2020年11月16日月曜日

消滅しかけたライ麦を使うパン屋の3代目は勉強熱心。アルトアディジェで日本の梅酢がライ麦パンに使われてた。

そろそろ今月の「総合解説」も最後の記事です。
次号、2019年3/4月号は11/18発売予定です。
最後の記事は“ツェルテン”zeltenについて。


こんなイタリア料理もあるんですねー。
近所のスーパーの焼き立てパンの売り場に、毎年クリスマスの時期になると並ぶドイツの甘いパンに良く似ています。

アルト・アディジェのクリスマスの甘いパンです。
アルプス地方で年に2回だけ焼くライ麦粉入りの甘いパン。
zeltenの語源はドイツ語のseltenで、珍しい、という意味だそうです。
その時に手に入るものを使って作る古い農民料理で、リチェッタは谷ごとに違います。
イタリアのドイツ語圏と言えば、ボルツァーノを中心とする南ティロル。


ちょうど今頃の時期は魔法のような雰囲気に包まれる、ロマンチック街道の街のようなところですね。

この地方では普通にライ麦パンを食べているのかと思ったら、ライ麦の栽培は消滅しかかっていたのだそうです。
何しろ、代表的なライ麦パンが、このシューテルブロートschuttelbrot↓なので、イタリア人にはとっつきにくすぎる。


そんなライ麦を復活させたのがモリーノ・メラノ製粉所。
アルト・アディジェでライ麦パンを造っているパン屋は約40軒て、少なくない?

さらに、アルト・アディジェのパン屋でも注目なのが、ベンジャミン・プロファンテルさん↓。伝統を受け継ぐブレッサノーネのパン屋の3代目で、その一方でアルト・アディジェの100%無農薬パンのパイオニア。店のwebページはこちら


ドイツ語の会話の中に、突然梅酢という言葉がでてきてびっくり。海塩の代わりに使うんだって。
考え方が柔軟な若者ならではの発想だけど、それを受け入れる創業者のおじいちゃんも柔軟。

それでは今月号はこのへんで。
次号は地方料理多めです。

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