2021年9月14日火曜日

かちこちのビスコッティは南イタリアの農民の倹約精神の現れ。ナポリのアマレーナのビスコッティ。

今日の地方料理のビスコッティは、ナポリのビスコッティです。
リチェッタは(今月のCIRP.29)。
ビスコッティ・ディ・アマレーナです。
ナポリのアマレーナのビスコッティですと?
あまり聞かないなあ。
一応念の為、豊富な写真つきでこういう時に頼りになる本、『クチーナ・ディ・ナポリ
でも、探してみるかな、と思ってぱらっとめくってみたら、あっさり見つかりました。
ビスコッティについてはこう書かれています。

「アマレーナのビスコッティは、ナポリのパスティッチェリーアのもったいない精神に満ちたドルチェだ。前の週の残り物のフロッラ生地やスポンジ生地と、残り物のシロップ漬けのアマレーナの柔らかい詰め物のビスコッティで、これを作るためにわざわざ残り物を出すくらい美味しい」

ナポリ料理界の有名ジャーナリストの本、『リチェッテ・ディ・ナポリ』にももちろん載っています。そしてこんなことが書かれていました。

イルピニア地方や南イタリア全域のドルチェは、伝統的に、パスティッチェリア・セッカがベースになっている。その根底にあるのは農民の暮らしだ。
ビスコッティ、ビスコッティーニ、パネットーネ、トルタ・アッシュッタは、クリーム入りの水分が多いドルチェより長期間保存できるので1週間はもつ。そうするとかまどに火を入れるのも1周間に一度でよい。何よりも、傷んで捨てることも減る。

なんと、竈に火を入れる回数をけちっていたからドルチェがかちこちだったとは・・・。
ナポリのビスコッティ・アッラ・アマレーナ↓


言われてみれば、クリームたっぷりのふわふわなドルチェはあまり南のイメージはないなあ。
でも、アマルフィのデリツィエは、まさにクリームでふわふわなドルチェ。
これは硬いドルチェばかり食べていた南の人は夢中になるなー。

サルバトーレ・ディ・リーゾのデリツィエ↓


デリツィエを広めたパスティッチェーレ、サルバトーレ・デル・リーソの本、『ドルチ・デル・ソーレ




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