2021年9月21日火曜日

ヨーロッパ宮廷文化の黒い真珠、キャビアを抱いて河を遡上するチョウザメの姿は、王の帰還と呼ばれる。

今日のお題はイタリア産キャビアです(日本語訳は今月の(CIRP.49〜)。
ちなみに、次号の2020年1月号は近々発売予定です。

年末年始の料理には欠かせないゴージャスな食材と言えば、キャビア、牡蠣、フォアグラ、トリュフ・・・。

ヨーロッパのVIPの食材として人気のキャビア。
野菜と組み合わせればマーレ・エ・モンティの特別なプリーモ・ピアットにもなる。
2万年間生態が変わっていない魚、チョウザメの卵。
チョウザメstrioneは海で暮らし、産卵のために河を遡る遡上魚です。
昔はポー河やローマのテベレ河にもいましたが、ダムによって遡上ができなくなり、汚染や乱獲のせいで数が減りました。
一方で、キャビアの養殖技術は年々進化しています。

イタリアにキャビアを食べる文化が伝わったのは、ルネサンス時代のフェラーラの宮廷だそうです。エステ家の宮廷料理人、クリストフォロ・メッシスブーゴが卵の保存方法を書き残しています。
やっぱりヨーロッパの宮廷の食べ物なんですね。
かつては、河を遡上して戻ってきたチョウザメを王の帰還と呼んで歓迎していました↓

現在イタリアでは最大規模のチョウザメの養殖が行われていて、キャビアの約90%が輸出されていて、中国、ロシアに次いで世界3位のキャビア輸出国。
イタリアのチョウザメはアドリア海からポー河に入ってきます。

ロンバルデイアのブレッシャにあるカルヴィジウス社がイタリア最大手のキャビアメーカー↓

キャビアの塩漬けには塩分濃度などが厳しく定められていて、熟練の職人業が必要で、イクラ感覚で家庭で簡単に作れるものではないらしいです。
イタリアにいる職人はイラン出身の人が多いそうです。

イタリアの河原産のチョウザメを養殖しているメーカーもいる↓

リチェッタは次回に。

ミラノの魚と言えば、川魚。ミラノ料理の本『クチーナ・ミラネーゼ

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