きょうの料理は冬野菜のラザーニャのパスティッチョ(リチェッタは今月のCIR、P.5)。
パスティッチョpasticcioというのは、ラザーニャやパイのような、生地と具とベシャメルを重ねてオーブンで焼く、ムサカのような料理です。
古代ローマ時代のリチェッタも残っていますが、基本的に、北部を除くイタリア全域に広まったバリエーション豊富で豪華でボリュームのあるパーティー料理です。
今月のリチェッタでは、冬野菜の具で造っています。
イタリアの冬野菜とは、どんなものがあるのでしょうか。
冬の畑に育つ野菜↓
リチェッタに使われている野菜は、
スイスチャードcoste colorate、カリフラワーcavolfiore、ロマネスコvroccolo romanesco、カルドンcardo、チーメ・ディ・ラパcipe di rapa、アーティチョークcarciofi、ポロねぎporro、ラディッキオradicchioと、なかなか面白そう。
は、季節ごとの収穫物とその料理の本。
冬の章には、
「冷たい雨が振る冬の畑の主役はアブラナ科のキャベツ。
さらに、大きな葉や棘や外皮で低温に耐える丈夫で頑丈な植物たちだ。
5月末に種を蒔き、たっぷりの水と肥えた土壌さえあればゆっくり成長していく。
私の畑の冬の王様はアーティチョークだ。
キャベツcavoloは寒さに強い野菜だが、唯一、cavolaia(カボライア/青虫)には注意が必要だ。
カボライアはモンシロチョウのことで、キャベツの葉が大好きなグルメで、その名からもキャベツ農家の天敵であることは明白。青虫の防除にはトマトの葉の抽出液が有効なので、トマトが生い茂る夏の間に造っておく。
キャベツにはたくさんの種類があるが、私が料理に使うのが好きなのはカリフラワーだ。白いカリフラワーは甘く、緑のものつまり美しいダイヤモンド型のロマネスコは香りがデリケート。黒キャベツcavolo neroはアロマが強い。柔らかいチーメ・ディ・ラパは、甘くてほろ苦い。葉が波打っているサボイキャベツverzaは、姿がユニーク。
さらに球形の紫キャベツcavolo rossoにキャベツcavolo cappuccioは、生でも加熱しても美味しく、ビタミンや食物繊維が豊富でアロマもとても良い。ヘルシーなキャベツは畑の柑橘果実だ。
すごい人気。
ジョルジョーネの4種のキャベツのオレッキエッテOrecchiette ai 4 cavoli↓
4種のキャベツは、ブロッコリー、ロマネスコ、サボイキャベツ、黒キャベツで、正確にはアブラナ科の野菜のこと。
ソースはカンナーラの赤玉ねぎ、レーズン、松の実、潰したトマト、ワイン、小さく切ったキャベツ類の蒸し煮をパスタのゆで汁でつなぎ、仕上げにペコリーノ・ロマーノを散らしたもの。
ジョルジョーネの畑↓