今日紹介する本は、再入荷の本です。
ニュートン・クチーナ・レジョナーレシリーズの『ドルチ・ナポレターニ』。
このシリーズでは先日、『1000シリーズ』のパスタも紹介しましたが、さすがにドルチェは300点です。
ニュートンのドルチェシリーズは、3冊しかありません。
ナポリ、シチリア、ピエモンテです。
そして、この3つの州のドルチェこそ、イタリアの国民的ドルチェとしてイタリア中に広まりました。
ババやカンノーリは、北イタリアのパスティッチェリーアでも定番です。
そのあたりのことが『ドルチ・ナポレターニ』の前書きに書かれています。
ナポリのドルチェは大好きですが、イタリアのドルチェについてその背景を深く考えたことがなかったのですが、前書きを読んでいてなるほど~と引き込まれました。
「ナポリのパスティッチェリーアは、イタリア都市部のドルチェの3本の柱の1つだ。
北部にはフランスの影響を強く受けて、クリームやチョコレートが特徴のピエモンテ派がある。
南部にはアラブの影響を受けて偉大な伝統を誇るシチリア派がある。
ナポリは、地中海沿岸の他の南の地方から見ると、北部の影響が感じられる。
ブルボン王朝のモンズーの伝統をナポリに伝えたパリから見ると、ナポリはエキゾチックな南の地方だ。
この3つ地方に共通する他の地方のドルチェとの違いは、農村ではなく都市が生み出したものという、イタリアの他の町にはない特徴だ。
例えば、スフォリアテッレやババは特殊な技術や知識を必要とする複雑なドルチェで、家庭では作るのは難しい。
都会の市場のようなコミュニケーションの場が必要だ。
ナポリは大都会だった。
有名なパスティッチェリーアやトラットリアが鉄道駅の周辺や、貴族や新興市民が住む街の中心部で誕生したのも偶然ではない。
ナポリのドルチェを含む食文化の伝統は、ナポリがイタリア最大の都市だった19世紀に基礎ができた。
ナポリのドルチェは、大きく4つに分けることができる。
1つは農民が生み出したドルチェで、パンや穀物を使い、例えばパスティエーラに代表される。
現在は一年中食べるが、昔はパスクアの時期のドルチェで、春の再来や豊穣の祝いの意味があった。
パンドーロ、パネットーネ、パンフォルテなど、パンで作った日曜や祝日の農家の伝統のドルチェがナポリに伝わったのは、70年台に大型の市場ができて北部の製品がイタリア中に輸送されるようになってからだった。
イタリアの田舎のドルチェは、大量生産や輸送網の発達、テレビのコマーシャルなどの恩恵を受け、都会の市場で人気が出た。
現在は、品質や地産地消が重視されるようになり、アルティジャナーレ(職人技)やカンパーニアとの結びつきが重視されるようになった。
例えば、リモンチェッロ風味のパネットーネなどだ。
2つ目は・・・」
ふう、ちょっと長くなりましたが、面白いですねー。
続きは次回に。
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