2020年11月30日月曜日

カチョカバッロのコトレッタ。ナポリのイン・カロッツァと比べると、かなり農家っぽくて素朴。

さて、カチョカバッロの料理です。
今月の「総合解説」P.13の料理は、カチョカバッロ・ファルチート。
カチョカバッロを輪切りにして炒めたチコーリアを挟み、パン粉を付けて揚げます。
シンプルなカチョカバッロのコトレッタ。端の切落しでもできます。
カンパーニアだったら食パンとモッツァレラでモッツァレッラ・イン・カロッツァにする料理。
モリーゼ料理はナポリ料理をもっと農民風にした料理。

モッッァレラを揚げるとこうなる↓

次の料理はパスタ。

スローフードの地方料理のパスタの本、パスタ・フォルメ・デル・グラノ』をモリーゼのパスタなんて全然ないだろうと思いながら見たら、予想外にたくさん載っていたので、詳しくは次回です。


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パスタ・フォルメ・デル・グラノ
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2020年11月29日日曜日

観光大国イタリアで、行きにくさナンバーワンの州、モリーゼ。からかわれすぎていじられても笑いで返す。

モリーゼのことを知れば知るほど、観光大国のイタリアで、行きにくい場所ナンバーワンと胸を張って言い切るこの州の素晴らしさが分かってきました。
観光客に依存しない農牧の州。
都会人が憧れる田舎暮らしがありますが、もちろん多分、そんなに甘くはない。

どうやって食べているのか、心配になる。

モリーゼの人気商品は、チーズ。
具体的には、カチョカバッロ。

モリーゼ人の自虐はかなり重症。
ミラノ人にモリーゼの魂カチョカバッロを食べさせて反応を見る動画↓

都会のマダムは靴やジュエリーに興奮するけど、モリーゼの男は↓


これだけ自虐的に笑えるってことは今までどれだけからかわれてきたんだか・・・(涙)。

モリーゼはカチョカヴバッロが名物だけど、隣のアブルッツォはペコリーノが名物。ちなみに2つの州は元々は1つだった。
どっちでもよさそうだけど、ご当人には大きな問題。
いじらないでおこう。
今月の「総合解説」P.13にもあるように、モリーゼのカョカバッロの中でも特に有名なのがアニョーネのカチョカバッロ↓
歴史の古い南イタリアを代表する、放し飼いの牛乳から作るパスタ・フィラータのチーズ。


モリーゼって知れば知るほど好きになる。

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イタリア・イン・クチーナ
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2020年11月28日土曜日

モリーゼの家畜に囲まれた暮らし。

モリーゼの風景に欠かせないのが家畜。
羊、豚、鶏、うさぎなどが、一緒に飼われています。

中でも乳製品ができる牛はやや特別。
牛乳から作るこの地方の名産品がカチョカヴァッロ。
モリーゼでは見たこともないカチョカヴァッロが造られていた↓


山羊の赤ちゃんの癒やし力は猫よりすごい。
崖の上に1匹迷いんだらそりゃ大騒ぎになる。
モリーゼの山岳地で育つ山羊から作るカシミア毛糸もある↓

世界中で笑わせてくれる山羊(音量注意)↓



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お薦め地方料理書
イタリア・イン・クチーナ
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2020年11月27日金曜日

50年前まで州の主要な収入源となる産業は羊飼いと農業だった州、モリーゼ。

今月の最初の地方料理は、モリーゼ料理です。
正直言って、モリーゼ料理を勉強したとか、モリーゼが好きだという人には、まだ出会ったことがない。
イタリアで最も新しくて2番めに小さな州。
サッカーが弱いのでイタリアの若者の間では、ほぼ存在しないと思われている州。
隣はカンパーニア、ラツィオ、プーリア、アブルッツォ。

地形の特徴はアペニン山脈(アペニン山脈で一番高い山、グラン・サッソ山がある)とアドリア海に面しているが、海岸線は35kmしかない。
州の面積に占める国立公園の割合も高く、昔から、行きにくい場所と言われてきた。
50年前まで、州の主要な産業で収入源は羊飼い兼業の農業だった。
農業はぶとうとオリーブ栽培。家畜は半放し飼い。

モリーゼで2番めに人口が多い街、テルモリ↓

料理の点から見ると、農牧業が主要産業な地方には、かなり特殊な伝統がありそう。
モリーゼの農牧業のコムーネ、ペスコランチャーノ↓
町の主要道路は移牧の通り道で、隣のプーリアまでつながっている。
羊だけでなく食文化も行き来してきた。

モリーゼのアッフェッターティ・ミスティはモデナやパルマのものとは違ってかなり素朴。
添えるのは、ニョッコ・フリットではなく、パーネ・フリット。

イタリア料理初心者のお母さんみたいな本、『マンマミーア』にも、前菜のトルタ・フリッタの前のページに、パーネ・フリッタがあります。
そしてこんなことが書いてありました。
「この料理を作る理由は、最低2つはあるよ。
1つは買い物に行く暇がなくて家に卵とパンしかない時、
もう1つは、昔ながらの本物の味の料理が食べたくなって、マンマのおやつが懐かしくなった時だよ」
それではパーネ・フリットpane frittoのリチェッタをどうぞ。
固くなった田舎パン・・500g
牛乳・・250ml
卵・・3個
イタリアンパセリ・・1把
00番の小麦粉・・大さじ2
揚げ油(ピーナッツ油)
塩、こしょう

・パンは外側の皮を取り除き、牛乳に完全に浸らないようにしながらさっと浸す。
・パンの両面に小麦粉と溶き卵(塩少々、イタリアンパセリのみじん切り、こしょうを加えて溶く)をつける。
・たっぷりの熱した油で揚げる。シートに取って油を切り、前菜として、またはズッパやミネストラに添えて熱々をサーブする。

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総合解説」 
マンマミーア
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2020年11月26日木曜日

モデナのおばちゃんは、ランブルスコの消せない染みができたら洗ってお陽さまにあてて干せば、太陽が染みを食べてくれるよ、って教える。

サルーミの盛り合わせは店で買ってきて並べるだけの前菜。
なので要求されるのは、商品の善し悪しを見極める目と店を選ぶ情報力。
生ハムやサラミを売る店はsalumeria/サルメリーアと言う。
モデナには、ある一族が長く経営する有名店がある。
ヨーロッパ最古のサルメリーアとして知られる、ジュスティだ(創業1605年)
店の奥の部屋ではオーソドックスな伝統料理を味わうこともできる(夜は予約のみ)
Giusti↓

こういう老舗の情報は母親が娘へと伝えてきたんだろうなあ。
そう言えば、イタリア人の親戚のおばちゃんが若い姪に教えているみたいな面白い本があります。
その名も『マンマミーア』。
トルタ・フリッタのリチェッタもありました。
どうやらイタリアのお嫁さんが姑から最初に教わる前菜の1品のようです。
こんなことが書いてありました。

「トルタ・フリッタの生地を伸ばす時、ピエラおばさんはいつもこう言いました。
生地はいつも覆っておかないといけないよ。
1枚ずつ覆いを外してひし形に切るんだよ。
でないと皮ができて固くなってしまうからね。
こうなると、揚げても膨らまないよ。
表面に気泡ができることもあるからね。
硬いトルタ・フリッタなんて、誰が食べるんだい?」

次のページには、
「テーブルクロスに消えない染みができたら、洗って広げて天日に当てて干すんだよ。
こうすると、太陽が染みを食べてくれるからね」
だって。

さらにその下にはランブルスコをグラスに注いでいる写真。
ランブルスコは地元(バルマ、モデナ、レッジョ・エミリア)では、ジモティみたいなワインと言われている。
香りが強くてアルコール度は低く、活発な泡があり、エミリア地方のサルーミや料理によく合う。
モデナはぶどうの果汁を酢酸菌で酢酸発酵させて造るバルサミコ酢で有名だが、
ぶどうの果汁の糖分を酵母がゆっくりアルコールと炭酸ガスに分解してできるのがランブルスコ↓

それでは、マンマミーアからトルタ・フリッタtorta frittaのリチェッタをどうぞ。

材料/
00番の小麦粉・・500g
揚げ油用ラード、塩

・小麦粉をフォンタナに盛り、中央に塩と湯適量を入れてこねて均質の生地にする。
・厚さ3mmに伸ばし、大きすぎないひし形に切る。
・ラードを強火で溶かし、沸騰しだしたら生地を揚げる。
・焼色がついたら取り出して油を切り、熱々をサーブする。


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2020年11月25日水曜日

イタリア料理入門 肉の前菜Antipasto di carne イタリア料理の最初の一歩はこの料理。

ニョッコ・フリットの話をするなら、相方のサルーミの話もしとかないと。
まずは今月の「総合解説」P.40の写真を御覧ください。
モデナの伝統的なサルーミの盛り合わせです。
生ハムを筆頭として、イタリアには各地に様々なサルーミがあります。
このサルーミを薄くスライスした盛り合わせは、affettati mistiと呼んで、イタリア料理の代表的な冷製の肉の前菜の1つ。

基本のイタリア料理のロングセラー本、

クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ


によると、
肉の前菜Antipasto di carne/アンティパスト・ディ・カルネ
別名、アッフェッターティ・ミスティは、一番手早くできるシンプルな前菜だけに、サルーミの品質を見る目が要求される。
一番いいのはブロックで買ってサーブする直前にスライスすること。適している付け合せは、サルーミの脂に合う味の強いもの、ケッパーベリー、小玉ねぎ、オリーブなどや、いちじく、メロンなどサルーミの味を引き立てる甘いもの。
見た目が美しい盛り合わせにするには、サルーミによって切り方を変える。
個人の好みだが、ラルドlardoはできるだけ薄く、サラミは薄めにスライスする。
カッチャトリーニcacciatoriniのような小型のサラミは大型のものより厚くスライスする。
モルタデッラmortadellaはスライスではなく、厚く切って角切りにする。
皿に盛り付ける時は折りたたんだり巻いたりする。
パンはたっぷり添える
ブレザーオラはサーブする前にレモン汁とオリーブオイルをかける。
冷蔵庫から出したての冷えたサルーミは味が弱いので、常に室温でサーブする。

アッフェッターティとチーズ、パンの盛り付け↓

そう言えば、生ハムやサラミの盛付合わせが夕食になると気づいたのは、友人が学食で生ハムの盛り合わせを注文した時。
ナイフとフォークで食べる生ハムは、ルーコラを添えると立派なディナーに見えました。イタリア人でもプリーモとかセコンドとかなしに生ハムだけの夕食とかするんだ、と気づいた瞬間でした。
それ以来、料理がめんどくさい時は、生ハムを食べています。
フルーツやお気に入りのパンとか、付け合せを変えると案外楽しめるんですよね。
で、イタリア料理の肉の前菜のページには、このずぼら料理をもっと美味しくする知恵が詰まってました。
ただし、本の料理は、ずぼら前菜とは正反対に、素晴らしい究極の盛り合わせです。
それでは、イタリア料理を学ぶ時の最初の1品をどうぞ。

肉の前菜Antipasto di carne
材料/6人分
ラルド・・6枚
フェリーノサラミ・・6枚、またはカッチャトリーニ・・1~2本
コッパ・・6枚
ブレザーオラ・・6枚
パルマかサン・ダニエーレの生ハム・・6枚
オリーブオイルがけブルスケッタ・・6枚
塩水漬け黒オリーブ
酢漬けの小玉ねぎ
ケッパーベリー
ドライトマト
半分に切ったいちじく・・3個
スライスしたメロン・・6枚
チャバッタタイプの田舎パン
EVオリーブオイル
レモン汁

・ラルドは豚の脂身をスパイスやハーブでマリネしながら熟成させたもの。口の中で脂が溶けるように薄切り用ナイフかピーラーで薄くスライスする。
・ボローニャのモルタデッラや大型の腸詰めは薄切りか角切りにす。
・大形のサルーミは買う時にスライスしてもらう。家でスライスする時は、長い刃のよく切れるナイフを前後に均一に動かしながら切る。

イタリア料理の最初の一歩は、アッフェッターティ・ミスティ。
お店でスライスしてもらう以外にやることは、ニョッコ・フリットを作ること。
揚げたてを出すので、全員がテーブルに付いたら揚げます。

パルマではニョッコ・フリットはトルタ・フリッタと呼びます。↓

次回に続く。

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2020年11月24日火曜日

エミリア・ロマーニャのソールフード、ニョッコ・フリット。バールのカプチーノにも生ハムにも必ず2個添える。

昨日のクラッフィンが生ハムに合う、という文章を見て、すぐに思い浮かんだのが、ニョッコ・フリットでした。
最近訳したばかりだったので、記憶にも残っていました。
その記事は今月の「総合解説」P.40~にあります。

ニョッコ・フリットは、イタリア料理には珍しく、言葉の響きがインパクトあるなあ。
ニョッコgnoccoはニョッキgnoccchiの単数形。
でも、あのじゃがいもで作るニョッキを揚げたものではない。
リチェッタは「総合解説」P.41にあります。
小麦粉、イースト、ラード、牛乳の生地を薄く伸ばしてラードで揚げたもの↓

揚げパスタと揚げパンの中間のようなもの。きのうのクラッフィンにも少し似ていて、あれが生ハムに合う、というのも納得です。


ニョッコ・フリットと生ハムの組み合わせは、モデナの伝統です。
というか、モデナでは、カフェラッテに合わせるのはブリオシュじゃなくてニョッコ・フリット。
しかもオーダーしてから揚げるんだって。これはモデナで試してみないと。
エミリア・ロマーニャのソールフード、ニョッコ・フリットと生ハムはこうやって食べる↓
「総合解説」P.40の写真にもある通り、モデナでは、サルーミの盛り合わせにはニョッコ・フリットを添えます。
しかも、1個じゃなく2個添えるのがモデナ流。
ニョッコのこと愛しすぎてるモデナの人は、このサルーミに添えるニョッコ・フリットのことをコッピア・フマンテcoppia fimante(熱々のカップル)と呼びます。
モデナ↓


ボローニャやパルマにも別の名前のよく似たものがあります。
例えばボローニャではクレシェンティーナcrecentina 、フェラーラではピンツァ
Pinza、パルマではトルタ・フリッタTorta fritta。など。

カプチーノとニッョコ・フリットの食べ方↓

モデナはグルメにとっての理想郷と言われる街。
モデナの紋章に書かれた街のモットーは、「avia pervia」/難しく考えないで生きていく。

モデナの名物はバルサミコ酢とフェラーリだけじゃない。
モデナでクリスマスイブに行列ができるのはパニーノが美味しい店。↓
ちなみにこの店はbar Schiavoni。
流行には踊らないけど伝統の習慣には妥協しないモデナの人たち。



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地方料理のお勧め本、イタリア・イン・クチーナ
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2020年11月23日月曜日

流行らせたくて作ったのがあからさまなクラッフィン。多分生ハムに合う。

今日のお題はドルチェ、クラッフィンCruffinです。


流行に敏感な若物はとっくに知ってたん?
アメリカ生まれで、見た目が映えてて突然注目浴びてあっという間に消えていくドルチェのたぐいでしょうか。
その噂は早くもイタリアまで届いたみたいだけど、こっちにはまだこないなあ。
サンフランシスコのミスター・ホームズ・ベーカリーのヒット商品。↓

名前からもわかるように、クロワッサンとマフィンを合体させたものだって。
ぶっちゃけるとクロワッサン生地をマフィン型で焼いただけのこと。

リチェッタは今月の「総合解説」P.11にあります。
複雑なのは、葉巻型に巻いた後。
縦に半分に切って切り口を外側にしてさらに巻き、マフィン型に入れて発酵させます。
そうするとあのずんぐりむっくりした形のクロワッサンができます。
    作り方をイタリア語で見る↓

「総合解説」ではリチェッタの最後にさらっと付け加えましたが、砂糖が少ないのであまり甘くなく、フォアグラ、ブルーチーズ、生ハムにも合うんだそうです。
そう言えば、今月の記事には生ハムと組み合わせる粉ものがもう1品ありました。
確かにこれは生ハムに合うよ。
まだ食べたこと無いけど。

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総合解説
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2020年11月22日日曜日

ボットーニ・リガーティ。ストライプのポイントは色を組み合わせるセンス。

今月の「総合解説」のパスタで、料理の写真がちょっとわかりにくそうだったのが、“ボットーニ・リガーティ”。
ボットーニはボタン、リガーティはストライプのこと。
ボットーニ自体は詰め物を挟んだ生地を丸い型で抜いて作る比較的かんたんなラビオリ型パスタ。
イタリアのクラフトビールのリーダー、バラディンが造ったボットーニの動画↓
パラディンの人気の蜂蜜入りビール、“ミエリカ”に合う料理だそうです。
詰め物はペコリーノ、洋梨のカラメッラーティ、くるみとヘーゼルナッツのペースト。
ちょっと小さめに作ると可愛いパスタ。
しかも「総合解説」では新ほうれん草入の生地で鮮やかな黄緑色のストライプ柄に(リチェッタはP.6)。


カラフルなストライプのパスタ・フレスカ↓

色んな色の生地を重ねて薄く伸ばす方法や、プレーンの生地に色付生地のリボンをのせて伸ばす方法が一般的ですが、
「総合解説」では
もう少し上級編の作り方をしています。

色付きパスタははまると抜け出せなくなるみたい。和菓子職人が作ったみたいな渋い色合いのパスタ↓



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スローフード出版のスクオラ・ディ・クチーナ”シリーズ

パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ

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2020年11月21日土曜日

アサシン・スパゲッティのポイントはパスタ・リゾッタータ。

きのうはアサシン・スパゲッティの名前のインパクトが強ぎて、リチェッタの話をするのを忘れてました。
殺し屋(その真の姿はプーリアのおばあちゃん)の任務は、きのうのスパゲッティの残りを、美味しく食べる、です。
一番重要なのは、香ばしさやカリカリ感。
そう言えば、パン粉の時も目指していたのはこの歯ごたえでした。
詳しいリチェッタは「総合解説」2019年3/4月号P.5を御覧ください。

今回は、乾麺のスパゲッティから作ります。
その調理方法は、“リゾッタート”    spaghetti risottatiと呼ばれる製法です。
炒めて香ばしさを出したスパゲッティに、
リゾットと同様にブロードを少しずつかけながら煮ます。
こうするとパスタのデンプンが煮汁に溶け出て、ソースにとろみがついてパスタとよくからみます。
スパゲッティ・アサッシーナ↓

素人が作ると焦がした焼きそばみたいになりますが、上の動画のシェフは、唐辛子多めのトマトソースで煮て、焦げが目立たないきれいなスパゲッティに仕上げました。

パスタ・リゾッタータ↓

「総合解説」のリチェッタでは、スカンピから取ったブロードで煮ます。

ターラント(プーリア)のレストランの屋外で作る大鍋のシーフードパスタのリゾッターティ↓


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2020年11月20日金曜日

殺し屋のスパゲッティは鉄のフライパンで情け容赦なく強火でスパゲッティを炒める。焦げそうでも殺し屋の冷静さと忍耐力が要求されるのだ。

今日のお題はプリーモピアット。今月の「総合解説」P.5の料理です。
スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。
“アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。
初めて聞きました。
聞いたこともない料理だったのに、逆にnetには情報があふれていてビックリ。
普通、プーリアなど南伊の地方料理の動画は数が少ないので探すのが大変なんですが、この料理はどうしたんだというくらいたくさんありました。

最初にわかったのは、どうやらプーリアのバーリの料理、ということ。
バーリにはこの料理のアカデミーまであって普及保存に取り組んでいる人たちがいるそうです。
ノンナが作るような歴史の古い、残り物を有効利用する料理です。
なぜアサシン(殺し屋)のスパゲッティという名前なのかというと、下の動画のUP主によると、乾麺のスパゲッティを強火で熱した鉄のフライパンでこんがり炒めるので、その様子が情け容赦のない殺し屋の仕業のよう、というらしいです。↓
焦げそうでも触らない殺し屋の忍耐力と冷静さを要求される料理。

焼きそば焦がすとこんな料理になるよね。
バーリのおばあちゃんたちが殺し屋になった気分でこの料理を作っていたのかと思うと笑える。
下の動画の主によると、60年代初めにバーリのアル・ソルソ・プレフェリートという店で考え出されたのだとか。その後長く忘れ去られていたのが、最近になって、人気ミステリーのタイトルに使われたりして再注目されたらしいです。


モンタルバノのプーリア版と言われているらしい。



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2020年11月19日木曜日

パンのようにふんわりでフォカッチャのように香ばしいパンフォカッチャ。そのパン粉は?

今月の「総合解説」2019年3/4月号P.3に登場した料理、“スカンピ、フィノッキオ、マッシュポテトの前菜”に登場したパンフォカッチャ。
にんにく、アンチョビ入りトマトソースに浸してからオーブンでカリカリに焼いてパン粉にし、これをスカンピにまぶして焼くという1品です。

最初はパンフォカッチャとな?
という素朴な疑問。
でも、調べてみたら、こちらのページのソニアさん(イタリアで一番閲覧されている料理サイトgiallo zafferanoの管理者)のようにパンとフォカッチャの中間のようなもの、という曖昧な意見しか見つからない。
どうやらパンのようにふわふわで、焼きたてのパンのようにこんがりと香ばしいもののようで、両者のいいとこ取りをしたパンだそうです。

まあいいか、と流そうとしたのですが、そこでパン粉の話を思い出しました。
世界で人気の日本のパン粉は、普通のパン粉を細かくしただけのもの、と思っていたのですが、そんな単純なものではなく、炎ではなく電気で焼くその製法に秘密がある唯一無二のものでした。
ひょっとしたら、パンフォカッチャもそんなパンなのか・・・。
いやいや、フォカッチャと同じ生地を小型のパンのサイズに丸めて焼いただけのパンだそうです。外がカリカリで中がふんわりしたパンというその特徴が、日本のパン粉に似ていると思わせたんだろうなあ。
パンフォカッチャ↓


フォカッチャ・ジェノヘーゼ↓



ジェノバのフォカッチャの一口目の香ばしさは衝撃的。
これを味わうためにジェノバまで行くレベル。
ジェノバのパン職人はフォカチャはただのパンじゃない、ジェノバ以外のフォカッチャはフォカッチャじゃないて言ってます。
自信もすごいけど、こだわりもすごい。

『パーネ・ピッツェ・フォカッチェ』

 


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スクオラ・ディ・クチーナ”シリーズ

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2020年11月18日水曜日

パン粉の深い世界。パンフォカッチャて何?

総合解説」2019年3/4月号の記事、“今月のリチェッタ”の前菜の2品めは(P.3)、
“スカンピ、フィノッキオ、マッシュポテトの前菜”です。
この料理も、素材の1つ1つに手をかけています。

スカンピは、かなり手の込んだパン粉をまぶして焼きます。
まず、にんにくとアンチョビ風味のトマトのパッサータに薄く切ったパンフォカッチャを浸し、これをオーブンでカリカリに焼いてからミキサーにかけてパン粉にします。

日本のパン粉は、世界中でパン粉pankoとして人気。
パン粉はイタリア語ではpangrattato。パン粉の衣をつけたものはimpanato/
インパナート。

でも、このパン粉は日本製とは言いにくい。何故というと、発明したのはロスのメーカーなんです。
pankoとはなにか、なぜ他のパン粉と違うのかをロスのパン粉メーカーと一緒に解明する動画↓
戦後の食糧事情やポルトガルからパンが伝わった歴史も含めて、すごく興味深い考察です。

そもそもパンとは何のことかから説明してます。
日本のパン粉はサクサク揚がるので人気だったようですが、
欧米のパン粉と日本のパン粉は何が違うのでしょうか。
その原因はパン粉用パンにあります。
熱ではなく電流で焼くpankoのパンは水分が飛んで耳のないパンになります。
色は全体に均一で白く、パンのニュートラルな風味も残ります。
そもそもパンを電気で焼いたのは、戦後の何もない時代に、配給品の小麦粉を食べるために戦車のバッテリーを使うことから考え出されたのだそうです。
ところがそうして焼くと、かなりクラムがサクサクのパンになったのでした。
動画ではパン粉に水分を吸わせて違いを見ていますが、pankoはかなり吸います。

実は、パンフォカッチャの説明なんて、小さなパンの形をしたフォカッチャ程度しか思いつかなかったのですが、パンの焼き方が違うだけで、パン粉がこんなに違うと知ったら、パンフォカッチャのパン粉も、無視できないかも、と思うようになりました。

ただ、子供の頃からpankoを食べて育った日本人には、大きな問題も。
星付きシェフが造った絶品コトレッタもパン粉が使われていると、あっという間にスーパーのお惣菜になってしまうのです。

パン粉の大ファンが、歴史的な発明品を家でローテクで作ってみる涙ぐましい動画↓



本人も語っているように、スーパーで安いパン粉買ったほうが早いて。
パンフォカッチャの話は次回に。

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総合解説
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2020年11月17日火曜日

ミニトマトのコンフィとブッラータの前菜

今日から「総合解説」は2019年3/4月号になります。
春の号です。春の訪れとセットになっているイタリアの一大イベントは復活祭。
最初の記事は『クチーナ・イタリアーナ』の3月号と4月号からリチェッタを訳しています。

3月号の前菜の1品目は、ブッラータ、生ハム、アスパラガス、ミニトマトの前菜(リチェッタはP.2)。
春を感じさせる美しい食材を盛り合わせただけのようですが、ミニトマトはオーブンで焼いて旨味を凝縮させたコンフィに、生ハムもオーブンで焼いてカリカリに、アスパラガスはクリームにと、手を加えていないのはブッラータだけ。
最終的にはなかなかの大作に仕上げます。
ミニトマトのコンフィPOMODORINI CONFIT↓
ミニトマトは色や形で遊べます。
春の食材、ミックスハーブのみじん切り、塩、砂糖を散らしてEVオリーブオイルをまわしかけ、160℃のオーブンで35~40分焼きます。


生ハムは、ちょっとした荒業でカリカリ生ハム/プロシュット・クロッカンテprociuto croccanteにします。

ブッラータやモッツァレラとミニトマトのコンフィは相性が良いらしく、リチェッタをちらほら見かけます。
ブッラータとミニトマトのコンフィのブルスケッタBruschette burrata e pomodorini confit


トマトのローストPOMODORI ARROSTI



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総合解説
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2020年11月16日月曜日

消滅しかけたライ麦を使うパン屋の3代目は勉強熱心。アルトアディジェで日本の梅酢がライ麦パンに使われてた。

そろそろ今月の「総合解説」も最後の記事です。
次号、2019年3/4月号は11/18発売予定です。
最後の記事は“ツェルテン”zeltenについて。


こんなイタリア料理もあるんですねー。
近所のスーパーの焼き立てパンの売り場に、毎年クリスマスの時期になると並ぶドイツの甘いパンに良く似ています。

アルト・アディジェのクリスマスの甘いパンです。
アルプス地方で年に2回だけ焼くライ麦粉入りの甘いパン。
zeltenの語源はドイツ語のseltenで、珍しい、という意味だそうです。
その時に手に入るものを使って作る古い農民料理で、リチェッタは谷ごとに違います。
イタリアのドイツ語圏と言えば、ボルツァーノを中心とする南ティロル。


ちょうど今頃の時期は魔法のような雰囲気に包まれる、ロマンチック街道の街のようなところですね。

この地方では普通にライ麦パンを食べているのかと思ったら、ライ麦の栽培は消滅しかかっていたのだそうです。
何しろ、代表的なライ麦パンが、このシューテルブロートschuttelbrot↓なので、イタリア人にはとっつきにくすぎる。


そんなライ麦を復活させたのがモリーノ・メラノ製粉所。
アルト・アディジェでライ麦パンを造っているパン屋は約40軒て、少なくない?

さらに、アルト・アディジェのパン屋でも注目なのが、ベンジャミン・プロファンテルさん↓。伝統を受け継ぐブレッサノーネのパン屋の3代目で、その一方でアルト・アディジェの100%無農薬パンのパイオニア。店のwebページはこちら


ドイツ語の会話の中に、突然梅酢という言葉がでてきてびっくり。海塩の代わりに使うんだって。
考え方が柔軟な若者ならではの発想だけど、それを受け入れる創業者のおじいちゃんも柔軟。

それでは今月号はこのへんで。
次号は地方料理多めです。

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2020年11月14日土曜日

グレース王妃はサヴィーニでマリア・カラスを待ちながらくグリッシーニを3袋平らげたんだって。

イタリア料理のABC、2品めはグリッシーニです。
2003年9月号の「総合解説」にはこんな話が載っていました。
トリノ生まれのグリッシーニ、ピエモンテの人が信じる美味しいグリッシーニの条件は、下の動画のように“stirati a mano/手で伸ばす”こと。

転がすのではなく、引きずりながら滑らせるのだそうです。
グリッシーニのリチェッタは「総合解説」2019年1/2月号P.28
トリノの手作りグリシーニは、ありきたりの味の大量生産品とはまったく違うものなんだそうですよ。
グリッシーニの美味しさを語るこんなエピソードもあります。
ある晩、モナコ王家の人々が、マリア・カラス、オナシスと一緒にミラノのサヴィーニで食事をしたころ、遅れているマリア・カラスを待つ間、グレース王妃はグリッシーニを3袋も平らげてしまったという。
VIP客から片時も目を離さなかった店のマネージャーの証言だって。
スカラ座のスターだったマリア・カラス↓

リソルジメントの最中の1850年に建立されたトリノのサヴォイア広場のオベリスクの土台には、写真はこちらトリノ市民が選んだ街のシンボルが埋められている。
当時の硬貨、米などの穀物の種、バルベーラ1本、そしてグリシーニが1箱だそうです。

1668年に、トリノで突然伝染病が発生した時は、カルロ・エマヌエーレ王が、清潔でよく火を通した二度焼きパンを造るように命じました。
すると、アントニオ・ブルネーロなる人物が、自分はまさにそのようなパンを開発中です、と声を上げました。
生地(ゲルセ)を1mほどに細長く伸ばすので、名前はゲルシーノだと言ったとか。

でも、もっと前の時代の記録も残っていて、1663年にパリで出版された伊仏辞典にグリッシーニという言葉が載っているそうです。
グリッシーニのバリエーションは無数。
ポッキーはちっちゃいグリッシーニだよね。



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総合解説

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2020年11月13日金曜日

イタリア料理のABC、コストレッタ・アッラ・ミラネーゼ

さてと、今日のお題はイタリア料理で最も愛されている肉料理、コストレッタ・アッラ・ミラネーゼです。
詳しいリチェッタは、「総合解説」2019年1/2月号P.27をご覧ください。
まずは伝統に忠実なコストレッタを出すお勧めの店、ミラノのトラットリア・デル・ヌオヴォ・マチェッロのコストレッタをどうぞ↓
この店は分厚い肉が適切に熟した時だけコストレッタを作り(熟成は最低2週間)、澄ましバターで揚げる。


「総合解説」06/07年10月号によると、
肉は、骨なしロース肉ならコトレッタcotoletta、骨付きリブロースならコストレッタcostolettaと呼ぶ。
子牛の肋骨の中央5本の部分が最適とされる。肉の厚みは伝統的には最低2cm、骨の幅と同じ厚さ。肉を叩いて平らにしてもよいが、適度な厚みを残すようにする。

パン粉は、セモリナ粉の食パンのもの。典型的なミラノ風にするなら、ミケッタをオーブンで軽く乾かしてクラムの部分だけを使う。
コストレッタは短時間で作る料理で、香ばしさが基本の要素。


かつてロンバルディアはオーストリア帝国の一部だったので、この料理はウインナーシュニッツェルのコピーだとする説は昔からあった。
その根拠となっているのがロンバルディアの独立運動を鎮圧した有名なラデツキー将軍が手紙に書き残したミラノのコトレッタのリチェッタだが、古い歴史の本によると、すでに12世紀にはミラノにこの料理があった。一方で、この時代より前にウインナーシュニッツェルがあったという文書は発見されていない。
いずれにせよ、食材の豪華さから、庶民の料理ではなかった。
ミラノでは、プレステージの高いレストランでゴージャスな気分で食べる料理。
ミラノで一斉を風靡したしカルロ・クラッコシェフ↓

カルロ・クラッコの本、「クールにしたいならエシャロットを使う。」でもコストレッタは詳しく解説されています。



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クールにしたいならエシャロットを使う。
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2020年11月12日木曜日

話がいきなり飛んだのは、D&Gの香水のせいです。

今日のお題はスクオラ・ディ・クチーナから、定番イタリア料理、コストレッタ・アッラ・ミラネーゼです。

イタリア料理の代表的な1品と言えるぐらい有名な料理なので、今更とも思うのですが、
イタリア料理の基礎を丁寧に教えてくれるジャッロ・ザッフェラーノの動画でもどうぞ。
ちなみに、ロンバルディア料理のコストレッタ・ミラネーゼを教えるのは、ロンバルディア出身のクラヴィオ・サドレルシェフ。

そうそう、出身といえば、最近やたら名前を聞くドルチェ・アンド・ガッバーナですが、この二人組イタリア人デザイナー、どちらかがシチリア出身なんです。
どっちでしょうね。
答えはドメニコ・ドルチェさん。
で、来月の「総合解説」には、ドルチェ・アンド・ガッバーナの二人の行きつけのパレルモのパスティッチェリーアの情報なんかがちらっと出てきます。
ドルチェ・アンド・ガッバーナの香水のPVもシチリアが舞台で濃いめのイケメンが大フューチャー。

シチリアをこんなにおしゃれに撮ったPV始めてみました。
モンタルバノ警部ぐらいの衝撃です。

コレクションのテーマがシチリアン・ソフィスティケーションですと!?↓
ひょっとして彼らのシチリア押しはおしゃれさんの間では常識?
シチリアはドルガバの聖地だった。



いけない、別世界に飛んでた。
コストレッタの話は気を取り直して次回に。

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総合解説
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2020年11月11日水曜日

ポレンタは北イタリアのスパゲッティかも。

ポレンタ・タラーニャの話が出たところで、今月の「総合解説」のポレンタの話に(P.25)。
ポレンタはアメリカ大陸発見前から存在した歴史の長い料理。
古代ローマ人は日常的にポレンタを食べていましたが、料理の名前はポレンタではなく、ランテ語で粥という意味の“プルスplus”と呼ばれていました。
使われたのはソラマメ、ひよこ豆、大麦、ファッロ、小麦などの粉。
熱くて柔らかくて腹持ちがよい料理ポレンタに、新大陸からのとうもろこしが使われて革命が起きます。

とうもろこしは勘違いからトルコの小麦brano trucoと呼ばれました。
そう言えば、そばは元トルコ領から伝わったのでサラセンの小麦grano saracenoと呼ばれました。

ポレンタは、粥からスタートして、ニョッキ、オーブン焼き、フリットなど、様々な形のアレンジが考え出されました。どんな食材とも組み合わせられる万能の料理だったのです。

粥状のソフトポレンタが最初のポレンタだとしたら、今月の「総合解説」2019年1/2月号P.25~の“ポレンタ”の記事で訳したリチェッタは、最新のリチェッタです。
それはポレンタがどんな食材とも相性が良く、粥からオーブン焼きまでどんな調理方法でも使えるという特性を活かした料理。

下にはソースを敷き、上には旬の食材をトッピングします。
アイデア次第で無限にできます。
ポレンタとカボチャのトッピング↓
ポイントはインスタントポレンタを使うことぐらい。

安くてボリューミーなポレンタの普及を妨げていたのは調理時間の長さ。
でも今は、短時間でできるインスタントポレンタが普及し、電子レンジを使う方法も広まってきた。
レンジで作るポレンタ↓

ポレンタの未来は明るい。

パスタが敬遠されがちな北イタリアのトレントで、トマトソースのスパゲッティという、一番敬遠されがちな料理にトライしたミシュラン2つ星のシェフがいました。
トレントのスプマンテ王、ルネッリ一族が経営するリストンテ、ロカンダ・マルゴン(店のwebページはこちら)のアルフィオ・ゲッツィシェフです。
ちなみにこの店の話は今月の「総合解説」のグランディ・ファミリアの記事(P.11)に出てきます。ゲッツィシェフのトマトソースのスパゲッティ↓

トマトは4種類使っているそうです。
そのほかにも、渾身の最新のテクニックを駆使した大作でした。
マルケージとベルトンの元で修行し、クチーナ・クレアティーバを作るシェフですが、地元のトレントを愛してその食材を使うのが彼の料理。
伝統的なポレンタも作りますが、必ずワンポイントを加えます。
例えばブラザートに添えるポレンタにはケッパーを加える。ジビエに添えるポレンタにはマリネ液にコーヒーやココアを加えるなど。
北イタリアのシェフのパスタは、逆に独創的。
スパゲッティとポレンタ、生き残るのはどっちだ。

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総合解説
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2020年11月10日火曜日

そば粉とチーズのビニェ、シャット。

そば粉のパスタ、ピッツォッケリの次はポレンタ・タラーニャも忘れずに、と思ったのですが、そうすると、イタリア料理の3大そば粉料理の最後の1品、シャットsciatt↓も外せなくなりました。

そば粉と小麦粉の衣でチーズを包んだビニェです。

シャットの女王と呼ばれるチチ・フランケッティのシャット↓
平らだったシャットを現在のコロコロのふんわりした形にした人。
ミシュラン1つ星のリストランテ、チェレーレのオーナー。
店のwebページはこちら
なくなった時はニュースになりました。

ヴァルテッリーナのカゼーラ


ヴァルテッリーナの料理はそば粉とチーズとバター、
という訳で、山のバター作りの動画をどうぞ


バターの型は地元の職人の技が詰まった木製。

シャットsciattのリチェッタは下の動画のものを訳してみます。

シャットの語源はヴァルテッリーナの方言でヒキガエルだって。
その姿が似ているからだそうです。

シャットsciatto
材料/
小麦粉・・150g
そば粉・・100g
熟成させていないカゼーラチーズ・・200g
塩・・15g、黒こしょう
グラッパ・・20g
冷えたビール・・250g
ガス入りミネラルウオーター・・70g
揚げ油用ピーナッツ油

・小麦粉、そば粉、塩、こしょうを混ぜる。
・次に液体の材料、ビール、水、グラッパを加える。水は調整用に少量残す。表面に艶のある均質の生地にする。
・チーズは外側を切り落として2~2.5cmの角切りにして生地に加え、よくあえる。
・約170℃に熱した油で1個ずつ揚げる。きれいな色がついたらシートに取って油をきる。
・チコリーノやラディッキオの千切りのビネグレッタがけ(ビネガー、塩、オリーブオイル、こしょう)を添えてサーブする。


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地方料理の本『イタリア・イン・クチーナ
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2020年11月9日月曜日

ポレンタ・タラーニャの食べ方が想像と違いすぎた。そもそもフォークで食べるんだ。

ヴァルテッリーナのピッツォッケリの話が出たら、もう1品、忘れたら可愛そうな料理があります。
ポレンタ・タラーニャ↓です。

どちらもヴァルテッリーナで生まれた料理。
ヒッツォッケリはそば粉のタリアテッレで、ポレンタ・タラーニャはそば粉ととうもろこしの粉のポレンタ。
そばは17世紀末に当時はトルコ領だった東ヨーロッパやバルカン半島(そのためにサラセンの麦と呼ばれた)から、ヴァルテッリーナやベルガモの渓谷に伝わりました。
そばは山の段々畑でも容易に栽培できて他の穀物より早く熟したので、19世紀前半に広まります。
つまり、食料が不足していた時代で、飢えた貧しい人々の大切な食糧だったのでした。
厳密にはイネ科の穀物ではなく、タデ科だそうで、グルテンが少ないのでパンには向いていません。
農民料理で色は黒ずんでいますが、山の美味しいバターやチーズを混ぜ込むと、なかなかのご馳走のポレンタになります。
タラーニャの語源はポレンタをかき混ぜるのに使う長い木の棒、タライtarai。
バターとチーズを加えるタイミングやかき混ぜ方が重要で、経験が必要な料理です。
ポレンタ・タラーニャの食べ方↓
想像してたのと違う!

フォークで食べる姿がちょっと衝撃的だったので、ポレンタ・タラーニャを食べる動画を色々探してみたら、みんなチーズの糸を引かせて食べてた!!
ちなみに、チーズは完全に溶かさないように混ぜます。
元々完全に溶けないチーズですが、チーズを加えて3、4回混ぜて出来上がり。

ヴァルテッリーナのチーズ

代表的なのはヴァルテッリーナ料理の99%に入っているビットvittoやシムディンscimudin。

とろけるチーズでも南と北ではかなり違う。

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総合解説
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2020年11月8日日曜日

ピッツォッケリの故郷、ヴァルテッリーナ。

乾麺のパスタには厳しい州、ロンバルディアのパスタの話をしてきました。 振り返ってみると、ロンバルディアのパスタの姿が、浮かび上がってきたのではないでしょうか。 今日は、最後に残ったけれど、触れないで通るわけにはいかないパスタ、ピッッォッケリPizzoccheriです。 ヴァルテッリーナ地方のソンドリオのテーリオ生まれのそば粉と小麦粉のタリアテッレ。

テーリオのピッツォッケリ↓

ピツォッケリのソースは、サボイキャベツとじゃがいもとチーズ、バター。
ヴァルテッリーナのPV

ヴァルテッリーナの伝統料理↓


ヴァルテッリーナは上質ワインの産地。ニーノ・ネグリのスフォルツァット・ディ・ヴァルテッリーナDOCGをテイスティングするソムリエ。



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2020年11月7日土曜日

クレモナのマルビーニはピエモンテとエミリア、両方の影響を受けたパスタ。

ロンバルディアのパスタ、今日はクレモナの詰め物入りパスタ、マルビーニmarbiniです。
クレモナはストラディバリを生んだバイオリンの街としても有名。



パスタの地方料理を集めた本、パスタ・フォルメ・デル・グラノ』によると、マルビーニはピエモンテとエミリア両方の影響を受けたパスタです。



クレモナ料理↓



定番は、“マルビーニ・アイ・トレ・ブローディmarubini ai tre brodi”。
雌鶏、去勢鶏、牛、豚、サラミなどから別々に取ったブロードの、最低3種類を混ぜたブロードでマルビーニをゆでます。
リチェッタからも分かる通り、クリスマスなどの特別な時に作るクレモナの農民のご馳走。
詰め物は牛や子牛肉のブラザート、豚肉、サルシッチャ、サルーミ、パン粉、チーズ、卵。
形は半月、円形、四角形など、家庭によって様々。
パスタは卵がたっぷり入る麺で、ピエモンテの四角いアニョロッティに似ている。
マルビーニ↓
トマトが入らないラグーをピエモンテ風パスタで包んだみたいなパスタ。

おまけの動画。
クレモナと言えばモスタルダ。



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パスタ・フォルメ・デル・グラノ
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2020年11月6日金曜日

マントバに霧の訪れを告げる料理、カボチャのトルテッリ。

きのう、ロンバルディアを代表するシェフとして紹介したエツィオ・サンティンシェフは、イタリアを代表するシェフなので、多くの本で取り上げられています。
パスタの革命を集めたユニークで力作の面白い本、

パスタ・レボリューションは、
この本ならではの独特の視点でサンティン家の料理を紹介しています。

トラットリアとして誕生して、次第にイタリアの一流レストランのシンボルにまでなった3つ星リストランテ、ダル・ペスカトーレ・ア・カンネート・スッローリオの名物料理の一つは、詰め物入り手打ちパスタの“カボチャのトルテッリtortelli di zucca”です。
店になぜパスタ・セッカのメニューがないのかを、エンツォの義理の娘でシェフのナディア・サンティーニはこう語っています。

シンプルでごく普通の材料を使って作るパスタ・セッカは、ありきたりの料理になりやすいのですが、特別な体験を期待して店にやって来るお客さまは、珍しい手に入りにくい食材を使った料理を期待しています。
夕食を家ではなく店で食べたい、と思う人のためにも、パスタ・セッカではなく、パスタ・フレスカを出したいのです。
パスタ・フレスカは店の顔で、シェフの感性も伝わる、と考えています、とナディア。
店ではナディアと姑のブルーナがパスタ・フレスカを造っている。
手でぎりぎりまで薄く伸ばした生地は表面がざらざらで、ソースがからみやすく、小麦粉の種類や卵の配合で詰め物をしても完璧に閉じるパスタになる。
トルテッリやパッパルデッレは素晴らしい技の集大成なのです。

ジョヴァンニ・サンティーニのサンティーニ家のカボチャのトルテッリ。↓
パスタマシン使ってるじゃないかい。

スローフードのオステリアの地方料理の本、


イタリア・イン・クチーナ』で、ナディアは、カボチャのトルテッリは夏が終わって霧が出始める秋への讃歌だと語っています。
マントヴァの真髄が込められた古い料理で、クリスマス・イブには欠かせない1品です。
店のカボャのトルテッリは、10年前に出版された本のリチェッタに、サンティーニ家のアレンジを加えたもの。

マントバ↓



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2020年11月5日木曜日

乾麺のパスタの伝統料理がないロンバルディアのグランシェフ、エツィオ・サンティンシェフのリガトーニ。

パヴィア料理の話をしたので、最後にロンバルディアのパスタの話で締めよう、と軽く感えて、ロンバルディアのパスタが思い浮かばず、心が折れかけました。
とりあえず、ディチェコの本、パスタ・ヴィアッジョ・イン・イタリア
は乾麺の地方料理がテーマの本だったことを思い出して、ロンバルディア州のページを読んでみました。
すると、ロンバルディアのページは、いきなり、difficile(難しい)という言葉で始まっていました。
ロンバルディアの11ある県を、一つの料理で語ることは難しい、と言うのです。
さらに、プリーモ・ピアットの主役の食材は米で、つまりリゾット。エミリア地方に近いマントヴァ以外は、パスタはマイナーな存在だそうです。
エミリア寄りになると、カソンセイcasonsei、マルビーニmarubini、ヴァルテッリーナ寄りだとピッツォッケリpizzoccheriなどがありますが、ロンバルディアを代表するパスタは、歴史的な料理書には登場しません。
でも、この本にはロンバルディアを代表するシェフの乾麺のパスタの料理が載っています。
アンティカ・オステリア・デル・ポンテの3つ星シェフ、エツィオ・サンティンの料理です。


珍しいその料理は“ブレーメの赤玉ねぎとビジェバノのいんげん豆のリガトーニ”Rigatoni al sugo di cipolle rosse di Breme e fagioli borlotti di Vigebano。

パスタはリガトーニ・ナポレターニ。
ナポリのパスタに玉ねぎのソースということは、バリバリナポリ料理、と思わせておいて北の食材いんげん豆も加えるというそのパスタは、どんな料理でしょう。
ブレーメの赤玉ねぎ↓
ブレーメはロンバルディア州、パヴィア県の小さな村。

ロンバルディアのグランシェフのリガトーニはなかなか貴重な料理。
リチェッタを訳してみます。
材料/4人分
リガトーニ・ナポレターニ・・320g
ブレーメの赤玉ねぎ・・400g
さやむきのヴェジェバノのいんげん豆(ボルロッティ)・・200g
熟成させたパンチェッタ・・80g
にんにく・・1かけ
ローズマリー・・小1枝
トマトソース・・大さじ1
バター・・20g
上質のEVオリーブオイル・・大さじ2
砂糖・・小さじ2
塩、粉唐辛子
パルミジャーノ
ブロード・・1カップ

・玉ねぎを薄切りにする。パンチェッタを細く切る。
・軽く塩を加えた湯でいんげん豆を弱火でゆでる。
にんにくを半分に切る。ローズマリーの葉を取って粗く刻む。
・パスタ用の湯が沸騰したら海塩の粗塩を加える。
・銅のソテーパンにオリーブオイル少々、半分に切ったにんにく、パンチェッタを入れて熱し、にんにくを取り除く。
a.玉ねぎを強火で炒めて塩と砂糖を加え、しんなりしたらトマトソース大さじ1をブロード1カップで溶いて加える。ローズマリーのみじん切りの半量、粉唐辛子少々を加えて数分熱し、いんげん豆を加える。必要ならブロードを足しながら玉ねぎが柔らかくなるまで煮て塩味を整える。
・パスタをゆでてaのソース、バター20gの小片、残りの油であえる。おろしたチーズでマンテカーレし、残りのローズマリーを散らしてすぐにサーブする。仕上げにオリーブオイルを回しかける。

最後にバターとチーズでマンテカーレするところは、さすがはロンバルディアのシェフ、
ロンバルディア料理の真髄も忘れていませんねー。


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パスタ・ヴィアッジョ・イン・イタリア
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2020年11月4日水曜日

ミラノで修行して、パヴィアで古代ローマの軍団が2千年前に造った道(ストラーダ・ヌオバ)に店を出したパティシエが考え出した大ヒットケーキ、トルタ・パラディーゾ。

パヴィア料理の話、最後はドルチェです。
パヴィアの有名なドルチェ、トルタ・パラディーゾtorta paradisoです。

天国のケーキというその名前は、貴族の得意客の女性が軽くてデリケートで食べると天国にいるようだとこう名付けた、と言う話が伝わっている。
すぐに人気になり、国外にもその名は伝わり、ロンバルデイアを代表するケーキになった。


1878年に、パヴィア中心部のパヴィア大学の正面のストラーダ・ヌオヴァにエンリコ・ヴィゴーニが出したパスティッチェリーア・ヴィゴーニで売り出したドルチェ。
このパイティッチェリーアは現在もあります。店のwebページはこちら

ストラーダ・ヌオヴァは、古代ローマ帝国の軍団が、2000年前に造った道です。
ストラーダ・ヌオヴァ↓

スローフードのスクオラ・ディ・クチーナの『ドルチ・ダ・フォルノ』のリチェッタは、
材料/
00番の小麦粉・・500g
片栗粉・・250g
ベーキングパウダー・・16g
卵・・4個
グラニュー糖・・300g
レモン・・1/2個
香りのよいリキュール・・大さじ2
バター・・200g、塩

a.バターと砂糖をじっくりホイップする。
・卵黄、レモン汁、リキュール、ベーキングパウダー、片栗粉、小麦粉、a、塩少々を加えてさっくり混ぜる。
・直径25cmの深い型(焼くと膨らむ)にバターを塗って小麦粉をまぶす。
・生地を流し入れ、180℃のオーブンで35分焼く。

※乾いた生地なので同じくロンバルディア産のマスカルポーネクリーム、ジャム、ジャンドゥイアクリーム、チョコレートなどが合う。



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ドルチ・ダ・フォルノ
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2020年11月3日火曜日

リグーリアの海の空気とポー河の平野の空気が混ざり合う場所でのみ作られるパヴィア(オルトレポー・パベーゼ)のサラミ、サラメ・ディ・ヴァルツィ。

パヴィア料理の話、今日のお題はランゴバルド族が伝えたサラミ、サラメ・ディ・ヴァルツィsalame di Varzi。


聞き慣れない名前ですが、ロンバルディアを代表するサラミです。 
イタリア料理と食材の百科辞典、1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』によると、

このサラミの産地で、どんぐりが豊富な森が広がるパヴィアのオルトレポー地域の平野に豚の飼育を広めたがランゴバルド族でした。
そもそも、この地域には、パヴィアとジェノバを結ぶ“塩の道via del Sale”が通っていました。
ヴァルツィは塩の道沿いにある中世の姿を残した街。
サラミの産地は、この地域の15のコムーネ限定。つまり、気候条件がかなり限定されているのです。
ジェノバの海の空気がポー河周辺の平野の空気と混ざり合う場所、というのがその条件です。
オルトレポーパヴェーゼと呼ばれるワインの産地としても有名。
ヴァルツィ↓

サラミの特徴は、細長い形、鮮やかな赤色、甘くてマイルドな味、熟成によって生まれる香ばしい香り。

サラミに合うワインはクロアティーナのボナルダ。

合うパンは翌日のミッコーネmiccone。

全然知らない街だと思ったけど、調べるとどんどん面白いものが出てきます。
次回に続きます。

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1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ
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2020年11月2日月曜日

コロンバの歴史、ロンバルディア版はアルボイーノ王が登場する歴史ドラマ。ヴェローナ版はヴェローナの製菓業の足跡を知る成功物語。

パヴィアのもう1つの歴史的料理、こんども王様が主役です。
その料理はパスクアのコロンバ。


王様はランゴバルドのアルボイーノ王です。
パヴィアはランゴバルドの王国の首都でしたもんね。
でも、コロンバはヴェローナのドルチェじゃなかったっけ。 
こちらのページによると、19世紀末にヴェローナで誕生した、とされています。
そのルーツはエジプトやギリシャの異教徒の甘いパン。
キリスト教の普及に伴って各地の習慣と混ざり合い、
19世後半にイーストが導入され、アーモンドやフルーツのカンディートなど材料もリッチになって、現在のヴェローナのパスクアのコロンバの原型の姿になります。
そして人気が出てどんどん普及し、やがてヴェローナの製菓業のアルティジャナーレ化や工業化を象徴するドルチェになりました。
と、これはヴェローナのコロンバの歴史。
これとは別に、コロンバはロンバルディアのドルチェだという説もあります。

アルボイーノとコロンバの話は有名なので、特に詳しい説明はありませんでした。
原文にあったのは、ただ、「アルボイーノ王をなだめたドルチェ」とだけです(「総合解説」2019年1/2月号P.39)。

パスクアのコロンバについては伝説がいくつか伝わっていますが、パヴィアに関する説は、
こちらのページによると、こんな話です。

アルボイーノ王はゲルマン民族のランゴバルド族の王。
ゲルマン民族は北からやってきてローマ帝国に侵入し、東ローマ帝国崩壊のきっかけとなった民族。
イタリアでは、蛮族barbariと呼ばれています。

netflixのドラマbarbari↓
グラディエーターを始めとして蛮族対ローマの戦いは、ドラマになる。

蛮族という呼び方からして、どんなに野蛮で残虐な民族なんだろう、と想像しちゃう。
パヴィアは東ゴート王国と東ローマ帝国の戦いの舞台になります。
そんな時代の西暦572年、アルボイーノ王に率いられた蛮族のランゴバルド族がパヴィアにやってきます。
パヴィアは街を要塞化してランゴバルドに抵抗します。
アルボイーノに街は包囲されますが、街は3年間耐えしのぎました。
こちらのページによると、
アルボイーノは他のゲルマン民族を虐殺したことや、妻に父親の骸骨で酒を飲ませようとしたなど、残虐な伝説が残されている人物。
最後は結局妻に暗殺されます。

虐殺した民族の王の娘、ロスムンダを妻にし、父親の骸骨で酒を飲ませようとした話はアルボイーノ王の残酷さを証明する話として有名。

そんな彼は、包囲戦の3年間で、伝説的な名馬だった愛馬も倒れ、パヴィアに対して、ボッコボコにしてやるぞこるあ、と、何度も脅しをかけていたそうです。
そんな激おこプンプンのおっかない王様に、パヴィアのある年老いたパン屋が、焼きたての香ばしいコロンバを差し出して、「明日はパスクアですよ。このドルチェが鳩の形をしているのは平和のシンボルだからです。お願いです。街をお救いください」
と話しかけたのです。
すると、愛馬が生き返るという奇跡がおきました。
翌日、彼は街に課した賠償金、宝石、12人の少女を受け取りに来ました。
すると少女の一人が、私の名はコロンバで、私の父は年老いたパン屋です。
残りの11人も王のためのコロンバです。と語りかけました。
これには王の心も溶かされ、少女たちをパヴィアから開放したそうです。
ふう、長い話でした。


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総合解説
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2020年11月1日日曜日

フランス王フランソワ1世はイタリアに攻め込んでイタリアにはまり、ダ・ヴィンチをフランスに呼び、ズッパ・パヴェーゼを宮廷に伝えた。

パヴィア料理の話、前回はパヴィアの背景などについて話しましたが、今日のお題はパヴィアで一番有名な料理、いや世界的に有名なロンバルディア料理、ズッパ・パヴェーゼzuppa alla pavese↓ です。


パンと生卵のスープという、素朴でシンプルなこの料理が、なぜ街のシンボルと思われるほどの名物料理になったかというと、この料理には、とてもステキな歴史があったのです。
しかも登場人物はフランス王。

舞台は1525年のパヴィアの戦い。
イタリアの覇権をめぐるイタリア戦争の最中、スペインの神聖ローマ帝国皇帝のカール5世はミラノを占領して、パヴィアまで南下します。そういえば、パヴィアはミラノの真南30kmの距離。戦う相手はフランス王のフランソワ1世が直接指揮するフランス軍。パヴィアの郊外で両軍がぶつかりました。
戦いはカール5世の勝利、フランソワ1世は捕虜になってしまいます。

捕虜になった隣国の王様のために、農家の女将さんが食事を作るように命じられ、ありあわせの食材で作ったのが、この、固くなったパンに生卵をのせて鶏のブロードとパルミジャーノをかけたスープです。
再現ドラマはこちら
捕虜の身によほど染みたのか、フランソワ1世は、フランスに戻った後、フランスの宮廷にこの料理を伝えたのでした。
フランソワ1世というのはイタリアの芸術に触れてすっかり虜になった人で、イタリア料理にはまる外国人の中でもとびきりのセレブだったのでした。
こんな話を聞いて、イタリア人が自慢しないわけがなく、この料理はパヴィアの誇りとなったのでした。ズッパ・アッラ・パヴェーゼZuppa alla pavese

・好みのパンをスライスし、器に合わせて切る。
・バターでこんがり焼き、器に入れる。
・その上に生卵を崩さないように割り入れ、沸騰したブロード・ディ・カルネを直接黄身にかけないで脇に注ぎ入れる。
・パンを加え、おろしたグラナ・パダーノをたっぷりかける。
・サーブする5分前に作る。

地方料理のおすすめ本、イタリア・イン・クチーナ


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イタリア・イン・クチーナ
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スカンピのスパゲッティはベネチアでは新しい料理。

今日のお題は甲殻類のリチェッタです。 まずは、足を踏み入れる前から美味しい甲殻類の予感が押し寄せる街、ベネチア。 アドリア海の漁↓ きのう、アドリア海はスカンピが美味しいと書いたので、まずはスカンピのパスタから。 ベネチア料理の本、“グイド・トンマージの地方料理シリーズの”『 ク...