2020年11月26日木曜日

モデナのおばちゃんは、ランブルスコの消せない染みができたら洗ってお陽さまにあてて干せば、太陽が染みを食べてくれるよ、って教える。

サルーミの盛り合わせは店で買ってきて並べるだけの前菜。
なので要求されるのは、商品の善し悪しを見極める目と店を選ぶ情報力。
生ハムやサラミを売る店はsalumeria/サルメリーアと言う。
モデナには、ある一族が長く経営する有名店がある。
ヨーロッパ最古のサルメリーアとして知られる、ジュスティだ(創業1605年)
店の奥の部屋ではオーソドックスな伝統料理を味わうこともできる(夜は予約のみ)
Giusti↓

こういう老舗の情報は母親が娘へと伝えてきたんだろうなあ。
そう言えば、イタリア人の親戚のおばちゃんが若い姪に教えているみたいな面白い本があります。
その名も『マンマミーア』。
トルタ・フリッタのリチェッタもありました。
どうやらイタリアのお嫁さんが姑から最初に教わる前菜の1品のようです。
こんなことが書いてありました。

「トルタ・フリッタの生地を伸ばす時、ピエラおばさんはいつもこう言いました。
生地はいつも覆っておかないといけないよ。
1枚ずつ覆いを外してひし形に切るんだよ。
でないと皮ができて固くなってしまうからね。
こうなると、揚げても膨らまないよ。
表面に気泡ができることもあるからね。
硬いトルタ・フリッタなんて、誰が食べるんだい?」

次のページには、
「テーブルクロスに消えない染みができたら、洗って広げて天日に当てて干すんだよ。
こうすると、太陽が染みを食べてくれるからね」
だって。

さらにその下にはランブルスコをグラスに注いでいる写真。
ランブルスコは地元(バルマ、モデナ、レッジョ・エミリア)では、ジモティみたいなワインと言われている。
香りが強くてアルコール度は低く、活発な泡があり、エミリア地方のサルーミや料理によく合う。
モデナはぶどうの果汁を酢酸菌で酢酸発酵させて造るバルサミコ酢で有名だが、
ぶどうの果汁の糖分を酵母がゆっくりアルコールと炭酸ガスに分解してできるのがランブルスコ↓

それでは、マンマミーアからトルタ・フリッタtorta frittaのリチェッタをどうぞ。

材料/
00番の小麦粉・・500g
揚げ油用ラード、塩

・小麦粉をフォンタナに盛り、中央に塩と湯適量を入れてこねて均質の生地にする。
・厚さ3mmに伸ばし、大きすぎないひし形に切る。
・ラードを強火で溶かし、沸騰しだしたら生地を揚げる。
・焼色がついたら取り出して油を切り、熱々をサーブする。


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