Alici al kumquat

材料/4人分
 イワシ・・16尾
 キンカン・・16個
 パン粉・・大さじ3
 レモン汁・・2個分
 しょうが
 EVオリーブオイル
 塩、こしょう

・イワシを開き、レモン汁としょうがで30分マリネする(長すぎると柔らかくなる)。
・イワシをとり出してさっと油をつけ、塩とこしょうを加えたパン粉をまぶす。
・これでキンカンを巻き、楊枝で止める。
・グリルで焼き色がつくまで焼く。
・塩をつけて熱いうちに食べる。


■ヤリイカのマルサラ煮/Calamari al marsala

材料/4人分
  ヤリイカの輪切り・・500g
 玉ねぎ・・大1個
 トマト・・小2個
 マルサラ・・1カップ
 塩、こしょう
 EVオリーブオイル

・玉ねぎを薄く切り、水大さじ数杯と一緒に底の厚いフライパンで煮る。
・柔らかくなったら油と皮をむいてフォークで潰したトマトを加えてよく混ぜ、イカの輪切りも加える。
・マルサラ1/2カップをかけ、火を強めてアルコール分を飛ばす。火を弱めてかき混ぜながら10分煮る。
・塩、こしょうで調味し、仕上げに残りのマルサラをかけてなじませる。
・火を止めて冷ましてサーブする。

■柑橘果汁入りパンナコッタ/Panna cotta agli agumi

材料/4~5人分
 牛乳・・250ml
 生クリーム・・250ml
 砂糖・・60g
 オレンジフラワーウォーター・・小さじ1
 板ゼラチン・・5g
 無農薬のグリーンレモンと黄色いレモンの皮・・各1個分
 飾り用きんかん・・2個、砂糖・・大さじ2

・板ゼラチンを水で10~15分ふやかす。
・黄色いレモンの皮をむく。白い部分が入らないようにする。グリーンレモンの皮はすりおろす。
・皮を牛乳に加えてゆっくり沸騰させ、漉して生クリーム、砂糖、オレンジフラワーウォータを加える。再び火にかける。
・絞ったゼラチンを加えて完全に溶かし、沸騰させずに数分煮る。
・5分冷まして型か小型のグラスに流し入れ、キンカンの軽いカンディートの輪切りで飾る。砂糖と水のシロップをかける。


この他に、オリーブのクンツァーテやミント詰め、真っ白なリコッタのパスタなど、伝統料理にもおもしろそうなものがたくさんあります。

オリーブのクンツァーテ
 ↓


リコッタのパスタ
 ↓



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2018年8月6日月曜日

ドロミテの牛乳とパンとハーブのストランゴラプレーティ

今日はストランゴラプレーティの話。
トレント地方の料理です。

今月の「総合解説」では、この料理の背景を解説しています。
ストランゴラプレーティstrangolapretiと、ストロッツァプレーティstrozzapretiは、どちらもよく似た名前の料理ですが、前者はニョッキ、後者はねじって整形するショートパスタで、出来上がりは全く違います。

ストロッツァプレーティ。
 ↓


よく見れば、この2つは、どちらにもプレーティという言葉がついています。
カトリックの司祭のことです。
その前につく、ストランゴラとストロッツァも、なんとなく似ていますが、どちらにも、首を絞めるという、物騒な意味があります。

ストロッツァプレーティは、中央~南イタリアがルーツの料理。
トスカーナのヌーディ、ウンブリアのストロンゴッツィ、ラツィオのスパゲットーニ、ナポリのニョッキなど、様々な形態があります。

ストランゴラプレーティは、北イタリアのトレントの料理として知られています。

ストランゴラプレーティという名前の由来には諸説ありますが、この記事の説は、かなり信憑性がありました。
逆に言えば、一番マイルドでありそうな話。
詳細は「総合解説」をご覧ください。

さて、トレントのストランゴラプレーティは、カネデルリをシンプルにした貧しい庶民の料理がルーツで、地方料理としての真髄は、ドロミティ地方のもっとも基本の食材、パン、牛乳、ハーブです。
でも、イタリア料理として全国区になるにつれて、ほうれん草やビエトラが主役になりました。

ドロミティ地方 見てるだけで涼しくなります。
 ↓


ドロミティ地方の料理
 ↓


ストランゴラプレーティ
 ↓


現代では、パンは最低2日たった、スパッカティーナspaccatina(こんなパン)やミケッタが一般的。

猛暑の北半球でトレントは素敵な避暑地かも・・・なんて思ったら、
トレントでも夏は暑い、と言う人が。
ついでにトレントではみんなドイツ語を話してりんごを食べていると思っているとか、
イタリア人でもトレントの固定概念にはかなり誤解があるようです。
 ↓




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“ストランゴラプレーティ”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年8月3日金曜日

サルデーニャの職人芸パスタとドルチェ

今月の「総合解説」で取り上げた料理書は、『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ2
すでに売り切れの本ですが、あまりの出来良さに、毎年、夏になると勧めたくなります。
中古になりますが、注文があれば、頑張って探しますよ。


出版されて早々に売り切れて、2011年には絶版になりました。
この本の素晴らしさは、なんと言ってもその写真。

なので、文章で説明するのがとてももどかしいのです。

南イタリアと島の料理を紹介するこの本の最初のリチェッタは、サルデーニャのパスタ、ロリギッタス。



パラパラページをめくると、芸術品のように美しく装飾されたドルチェが。
イタリアのドルチェの中でもひときわ抜きん出た美しさです。
サ・ティンバッラという洗礼式の時の伝統的なドルチェ。

さらにページをめくると、今度はフィリンデウです。



素麺のように細く伸ばした麺を重ねて板状にするという、とても複雑で珍しい麺ですが、この本では、イカ墨入りの真っ黒なフィリンデウ、という、斜め上のパスタを紹介しています。
これを魚のスープ、グアッゼットにパンの代わりに入れた1品です。
リチェッタを紹介した店は、オルビアのホテル・レストラン、Gallura。
朝は自家製ドルチェや地元の山羊のヨーグルトを出しているそうです。

次のページは、パーネ・カラザウの上にペコリーノをのせて炭火でグリルしている写真。
とろけだしたチーズが黄金色に輝いています。
これに蜂蜜をかけてデザートとしてサーブするのだそうです。
この料理を作っている店の名前、Sa Cardiga e Su Schironiは、“グリルと串焼き”という意味。

こんな調子で、ページをめくる度に目を瞠るような写真ばかりで、超オススメの本です。
「総合解説」ではサルデーニャとシチリアの12品のリチェッタを訳しました。
いつまでこの貴重な食文化が残っているか、ちょっと心配です。


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トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ2』のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月30日月曜日

スーパータスカンとヴェルディッキオ

今日は久々にワインの話題。
ここ最近の「総合解説」のワインの記事は、1978年世界ソムリエコンクール優勝で、イタリアソムリエ協会長、ジュゼッペ・ヴァッカリーニ氏監修の『クチーナ・イタリアーナ』の記事を訳しています。

ヴァッカリーニ氏はこんな人。
 ↓


毎月、テーマにそった短い記事があり、日常のワイン、定番のワイン、特別なワインを数種類ずつ選ぶという構成です。
今月のテーマは、ワインの適正価格について。
卸価格が安いワインほど、レストランでの販売価格は割高になる、ということをぶっちゃけています。

今月の特別なワインは、トスカーナに生まれたからにはワインを造ってみたかったと語るフェラガモ家の3男が造るスーパー・タスカンのプリーマ・ピエトラと、
こんなワイン。
 ↓


あれ、創業者のサルヴァトーレ・フェラガモ氏はカンパーニア生まれなんだ。
15歳でアメリカに渡り、帰国後にフィレンツェで靴屋を開業して大成功を収めて、今は同族経営のファッションブランドとして多角経営をしていたんですね。
3男はカンパーニアよりトスカーナの血のほうが濃かったようです。

プリーマ・ピエトラのぶどう畑
 ↓


壮大で美しい。
わかりにくいけれど、海の比較的近くです。

もう1本は、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージの優秀な造り手の1つ、サルタレッリのバルチャーナ。
バルチャーナの動画は見つからなかったので、カンティーナの紹介動画です。
 ↓


この記事には、イタリアでの販売価格が明記されています。
プリーマ・ピエトラが驚くほど高額なのに対して、このヴェルディッキオは、気が抜けるほどお手頃価格です。

ワインの適正価格について、考えさせる記事だなあ。


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“ワインの適正価格”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月27日金曜日

ギリシャ神話の街、シラクーザ

今月の“グルメガイド”はシラクーザ。
シチリアの東側にある町で、紀元前8世紀に創られたギリシャの植民都市。

それでは、記事のビジュアルガイド、スタートです。

まず、市民に“岩礁”と呼ばれるオルティージャとは、こんなところ。



美しいところですねー。

古代シラクーザのシンボル、アレトゥーサの泉があります。
ギリシャ神話の神、アルフェオスから逃れるために、アレトゥーザのニンフが川になってここに湧き出た、つまり何世紀も前からニンフが住んでいると伝えられている池です。



オルティージャの先端には、プーリアの世界遺産、カステル・デル・モンテを建てたことでも知られるシチリア王のフェデリコ2世が建てたマニアーチェ城があります。



ちなみにカステル・デル・モンテはこんな城
ミステリアスな城として、世界中の人々を魅了する不思議な城です。

フェデリコ2世は、神聖ローマ皇帝でもありました。
城の建設以外にも様々な功績があって、偉大な君主として知られています。
プーリアを旅する時は、彼の偉業を常に目にしますが、シチリアにもあったのですねー。
シラクーザ、いい街に違いない。

シラクーザの市場。






フェデリコ2世つながりのせいか、プーリアのような空気を感じる街です。
シラクーザを訪れたらプーリアに北上して、アンドリアで絶品のブッラータを食べて、郊外のカステル・デル・モンテ城を訪れることをおすすめします。



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“グルメ旅~シラクーザ”の日本語訳は「総合解説」2016年3月号に載っています。
書籍ガイド
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2018年7月25日水曜日

夏のイタリアン

季節が変わると読みたくなるのが

カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ


季節ごとのイタリアの地方料理を集めたこの本は、
今の季節なら、イタリア人にとって、夏の料理とは、ということを教えてくれます。
まず、夏の初めは麦の穂に実がついて倒れる季節。
そして畑や果物が鮮やかに色づく季節がやってきます。
最初のきのこが姿を現すと、夏も終わりです。

世界中の猛暑で、今後このサイクルが変わらないか心配ですが、
ズッキーニ、なす、トマト、パプリカ、玉ねぎが旬を迎える季節の料理は、
カポナータ、なすのパルミジャーナ、野菜のソース、生のいんげん豆、さやいんげん、豚肉と野菜のパスタソース、シチリアではケッパー、松の実、イワシのベッカフィーコが主役の季節。冷製パスタと粗熱を取ったズッパの季節でもあります。

コースは前菜とフルーツの割合が増え、ソルベットやレモンのジェーロ、フルーツのトルタを添えるようになります。

ソースはペスト、ローマなら、ローマのアンチョビ風味のプンタレッレ、フィオーリ・ディ・ズッカのフリット。

チーズはストラッキーノ、フィオルディラッテ、カプリーノなどのソフトチーズの需要が高まり、プロヴォローネやペコリーノ・マルツォリーノなどの熟成チーズはサラダに加えたり、ソースに辛味を加えたりします。

ミネラル分が不足しないよう塩分も必要です。
トマトは夏の料理には欠かせません。

この他、もろもろのことを考慮して、カルロ・カンビ氏が夏のイタリア料理として選びだしたのは、前菜なら、カッポン・マーグロ、シャコのレモンマリネ、クレーマ・フリッタ、フィオーリ・ディ・ズッカのフリット、モッツァレッラとアンチョビ詰め、レッコのチーズのフォカッチャ、玉ねぎとトマトのフリッタータなど。

プリーモはアサリ、ルーコラ、ミニトマトのカヴァテッリ、野菜のクスクス、メロンのクレーマ・フレッダ、ピスタチオのリングイーネ、チーメ・ディ・ラパのオレッキエッテ、カサゴのパッケリ、イカ墨のスパゲッティなど。

メロンのクレーマ・フレッダCrema fredda di meloneのリチェッタは

材料
 メロン・・1個、1kg
 トラディツィオナーレ・ディ・モデナのバルサミコ酢・・小さじ1
 EVオリーブオイル
 生ハム・・100g
 ミント
 塩、白こしょう

・メロンは皮をむいて種を取り、ぶつ切りにする。
・メロン、塩、油、水少々(必要なら)をミキサーにかけてクリーム状にする。
・生ハム(細く切ってもよい)をカリッとなるまで焼く。
・メロンのクレーマに生ハムをのせて油とこしょう、バルサミコ酢(好みで)をかける。

組み合わせるワインはフリウラーノかソーヴィニヨン。

プーリアのカサゴのパッケリ。
 ↓


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2018年7月23日月曜日

キッチン付きのパスティフィーチョのパスタ

今月の「総合解説」のパスタは
“手打ちパスタ店のパスタ”。

手打ちパスタのマエストロたちの作り出すパスタを、店で食べることができるという、キッチン付き製麺店の料理です。

店主はみんな、パスタのマエストロばかり。

総合解説」P.10の1品目のパスタは、マストロ・パスタイオ、ライモンド・メンドリア氏のパスタ。
こんな人物。
 ↓


店はフィレンツェのメルカート・チェントラーレにあります。
訳したパスタは、“ライム、ミント、しょうがのキタッラ”。

麺はリマチナータのセモリナ粉にコーヒーと粉のコーヒー、卵を加えたもの。
ソースは乾燥ポルチーニと頭付きエビのソースを組み合わせています。
どんな香りの料理になるんでしょうか。
麺と香りを組み合わせるのが得意な人のようです。

二品目は、ミラノのパスタ・フレスカ・ダ・ジョヴァンニのリチェッタ。

“ライム、ミント、しょうがのキタッラ”

麺はセモリナ粉と卵のキタッラ。
ソースは、パルミジャーノと油のクリームがベースで、これにライムの汁としょうがのすりおろし、ミントのみじん切りを加えたもの。
イタリア料理では珍しく、火を使わないソースです。
暑い季節にはぴったりですね。

店のfacebookはこちら

3品目はレッチェのパスティフィーチョ・リストランテ・イン・ヴィア・ローマの

“トマトとチョコレートのサーニェ・カンヌラーテ”

プーリアの店だけあって、プーリアの手打ち麺はお手のもの。



しかも麺はセナトーレ・カッペリ小麦の生地。
上の動画からも、小麦にこだわっていることが分かります。
サーニェ・カンヌラーテの成形方法もアップで説明しています。
動画で見るとよく分かりますねー。

ソースの食材は、パキーノトマト、赤玉ねぎ、カチョリコッタ、EVオリーブオイルと、南イタリアの太陽を感じさせるものばかり。
美味しくない訳がない。

最後はローマのボッテガ・パスティフィーチョ・コン・クチーナの
“アーティチョークのカッペッラッチ”

マルツォリーノというトスカーナの羊乳の硬質チーズと、中部イタリア産の羊乳の硬質チーズ、ペコリーノ・ディ・フォッサに、ローマ名物のアーティチョークを組み合わせた詰め物パスタ。

どれも素晴らしいですねえ。
ソースにもこだわったアルティジャナーレのパスタ、一度は味わってみたいものです。

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“手打ちパスタの店のパスタ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月20日金曜日

アンディ・ウォーホルのキャンベルのスープ缶

和食のテンプラのことは、数年前からイタリアのプロの料理人たちもぼちぼち語るようになりました。
和食がメジャーになりつあることは、最近、強く感じます。
今月の「総合解説」には、抹茶が登場しました。

イタリア語ではtè matcha in polvere”とされていました。
まだ少し説明は必要なようですが、2016年に記念すべき初登場です。

リチェッタはP.6の“ラズベリーといちごのチョコレートケーキ”。
チョコレートケーキの表面を固めたビターチョコレートで覆い、その上に赤いラズベリーパウダーと一緒に振りかけて、美しく飾っています。

マッチャ・ティラミス
 ↓



今月紹介したシェフはリゾットの魔術師ことクリスティンとマヌエル・コスタルディ兄弟。
彼らが好んで使っているこしょう、サワラクのこしょうpepe di Sarawakは、昔からシェフたちのお気に入りのこしょうです。

同じく彼らのリゾット、“サフランのリゾット、バッカラ・マンテカート添え”と“アスパラガスと帆立貝の春のリゾット”に登場した“マイクロハーブ”は、初登場の食材でした。

オランダのKoppert Kress社が開発した小型のハーブです。
このまま料理のトッピングにすると、とても美しいです。
独特の香りもあるようです。



日本にも提携先があるので、もう出回っていそうですね。

とろこで、マイクロハーブを料理に使ったコスタルディ兄弟ですが、
彼らがリゾットの魔術師と呼ばれるのは、リゾットの作り方の理論をまとめたから。

例えば米を炒めるのは、米の気泡を熱で開けるため。
こうすると味を吸い込みやすいので、こうなってから米に塩、こしょうで調味します。

これは、母親やおばあちゃんの調理方法を受け継いでそのまま再現するのが中心だった家庭料理から生まれたイタリア料理の世界では、珍しい発想です。
天才が料理を体系立てて弟子に伝えてきたフランス料理的な考え方です。
マンマがこうしていたからではなく、こうするとこうなる、という合理的で科学的なアプローチ。



彼らにかかれば玉ねぎのソッフリットもワインも必ずしも必要ありません。
詳細は「総合解説」に訳を載せました。

彼らの名物料理が、アンディ・ウォーホルの作品で有名なキャンベルのトマトスープ缶に注いだトマトのリゾット。



トマトスープを使うのではなく、缶を使うというぶっ飛んだアイデアです。
トマトソースは4時間かけてトマトと香味野菜を煮て作っています。
そういえば、ウォーホルを有名にしたのはトマトスープじゃなくて缶の絵でした。
しかも、トマトスープと書いてある缶の絵は左上の1個だけ。



凡人はみんな思ったはず。
これのどこが芸術なの?

文字通り、新世代の料理人です。



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“クリスティアン&マヌエル・コスタルディ”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月18日水曜日

イワシのチェタレーゼ、カルピオーネ、スカペーチェ、イン・サオール

キリスト教の四旬節の断食は、キリストの厳しい修行に思いを馳せて行う修行で、肉などの動物性脂肪を断つ、というもの。
金曜日もdi magroの日でした。

そもそも古代や中世の習慣ですが、キリスト教が広まった当初の掟はもっと厳しく、9世紀になって、魚を食べることが許されました。
魚でも、高価でゴージャスなものでは修行にならないし、四旬節は40日も続くので、質素な魚を使った日持ちのする料理が求められました。
大トロやキャビアは論外です。

21世紀になっても断食を守る人なんているのでしょうか。
四旬節の間に魚の消費量が増えるという事実が、みんな守っているということを物語っています。

でも、イタリアの断食の魚料理は、ポレンタとニシンなど徹底的に質素なのです。
総合解説」2016年3月号P.14~で訳した料理は、確かに質素な断食の魚料理ですが、野菜をたっぷり組み合わせるなどとてもボリューミーでよく工夫されています。

1品目のイワシのチェルタレーゼは、コラトゥーラの産地として知られるチェターラのイワシ料理です。
アマルフィ海岸沿いの、カタクチイワシの魚醤を現代に伝える漁業の町の断食料理は、パン、ペコリーノ・ロマーノ、卵、フィノッキエット・セルヴァティコというボリュームたっぷりな具をイワシにはさんでワインをかけてオーブンで蒸し焼きにした1品。

2品目のタコのブッリダは、サルデーニャの伝統料理。
ブッリダはリグーリアやプロヴァンスの魚のスープがルーツ。
タコのブッリダはタコとじゃがいもを一緒に蒸し煮にした料理。

リグーリア料理のコウイカのブリッダ



1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ

によると、リグーリアのブリッダBuriddaは、
リグーリアのズッパ・ディ・ペッシェで、数種類の魚を使います。
最も伝統的なのはストッカフィッソだけを使ったストッカフィッソのブリッダ。
陶器の鍋に入れて、野菜、トマト、アンチョビ、きのこ、松の実、じゃがいもなどを加えて3~4時間かけて煮込みます。

やはり断食の魚料理の代表的な魚は干ダラのバッカラやストッカフィッソ。
さらに、カルピオーネは、魚を日持ちさせるという点からもぴったりの調理方法です。
カルピオーネはピエモンテやロンバルディアの料理として知られていますが、スカペーチェとイン・サオールも、同じ調理方法です。
上述の『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』によると、
スカペーチェはスペイン語のescabecheが語源。
スペイン料理がルーツだとしたら、南蛮漬けと訳した日本語は、まさにぴったり。
イン・サオールはヴェネチア料理の代表的な前菜。
トリエステ湾で捕れた新鮮で若いイワシの料理を使ったトレエステ料理としても知られています。



北イタリアのカルピオーネ、南イタリアのスカペーチェ、北東イタリアのイン・サオール。
どれも夏にぴったりです。

カルロ・クラッコの本、『カルロ・クラッコの地方料理

の中に、サルデ・イン・サオールのリチェッタがありました。
訳してみます。

SARDE IN SAOR/サルデ・イン・サオール

伝統的な庶民料理で、ヴェネチアのオステリア、バカーロでは必ず出す1品。
“カルピオーネ”や“スカペーチェ”同様、とても歴史の古い料理で、ルーツはわかっていないが、魚をマリネして日持ちさせる料理として世界中に広まっている。
手をかけて作れば美味しい料理になる。

材料/4人分
 イワシ・・24尾(1人6尾)
 玉ねぎ・・2個
 サルタナ・レーズン・・40g
 煎った松の実・・40g
 ローリエ・・1枚
 ジュニパー・・2粒
 白ワイン(ゲヴュルツトラミネル)・・100g
 バター・・70g
 赤ワインビネガー・・100g
 コルベッツォロ(ヤマモモ)の蜂蜜・・大さじ1(約30g)
 塩、こしょう

・玉ねぎを同じ幅の薄切りにしてバターでしんなり炒める。
・しんなりしたらローリエ、ジュニパー、サルタナレーズン、松の実を加える。
・白ワイン、赤ワインビネガーの順でかける。蜂蜜を加えて水で覆う。
・弱火で玉ねぎがジャム状になるまで煮る。
・塩、こしょうで調味し、甘味より酸味をひきたたせる。
・イワシの鱗、頭、背骨を取り除く。
・よく冷えたガス入りミネラルウオーター、小麦粉、卵で日本式の天ぷらの衣を作る。
・イワシに衣をつけてたっぷりの高温の油で揚げる。(イワシはよく冷やしておき、火が通り過ぎないで、フリットの香りがつきすぎないようにする。イワシの温度が低いと外側はカリッと、中はやや柔らかく揚がる)
・衣でなく小麦粉をまぶすだけでもよい。
・フリット用のシートを敷いた皿に盛り付ける。玉ねぎのジャムは小皿に入れて添える。
ここに手で取った魚を浸して食べる(またはイワシにのせる)。

クラッコシェフは、私が知る限り、日本のテンプラにこだわることを文字にした最初のイタリア人シェフでした。


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“断食の魚料理”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ
カルロ・クラッコの地方料理
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2018年7月16日月曜日

鉄砲伝来と断食

今月の「総合解説」には、欧米の食文化にはキリスト教が深く関わっていると感じる記事がありました。
“断食の魚料理”という記事です。

“断食”と聞いてすぐに思い浮かぶのは、イスラム教のラマダン。
約1ヶ月間、日の出から日没まで飲食を断つことによって、信仰心を清める修行、だそうです。

文字通りの断食ですね。

キリスト教の場合は、木曜はニョッキ、金曜は魚、というローマの言い回しが知られているように、曜日によって肉を食べることが禁じられた日がありました。
金曜日は“mangiare di magro”の日と呼ばれていました。
断食といっても肉を食べない、ということです。
金曜日はキリストが死んだ日と信じられていたそうです。

マーグロmagroというのは、イタリア料理の用語としても定着しています。
例えば、具に肉が入らないほうれん草とリコッタのラビオリなとどは、代表的なラビオリ・ディ・マーグロです。

キリスト教の主な断食は、カーニバルと復活祭の間の40日間(クアレジマ)、キリストが荒野で断食したという苦行を思って“動物性脂肪、主に肉を食べない”、という修行です。

キリスト教の初期の頃は、戒律を破ると死刑だったそうですよ。

9世紀になると魚は肉より浄化されているとしてクアレジマの間に食べることが許されました。

それからというもの、40日間、イタリア中、山の中でも魚料理を美味しく食べるために、工夫が重ねられました。
そして庶民的なイワシやタラを中心に、塩漬けやスモークという長期保存技術も発達して、イタリアの伝統料理に魚料理が加わっていったのでした。

現在でも、クアレジマの間はイタリアの魚の消費量は増えているそうなので、敬虔なイタリア人は断食の掟を守っているようですね。

断食とバッカラについての話は以前このブログでも取り上げました。
(こちら)
やはり、断食料理の王様は干ダラでしょうか。

国民的イタリア料理には、どんな魚料理があるかなあと思って、
グランディ・クラシチ

を見てみましたが、

カッチュッコ、アンコナ風ブロデット、タコのルチアーナ、メカジキのシチリア風、バッカラのヴィチェンツァ風などと、肉に比べてごく少数。
しかも漁師町の料理が多いですね。

では、定番の家庭料理にはどんな魚料理があるのかなと、今度は『マンマミーア』を見てみました。


するとこちらにはたくさんありました。
最初の1品はマトウダイ(サン・ピエトロ)でしたが、あとはイワシが多いですねえ。

他は、マグロやクロダイ、ムール貝、エビ、メカジキ、ホウボウなど、地方料理から全国区になった代表的イタリア料理が多いです。

おもしろいことに、最近では魚が贅沢な高級品になってきて、魚、肉という区別ではなく、高級品というくくりで断食すべきという意見もあるそうです。

現代では魚の保存や輸送の技術も向上して、魚料理の選択肢も豊富になりました。
あとは調理次第です。

魚をボリューミーにする手段の一つ、テンプラは、ポルトガル人の宣教師によってヨーロッパに逆輸入されました。
これを異文化の出会いから生まれた素晴らしい成果の1つだと、鉄砲伝来とテンプラ伝来を同レベルで語る人もいます。

断食の期間に食べる、大衆魚を保存のきく方法で調理した料理、その実例が何品か、今月の「総合解説」に載っています。
他にもあるので、次回はその料理の紹介です。


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“断食の魚料理” の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月13日金曜日

パッション・フルーツの花

総合解説」2016年3月号、発売しました。


今日のお題は“今月の食材”から、パッションフルーツです。
イタリア語だとIL FRUTTO DELLA PASSIONE。
きっと情熱的な味の果物なんだろうなあ、なんてお気楽に思っていましたよ。
なんて勘違い、あー恥ずかしい。

実は昔、シチリアで初めてフィコディインディアを見た時、パッションフルーツと完璧に勘違いするという、ドジな過去もありました。

いやあそれにしても、パッションフルーツというトロピカルな名前に、宗教的な意味があったとは、全然知らなかったです。

情熱とは全然関係ない、キリストの受難のことだそうで。

そう言えば、ありましたね、パッションというメル・ギブソンのキリストの映画。




まさかあの、どうやって食べるのか見当もつかないトロピカルフルーツが、キリストの受難などという大層な名前を背負っていたとは、この歳まで知らなかったよー。

この果物の花の雄しべが十字架、雌しべが釘、その他、茨の冠やムチや槍に見えたのだそうです。
中南米に初めて上陸したイエズス会の宣教師が名付けたのだそうですよ。
超真面目なネーミングだったんですねえ。
でも、この果物の花が咲く様子を見ると、彼らの気持ちも分かります。

パッションフラワー
 ↓


し、衝撃的な咲き方。
受難のネーミング、ちょっと納得。

パッションフルーツの果汁の絞り方。
 ↓


あまり美味しそうに見えないけど、飲んでは見たい。


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 パッション・フルーツが載っている“今月の食材”は「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月9日月曜日

プラネータのアサリのパスタとシェリー・ブリュレ

今日のお題は『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ
です。



シチリア料理の本として、とても出来が良いお勧めの本です。
今月の「総合解説」2012年2月号にリチェッタの翻訳を載せています。

本の各章は、
メンフィとサンブーカ・ディ・シチリア
ヴィットリア
ノート
エトナ
カーポ・ミラッツォ

と、シチリアを代表するワイナリーで貴族の家系のプラネータ一族が、
創業の地メンフィから、島の各地へと拡大していったぶどう畑のある地を訪れながらシチリアを食べ歩いているような構成です。



豊かで個性的なシチリア各地の地方料理を、飾ることなく自然なプラネータ家の家庭料理として、世界中からの顧客をもてなすために出している料理です。

写真が豊富な本なので、南イタリアの太陽を感じさせる料理の素朴な盛り付けがよく分かります。

「総合解説」で訳した料理は、
カポナータ
ナスのコトレッタ
ズッキーニとミントのパスタ
パスタ・アッレ・ヴォンゴレ
アンチョビとパン粉のパスタ
イワシのベッカフィーコ
牛ステーキの赤ワインソース
ビアンコマンジャーレ
など。

スラスラ訳せて読みやすいのにびっくりしました。
ナスのコトレッタは、米ナスの輪切りに小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げたもの。
簡単なのに、写真がとても効果的で、ため息が出そうなくらい美味しそうです。

ズッキーニとミントのパスタも、アンチョビとパン粉のパスタも、超庶民的なのに、シチリアの香りがぷんぷんしそうです。

アサリのパスタは、訳していて見慣れないフランス語に惑ったリチェッタです。
アサリにシェリー・ブリュレをかけて熱するとありました。
何気なくさらっと“シェリー・ブリュレ”とフランス語で言うところに、シチリア貴族の血を感じますねー。
要はアルコールを煮切ったシェリー酒のことだったのですが、先日BSで観たヴィスコンティ監督の『山猫』を思い出しましたよー。
バート・ランカスター演じるシチリア貴族は、確かドンナフガータに領地がありました。
時代の流れにどれだけ翻弄されても、フランス系の由緒正しい貴族の家系だということに強烈なプライドを抱いていましたよね。

シェリー・ブリュレをかけたヴォンゴレのパスタ、食べてみたいなあ。




今回はドルチェは訳せなかったのですが、この本のレモンのグラニータの立体的な盛り付けや、カッサータの芸術品のような飾りは、素晴らしいの一言です。

来月号では、絶版になった南イタリア料理の本の傑作を訳しました。



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“『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネータ』”
総合解説
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2018年7月6日金曜日

ポレンタのケーキ

今日のお題はスイート・ポレンタ。
とうもろこしの粉のドルチェです。

とうもろこしの粉にはグルテンがないのが大きな特徴ですが、グルテンがないので、そのままでは小麦粉のようにはつながりません。
バター、卵、コーンスターチなど他の粉を加えてとろみをつけます。

ポレンタの本場と言えば、ヴェネト。
とうもろこしのドルチェもたくさんあります。

ビスコッティのザレッティ、ドライフルーツ入りのエピファニアのケーキ、ピンツァ、ポレンタのフリッテッレのフリトレなど。
ピンツァ
 ↓



総合解説」の1つ目のリチェッタは、白いとうもろこしの粉を使ったケーキ。最初にとうもろこしの粉をミキサーにかけて細かくしてから使います。
2つ目はコーンフラワーとりんごとアーモンドのケーキ。
3つ目はコーングリッツとチョコレートのケーキ。

番外編はアモール・ポレンタ。
別名ドルチェ・ディ・ヴァレーゼとも呼ばれるロンバルディアのドルチェ。
細かいとうもろこしの粉とアーモンドパウダー入りのプラムケーキ。
材料をただ混ぜて、独特のとい型に入れて焼くだけ。
ざらざらした舌触りは、モディカのチョコレートに似ているかも。

とうもろこしを料理に使う伝統がある地方はヴェネト、ピエモンテ、ロンバルディアなどの北イタリア。

ピエモンテのとうもろこしの粉のビスコッティ、パスタ・ディ・メリガは、
甘口ワインやザバイオーネに添えます。

ポレンタのドルチェで有名なのはベルガモのポレンタ・エ・オゼイ。



北イタリアにもこんなに素朴なドルチェがあるんですね。


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“スイート・ポレンタ”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2016年2月号に載っています。
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2018年7月4日水曜日

オリスターノのカーニバル

今日はサルデーニャの話。
オフシーズンに、つまりバカンスの季節以外にサルデーニャに行ったら、何をするか、
という話です。
その一つが、オリスターノのカーニバル。
街の2つの職人組合(農民と家具職人)の117人の騎手が時代装束で繰り広げる儀式は、サルデーニャに夏の太陽を求める北イタリアの人々をも魅了します。




オリスターノはサルデーニャの西側中央部の海沿いの街。
海と街の間は、ピンクフラミンゴの生息地として知られるカブラスのような広い沼地。
灌漑事業によって、この地方は米の産地になりました。
主にアルボーリオ米が栽培されています。
ウナギやボラのボッタルガも特産品。




オリスターノの北にはアルゲーロがあります。

ここのオマールやイセエビはイタリアでも最高と言われて、サルデーニャ料理のシンボルになっています。

クレアパッソで販売しているサルデーニャ関係の本
トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ2

残念ながら絶版になってしまった本ですが、発売当初から大人気の、取材内容が素晴らしい豪華な本です。
現在は中古本がある時のみ販売しています。



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“オフシーズンのサルデーニャ”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年2月号に載っています。
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2018年7月2日月曜日

ケツァルコアトルの贈り物、モディカのチョコレート

今日はモディカのチョコレートの話。
このブログでも度々取り上げているモディカのチョコレートですが、
中米生まれのチョコレートがシチリアに伝わったのは歴史の必然だったのかもしれません。

まず、チョコレートの歴史を語るときのキーワードは、
アステカ。

アステカでは、カカオはケツァルコアトルという神の贈り物、という神話が語り継がれていていました。
ケツァルコアトルと言えば、その中二病のような名前がカッコイイ、羽の生えた蛇の姿の神様。
でも、カカオを盗み出して神々の怒りをかい、サボテンの酒で酔わされてアステカを追われたんだとか。

アステカでは、カカオが大事に育てられました。
カカオは生産できる地区がとても限られた植物です。

アステカはどこにあったかというと、現在のメキシコです。

神話によると、ケツァルコアトルが逃げるときに通ったのは中米の太平洋側で、その途中にあった街、タバスコに最後のココアの種を伝えたそうです。
タバスコは現在、メキシコのカカオの一大生産地です。

そう言えば、シチリアはサボテンが雑草のように道端に生い茂っています。
メキシコと環境が似ているのでしょうか。

1521年、アステカ帝国は、スペインによって滅亡します。
アステカの都市はスペイン風に再建築され、植民地となります。
そして300年の支配を耐えて独立したのがメキシコです。

アステカ滅亡時、スペインは繁栄の時代を迎えていました。
シチリアもスペインに支配されていたのです。
そして、スペイン人によってカカオがモディカの伯爵領に持ち込まれました。
アステカのカカオをすりつぶしてペーストにする技術も、シチリアの修道院に伝わりました。
そして1746年以降、モディカのドルチェリアで、カカオのペーストにブラウンシュガー、バニラ、シナモンなどが加えられるようになりました。

モディカのチョコレートの砂質の舌触りは、カカオペーストを低温で練る、コンチングという作業を行わないので、あの、普通のチョコレートとは全く違うものになります。

コンチングの技術を考案したのはスイスのリンツ・チョコレートのロドルフ・リンツさんです。

コンチングを行わないと、砂糖が溶けないで粒状のままなので、あの独特のざらざらした舌触りになるのですね。

カカオからチョコレートまで
 ↓


普通のチョコレートは、発酵、乾燥、袋詰までは昔ながらの方法ですが、
ヨーロッパのピカピカの工場についた途端に現代的な製法に変わります。

コンチングをしないモディカのチョコレートは、ピカピカの過程なしで、昔ながらの伝統的な製法で作られています。
このアステカの味が癖になるんですよ。

今日のお勧め本
“Guido Tommasi cucina regionale”シリーズ
ラ・クチーナ・シチリアーナ




モディカのチョコレートを使った豚肉料理のリチェッタがあります。
チョコレートを溶かしながら肉を焼き、マルサラでフランベして煮ます。

余談ですが、先日、BSで『山猫』を放送していましたね。
ティンバッロが、“山猫のティンバッロ”と呼ばれてとても有名になった映画(もちろん原作も)です。
シチリアの貴族とイタリア統一時代の島の空気がヴィスコンティ監督の美しい映像で伝わってきて、相変わらず素晴らしかった~。



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“モディカのチョコレート”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年2月号に載っています。
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2018年6月29日金曜日

バローロのリゾットとカヴール伯爵

今日のお題はバローロのリゾット。

この料理に欠かせないのは、
バローロとカルナローリ米。

そのどちらにも、イタリアの初代首相、カヴール伯爵が深く関わっていました。

イタリア料理史、特にピエモンテの料理史上、というか、イタリアの歴史でも欠かせない重要人物だけあって、彼がやったことはスケールが違います。
まず、米に関しては、農業大臣時代に運河を作ってヴェルチェッリとノヴァーラの水田を灌漑し、最新の稲作技術を導入して、米作発展の基礎を築きました。

米は飢饉のときに小麦に変わる作物として、栽培が広まりました。
米を作るために欠かせないのは水です。
水路を張り巡らすという大事業は、貴族など大地主の協力が欠かせないことでした。

ヨーロッパを代表する米どころ、ヴェルチェッリ~ノヴァーラの風景は、どこか懐かしい水田地方。
 ↓


そういえば、ヴェネト地方の米、ヴィアローネ・ナノは、ヴェローナの貴族の所有地の干拓によって広まり、その後は地元の修道院の修道女たちが米作を広めたのでした。
イタリアの貴族と教会には、こういう影響力もありました。

カヴール伯爵はイタリア統一の立役者でもあります。
そっくりさんが演じるドラマもありました。
 ↓



彼はバローロ造りにも取り組んでいました。
イギリス、フランス、オーストリアと通商協定を結んで近代化を推し進めたり、
イタリア統一のためにイギリス、フランスと手を組んでオーストリアと戦ったりと、
凄腕の外交能力があったカヴール伯爵が、
フランスに負けない上質の赤ワインを造るために取った策とは、
優秀なエノロゴだった将軍を自分の城、グリンザーネ城に招集するという力技。
そしてジュリア・ファッレッティ・ディ・バローロ公爵夫人と一緒に
ネッビオーロの醸造と熟成ステムを手直しして新技術を導入します。

こうしてバローロは、イタリアを代表する上質赤ワインとして生まれ変わっていったのでした。

ただし、残念ながら、バローロのリゾットはカヴール伯爵が考えだしたという説に根拠は何もありません。

それにしても、ランゲ地方の料理人のバローロのリゾットにかける情熱はすごいです。
この料理に使うバローロは、あらかじめデカンターレして澱を取り除き、
香りを開かせておくんだそうです。
さらにワインの加え方によって、リゾットの味も変わってしまうのだそうで。
詳しくは「総合解説」をご覧ください。

ちなみに、来月号の「総合解説」には、リゾットの魔術師と呼ばれている兄弟シェフのリチェッタが登場します。


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“バローロのリゾット”の記事の日本語訳は「総合解説」2018年2月号に載っています。
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2018年6月27日水曜日

『ジェラーティ』から、クレメリア・カポリネアのリチェッタ

今日はトレ・コーニ獲得のジェラテリーア、クレメリア・カポリネアのオーナー、シモーネ・デ・フェオの本、『ジェラーティ』から、リチェッタの日本語訳をどうぞ。


まずは基本中の基本、本の一番最初に載っているジェラート、

フィオルディラッテのジェラートgelato al fiordilatte

【材料】
・牛乳・・690g
・生クリーム・・100g
・グラニュー糖・・200g
・キャロブ(カッルーバ)・パウダー・・2g

・生クリームと牛乳を混ぜて火にかける。
・砂糖とキャロブパウダーを加える。
・85℃に熱する。
・増粘剤のキャロブ・パウダーが手に入らない時は卵黄3個を加えて混ぜ、85℃に熱する。
・素早く冷ましてジェラティエラに入れる。
・ジェラートメーカーがない時は製氷皿に入れて冷凍し、ミキサーにかける。
粒状になったらスプーンでクリーミーになるまで混ぜる。
・すぐに食べない時は冷凍庫で保存し、サーブする2~3時間前に冷凍庫から出す。
バリエーション;レモンの皮とバジリコ、またはシナモンとバニラとオレンジ、スターアニスとミントをミキサーにかけて牛乳に加える。

これに刻んだビターチョコレートを加えて、マンテカーレすれば、
あるいは仕上げに溶かしたチョコレートをかければストラッチャテッラのジェラートgelato alla stracciatellaになります。

基本のジェラートの後は、もう少し複雑なジェラート、ソルベット、グラニータ、セミフレッドのリチェッタが続きますが、どれもシンプルで美味しそうでどれを選ぶか迷います。

リチェッタは、キャラメル、コーヒー、チョコレート、フレッシュフルーツ、パスティッチェリアのジェラートと続きます。
中でも目を奪われたのは、水色に花柄のクラシックなデザインが美しいティーカップに盛り付けたカッサータのジェラート。
白いジェラートに宝石を散りばめたようなカッサータのジェラートは、器によっては美しさが一段と引き立って、芸術品のようです。

カッサータのジェラートgelato alla cassata

【材料】
・山羊乳と牛乳のミックスのリコッタ・・150g
・アーモンド・・20g
・グラニュー糖・・180g
・牛乳・・650g
・キャロブパウダー・・2g
・ビターチョコレート・・100g
・カンディート・・40g

・アーモンドをフライパンで数分煎ってからミキサーにかけ、粉にする。
・牛乳、リコッタ、アーモンドペースト、砂糖、キャロブパウダーを火にかけてかき混ぜ、85℃にする。
・火から下ろして素早く冷まし、ジェラテリアに入れる。
・仕上げに削ったチョコレートとカンディートを加える。


この他に、ジェラートのリチェッタが面白いのは、やはりシチリア料理の本です。

in cucina”シリーズ
『シチリア』



ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズ

『シチリア』


シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネータ

“Guido Tommasi cucina regionale”シリーズ
ラ・クチーナ・シチリアーナ


などがお勧めです。





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2018年6月25日月曜日

残したワインのお持ち帰りシステム、ブータ・ストゥーパ

今日のお題は「料理も出すエノテカ」
そもそも昔のオステリアは、ワインと、ゆで卵、チーズやサラミの盛り合わせといった簡単なツマミを出す店でした。

ヴェネチアのバカロ、ピエモンテのピオーレ、カステッリ・ロマーニのフラスケッテなどがその名残。

上質なワインと地元の上質な食材を使う料理を出すエノテカは、オステリアの精神を引き継いだ現代版オステリア。

リストランテと比べて、ワインをフルボトルで注文するという成約がない、というのは大きな魅力となっています。

同じ今月の「総合解説」のワインの記事は、“ハーフボトルとグラスワイン”というテーマ。

レストランで2種類のワインを飲みたい時、フルボトルで注文すると、値段はもちろんのこと、飲みきれなくてワインが無駄になることもある、
と、どこの国も同じ、かなり現実的な悩みがあります。

でも、最近のイタリアのレストラン業界では、高級ワインでも在庫を回転させたいという傾向が強いそうです。 
ボトルワインが残ったら、ワインに再び栓をして、店が美しくパッケージしたものを持ち帰る、“オープン・ボトルbottiglia aperta(ボッティリア・アペルタ)”と呼ばれるシステムが広まっています。

ピエモンテのオステリアでは“buta stupa(ブータ・ストゥーパ)”と呼ばれていました。

イタリア式ワインバッグ、ブータ・ストゥーパで
スタイリッシュに習慣を変えようというのがキャッチフレーズ。
 ↓


この習慣に賛同する店を集めたグループも作られています。

これはワインの販促グッズとしてワインのメーカーさんやインポーターさんがこの紙袋を作って広めれば、日本のレストランでもフルボトルを注文する機会が増えるのでは。

この運動に賛同する店は、今のところピエモンテの店が圧倒的に多いですね。
やっぱり高級ワインは残したらもったいない。

そうそう、今月の「総合解説」にはバローロのリゾットの記事もありました。
もしバローロが残ったら、リゾットでも作りますか?
次回はこの話です。

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“料理も出すエノテカ”と“ハーフボトルとグラスワイン”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年2月号に載っています。
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2018年6月22日金曜日

ポルタフォーリオことヴァルドスターナ

今日は「ヴァルドスターナ」の話です。
ヴァルドスターナとは、“ヴァッレ・ダオスタの”という意味の言葉ですが、
イタリアの北西の隅にあるイタリアで一番小さな州の話ではなく、
ヴァッレ・ダオスタの代表的なセコンド・ピアットの話です。
この料理は北の料理の中では珍しく、イタリアの国民的肉料理として国中に広まっています。
ただし、ポルタフォーリオという別名がつけられています。

正式名は、コストレッテ・アッラ・ヴァルドスターナ。

こんな料理
 ↓



コトレッタ・ミラネーゼにそっくりですが、中にヴァッレ・ダオスタ名物のフォンティーナとハムのスライスをはさみます。
ミラネーゼより、ある意味豪華。

総合解説」ではハムもヴァッレ・ダオスタ産を使っています。
炭火で焼くSaint-Oyenのプロシュットというのが美味しいそうです。

ヴァッレ・ダオスタは公用語がイタリア語とフランス語なので、町の名前がフランス語風だと、読めない。
セント・オイエンでしょうか。

まあ、ヴァッレダオスタのハムが手に入らなけくても、ポルタフォーリオという名前にすれば、すべて解決です。


家庭料理の秀作『マンマ・ミーア』↑には、ヴァルドスターナのバリエーションが載っています。
それによると、コストレッタは骨付きを使います。
肉に厚みがあるのでハムとチーズはこの順で、はさまずに、肉にのせます。
肉もチーズも、かなり厚めです。
チーズが溶け出したらオーブンに移して焼き上げます。
この方法だと、肉がぶ厚いまま焼き上がり、生ハムの縁がこんがり焦げて、その中にトロトロのチーズが黄色く輝いている、という、とてもボリューミーで美味しそうな姿です。
山小屋で働いている息子たちの大好物、みたいな料理です。

セント・オイエンのカーニバル
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“ヴァルドスターナのバリエーション”の日本語訳は、「総合解説」2016年2月号に載っています。
マンマ・ミーア
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地方料理のシリーズ本

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