2023年11月30日木曜日

ジャンクフードから決別した街、ブラ。

今月のグルメ旅はスローフードの発祥地、ブラです。
ファーストフードやジャンクフードとは決別したブラの食文化からは、未来の食の姿も見えてきます。

スローフードとブラを紹介するスペイン語の動画。
世界中から注目されている街です。動画でも紹介されているとおり、サルシッチャはこの町の名物です。


ピエモンテのファッソーネ牛と豚肉のミックスのブラのサルシッチャ。子牛肉のサルシッチャとも呼ばれています。
googleはブラをブラジャーと訳すので、日本語に翻訳すると変態的になる。可哀そうに・・・。


ブラのサルシッチャのピッツァ。ブラの人気店で隣の工房で毎日サルシッチャを造っているマチェッレリア・ダ・マシーノ。

ブラのサルシッチャとポロネギのタヤリン。ブラのサルシッチャのラグーのタヤリンの日本語のリチェタは、(CIR9月号P.37)。タヤリンはピエモンテの卵黄がたっぷり入るタリエリーニ。

ブラはチーズフェスティバルでも有名。南イタリアのシンボル、ポドリコ牛のミルクのカチョカバッロなんかもありますね。ただ珍しいチーズというだけでなく、チーズ作りの文化を途絶えさせないように努力している世界中の作り手たちが集合しています。羊飼いが羊を移牧させながら作るチーズは、今や多様性と住民の自然保護への取り組みの象徴です。


スローフードの理念を学べるポッレンツォ食科学大学(スローフード大学)。


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2023年11月29日水曜日

赤ずきんやゴブリンに出会えそうな場所、ロエーロ。

今月のグルメ旅は、ピエモンテのブラです(P.36~)。
ブラbra。

スローフード発祥の地として、グルメにはよく知られた町です。
この地方は赤ずきんちゃんが住んでいそうな、おとぎ話の世界
のようだと感じていたのですが、今月の『サーレ・エ・ペペ』の記事によると、魔女とゴブリンも住んでいそうな場所だそうですよ。
ちなみに、イタリアは魔女の国として知られています。

赤ずきんとゴブリンに出会いそうな地方の名は、ロエーロRoelo。


ピエモンテの郊外は美食に満ちている。



スローフードの理念は、ファーストフードに対抗するもの、という単純なことだけではない。スローフード運動とは、生産者、歴史、環境を尊重した味が食物の価値だとする運動で、ピエモンテの森にいると、そのことを強く感じる。バローロの産地でもあるこの地方の豊かな食文化と人々の暮しから生まれたもので、この地方を知ることで、スローフードとは何かという答えが分かるかもしれない。

この地方は、エノトゥーリズモと呼ばれる国際的なワインと美食の観光の中心地。


ピエモンテのワインや特産物には、イタリアの地の地方とは明確に違う背景があります。


B級グルメではなく、もっと根本にあるものを評価する人々が暮らす地方です。



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2023年11月28日火曜日

セナトーレ・カッぺリのパン。

イタリアが誇る硬質小麦、セナトーレ・カッぺリの話が続いていますが、今日は、
ローマピッツァの巨匠、ガブリエレ・ボンチのイタリア各地のパンの本、『ピッツァ・ヒーロー

から、セナトーレ・カッぺリのパンのリチェッタを訳してみます。
彼はセナトーレ・カッペッリについて、シチリアの章にこう書いています。
「私のかまどには、セナトーレ・カッぺリのパンを欠かしたことがない。
シチリアはセナトーリ・カッペリの最大の産地だ。
この小麦には独特の風味がある」

セナトーレ・カッぺリは有機栽培されて石臼で挽いて粉にする。

「20世紀初めに、遺伝子学者で農民の二コラ・ストランペッリが生み出し、彼の研究に畑を提供したイタリア議会の上院議員(セナトーレ)、ラファエレ・カッペッリに捧げた硬質小麦だ」
 パーネ・ディ・セナトーレ・カッペリPane di Senatore Cappelli
材料/
セナトーレ・カッペリの小麦粉・・1㎏
水・・700ml
天然酵母・・200g
塩・・10g

・作り方は一般のパンと同様。
・材料をこねて冷蔵庫で24時間発酵させる。
・成形したら最高温で10分焼き、
・160℃に下げて1時間焼く。

ボンチの硬質小麦のパン。

ボンチの天然酵母。


セナトーレ・カッぺリの全粒粉パン。


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2023年11月27日月曜日

パスタにパン小麦は欠かせない生活をしてるけど、小麦畑ってあまり見たことないかも。

2021年3月号に続き、2021年9月号でも取り上げられた、イタリアが誇るメイド・イン・イタリーの食材、硬質小麦、セナトーレ・カッペッリ。この2回の記事をまとめると、この小麦は生物多様性の象徴で、多くの小麦の父親となった古代小麦であることが浮かび上がってきます。個性的で香りが持続し、パスタやパンになった時の味の評価がとても高くヘルシーな硬質小麦です。イタリア全国で、特に中部と南部、バジリカータを中心に約7000haで最新の方法で栽培されています。
種まきの時期は11月初めと遅い品種。穂の高さは170㎝程度に成長します。

背が高い古代小麦の穂は風などで倒れやすいため、背が低い品種が創り出されるようになります。現代の農業に合わせて品種改良された小麦が出回ると、次に起きたのが素朴で丈夫でヘルシーな小麦、古代小麦への回顧です。


背が低い品種が主流になると、小麦畑の姿も変わりました。たわわに小麦が実った小麦畑の
姿は、イタリアのイメージそのものです。


昔からのDNAが混じらないように細心の注意で有機栽培される小麦、セナトーレ・カッペッリ。

『グラディエーター』の聖地、トスカーナの小麦畑。

金色の小麦畑。


イタリアのパスタ用小麦粉は主にウクライナやロシアから輸入されていましたが、最近の国際情勢により、大手パスタメーカーが国産小麦粉に切り替えて、国産小麦粉の需要が増えています。


セナトーレ・カッペッリのパスタ。

パスタメーカーにとってセナトーレ・カッペッリのパスタはプライドの塊、パスタの最高峰。ブロンズのダイスを通して成形され、たんぱく質が多いので、時間をかけてゆっくり乾燥させます。


ムリーノ・ヴァル・ドルチャMulino Val d'Orciaの有機栽培のセナトーレ・カッペッリのピチ。


リミニのパスタメーカー、Ghigiのセナトーレ・カペッリのパスタシリーズ、“スタジョー二”


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2023年11月25日土曜日

イタリアが誇る硬質小麦、セナトーレ・カッペッリ。

今日のお題はイタリアが誇る硬質小麦、セナトーレ・カッペリです。
実は、この小麦については(CIR3月号)でも取り上げていて、イタリアでも注目度の高い、愛された誇り高い小麦であることがよくわかります。(CIR9月号)の記事の日本語訳はP.34~。

セナレート・カッぺリの歴史は、多分教科書に載るレベルで国中に広まり、みんな知っています。



セナトーレ・カッぺリは生産性が高いことから、イタリアで最も多く栽培されている古代小麦の硬質小麦。
1915年にナザレノ・ストラペッリと言う農民が小麦を選別して作りだした小麦。
普通、新しい品種には作った本人の名前を付けるのが通例ですが、セナトーレ・カッペッリという名前に、彼の痕跡はありません。セナトーレとは上院議員のこと。カッぺリ上院議員は何をした人かというと、プーリアに所有する土地を研究のために提供した人物でした。
70年代までは、イタリア国内で最も多く栽培されている硬質小麦でしたが、例によって、近代的な大規模栽培に適した品種が主流になって、栽培量が減少します。
この危機を脱するきっかけとなったのが、専門機関が確認した遺伝子検査。古代の遺伝子が100%受け継がれていたのです。他品種と交配することなく、純粋な品種として多くの他の硬質小麦の父親となったのです。
他の品種とは十分離して栽培され、 脱穀も別に行い、畑を人工衛星によって5日ごとにモニターし、最大限のトレーサビリティーと品質管理を行いながら栽培されています。肥料や殺虫剤も使わなしいので、環境への影響は最低限で持続可能。有機栽培をするには素朴な環境の維持も必要です。
しかも素朴な品種のセナトーレ・カッぺリは、高温、乾燥、大雨などの環境のストレスにあまり敏感でないので、環境に左右されにくいのです。異常気候が続く昨今では、まさに奇跡のような小麦です。
遺伝子以外にも、科学的な根拠で明らかになったのが、高度に精製していないので、微量栄養素や食物繊維を含みながら、全ての人に消化しやすい、グルテンに敏感なセリアック病の人でも典型的な症状なしで受け入れることができる、ということ。
まさに奇跡の小麦でした。

次回はセナトーレ・カッペッリの栽培について。


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2023年11月24日金曜日

EUで唯一のIGPのきのこ、ボルゴタロのポルチーニ。イタリア地方料理書の特別価格販売のご案内。

今日のお題は。(CIR9月号)から、“ボルゴタロのポルチーニ”です。

北から南まで、イタリアはキノコに恵まれた国です。
中でもポルチーニの産地として有名なのが、パルマ県とマッサ・カッラーラ県の間の広大な森林地帯。アペニン山脈の尾根に達し、標高1800mのモンテ・ビエに接するマルケが誇るメイド・イン・イタリーを代表するきのこ、ポルチーニの産地です。
ボルゴタロBorgotaro。

ボルゴタロのポルチーニはEUで唯一のIGP製品。
ポルチーニの収穫祭が行われるボルゴタロでは、ポルチーニの季節になると、住民のテンションもちょっとおかしくなる。

ボルゴタロの収穫祭。ポルチーニ好きなら一度は行って、食べてみたい。


2023年11月のポルチーニ。よく似た形の有毒のキノコも多いので、キノコ狩りには必ずエキスパートと一緒にいくこと。



今日は突然ですが業務連絡があります。
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2023年11月22日水曜日

シチリアとフランスのブリオッシュの違いはお団子がのってるかどうか。食べ方にも作り方にもちょっとしたお作法が。

今日のお題は、訳していた時は灼熱の夏だったのに、秋を飛び越えて、今や寒くて凍える冬になってしまい、ちょっと季節外れ感があるシチリアのスペチャリタ、お団子付きブリオッシュbrioscia col tuppoブリオッシャ・コル・トゥッポです。日本語のリチェッタは(CIR1/9月号P.32)
グラニータを添えて朝食に食べます。

シチリアン・ブリオッシュ。

フレンチ・ブリオッシュ。

ブリオッシュと言えば、普通はフランスのパン。シチリアのブリオッシュとフランスのブリオッシュの大きなよく分かる違いは、上に乗っかったお団子。
お団子はフランス語ではtuppoやtoupinやtoupetと呼びます。
言い伝えによると、無名の料理人が女性のお団子からインスピレーションを受けて作りだしたんだとか。

シチリアのお団子付きブリオッシュには食べ方のお作法があります。

ブリオッシュは焼き立てのまだ熱いブリオッシュ。これの造り方も、ただ丸めた生地を雪だるま風にのせて焼くのではなく、ちょっとした工夫があります。(CIR)では詳しい料理過程の写真付きで訳しています。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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2023年11月21日火曜日

唐辛子のことなら、メキシコ人に任せた方がいいかも。メキシコとルイジアナの組み合わせから生まれたスモーク唐辛子パウダーの最終形態、チポトレ。

昨日に続き、今日のお題は(CIR9月号)のリチェッタ、パスタ・ビッカンテ。
唐辛子系のソースのパスタだというは分かりますよね。
でも、リチェッタを訳していて、聞いたことのない言葉に出会いました。
chipotleです。
料理は“ヘーゼルナッツバターと車エビのチポレ風のリングイーネLinguine con burro di nocciole e mazzancolle al chipotle”。
イタリアで唐辛子と言えばカラブリア。カラブリア訛りの辛~い食材だったとしても不思議ではないですが、これはイタリア語でもカラブリア訛りでもありません。チポレと発音するんですね。ありがとうきんにくん。メキシコ系レストランのチェーン店だそうで、これがパスタとどう関係するのか、謎すぎる。


どうやらロボット技術を駆使してレストランを経営しているようです。
基本はファーストフード。
短期間で世界的な規模で成功しているようです。しらんけど。

チポレの造り方、という動画によると、唐辛子のソース。唐辛子を半分に切って種を取り、スモークしてます。

メキシコの唐辛子の調味料と言えば、タバスコ。下の動画によるとチポレはメキシコとルイジアナが出会って生まれた。唐辛子ソースの最終形態か。



メキシコのお母さんが作るチポトレソース。さすがに何言ってるのか全然わかんない。

さすがにチポレ風味のパスタソースのリチェッタは、youtubeにもまだ全然上がってません。多分、訳したヘーゼルナッツバターと車エビのリングイーネは、かなり画期的なリチッタ。
世界中で、なんと発音するのかもまだ知られてません。


メキシコ発のスモークチリソース、チポレ、またはチポトレ。
今後広がるでしょうか。
スモークチリパウダーと言えば、パプリカ。

パプリカを使ったパスタ・ビッカンテのリチェッタは(CIR9月号P.26/ほうれん草のペーストとパブリカ風味のパン粉のスパゲッティ・アッラ・キタッラ)。パーネ・プリエーゼのパンのクラムを砕いてアーモンドとパプリカ、新ほうれん草を加えたソースです。

なぜか口の中が辛くなってきました。チョコレート食べたいかも・・・。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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2023年11月20日月曜日

パスタ・ピッカンテ、唐辛子ならカラブリア。

今日のお題はパスタ・ビッカンテですpaste piccanti。
つまり辛いパスタと言うか、イタリアの辛い食材入りのパスタ。
日本語のリチェッタは(CIR9月号)P.24~。
まず最初の辛い食材は、サルシッチャ・ビッカンテ。
つまり唐辛子入りのサルシッチャのこと。カラブリアのサルシッチャの別名でもあります。
サルシッチャ・ビッカンテsalsicce piccanti
材料/
豚挽肉・・3㎏
塩・・60g
こしょう・・1g
硝石・・少々
粉唐辛子・・150g
赤ワイン・・1カップ
粒したにんにく・・2かけ


・潰したにんにくをガーゼに包んで赤ワインに浸す(好みで)。ワインを加えるのはこの地域の習慣。
・スパイス類を混ぜて挽肉に混ぜ込み、ワインを加えてしっかり練り込む。
・これを腸詰にする。
確かに下の動画はワインは加えていませんが、水とフェンネルシード入り。

この動画では挽肉に 塩、フェンネルシード、唐辛子、水を3~4回に分けて20分かけて練り込んでいます。人によって大分違うんですね。

で、カラブリアの辛いサルシッチャと言えば、ランドゥーヤLa Nduja di Calabriaです。

イタリアで唐辛子と言えば、カラブリア。
食物の保存方法に、塩漬けより天日干しのほうが普及した、太陽に愛された地方です。
まずは基本のランドゥーヤ。
次回は唐辛子です。
今回のリチェッタは、“サルシッチャ・ピッカンテのラグーのタコとイカ墨のスパゲッティ”に、“カリフラワーとランドューヤのラグーのマッケローニ・アル・フェレット”と、かなりひねりを利かせてますねー。

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2023年11月18日土曜日

カチョカバッロを知るとモルタデラが分かる。モルタデラのパスタ・フィラータ製法は暑い南イタリアの必然から生まれた製法。

今日のお題はカチョカバッロです。(CIR9月号)の記事“カチョカバッロ(P.20)”によると、カチョカバッロはトルコのチーズ、カシュカヴァルに似ているんだそうです。

トルコのチーズの製造風景。形が似ているのではなく、製造方法が似ている。それにしてもトルコのチーズはイタリア南部のチーズによく似てます。

カチョカバッロはアペニン山地南部の典型的なチーズで、細菌汚染の危険がある暑い地方でパスタ・フィラータの製法で造られるチーズ。
このチーズのポイントはパスタ・フィラータpasta filataと呼ばれる製法。暑い地方ならではの必然から生まれたチーズなんですね。
凝固したチーズを約180℃の熱湯に入れると、脂肪が溶けて糸を引き、層を作ります。生地が冷めて固まり、カチョカバッロの場合は2個ずつ紐で結んで、棒にかけて吊るすと重力のおかげで伸びる。
filaturaフィラトゥーラ。

カチョカバッロcaciocavallo。

プーリアのカチョカバッロ・ポドリコ。


始めてプーリアに行った時はブッラータを体験したかったけど、今はカチョカバッロです。もちろんブッラータもパスタ・フィラータのチーズがベース。
ガルガ―ノ地方のカチョカバッロ・ポドリコ・ダウノは放牧地の牧草の香りが感じられ、山羊のカードのチーズには辛さがあり、素朴なタイプは子羊や子ヤギ肉、なす、アーティチョーク、カルドンによく合う。

カチョカバッロ・イルピーノ・ディ・グロッタcaciocavallo Irpino di grotta。
石灰岩の洞窟で熟成させるカチョカバッロ。加熱したバターのような風味、後味に塩味や辛味がある。

次はパッローネ・ディ・グラビーナ・セミスタジョナートpallone di gravina semistagionato。
かすかに草の風味と辛味があるプーリアのムルジェ地方のセミハードチーズ。

作るのが難しくて、たった4軒しか作り手がいないチーズ。この動画はその中の1軒、アルタムーラの中心部にあるカゼイフィーチョ・ディチェッカのもの。
このチーズに合うワインはエレガントで適度なタンニンのネロ・ディ・トロイアだそうです。タンニンがこのワインの特徴の一つ。
ネロ・ディ・トロイアNero di Troia



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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

ゴールデンウイークにイタリアに行く人たち、いいなあ、なんて思いながら、情報だけはどんどん入ってくるので、今年もせめて動画でバーチャルツアーしましょうか。 今年はミラノガイドのカリスマが、新しい本を出したので、その中からミラノのお店をいくつかどうぞ。 まずは老舗のパスティッチェリー...