2023年11月16日木曜日

イタリアのパニーノはイギリスのサンドイッチやスペインのボガディ―ジョとは違うのだそうです。この自信、どこから来るかと言うと・・・。

質素なものほど人気があるイタリアの地方料理。素朴で質素な料理をランクアップさせる秘訣は食材に徹底的にこだわること。
アルティジャナーレの精神が行き渡っていて、スローフード運動が生まれるような国はたとえそれがパニーノでも、徹底しています。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ9月号)

の“モルタデッラ、リコッタ、ピスタチオのパニーノ”の記事(日本語訳はP.22)は、そのこだわりぶりがよくわかるような記事でした。
まず、イタリア人のプライドが伝わってくる一文
「イタリアのパニーノは、イギリスのサンドイッチやスペインのボガディ―ジョとは違う」
と最初から自信満々に言い切っています。
その違いは具だそうですよ。

ニューヨークのパニーニ。
確かにイタリア移民が作ったり、イタリアから取り寄せる具のバリエーションの豊富さは、素晴らしい。

イギリスのサンドイッチはそもそもカードしながら片手で食べるという縛りがある時点でパニーニにはかなわない。ハムとチーズが一般的な具。

サンドイッチの歴史。パンをトーストするようになり、サンドイッチの中心はイギリスからアメリカへ。さらにオフィス労働者のランチの主流になって大ヒット。

スペインではボカディ―ジョと呼びます。



これはパニーニにとても近く感じます。
記事では、イタリアのパニーニの強みは具だと言っています。つまり生ハムやサラミなど、サルーミと総称される肉の加工品です。
アルプス山脈からシチリアのイブレイ山脈までの間でヨーロッパのサルーミの50%が造られているそうです。
これはつまりイタリアでヨーロッパのほとんどのサルーミが造られている、ということですね。

イタリアのサルーミは代々受け継がれてきた芸術品。

サルーミ・イタリアーニ。


サルーミ造に適した気候のイタリアでは、チーズ作りの副産物を餌に各農家では豚を育てました。豚肉を捌いて加工する専門の職人が現れ、冬の豚を捌く季節になるとイタリア中の農家に出稼ぎに行きました。

イタリア産サルーミの試食会。動画を見る前にワインの準備を。

サルーミの話、次回に続く。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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