2023年11月25日土曜日

イタリアが誇る硬質小麦、セナトーレ・カッペッリ。

今日のお題はイタリアが誇る硬質小麦、セナトーレ・カッペリです。
実は、この小麦については(CIR3月号)でも取り上げていて、イタリアでも注目度の高い、愛された誇り高い小麦であることがよくわかります。(CIR9月号)の記事の日本語訳はP.34~。

セナレート・カッぺリの歴史は、多分教科書に載るレベルで国中に広まり、みんな知っています。



セナトーレ・カッぺリは生産性が高いことから、イタリアで最も多く栽培されている古代小麦の硬質小麦。
1915年にナザレノ・ストラペッリと言う農民が小麦を選別して作りだした小麦。
普通、新しい品種には作った本人の名前を付けるのが通例ですが、セナトーレ・カッペッリという名前に、彼の痕跡はありません。セナトーレとは上院議員のこと。カッぺリ上院議員は何をした人かというと、プーリアに所有する土地を研究のために提供した人物でした。
70年代までは、イタリア国内で最も多く栽培されている硬質小麦でしたが、例によって、近代的な大規模栽培に適した品種が主流になって、栽培量が減少します。
この危機を脱するきっかけとなったのが、専門機関が確認した遺伝子検査。古代の遺伝子が100%受け継がれていたのです。他品種と交配することなく、純粋な品種として多くの他の硬質小麦の父親となったのです。
他の品種とは十分離して栽培され、 脱穀も別に行い、畑を人工衛星によって5日ごとにモニターし、最大限のトレーサビリティーと品質管理を行いながら栽培されています。肥料や殺虫剤も使わなしいので、環境への影響は最低限で持続可能。有機栽培をするには素朴な環境の維持も必要です。
しかも素朴な品種のセナトーレ・カッぺリは、高温、乾燥、大雨などの環境のストレスにあまり敏感でないので、環境に左右されにくいのです。異常気候が続く昨今では、まさに奇跡のような小麦です。
遺伝子以外にも、科学的な根拠で明らかになったのが、高度に精製していないので、微量栄養素や食物繊維を含みながら、全ての人に消化しやすい、グルテンに敏感なセリアック病の人でも典型的な症状なしで受け入れることができる、ということ。
まさに奇跡の小麦でした。

次回はセナトーレ・カッペッリの栽培について。


=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

0 件のコメント:

ブッラータはプーリア以外の地方の定番料理にもよく合います。コクとフレッシュさが同時にあるこのチーズは、成功するマーケティングを研究した魔法使いが生み出したようなチーズ。

今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の食材の記事は、“ブッラータとモッツァレラ”。 リチェッタも数品紹介されています。 1品目はブッラータのジェラート。 純白のジェラートで、見た目はとても美しいのですが、残念ながらブッラータのジェラートの動画は見つからなかったの...