2011年2月28日月曜日

コロンナータのラルド

今日はコロンナータのラルドlardo di colonnataの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の解説です。

豚の背脂の塩漬け、ラルドlardo。
バターやオリーブオイルが一般的になる前は、このラルドが主に使われていました。

コロンナータとアルナのものが有名ですが、この2つはどこが違うのでしょう。

まずコロンナータは、トスカーナ北部の大理石で有名な山のふもとにある町で、標高532m、人口約350人。
アルナは北国ヴァッレ・ダオスタの標高361mの町で、人口約1300人。

コロンナータはIGPで、アルナはDOP。

コロンナータは水を加えない塩漬けで、アルナは水を加えた塩漬け。

そして何と言っても、コロンナータは大理石の採掘場だけあって、ラルドも大理石の容器に詰めて寝かせるのが特徴ですよね。
アルナのラルドは栗やオークの容器で漬けます。


それでは、コロンナータのラルドの造り方が分かる動画をどうぞ。


下の動画は、ビオロジコの豚からラルドを作っているジャンナレッリというメーカー。
シチリアの海塩、こしょう、にんにく、ローズマリーなどで約6ヶ月漬けています。






次はボッテーガ・ディ・アドーという豚肉の加工品メーカー。
豚の解体から製品が出来上がるまでを詳しく紹介しています。
ラルドは07:00から。
海塩、こしょう、にんにく、ローズマリー、セージ、シナモン、クローブ、ナツメグで漬けます。







こちらはアルナのラルド。
塩と地元の山の香草(ローズマリー、セージ、にんにく、ローリエ)で漬けています。
瓶詰めタイプもあるんですね。







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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2008年11月号
“ラルド・ディ・コロンナータIGP”の解説は、「総合解説」'07&'08年11月号に載っています。

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2011年2月24日木曜日

ブルー・ディ・ブーファラ

北の水牛の話を続けます。
『ア・ターヴォラ』の解説です。

前回は、北イタリアで飼育されている水牛のモッツァレッラの話でした。

北のモッツァレッラは、伝統や主流という点を付きつけられると、南(カンパーニア)のモッツァレッラは超えられない。
それは厳然とした事実。
でもそれでは、北で水牛を飼育していても、なんだか面白くないですよねえ。
南の人にも文句のつけようがないようにするには、どうしたらいいのか。

その答えは単純です。
北の伝統や主流を使えばいい、です。


北イタリアの代表的な水牛の飼育地、ロンバルディア。
ロンバルディアには、どんなチーズがあるでしょう。

ゴルゴンゾーラ、マスカルポーネ、グラナ・パダーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、タレッジョ、ビット・・・。

メジャーなものだけでもたくさんあります。
あまり知られていないものはもっとあります。
チーズ作りの伝統の厚みという点では、南をはるかにしのいでいます。

これらの製法を、水牛のミルクにも用いてみればいいじゃないか。
という訳で、実際、ロンバルディアでは、マスカルポーネやバターなど、様々なチーズが水牛のミルクから作られています。


そんな中でも個性的で注目されているのが、ブルー・ディ・ブーファラBlu di Bufala。
ロンバルディアの水牛のミルクから作られる青かびチーズです。

こんなチーズ(食べている動画です)

産地は、イタリアでもっともDOPチーズの多い町、ベルガモ。
日本にも入っているようですね。

作っているのは、カゼイフィーチョ・クアットロ・ポルトーニ。
webページはこちら

2001年に、北イタリアで最初に水牛の飼育を始めた農家から水牛を購入して、水牛の飼育を始めたのだそうです。
2005年に、モッツァレッラ以外の、ベルガモの伝統と結びついた、かつ水牛の特徴を生かしたチーズ作りに挑戦。
そして2006年に、水牛のチーズ専門の造り手、カゼイフィーチョ・クアットロ・ポルトーニとしてスタート。
2007年の時点で900頭の水牛を飼育。
現在は25種類以上の製品を製造しているそうです。


現在、ヨーロッパの水牛の約85%がイタリアで飼育されています。
でも、北イタリアにいるのはその1割弱。
しかも常に南イタリアからプレッシャーを受けていている環境。
そんな状況を知って食べれば、ベルガモの水牛のブルーチーズも、単なる変わり種チーズ以上の味になるのでは。



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関連誌;『ア・ターヴォラ』2007年11月号
ブルー・ディ・ブーファラを含む“ベルガモのチーズ”の記事は「総合解説」'07&'08年11月号に載っています。

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2011年2月21日月曜日

北イタリア産水牛のモッツァレッラ

北の水牛の話の続きです。

Mozzaella di bufala
モッツァレッラ・ディ・ブーファラ


水牛の飼育はイタリア南部の伝統。
でも、現在水牛はイタリア各地で飼育されています。

現在、カンパーニアではイタリアの水牛の約80%が飼育されているそうです。
それに次いで多いのは、ラツィオ、シチリア、そしてなんとロンバルディア。
ロンバルディアには、2004年9月の時点で5,369頭の水牛が登録されています。
(by A.N.A.S.B.)


伝統のない北イタリアで水牛を飼育することに、いったいどんなメリットがあるのでしょうか。

それが前回示した疑問でした。

まずは、モッツァレッラに限定して考えてみましょうか。

北イタリアで水牛のモッツァレッラを作ることには、1つ、大きなメリットがあります。

それは、カンパーニアのDOPの規定に従う必要がない、ということです。

モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナDOPは、原材料や製造方法がEUの規定によって細かく定められています。
当然、それを守ると、それなりの値段で限られた量のモッツァレッラしかできません。
ところが、カンパーニア以外ならなんの制約もないので、DOPのお墨付きはない代わりに、もっと安いモッツァレッラを大量に作ることが可能です。

カンパーニアというブランドは、イタリア国内やEU内では知名度がありますが、世界市場ではまだまだ無名です。
一方、カンパーニア以外で作った水牛のモッツァレッラでも、イタリア産、というブランドがあれば世界市場では有利です。


さらにもう1つ、水牛を飼育するメリットがあります。
現在EUでは、供給過剰による価格の下落を防ぐために、牛乳の生産を割当制にして制限しています。
でも、水牛には制限がありません。
いくらでも生産することができます。


考えれば考えるほど、北イタリアの現代的で資本力のある農業は、大量生産のモッツァレッラ作りには適しているように思えます。

モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナDOPのwebページ(こちら)では、DOPのカンパーニア産モッツァレッラ・ディ・ブーファラと、DOPでない、ただのモッツァレッラ・ディ・ブーファラの違いについて、歴史と伝統を強調しながら、とにかくやっきになって説明しています。

確かに、北イタリア産の水牛のモッツァレッラは、伝統、本物、という切り口では、カンパーニア産にはかないません。
でも、モッツァレッラ以外のチーズならどうでしょう。


北の水牛の話、次回に続きます。



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2011年2月17日木曜日

北の水牛

今日はチーズの話。
『ア・ターヴォラ』の解説です。

モッツァレッラと言えば、水牛。
水牛と言えば、カンパーニア。
と思っていましたが、今はそうでもないんですねえ。

bufala
カセルタ(カンパーニア)の水牛


ラ・レプッブリカのこちらの記事によると、イタリア最大の水牛飼育場は、クレモナ(ロンバルディア)とヴェローナ(ヴェネト)にあるんだそうです。

そもそも水牛はアジア原産でイタリアの外から伝わった家畜なので、南イタリア以外で飼育されていても、まあそれほどあり得ないことではありません。
でも、水牛の飼育が、北ではなく南イタリアに普及したのには、何か理由があるはずです。
例えば、水牛は人の手が入っていない荒地や湿地でも飼育することができました。
餌も質素なもので育ちます。
湿地につきもののマラリアで人口が減っても、半野生の状態で生き延びるたくましさがあり、沼地のような悪路でも、重い荷物を運ぶことができる大きなひづめがあります。

厳しい環境でも飼育できて、労働力になって、しかもミルクが出る。
そういう条件が南イタリアにぴったり合った訳ですね。


さてそれでは、北イタリアで水牛を飼育することに、どんなメリットがあるのでしょうか。
北でも出来たてのモッツァレッラを食べることができるようになる?

確かに。

でも、ことはそう単純ではないようです。


イタリアの経済構造が北と南に分かれていることは、みなさんすでにご存じの通り。
農業の分野でも、イタリアは北と南に分かれています。
大雑把に言うと、北は資本主義で、南は大地主制。
そしてこの両者の間には、簡単には相いれない深い溝があるようなのです。

例えば、去年、ロンバルディア出身の内務大臣がある発言をして、南イタリアから大反発をくらってしまいました。
彼はこう言ったのです。

「本当かどうか知らないが、カンパーニアのモッツァレッラはロンバルド族によって伝えられたのではないかと聞いた」

この発言を伝える記事

ロンバルド族とは、ロンバルディアの語源にもなっている北からやってきたゲルマン人で、6世紀から8世紀の間、北イタリアを支配していました。
実は、水牛がロンバルド人によってイタリアに伝えられた、という説も確かにあって、間違っているとは言い切れないのです。
でも、一連の反応を見ると、カンパーニアの人は「それだけは絶対にない」と断固信じているようです。
カンパーニアの人が信じているのは、おそらく、アラブからシチリア経由で伝わったという説。


北イタリアでモッツァレッラを作るということは、工場で安い製品を大量生産する、というイメージと結びつきます。
さらに北は政治力もあるので、法律を作って、水牛のミルクを使っていればどこ産のミルクであっても一様にモッツァレッラ・ディ・ブーファラとして認める、ということにならないか、とカンパーニアの人は危惧しています。
つまり、北でモッツァレッラを作ることは、南からは歓迎されていないんですねえ。

それでも、北でモッツァレッラを作っている人もいます。
こちら↓はロンバルディアのカゼイフィーチョ。






北の水牛の話、次回に続きます。



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2011年2月14日月曜日

ヴィンチズグラッシ

今日はマルケのパスタの話。
『サーレ・エ・ペペ』の解説です。

マルケのパスタと言えば、ヴィンチズグラッシvincisgrassi。

・・・・・。

イメージが浮かびにくいパスタですよねえ。
ブロデットやアスコリのオリーブと並ぶマルケの代表的な料理なのに、地元以外では今ひとつマイナー。

要はラザーニャの一種です。
外見は普通のラザーニャと変わりはないのですが、中にはなかなかゴージャスな具が詰まっています。
バリエーションは無数にありますが、定番は各種の肉(鴨やうさぎ肉が入る場合もあります)、鶏の内臓、トリュフなど。

こんな料理です。

これ↑は、ヴィンチズグラッシ祭りのポスターですね。
このお祭りは、毎年カルトチェートの中央広場で開催されています。
次回は2011年6月半ば。


ヴィンチズグラッシの話をする時に必ず出るのが、その名前の由来のこと。
もっとも信用されている説は、1779年にアントニオ・ネッビアが書いた、『Cuoco Maceratese』という本に出てくる料理、“Princisgras(プリンチスグラス)”だという説です。

ネッビアは貴族の料理人でした。
彼の本は、マルケ料理を体系的にまとめた最初の本として、特に新興の富裕市民層に広く読まれ、アルトゥージの本が登場するまでは、イタリアで最も信頼されていた料理書だったのだそうです。
ちなみに、マチェラータの商業会議所では、この本の1786年版を現代語訳で復刻して出版しています。

マチェラータ市によると、“Princisgras”とは、grasso da principiという意味だそうですが、それがどういう意味なのかは、どうもはっきりしません。
直訳すれば、領主さまのためのこってり料理、とでもいったところですが、ラテン語がどうの、内臓がどうの、というあいまいな説明があるだけです。
その後、別の料理書にも似たような名前(ミッスグラッセ、ヴィグラス)のパスタ料理が登場しています。
これらもソースには内臓が入っています。


マルケの都市伝説なら、もっとすっきりこの名前の由来を説明できます。

それは、1799年にオーストリア軍のヴィンディッシュ・グレーツ将軍がマルケを通った際にこの料理をふるまわれて、その味をたいそう褒め称えた。
そこでこの料理を彼に捧げて将軍の名前で呼ぶようになり、それがなまってヴィンチズグラッシになった、というもの。
言われてみれば、なんとなくドイツ語風に聞こえなくもないような・・・。
魅力的な説ですが、真実性は今ひとつ。


どれが本当なのか真相は謎ですが、“プリンチスグラス”より“ヴィンチズグラッシ”の方がマルケの人にとっては言いやすかったのは確かなよう。


現代版のヴィンチズグラッシは、パスタにトマトで煮たラグーをはさんでオーブンで焼きます。
トマトの栽培がヨーロッパに広まったのは18世紀末のこと。
オーストリアの将軍が食べたパスタにトマトが入っていたかどうか、微妙なところですねえ。
おそらく、元々は白いラグーの料理だったのでしょう。



ヴィンチズグラッシ





上のリチェッタだと、普通のラザーニャのように見えますねえ。

ヴィンチズグラッシは貴族の料理ではなく農民の料理だと言う人もいます。
この動画のシェフ(カルダローラのイル・カステッロのシェフ)もその1人です。
肉はボッリートやロースト用以外の残りの部位を使い、ベシャメルもかけない、というのがポイント。






ベシャメルをかけるかかけないか、そこが分かれ目です。
オリジナルにこだわるなら、ベシャメルなしがマルケ流。



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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年11月号
“ヴィンチズグラッシ”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年11月号に載っています。

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2011年2月10日木曜日

ハロウィンの料理

思いきり季節外れですが、今日はハロウィンの話です。
『ア・ターヴォラ』の記事の解説です。

Halloween 2006



いや~、こんなに面白い料理を見たのは初めてです。
というか、料理名を見ると思わず噴き出します。

料理のテーマは、「ハロウィン」。

イタリアンのハロウィン料理って、想像できますか?
そもそも、ハロウィン料理なんてあるのかっていう話ですよね。

ハロウィンはイタリアの伝統にはないお祭りだから、当然、ハロウィンの伝統料理なんてものもイタリアにはない。
だから問題は、どんな料理を作るか、です。

伝統がないだけに、料理も何を作ろうと自由。
普通の人なら、思いつくのはせいぜいカボチャのパイあたりですかねえ。

でも、『ア・ターヴォラ』は発想が違います。

その料理は・・・、

「カボチャのフリットと悪魔ソース」

「ゾンビカクテル」

「ふくろうのアスピック」

「蛇のカナッペ」

「ジャック・オー・ランタンのリゾット」

「こうもりの羽のチリソース焼き」

「メレンゲの骸骨」

「魔女のりんご」


いや~いったいどんな料理なんだ!と思いますよねえ。
しかもなんと、名前のまんまの料理なんです、見た目が。

欧米には真っ青なケーキがあったりして、食べ物に対する美意識が日本人とは少し違うような気がしませんか?
こういう、リアルにグロテスクな盛り付けの料理は、きっと日本人には思いつけません。
まあ、外国人から見れば活け造りのほうがよっぽどグロテスクでしょうが。


今回のハロウィン料理、正直言って、リゾット以外は特にイタリアンなところはありません。
でも、その独創的なリアリズムととぼけたユーモアは、なんだかとてもイタリア風です。


中でも強烈なのがこれ↓
ゾンビカクテル。




真鍮のバケツに入った真っ赤な液体にどっぷり浸った赤い手!
ひえ~。

もちろん、この手も食べられます。
しかも、ラズベリーとレッドカラントジュースでできています。
赤い液体は、シードル、ジンジャーエール、レッドカラントジュース、ラズベリーでできています。
実はめちゃくちゃゴージャス。



そしてこちら↓は、こうもりの羽のチリソース焼き。
そう言われれば、こうもりに見えてくる。





手羽先も、センス次第でこうもりの羽ですよ。
参りました~。

こんな料理が並んだら、楽しいハロウィンパーティーになりそうです。



おまけの動画。
魔女が作る、「魔女の帽子」。
リコッタ、パルミジャーノ、サラミの詰め物のミニパイです。





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関連誌;『ア・ターヴォラ』2007年11月号
“ハロウィンの料理”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年11月号に載っています。

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2011年2月7日月曜日

ガンベロ・ロッソのティラミス・ベスト10

今日はレストランの話。
『ガンベロ・ロッソ』の記事の解説です。

ガンベロ・ロッソが選ぶなんでもベスト10。
今回は、ティラミス。

Tiramisu trifle



1位に選ばれたのは、ちょっと意外なことに、ヴェネトのドロミテの山の中にある、すべて木でできた山小屋風のレストラン、ライテLaiteのティラミス。

店のwebページはこちら

シェフは、イタリアを代表する女性シェフの一人、ファブリツィア・メロイ。
店名の“ライテ”とは、ドロミテの岩がちの草原のこと。
この草原にはカモシカなどの野生動物がたくさんいて、シェフの得意料理も狩猟肉。
ミシュランでは1つ星、ガンベロ・ロッソではトレ・フォルケッテ。

この店のティラミスはこちら
正統派のシンプルなもの。
マスカルポーネの新鮮さなどが選ばれたポイントのよう。


1位や2位に選ばれたティラミスは、15~18ユーロとそれなりの値段です。
ところが3位のティラミスは、たった5ユーロ。

いったいどこの店かと言うと、ヴェローナの、アル・クリストAl Cristoという店です。

webページはこちら

なんと寿司や刺身も出すんですねえ。
ヴェローナ出身のオーナーは、元々外国にとても興味があり、旅先のヴェトナムでの偶然の出会いから、ハノイにレストランを出したこともある人です。
寿司の技術は、ハノイの高級日系ホテルで学んだのだそうです。

寿司だけでなく、世界各地の食材を駆使した料理と、そしてもちろんイタリア料理も出しています。
ただ、値段はそれなりにするようです。


こんな店。





料理も食材も人材もインターナショナルな店ですね。
ティラミスはスタンダードなタイプ。
ガンベロ・ロッソによると、ふんわりとホイップしたばかりのマスカルポーネクリームなど、シンプルなのに美味しいのだそうです。



7位と9位の店のティラミスも5ユーロ。
どちらもローマの店です。

まず7位は、有名トラットリーア、ダ・フェリーチェDa Felice。

こちらがそのティラミス。

カーチョ・エ・ペペ、カルボナーラと並ぶこの店のスペチャリタです。
ローマのオステリーアの定番グラスに入っていて、サヴォイアルディの代わりにパスタ・フロッラ(パート・シュクル)を砕いて使っています。
トッピングの溶かしたチョコレートはテーブルでかけます。

店のwebページはこちら

ちなみに、4位のアローミAromi(ヴェネチア)や、5位のオーアジ・デッリ・アンジェリOasi degli Angeli(アスコリ・ピチェーノ)もグラス入りティラミス。


9位はローマのレ・トレ・ズッケLe Tre Zucche。

こんなティラミスです。

ホイップしたてのマスカルポーネといれたてのエスプレッソ。
コーヒーカップ入りの普通サイズと、デミカップ入りのミニサイズの2種類があります。

webページはこちら





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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2008年10月号
“ティラミス、ベスト10”の解説は、「総合解説」'07&'08年10月号に載っています。

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2011年2月3日木曜日

パーネ・ディ・マテーラ

今日はパンの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の解説です。

バジリカータ州のマテーラは、ユネスコの世界遺産にも登録されている洞窟住居で有名な町。

Matera: Neve in Black & White
雪で覆われたマテーラ旧市街


Si va via da Matera...
旧市街以外は普通にモダンな人口6万の街


この町の名物の一つが、パーネ・ディ・マテーラpane di Matera。
IGPにも認定されているパンです。


美味しさもさることながら、その形はかなりインパクトがあります。

pane di Matera


↓こうやって成形します。





パーネ・ディ・マテーラ管理組合のPV





それにしてもこのパン、パーネ・ディ・アルタムーラpane di Altamuraによく似てますよねえ。
アルタムーラはマテーラの20㎞北にある隣町。
でも、行政的にはプーリア州バーリ県の町。
しかもパーネ・ディ・アルタムーラはDOPで、EUで最初にDOPになったパン、というのが自慢。

ちなみに、DOPとIGPについてはこちらをどうぞ。
付け足すなら、DOPは産地、IGPは製造方法によりこだわった分類。



こちらはパーネ・ディ・アルタムーラ。
見れば見るほどそっくり。






この2つ、違いがあるとすれば、それは材料の硬質小麦の産地。
パーネ・ディ・マテーラはマテーラ県産100%で、アルタムーラはバーリ県の指定地域のものが最低80%、と定められています。

配合は、硬質小麦粉1㎏に対して天然酵母の中種が20~30㎏(アルタムーラは20%)、塩が2.5~3㎏(アルタムーラは2%)、水が75~85リットル(イルタムーラは約60%)。


まあ、どちらも美味しいということは確かですよね。
とりあえず、マテーラで「パーネ・ディ・アルタムーラください」、とは言わない方がいいかも。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2008年10月号
“パーネ・ディ・マテーラIGP”の記事の解説は、「総合解説」'07&'08年10月号に載っています。

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マリア・ルイジアの小さな街、パルマのバターとグラナの娘、アノリーニ。本物は牛と去勢鶏のブロードでゆでます。

昨日の最後にサラっと登場したアノリーニですが、このパスタ、(CIR12月号P.5)にもリチェッタが載っていました。クルルジョネスの次の料理です。花の形の可愛い詰め物入りパスタ、なんていうのがこのパスタの印象ですが、イタリア人は、こんな風に思ってるんですね。 「マリア・ルイジアの小...