2020年5月31日日曜日

宮廷料理のパスタは庶民の質素な食べ物のパスタのイメージを払拭できるかも。

今日は次の新着本の紹介です。
マルケーゼ・フランチェスコ・サンタシリア・ディ・トルピーノというナポリの貴族が、世界中でバリバリ働いているうちにナポリの料理と伝統に目覚めて、帰国後に、毎日母親が大勢のモンズーたちと作って大使たちに振る舞っていた18世紀のブルボン家の宮廷料理を研究し、フランス料理とナポリの庶民料理のフュージョンであるナポリの宮廷料理を研究して、1冊の本にまとめた。
その成果がこの本だ。

ブルボン家のフランス人料理人モンズーは、ナポリ料理の主役。
7~8世紀にアラブ、シチリアと伝わったパスタは、17世紀にトマトが伝わると、マンジャフォーリエと呼ばれた野菜好きのナポリ人によって、他に類を見ない料理に発展した。

庶民の質素な料理と言われるナポリ料理は、モンズーによって、どう変わったのか。
この本では、ナポリ料理のもう一つの個性、パスタをはじめとするプリーモ・ピアットを中心に紹介している。
第2次世界大戦以降、ナポリ社会は激変し、モンズーは一人もいなくなった。
貴重な記録でもある。

ブルボン朝時代の衣装の行列

両シチリア王国の歴史


この本のパスタは、どれも見た目がおしゃれ。
正装してかつらかぶって食べるのも抵抗ない感じ。
パスタは長い間、食べ物としてのイメージが定着していましたが、パスタ・プライドの1つの姿として、宮廷料理のパスタは、パスタに大きな変化をもたらす可能性を秘めています。

残り物のラグーで作るも宮廷料理になると、


以前のブログの記事はこちら
リチェッタは次回。
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ナポリの宮廷料理
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2020年5月30日土曜日

日曜のディナーに招待された時の手土産の定番は、パスティッチェリアの盛り合わせのトレー。日曜日のグアンティエーラと呼ぶ美味しい習慣です。

をご紹介していますが、この本を見る度に感じていた疑問が、パスティッチェリアというタイトルだけど、この本はドルチェの本。
なぜわざわざパスティッチェリアと名付けたのか・・・。

パスティッチェリア・シチリアーナ

ちなみに、上の動画でクリスマスのドルチェとして紹介されていたのは、イタリア語ではブッチェッラーティ、日本語、またはJOJO語ではブチャラティという華やかなドルチェ。
シチリアで今、一番食べてみたいドルチェ。
リチェッタは、シリーズのシチリアの伝統料理を集めた本、
ターヴォラ』にあります。

疑問の答えらしきものが、わかったのは、イタリアの人々にとって、パスティッチェリアのドルチェは、日曜日に買うもの、ということを知った時。
日曜の朝のバールのパスティッチェリア売り場↓
あるいは日曜日の夕食に招待された時も、ドルチェの盛り合わせのトレーをおみやげに持っていきます。
お土産の定番なんですね。このお菓子のトレーのこと、別名、グアンティエーラと呼びます。


イタリアのバールもパスティッチェリアもロスティッチェリアも緊急事態の解除で徐々に
日曜日の買い物が戻ってきた。

これを今まで我慢していたのは辛かったに違いない。

日曜日のパスティッチェリア

今日のリチェッタは、一度は招待されてみたい、シチリアの貴族の家系のワインの造り手でホテルも経営するプラネタ家のリチェッタ。

シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタより、

レモンのグラニータ GRANITA AL LIMONE


材料/4人分
レモン・・5個
砂糖のシロップ・・120ml

・砂糖と水を2対1で混ぜて、または水の2割の砂糖でシロップにする。砂糖が溶けて適度な濃度になったら冷ます。
・レモン(風味が強い小型のものがよい)を搾る。水を加えて1Lにし、シロップとレモン1個の皮のすりおろしを加える。
・ジェラティエラがなければ製氷皿かプラスチックかアルミの浅い容器に入れて冷凍庫で冷やす。
・30分毎にフォークで表面を削り、サーブする直前にフォークかホイッパーで撹拌する。
レモンのグラニータ、ジェラティエーラで
ジェラティエーラなし


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シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ

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2020年5月29日金曜日

ドルチェの消費は、心身の充足感や平穏とは反比例しているby アリーゴ・チプリアーニ


ベネチアの世界的名店、『ハリーズ・バー
の自伝的な本に、こんな一文があるのを見つけました。

ドルチェの消費は、心身の充足感や平穏さとは反比例している。
景気が良い時は、厳しい食事を体が欲し、加熱時間が短くて味付けの少ない料理、言い換えれば質素な料理を求める。
逆に金銭的な不安に苛まれている時は、美味しい1切れのケーキの贅沢を求める。 

ドルチェは甘いだけではなく、美味しくなくてはいけない。
これがドルチェの存在意義だ。
香ばしくて優しく、軽くて豊満で、元気付けてくれる。
そして全ての人間が持つ、富への渇望のご褒美だ。
やや太っている人のほうが長生きするとは、最近よく言われること。
満腹の客が食事の最後のデザートを放棄するくらいなら罪は軽い。

世界中の観光客の浮き沈みを長い間見守ってきたバーだけあって、
言ってることに味がある。

ハリーズ・バー


ハリーズバーのバーテンにこんな事言われたら、満腹だってケーキ食べます。
きっと今の時代は、世界中で美味しくて甘いものが求められているね。

そういえば、ハリーズ・バーには必ずチョコレートケーキを注文する客がいた、と本には書いてありました。
本のチェッタの日本語訳は2015年11月号の「総合解説」に載っています。

という訳で、

今日は、新入荷の『パスティッチェリア・チシリチアーナ』から、シチリア名産のアーモンドのグラニータのリチェッタをどうぞ。



アーモンドのグラニータGranita di mandorle
材料/4人分
皮むきアーモンド・・150g
皮むきスイートアーモンド・・20g
砂糖・・150g

・水1Lを沸騰させて冷ます。
・別にアーモンドをさっとゆでて皮をむき、砂糖と一緒に乳鉢で細かくすり潰し裏漉しする。
・これを熱湯に入れる。
・時々かき混ぜながら冷凍庫で2時間冷やして柔らかいソルベットにする。

アーボラのアーモンド




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ハリーズ・バー
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2020年5月28日木曜日

アーモンドのグラニータ、ピスタチオのジェラート、レモンのソルベットetc.、シチリアの冷たいデザートの季節が到来。

の紹介です。
シチリアのドルチェは、ナポリ、ピエモンテと並んでイタリアの3大ドルチェ。
見ていてウキウキするような、シチリアの伝統的なドルチェを集めた本です。
シリーズの本『ターヴォラ
は、前菜からデザートまで、シチリア料理の最上のものを集めた本で、こちらにもドルチェはあります。
一部重複しているリチェッタもありますが、『パスティッチェリア』は、もっと詳細にシチリアのドルチェを集めています。
ジェラートのリチェッタも豊富です。

シチリアのアルティジャナーレのジェラート


例えば、ジェラート・ディ・カンパーニャ(別名ジャルディネット)は、パレルモでは人気のピンク、ピスタチオ、カンディートの3色ジェラート。
パレルモの守護聖人、聖ロザリアの祭りには欠かせないアラブから伝わったジェラートです。

毎年7月15日はパレルモの一番大切な祭りの日、聖ロザリアのフェスティーナ。
ロザリアは信心深い女性でしたがペストで亡くなり、猟師にその亡骸をこもっていた洞窟からパレルモへ運ぶようにと告げる。
命じられたとおりにしたところ、ペストが終息し、ロザリアはパレルモの守護聖人になり、洞窟には教会が建てられたそうです。
聖ロザリアのフェスティーナ。

ジェラート・ディ・カンパーニャGelato di campana↓
の日本語のリチェッタは、次号の「総合解説」にのせます。

アーモンドのグラニータもシチリアらしい冷たいデザート。このリチェッタも訳します。

スイカのジェーロ、レモンのソルベット、ピスタチオのジェラート、リコッタのセミフレッドなど、訳したいものばかり。
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ブランカート・クチーナ・シチリアーナ・シリーズ
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2020年5月27日水曜日

ターヴォラ・カルダはレストラン探しと胃袋に限界を感じた観光客のオアシス。

シチリア料理の愛すべきミニシリーズ、“ブランカート・クチーナ・イタリアーナ”の本、新入荷の機会に、シリーズの本を紹介ししています。


テイクアウト専門の伝統料理と家庭料理の店です。
別名ターヴォラ・カルダとも呼ばれます。
この種の店は、レストラン探しと胃袋に限界を感じ初めて、山盛りの野菜料理が食べたい、と願いだした観光客には、砂漠で出会ったオアシスのような店。
旅行の後半は、だいたい行く先々でお世話りなります。

サレルノのターヴォラ・カルダ

ローマのターヴォラ・カルダ

ナポリのロスティッチェリアの朝の仕込み。
コロッケやアランチーニの準備してます。


本から適当にいくつか料理を選んでリチェッタの動画を探してみました。

子羊肉のパナータ

カリフラワーのスカッチャータ


シチリア風タコのサラダ





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ブランカート・クチーナ・イタリアーナ
ルスティケリア
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2020年5月26日火曜日

シチリアのルスティケリアはストリートフードとファーストフードのテイクアウト専門店。

今日は、まず業務連絡。

日本に先駆けてイタリアの規制は少しずつ緩和されて、物流が活気を取り戻しつつあります。本も届き始めています。お取り寄せも通常通りになりました。嬉しかったので、とりあえずご報告。

物流関連の皆様、ありがとうございました。

届いた荷物は、いい香りがプンプンしてたので、おしゃれな除菌スプレーもしてもらったようです。
イタリア発でも感染の心配はないしそのような例もありませんが、一応、whoの見解も。
こちらの問21


それでは、届いた本の中から、早速1冊を紹介します。

シチリア料理のミニシリーズ、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”の1冊、『ルスティケリーア』です。



この小さなシリーズは、シチリアの出版社のもので、シチリア愛が溢れています。
同シリーズからは『ターヴォラ
がすでに入荷しています。

『ターヴォラ』はシチリアの伝統的家庭料理。
『ルスティケリーエ』は、シチリアの伝統的惣菜。さらに言えば、ファースフードやストリートフードにも姿を変えるテイクアウできる惣菜。別名、ロスティッチェリア、ターヴォラ・カルダ

初めてこのシリーズの『ターヴォラ』を読んだ時は、シチリア訛りだらけの料理名とマニアックな品揃えに、軽く引いたのですが、読み込んでいくうちに、そのディープさにはまりました。

このシリーズの最大の特徴は、小さくて薄い本なのに、料理をたっぷりギュウギュウに詰め込んで、とても美味しそうな料理の写真までしっかり添えていること。
美味しいものにはとことんごだわって妥協を許さないシチリア人の熱い情熱を感じます。
シチリアのバールのターボラ・カルダ

カターニアのターボラ・カルダ



本のリチェッタから、とりあえず1品。ブロッコリーのグラタンをどうぞ。
ブロッコリーのトルティーノTortino di broccoli

材料/4人分
ブロッコリー・・1kg
リコッタ・・500g
卵・・4個
小葉玉ねぎ・・2本
パルミジャーノ・・30g
パン粉
EVオリーブオイル
塩、こしょう
・ブロッコリーを小房に分けて塩ゆでする。
・水気をよく切り、油大さじ2と葉玉ねぎの輪切りで炒め、ボールに入れて冷ます。
・リコッタを裏漉しし、溶き卵3個を加えて塩、こしょうしてブロッコリーと混ぜる。
・油を塗ったオーブン皿に入れ、溶いた残りの卵をかける。
・パルミジャーノとパン粉を散らし、180℃のオーブンで約20分焼く。粗熱を取ってサーブする。

ブロッコリーのスフォルマート/sformato di broccoli
(ベシャメル入りバージョン)

・ベシャメルにツナを加える。
・オーブン皿に油を引いてベシャメルを広げ、軽く下ゆでして厚くスライスしたブロッコリーを均一に並べて塩をする。
・たっぷりのベシャメルで覆い、パルミジャーノとこしょうを散らす。
・180℃のオーブンで30~40分焼く。


続いてなすのインボルティーニInvoltini di melanane
材料/4人分
なす・・2個
硬くなったパンのクラム・・200g
レーズン・・50g
おろしたペコリーノ・・大さじ2
トマトソース・・1/2カップ
イタリアンパセリ・・1房
バジリコ・・1房
EVオリーブオイル
塩、こしょう

・ナスをスライスしてザルに入れ、塩を散らして30分置く。
a.パンをおろし、ペコリーノ、戻したレーズン、イタリアンパセリとバジリコのみじん切り、塩、こしょう、トマトソースと混ぜる。
・ナスの水気を切ってたっぷりの熱した油で揚げる。シートに広げてaをのせる。
・巻いて油を塗ったオーブン皿に並べ、200℃のオーブンで10分グラティナーレする。熱いうちにサーブする。
ナスのインボルティーニ、シチリア風



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ブランカート・クチーナ・シチリアーナ
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2020年5月25日月曜日

ナポリのパスタ、初級編、パスタ・エ・パターテ、そしてプローボラ

今月の「総合解説」のナポリのグルメガイドによると、ナポリの伝統料理が人気のトラットリアの人気メニューは、パスタ・エ・パターテや、ミネストラ・マリタータなど。
ミネストラ・マリタータは、カンパーニアの伝統の復活祭の料理。
具材にナポリならではの特殊なものががやたら多いので、ちょっと、とっつきにくそう。


そこで、今回は、もっと作りやすそうな、パスタ・エ・パターテをお題に取り上げます


ナポリの代表的な家庭料理の1品なので、バリエーションは家庭の数だけあります。
コラトゥーラのスパゲッティが入門編だとしたら、パスタ・エ・パターテは、初級編のパスタでしょうか。

パスタと畑の野菜の組み合わせも、無数にあります。
パスタと豆なら、パスタ・エ・ファジョーリを始めとして、パスタ・エ・チェーチ、パスタ・エ・レンティッキエ、パスタ・エ・ピゼッリ、パスタ・エ・ファーベなど。
さらに、パスタとカリフラワー、パスタとズッキーニ、パスタとカボチャなど、野菜との組み合わせも無限にあります。


どれも質素な、家庭内で受け継がれてきたリチェッタなので、典型的なオステリアの料理。
逆に高級レストランでは、あまりお目にかかれないかも。
ナポリでは、プローボラ・アッフミカータを加えることが多いので、この場合はパスタ・パターテ・コン・プローボラと呼ばれます。
パスタ・エ・パターテ・コン・プローボラ


ナポリにも、まるごとチーズであえるパスタがあったんだ。
ただしチーズは、プローボラ・ディ・アジェロラがお薦め。

この動画のプローボラは麦わらでスモークしてます。
パスタ・エ・パターテのリチェッタは、『リチェッテ・ディ・ナポリ』のものを訳して次号の「総合解説」にのせます。



パスタ・エ・ファーベ/パスタとそら豆


これにもさらにプローボラを加えたら、1ランク上のナポリの家庭料理のパスタのできあがり。

パスタ・エ・ピゼッリ/パスタとグリーンピース

ナポリの野菜のパスタには野菜と同じサイズのパスタかミックスパスタを組み合わせます。

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リチェッテ・ディ・ナポリ
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2020年5月24日日曜日

ちょうど今頃がチェターラのイワシ漁の最盛期。コラトゥーラが出来上がるのは12月初め。最初の1滴はクリスマスのはスパゲッティにかける。

昨日のコラトゥーラのリチェッタが、あまりにも初級編だったので、もう少し上級はないかと探してみました。
そして南イタリアのパスタが有名なレストランのリチェッタを集めた本、パスタ ; サポーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッドに、コラトゥーラをきかせた美味しそうな一流レストランのパスタのリチェッタがありました。 
リチェッタは、ドン・アルフォンソのもの。
そういえば、この店はソレント半島にありました。チェターラからも遠くない、サンタガタ・スイ・ドゥエ・ゴルフィという村です。
地元愛の強さで知られるシェフ。
カプリ島を眺められる農園の手入れと、代々家族経営のレストランが生きがい。
調理は楽しみだが、料理は食べた人の一部になる真剣なもので、アイデンティティーが要求される、と語る勉強熱心なシェフです。


イアッカリーノ・アルフォンソシェフお薦めのナポリの伝統料理の店は、超有名店、
ミミ・アッラ・フェッロビア。
パスタのタルトが美味しそう!


本の中で、コラトゥーラについては、港についた瞬間から、チェターラの村中、総出で作る、アルティジャナーレなソース、と語っていますよ。
あなたのコラトゥーラの1滴に、チェターラの人の手がどれだけかかっていることか。

毎年、漁は4月から7月。
熟成が完了するのは10月
その間に滴り落ちた汁(そのことをコラトゥーラと呼ぶ。これが語源)を集めて12月はじめにコラトゥーラは完成する。
そしてチェターラでは、昔から、毎年新コラトゥーラの最初の1滴は、クリスマスのスパゲッティにかけるのが伝統の儀式。

本のリチェッタは、アサリとブロッコリーのオレッキエッテのコラトゥーラがけ
(日本語訳は来月号の「総合解説」に載せます)

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パスタ ; サポーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド
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2020年5月23日土曜日

ナポリのパスタの話は数十年来ブームのチェターラのコラトゥーラから。

やたら評判の高いナポリのトラットリア、ブアッタのリチェッタは残念ながら見つからず、代わりに料理を紹介したブログ(こちら)を書いた人(ナポリ料理研究の分野ではイタリアで最も信頼されている専門家で、敏腕ジャーナリスト)の
ナポリのレストランや家庭のリチェッタをまとめた本リチェッテ・ディ・ナポリから、似たようなナポリの伝統料理を探してみました。

まず、アンチョビとレモンのスパゲッティ(写真)。
結論として、ここ数十年、ナポリではチェターラのコラトゥーラが大ブームのようです。
この古風な伝統ソースであえたパスタは、一番シンプルで一番美味しいとべたボメ。
強いスモーク香と塩気が長く続き、組み合わせるワインはグレコ・ディ・トゥーフォがお薦め。
そうそう、彼はワインの格付け本にも携わってました。

チェターラは、アマルフィ海岸の小さな漁師村。
下はチェターラに行きたくなる動画。
ちなみにコラトゥーラを最初に作ったのは牧師。

古代ギリシャ語でイワシという意味のGarosが、古代ローマ人によってGarumとなり、その美味しさから肉や野菜の様々な料理にかけられるようになったソースが、コラトゥーラのルーツ、ガルム。
古代にはイワシとマグロの内臓から作ったガルムが最高のものとして珍重された。
料理書に登場するのは8世紀半ば以降のこと。

作り始めたのはアマルフィ海岸の丘の上の司祭館の牧師。
夏に漁で獲った青魚を冬用に保存するために、
頭と鱗を取り除いて樽で塩漬けにした。
寝かせている間に樽の底に溜まった汁を集めたのがコラトゥーラ。
これに香料や油を加えてパスタやゆでた野菜にかけて食べるようになった。
もともとか各家庭で作っていたが、誰かがワイン用のモストを濾す装置にかけることを思いついて澄んだコラトゥーラができ、商品化されて大ヒットした。


それでは本から地元で一番有名な4軒のリチェッタを訳します。

■ジェンナーロのイワシのコラトゥーラのスパゲッティSpaghetti con colatura di alici di Gennaro
(チェターラのリストランテ・アックアパッツァのリチェッタ)
ジェンナーロはシェフ


材料/4人分
スパゲッティ・・400g
イワシのコラトゥーラ・・大さじ2
にんにくのみじん切り・・1かけ
EVオリーブオイル
唐辛子
イタリアンパセリ
・ボールに油、イタリアンパセリとにんにくのみじん切り、コラトゥーラ、好みの量の唐辛子、アルデンテにゆでたスパゲッティ、ゆで汁大さじ1を入れてマンテカーレし、イタリアンパセリを散らす。

■フランコのイワシのコラトゥーラのスパゲッティSpaghetti con colatura di alici di Franco
(チェターラのリストランテ・サン・ピエトロのリチェッタ)

材料/4人分
スパゲッティ・・400g
イワシのコラトゥーラ・・大さじ2
EVオリーブオイル・・大さじ2
イタリアンパセリ
にんにく・・1かけ
松の実とくるみ(好みで)

・パスタ用の湯をわかす。塩は加えない。
・ボールに油、コラトゥーラ、潰したにんにく、イタリアンパセリのみじん切り少々、アルデンテにゆでたスパゲッティを入れてマンテカーレする。
・好みで刻んだ松の実やくるみの甘味を加える。

■パスクアーレのイワシのコラトゥーラのスパゲッティSpaghetti con colatura di alici di Pasquale
(チェターラのリストランテ・アル・コンヴェントのリチェッタ)



材料/4人分
スパゲッティ・・400g
イワシのコラトゥーラ
にんにく・・1かけ
イタリアンパセリ
EVオリーブオイル

・アルデンテにゆでたパスタをにんにく、イタリアンパセリ、唐辛子のみじん切りでマンテカーレし、コラトゥーラを好みの量加える。

■ヴィンチェンツォとクラウディオのイワシのコラトゥーラのスパゲッティSpaghetti con colatura di alici di Pasquale
(チェターラのリストランテ・ラ・チャンチョラのリチェッタ)

材料/4人分
スパゲッティ・・400g
イワシのコラトゥーラ・・大さじ4
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル
唐辛子・・1本

・スパゲッティを塩を加えないでアルデンテにゆでる。
・油、コラトゥーラ、にんにくと唐辛子のみじん切りでパスタをマンテカーレする。

はっきり言って4つともほとんど変わりません。
まさにナポリ料理入門の1品。
超シンプルなので、素材の美味しさがすべてかと。

おまけの動画、いつかバカンスを過ごす日を夢見て、アマルフィ海岸・・・。






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総合解説」2018年5/6月号
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2020年5月22日金曜日

ナポリの料理遺産と呼ばれる最高のトラットリアと上品で高級なナポリのアップタウン、ヴォメロ。

総合解説」2018年5/6月号から、ナポリのグルメ情報を紹介してきましたが、
ナポリの最高のトラットリアとしてお薦めの店は、動画やwebページが全然見つからず、唯一見つかったのが、ナポリの食文化情報の専門家、ピニャタロさんのブログでした。
料理の写真がどれも素晴らしく美味しそうです!!
訳してみます。

ブアッタはアップタウンのヴォメロ地区にあるが、その周囲はナポリの下町の雰囲気をとどめている。
ちなみにヴォメロはこんな地区。↓
ショップガイドもあります。

なんなんだここは。素敵すぎる。
私が知ってるナポリとはぜんぜん違う・・・。
ちょっとセレブ感漂いすぎだけど、下町のピッツェリアに疲れたら、ここにきて癒やされたい。
ヴォメロの住民にはナポリ・チェントロには行かない、なんて人もいます。

店ではほとんどすべてのカンパーニアワインを揃えている。
カンティーナは女将が切り盛りするラットリアらしく女性らしい気配りが行き届いている。
料理はどれも本物で、素晴らしく、メニューには、ポヴェリエッロのスパゲットやソッフリットのスパゲッティ、ツィーティ・アッラルダーティのような忘れ去られたナポリ料理、新鮮なイワシとレモンのスパゲッティ、パスタ・コン・ファジョーリ、フリアリエッリ入りレンズ豆とじゃがいも、数々のズッパとドルチェが並ぶ。
ナポリの小さな料理遺産のようだ。
この時のチェーナの料理の写真と感想はこちらでどうぞ。
ちなみにブアッタは箱という意味のフランス語で、ナポリやカンパーニア地方で食品を保存する時に使う缶のこと。

ブアッタでは家で食事をするかのようにリラックスした雰囲気の中で食事を味わうことができる。
ブアッタの家庭的な雰囲気を作り出しているのはシェフのアンジェラ。
別名会話するトラットリアと呼ばれているほど気さくな店。
淡々と楽しげにおしゃべりする人です。
話に夢中になって料理を忘れる女性二人をディレクターが時々注意してますねー。
こんな人。↓
探せば見つかるもんだ。

アンジェラシェフが作っているのはイワシとレモンのリガトーニ。
・潰して皮を取ったにんにく1かけをオリーブオイルでソッフリットにし、
焼き色がついたらと唐辛子の小片を加えて火から下ろす。
・イワシの切り身を加えてさっと熱し、レモンの皮とゆでてざっと水気を切ったパスタとこしょうを加えてなじませる。
・仕上げにペコリーノ・ロマーノを散らす。


料理と伝統料理への情熱は小さな頃からおばあちゃんの料理を見て学んだそうです。
スペチャリタは、フリアリエッリ入りパスタ・エ・ファジョーリ、レモン風味のじゃがいものクロッケ、バッカラとイワシのフリット、豆のミネストラ、玉ねぎのフリッタータなど。
どれも値段は控えめ。

次回からは上記の料理などを参考に、ナポリの伝統料理のリチェッタを訳していきます。
まずはカンパーニアのコントルノの定番、フリアリエッリfriarielli。


プーリアではチーメ・ディ・ラパと呼ばれていますが、上の動画ではチーメ・ディ・ラパとは似ているけれど違うと言ってます。
南伊では普及していますが日本だけでなく北伊でも見かけないアブラナ科の野菜なので、ナポリで見かけたら味見しておかないと。
調理方法は、ラードでソッフリットにしたり、サルシッチャに添えるのが一般的。

サルシッチャ・エ・フリアリエッリsalsiccia e friarielli

・硬い茎や黄色い葉は取り除く。
・たっぷりの上質のEVオリーブオイルに唐辛子の小片、刻んだにんにく2かけを入れて火にかけ、油が熱くなったらフリアリエッリを加えて蓋をして蒸し煮にする。
・ボリュームが1/4になったら混ぜて塩を加え、水分を出す。
・サルシッチャ・ナポレターナにナイフの刃先で穴をあける。
・フライパンに皮付きにんににく2かけとオリーブオイル少々を熱し、温まったらサルシッチャを入れて焼く。
ワイン1.5カップをかけてアルコール分を飛ばす。
フリアリエッリは蓋を取って5分熱して水気を完全に飛ばす。
・サルシッチャを加えてなじませ、皿に盛り付ける。

基本のイタリアの地方料理をしっかり細かく押さえている地方料理書の傑作、

によると、サルシッチャの他に、スカモルツァのグリル、モッツァレラ、卵、肉料理などに添えるのがカンパーニアの定番だそうです。

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2020年5月21日木曜日

ナポリで100年続く家族経営のトラットリア・ピッツェリアは、100年かけて一族でナポリ・ピッツァを美味しくすることに取り組んできた、とさらっ言う。

『クチーナ・イタリアーナ』誌のナポリのグルメ・ガイド、続けます。
ナポリはイタリアで一番エノテカが多い街なんだそうで。
さらに€10以下で世界地美味しいものが食べれる街。
美味しくて安い食べ物、ストリートフードの天国ナポリ。
ナポリのスリートフードを象徴するのがピッツア・フリッタなら、
ピッツァ・ポルタフォーリオも紹介しておかないと。
ピッツァ・ポルタフォーリオ


歩きながら食べることを考えて作り出された究極の形は、札入れ(ポルタフォーリオ)型。
4つ折りにするので生地は柔らかく、ソースもモッツァレラも少なめ。
ピッツァが載っていたシートで巻いて食べます。
だいたい€1~2。

ピッツァはフリッタとポルタフォーリアに進化したのですね。

偶然にも、きのう動画が見つからなくて諦めたウンベルトの動画を発見。
ナポリで代々家族経営のトラットリア兼ピッツェリアの象徴的店。
リストランテ・ピッツェリアで探さなくてはいけなかった。
上質の食材に拘っています。
1916年オープンの100年の歴史がある店が、100年かけてピッツァ・ナポレターナを美味しくすることに取り組んできた、と胸を張ってさらっと言うの、かっこいい。
一般的なナポリのトラットリアのイメージとはちょっと違う、落ち着いた大人な店。
メチャ素敵!!
webページはこちら
ウンベルト


次回ナポリに行ったら絶対訪れたい店見つかった。


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総合解説」2018年5/6月号P.32
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2020年5月20日水曜日

ミシュランとナポリ料理の関係は、マックとアルタムーラのパン屋の関係に似ている。

総合解説」のナポリのグルメガイド(P.32)のビジュアルガイド。
ナポリのピッツェリアの次はトラットリアです。
店の住所は総合解説に載せました。

ナポリには、トラットリアも無数にあって、そのほとんどが半世紀以上続く家族経営の店。
伝統料理ならたいてい出しているのだそうで・・・。
見つかりません。
それでもどうにかこうにか見つけたのがこれ。 

ピッツェリア・リストランテ・ウンベルト。

webの情報が充実しているのは、どうしても高級店に集中。
上質の魚料理の有名店、テラッツァ・カラブリット。

そしてベリタス。ホテル・ロメオのミシュランの星付き店。

魚料理とナポリ伝統の乾麺のパスタがおすすめの店。

ベリタスのパスタ、マッケローニ・ラルダーティ。

最後は、ナポリ人の勝負店なのか、パラッッォ・ペトルッチ再登場。これがレストランのPVて、ほんとナポリ人、わからん。
店はミシュラン1つ星。
そういえば、ナポリのミシュランの星は全部で3つだそうです。
ただし、ナポリ県はイタリアで一番星が多い県。
ミシュランとナポリ料理は、マックとアルタムーラのパン屋ぐらい相容れないようです。

次回はもう少し庶民向けの店を紹介します。

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総合解説
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2020年5月19日火曜日

ナポリの大御所たちのピッツェリア

総合解説」2018年5/6月号P.32から、ナポリの駅近グルメガイド、ピッツァ編です。
ナポリの最新のヒットピッツァの店、リスランテ・ピッツェリア・フランコから300mほど離れた場所にあるのが、ナポリのピッツァ・フリッタの殿堂、ピチリッロ家のマサルドーナ。
1945年以来、ピッツァ・フリッタ一筋。支店もあります。

材料
00番の小麦粉・・1kg
イースト・・10g
牛乳・・1ml
砂糖・・少々
塩・・25g
水・・0.5L
チーコリ・・50g
羊のリコッタ・・50g
プローボラ・アッフミカータ・・50g
トマト・・少々
・小麦粉、溶かして塩と砂糖を加えたイースト、牛乳をこねる。必要なら小麦粉と水を足す。
・覆いをして休ませる。
・1個約80~100gにカットして丸め、布巾をかぶせて発酵させる。
・2個を伸ばしてリコッタ、チコリ、プローボラ、バジリコ、こしょうをのせてもう1枚の生地をかぶせる。
・両面を揚げる。

ナポリのチチョリ


豚のばら肉を3~4時間高温でゆでて脂を溶かし、残りの肉を押し固めてスライスしたもの。
脂がないので、とてもヘルシーな食材。



ナポリには約1500軒のピッツェリアがあるそうですが、『クチーナ・イタリアーナ』誌が文句なしの1位に選んだのは、ダ・ミケーレ。
はるか昔から不動の1位。


2位と3位はトルブナーリ通りのソルビッロと、

チーロ・サルヴォ・ダの50カロがせっているそうで。

ソルビッロのピッツァは水分が多く、発酵時間が長い革新的なピッツァ。サルヴォ兄弟のピッツェリアは最も美しいピッツェリアでサービスは完璧に伝統的なナポリスタイル。

最後はスローフードと提携した、上質の食材に拘った最初の店として知られるエンツォ・コッチャのラ・ノティツィエ。


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2020年5月18日月曜日

革新的なピッツァ作りを目指した4代目は、ナポリのピッツァの最新ヒット作を生み出した。


総合解説」2018年5/6月号p.32の“ナポリのグルメガイド”のビジュアルガイド。
今日は、ナポリピッツァの最新ヒット作の話。
名前はGROTTA(グロッタ)。
駅チカのリストランテ・ピッツェリア・フランコの新作です。
ちょっとまぎらわしいけど、フランコ・ぺぺさんとは別人。


ピッツァィオーロ4代目のフランコは、伝統的なピッツァに改革を加えて、洞窟(グロッタ)のように中が空洞になるピッツァを作り出し、ミートボールのラグーあえ、プローボラ・ダジェロラ、紫いもとハム、ドライトマトとアンドゥイア、ピスタチオクリームと水牛のストラッチャータなど、地元の特別な名物食材を使った特殊な具を詰めました。
その結果、若者だけでなく、グルメも注目するピッツァが出来上がり、食やピッツァに人一倍こだわる街、ナポリの、一番新しいピッツァとしてヒットしました。

プローボラはアマルフィ海岸が誇るチーズの一つ。

アジェロラは、アマルフィ海岸で飼育されている乳牛で、イギリスの牛と地元種をかけ合わせて作り出されたアジェロレーゼ種の原産地。
観光地としても素晴らしいけど、いちじく、栗、くるみ、りんご、トマト、パンなどの名物も多数。
地元産の牛のミルクは量は少ないけど、風味は格別。
このミルクから作るのが、プロボローネ・デル・モナコ。
ネラノ風ズッキーニのパスタに欠かせないチーズ。


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総合解説
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2020年5月17日日曜日

セレブたちに彩られた田舎風ピッツァ、パリジーナ


総合解説」2018年5/6月号のグルメガイドから、ナポリの話題(P.32~)。
駅チカのお薦めのピッッェリアでお薦めなのは、最高のストリートフード。
まあそもそも、ピッツァがストリートフードだけど。
アランチーノ、パスタのフリッタータ、クロッケなどの定番の惣菜はわかるけど、中に一つ、パリジーナというのがありました。
ナポリの人気のストリートフードですと。

ピッツァ・パリジーナ


ピッツァ生地とパイ生地で生ハム、トマト、チーズを挟んだピッツァだそうで、ピッッァなのかフォカッチャなのかはっきりしないけど、ピッツェリアよりは惣菜店の定番。
なぜパリジーナと言うのかについては、ナポリ料理の研究家ルチアーノ・ピニャタロは、ナポリの文化と言語学の研究者ラファエロ・ブラカーレ氏の意見としてブログにこう書いています。(こちらのページ)
この料理の人気は、根本でのフランスの美食文化とナポリの結びつきを表している。

この料理は1970年代に郊外の惣菜店で生まれた田舎風のピッツァで、これをもとに
1769年に、1816年にマリア・カロリーナ王女の結婚式のためにナポリの宮廷に呼ばれてやってきたモンズー(宮廷のフランス人料理人)で、アントナン・カレーム(パイ生地などの考案者)の弟子だった人物が、マリア・カロリーナの軽食用に考え出し、やがて広まってナポリ王国を代表する料理になったが、パリとはなんの関係もない。
元々はピッツァ生地で具を挟んだピッツァだったが、後にパイ生地が加えられるようになった。

マリア・カロリーナはハプスブルグ家の女帝、マリア・テレジアの娘でマリー・アントワネットの姉、ナポリとシチリア王の后。

つまり当時のとびきりのセレブ。

マリア・カロリーナとブルボン家のナポリ王との初めての出会い。


それでは上述のピニャタロ氏のページから、(こちらのページ)
ピッツァ・パリジーナPIZZA PARIGINAのリチェッタをどうぞ。

パスタ・スフォーリア・・1ロール
小麦粉・・800g
水・・400ml
ホールトマト・・500g
ハム・・400g
薄くスライスしたプローボラ・・400g
生イースト・・25g
EVオリーブオイル・・100ml+大さじ2
温めた牛乳・・1/2カップ

・大きなボールに小麦粉、塩、油、ぬるま湯1/2カップで溶いたイーストを入れて混ぜ、均質の柔らかい生地にして布巾で覆って2時間発酵させる。
・打粉をした台に移して厚さ約5mmの長方形に伸ばす。
・天板に油を散らし、生地の半量を敷き込む。
・トマトを塩と油で調味してフォークで潰す。
・生地にハム、トマト、フローボラをのせる。
・残りの生地とパスタ・スフォーリアで覆い、縁をしっかり閉じる。
・牛乳を塗ってピケする。190℃のオーブンで約40分焼く。
・粗熱を取ってカットする。

ピッツェリアの人気のストリートフードをもう1品、
スパゲッティのフリッタータFRITTATA DI SPAGHETTI


材料
スパゲッティ・・240g
卵・・4個
おろしたパルミジャーノ・・80g
玉ねぎ・・1個
トマトのパッサータ・・250g
EVオリーブオイル・・大さじ3
塩、こしょう
・玉ねぎのみじん切りを油でソッフリットにし、トマト、塩、こしょうを加えて20分煮る。
・アルデンテにゆでたスパゲッティを加えてあえる。
・卵、塩、こしょう、パルミジャーノを混ぜる。
・フライパンに油を引いてパスタを入れて固める。
・卵をかけて5分焼く。蓋を使って裏返し、反対側も5分焼く。くし切りにしてサーブする。

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2020年5月16日土曜日

ナポリピッツァ界の3代目、フランコ・ぺぺはナポリの40km北の町でご近所の食材で評判のマルゲリータを作る。

さて、イタリアで一番食べ物にうるさい街、ナポリのグルメガイドです。
総合解説」2018年5/6月号P.32~。
ナポリ中央駅から1km以内の、ナポリ人に愛される店、次からはピッツェリア。
まずはピッツァイオーロ界の3代目と言えばこの人、フランコ・ペペの店、ピッツェリア・フランコ。webページはこちら
正確には、ナポリの40km北のカイアッツォのパン屋の3代目。
その意味では正統派ナポリピッツァとは違うかもしれないけれど、ナポリ・ピッツァの巨匠たちを丁寧に取材した本、ピッツァ・アルバ・ペゾーネ

によると、フランコは地元のご近所や友人が作る上質の食材でピッツァを作り、世界一美味しいピッツァという評判を分かちあって小さなネットワークを作り上げた。
フランコ・ぺぺのピッツァ


彼のピッツァはパン屋の祖父から受け継いだブナの木のマディアで生地を12時間発酵させ、ピッツァイオーロの父が設計した高くて口が狭く、温度をコントロールしやすいかまどで、木くずを燃やして微妙な美しい焼き色をつけながら焼く。

こんなかまど

彼のピッツァのシンプルで軽い生地を味わうなら、ピッッァ・ビアンカ(フォカッチャ)がお勧めだ。
彼のマルゲリータは、トマト、モッツァレッラ、オリーブオイル、バジリコのバランスが最高だ。
フランコ・ペペのマルゲリータ

・マディアに小麦粉、水、塩を入れて手で混ぜ、塩が溶けたのを感じたらイーストを加える。小麦粉を少しずつ足しながらよく混ぜて乾いた締まった生地にする。
・(プント・ディ・パスタpunto di pasta)になったら生地を250gずつにカットし、生地を手で触りながら発酵に必要な時間や室温、湿度などを計算して休ませる。今回は約4時間。
・記事の中心から縁に向かって押さえながら発酵の間に生成された空気を抜く。生地をピールにのせ、サン・マルツァーノとモッツァレッラをのせてEVオリーブオイルをかける。高温のかまで短時間焼き、バジリコをのせる。ハーブは450℃のかまには入れない。



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ピッツァ・アルバ・ペゾーネ
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2020年5月15日金曜日

ナポリのドルチェとストリーフードを作る様子はペットの動画くらい癒やされる。

今日はスフォリアテッラ・リッチャのリチェッタ。

別名イセエビの胴(coda d'aragosta)と呼ばれるあの姿を、伸ばした生地にラードを塗りながら作ります。
オーブンで焼くと、まさにイセエビの胴みたいになります。

それでは今日も、ルチアーノ・ピニャタロ氏の力作、ニュートン・ドルチ・ナポレターニ』から


スフォリアテッラ・リッチャSfogliatella riccia
材料/6人分
00番の小麦粉・・400g
リコッタ・・250g
粉糖・・200g
セモリーノ・・150g
カンディート各種・・150g
グラニュー糖・・50g
バター・・170g
卵・・1個
卵黄・・2個
バニラエッセンス
シナモンパウダー、塩

・大きなボールに小麦粉を入れ、バター100g、砂糖、塩一つまみ、水少々(締まった生地にする適量)を加えてこねる。締まった弾力のある生地になったらまとめて覆いをし、涼しい場所で約1時間休ませる。
・鍋に水500mlと塩少々を入れて沸騰させ、セモリーノを振り入れる。再沸騰してから5分煮て火から下ろし、冷ましてボールに入れる。
・リコッタ、粉糖150g、卵1個、刻んだカンディート、バニラエッセンス少々、シナモン少々を加える。布巾で覆って冷蔵庫で休ませる。
・バター50gを溶かす。
・打ち粉をした台で生地を長方形にできるだけ薄く伸ばして4等分する。
・溶かしたバターを塗って重ね、30分休ませる。
・重ねた生地をきつく巻いて両端を切り落とす。幅約1cmの輪切りにする。
・1枚を台において麺棒で中央から左上、中央から右下に向かって平らにして大きなひし形にする。
・中央に詰め物を少量のせて半分に折り、縁を閉じる。バターを塗った天板に並べる。
・残りの材料も同様にして溶いた卵黄を塗り、200℃のオーブンで20分焼く。180℃に下げて20分焼き、160℃に下げて10分焼く。粉糖を振りかけて熱いうちにサーブする。

生地にバターを塗ってましたが、溶かしたラードを塗るのが伝統的。
小麦粉はマニトバ粉の場合も。

最後は発祥地の修道院、サンタ・ローザの名前がついたスフォリアテッラ。

スフォリアテッラ・サンタローザSfogliatella Santarosa
材料/8人分
小麦粉・・800g
バター・・300g
詰め物;
クレーマ・パスティッチェリーア・・300g
アマレーナのジャム・・200g
卵黄・・2個
粉糖
・小麦粉、バター、塩でパスタ・スフォーリアを作て休ませ、麺棒で伸ばす。直径10cmの円形に抜く。
・片側にジャムとクレーマ少々を塗る。
・半分に折り、溶き卵少々を塗って閉じる。表面に溶いた卵黄を塗る。
・高温のオーブンで30分焼いて冷まし、クリームとジャム少々を絞り出して飾る。仕上げに粉糖を振りかける。

ナポリのドルチェとストリートフードは楽しくていくらでも見てられます。

おまけの動画
何ができるかな


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ニュートン・ドルチ・ナポレターニ
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2020年5月14日木曜日

修道院生まれでナポリの旧市街育ちのスフォリアテッラの最終形態はストリート。

スフォリアテッラは、アマルフィの修道院で生まれて、ナポリの旧市街のオステリアで育てられたドルチェだ。
その商才豊かな店主、パスクアーレ・ピンタウロは、1818年、スフォリアテッラのすごい人気を知ると、店をすぐにパスティッチェリーアに変えた。
そして、ドルチェをもっと売りやすい形に変え、当時のナポリ人の好みに合わせた味に変えた。

このピンタウロと前々回のブログで紹介したナポリ駅の近くの店、1930年代オープンのアタナシオが、
ナポリのスフォリアテッラの2大巨匠。

イタリア人に支持されているニュートンの地方料理シリーズの、ナポリのドルチェの著者は、ナポリ料理書の第一人者、ルチアーノ・ピニャタロ氏。

表紙はスフォリアテッラですね。
■Attanasio
Vico Ferovia 1/2/3/4

■Pintauro
Via Toledo, 275
リチェッタは、フロッラ、リッチャ、サンタローザ(別名モナキーナ)と、3種類もあります。
アタナシオのスフォリアテッラ・リッチャとフロッラ↓


それでは本のリチェッタをどうぞ。
◆スフォリアテッラ・フロッラ/Sfogliatella frolla
材料/6人分
小麦粉・・300g
ラード・・150g
砂糖・・120g
セモリーノ・・200g
リコッタ・・200g
粉糖・・175g
卵・・2個+卵黄・・2個
チェードロのカンディートとオレンジピール・・100g
バニリーナ・・1袋

・小麦粉、砂糖、ラード、卵黄2個でパスタ・フロッラ( タルト生地)を作り、休ませる。
・水500mlと塩一つまみを沸騰させ、セモリーノを振り入れて木べらでかき混ぜながら15分煮て冷ます。
・詰め物を作る。リコッタを裏漉しして粉糖、バニリーナ、卵1個、チェードロとオレンジピールのみじん切り、冷めたセモリーノを加える。
・台でパスタ・フロッラを伸ばし、小さな型に敷き込む。中央に詰め物をを少量のせる。
・生地をかぶせて縁を閉じ、同じ形に成形する。余った生地を切り落とす。
・ラードを薄く塗った天板に並べ、溶き卵を塗る。180℃のオーブンで約15分焼く。
・粉糖を振りかけて熱いうちにサーブする。

修道院で生まれてナポリの旧市街で育ったスフォリアテッラの最終形態はストリート・フード。
こんなの目の前で作ってたら見ちゃうよねー。


次はリッチャのリチェッタ。

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『ニュートン・ドルチ・ナポレターニ』
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2020年5月13日水曜日

スフォリアテッラの聖地、サンタ・ローザ修道院とパスティッチェリア・ピンタウロ

1001specialita
スフォリアテッラの話です。
スフォリアテッラとは、イタリア料理の百科事典1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』によると、ナポリでとても愛されているドルチェ。
サレルノからアマルフィ海岸にかけてのカンパーニア地方のドルチェ。
17世紀にサンタ・ローザ・デ・リマ・ディ・コンカ・デ・マリーニの修道院で作り出されたと言われている。


アマルフィ海岸の修道院は、ロケーションの素晴らしさから高級ホテルになっているものが多いけど、ここもそのようです。

コンカ・デ・マリーニ

ここのビーチは海からしか行けない。
こんな素晴らしいロケーションで、修道女が、牛乳で煮たセモリナ粉の残り物にドライフルーツ少々を加えて、薄いパイ生地で、修道士の頭巾の形に包んで作り出したのが、スフォリアテッラ。
サンタ・ローザ修道院とその近隣のスフォリアテッラのイベント。
アマルフィにはこんなパラダイスがまだ隠れていました。

やがてこのドルチェの評判はナポリまで届き、パスクアーレ・ピンタウロが知ることとなります。
ナポリのドルチェの殿堂の1つ、ピンタウロの創業者です。
リチェッタに改良を加えたピンタウロは、自分の店で販売を始めます。
結局スフォリアテッレは大成功を収めます。
そしてその成功は現在も続いています。
スフォリアテッレの聖地となったピンタウロの店。

修道院のスフォリアテッラ


私は、こんな歴史や2種類あるリチェッタのことなど何も知らずにスフォリアテッラを口にして、あっという間に虜になりました。
リチェッタは次回に。


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総合解説
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2020年5月12日火曜日

スフォリアテッラがナポリで一番美味しい店

ナポリのグルメガイド。
今日はナポリ駅周辺の美味しい店の紹介です。
総合解説」2018年5/6月号P.32~。

ナポリ駅は周辺は、昔は物騒で足を踏み入れたくない地域でしたが、どんどん変わって、今はこんなになってます。

もちろんこのご時世ですから、店はどこも閉まっていますが、近頃では徐々に規制が解除になって動き出してもいます。カフェで一日をスタートさせる人たちの生活も戻ってきたようです。


元々苦しい時に助け合いの精神が強いナポリがどう立ち直っていくか・・・。

ナポリの“カフェ・ソスペーゾ”は、余裕のある人が困っている人のためにコーヒー代を2杯分払うシステム。
コーヒーからピッツァまで、ナポリ人の固い絆を世界的に有名にしたシステムですが、昔からある習慣で、若者の中には知らない人もいたとか。
こんな事態になって初めて体験して、ナポリ人であることを一層誇りに思うことでしょう。


ナポリ駅周辺の、ナポリで一番スフォリアテッラが美味しいと言われる店、ダ・アタナシオ。こ、これはパラダイスだあ。ナポリの人は復活の日を首を長くして待っていたことでしょう。


ダ・アタナシオのスフォリアテッラ。
ナポリのスフォリアテッラには、リッチャとフロッラという2種類の生地があります。
リッチャはパリッとしたパイ生地で、フロッラはタルト生地。具は同じ。


ナポリ頑張れ。

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2020年5月11日月曜日

パスタを手づかみで食べさせたら伝説級のトトとナポリの守護聖人のスパゲッティ

今月のグルメガイドは“ナポリ”「総合解説」2018年5/6月号p.32
は、訳しながら、ナポリ人の食へのこだわりに頭が下がる思いでした。
冒頭の写真の少年は、ナポリの人気キャラクター、プルチネッラが手づかみでパスタを食べる有名なポーズを真似しています。

実写版プルチネッツラとスパゲッティ

ちなみにスパゲッティを手づかみで食べさせたら、イタリアの国民的喜劇俳優トトの演技が絶品。『Miseria e nobiltà』のワンシーンはもはや伝説。

パスタを食べるシーンが語り継がれているもう一つの映画、『Un americano a Roma』

数十年ほど前までは、パスタはこれほど庶民の、というか貧しい庶民の食べ物でした。

パスタの地位が向上したのは、小麦の品種や製造方法にこだわった造り手が現れ、パスタの品質を向上させていき、その味を最大限に味わえる料理を考え出してきた料理人の工夫の結果です。
現在は、パスタ・プライドと呼ばれる時代。


上のパスタはトトの好物だった1品です。
トトの娘のリリアナが料理書に書き残して広まりました。
ジェンナーロはナポリの守護聖人のこと。

ナポリ人に熱烈に信仰されている聖ジェンナーロ。

ジェンナーロ風スパゲッティSpaghetti alla Gennaro
材料/1人分
太いスパゲッティ・・100g
アンチョビ・・3枚
にんにく・・2かけ
オレガノ・・少々
バジリコ・・1房
固くなったパン・・3枚
EVオリーブオイル、塩

・パンににんにくをこすりつけて刻む。
・油とにんにく1かけを熱してパンを炒める。
・別のソテーパンに油とアンチョビを熱して溶かし、オレガノを加える。
・ゆで上がったスパゲッティとパン粉を加えてなじませる。
・皿に盛り付けてちぎったバジリコを加える。

シンプルで素朴なパスタ。
天才のことを思い出しながらどうぞ。
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総合解説
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2020年5月10日日曜日

マックを閉店に追い込んだアルタムーラのパン屋

パーネ・ディ・マテーラの次はパーネ・ディ・アルタムーラの話。
パーネ・ディ・アルタムーラ
総合解説」2005年4月号で、このパンの記事を訳していました。

マテーラに行くためにバーリから載った電車では、マテーラとアルタムーラはすぐ隣だった記憶が。
産地も近いし、巨大で皮が厚いという特徴もそっくりのパンです。
ほぼ同じ産地の小麦と天然酵母で作るパンで、
元々は、日持ちするために羊飼いが移牧の旅に持って行くパンでした。
同じ目的のサルデーニャのパーネ・カラザウとはまったく違うパンですね。
さらに、数十年前までは、家庭で生地をこねて、週に1回、村の共同かまどで焼くために家長のイニシャルを刻印するというのもパーネ・ディ・マテーラと同じ。

パーネ・ディ・マテーラが三位一体を表す形なのに対して、パーネ・ディ・アルタムーラは司祭の帽子の形。

この記事を訳した2005年頃、アルタムーラでは、ちょっとした事件がおきていました。
2年前にマクドナルドができたのです。
ところが、イタリアはアンチ・マクドナルド勢力が強い国、ということを証明する結果となってしまいました。
マクドナルドができると近所の昔ながらのパン屋が、客を奪われて潰れるというのが相場。ところがアルタムーラでは、昔ながらのパン屋に客が奪われて、閉店したのはマクドナルドの方でした。
マクドナルドは、誕生日パーティーや、衛星テレビでのサッカーの試合の中継など、あらゆる方法で客を引き留めようとしました。
ところが、アルタムーラの若者たちは、マクドナルドで試合を見て、そのあとでパン屋に行ってパンを買う、という有様だったそうです。

アルタムーラ

アメリカではショックだったようで話題になりました。

南イタリアの人も、かなりスカッとした様子。
パーネ・ディ・アルタムーラはヨーロッパで最初にDOP製品に認定されたパン。
手間暇かけて作る、スローな食材。
生地をこね機で20分こね、室温で最低90分発酵させ、手作業で整形して休ませ、かまどの扉を閉じて15分焼き、さらに扉を開けて45分焼く。仕上げに扉を開けて蒸気を出して皮をパリッとさせる。焼く温度は皮の状態によって変えるので一定ではない。
バイトには作れないパン。
かまどは酵母から発生する炭酸ガスを抜くために中央部分の高さが1m80cm必要。
焼き上がったパンは薪の香ばしい香り。この香ばしさがパーネ・ディ・アルタムーラの特徴。


分こね、



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総合解説
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2020年5月9日土曜日

バジリカータではパンは何も無駄にしません。落ちても拾ってキスして食べます

今日のお題は「総合解説」2018年5/6月号P.30から
メイド・イン・イタリーの食材、“パーネ・ディ・マテーラ”です。

見たこともない形をしたこの大きなパンは、それまで知っていたどんなパンにも似ていなくて、どんな味なんだろう、と空想がどんどん膨らみ、初めて知った時から、世界遺産の街のことよりもパンが気になっていました。
あの味は、口では説明しにくいので、とにかく一度食べてみてほしいパンです。
私は、このパンや、パーネ・プリエーゼの存在を知って、南イタリアのパンはおいしい!!という結論に達しました。

総合解説」では、ごつごつした穴だらけのマテーラのイメージとそっくりのパンと、実にうまいこと言ってます。

パーネ・ディ・マテーラ

マテーラ

このパンの特徴については、さらに、
南イタリア特有の強い味で、真っ白な皮のパンが好きな北部人には焦げたようにも思えるほど黒く、厚みも3mm以上と厚い、
と、北部のパンとはぜんぜん違うことを軽く自慢しているような口調。

このパンは村の共同かまどで焼くので、自分の家のパンを区別するために目印に各家庭の家長のイニシャルを生地に押してから焼くのが特徴。
このイニシャルは、マテーラ名物のお土産にもなっています。

マテーラは、古い街なのに、至るところに若者が移り住んできて、自分の仕事場や住居を改修していて、活気のある若い職人の街みたいです。
上の動画でマテーラのパンを紹介した人は、マテーラにUターンしてガイドをする傍ら、趣味でイニシャル用のスタンプを作成していて、紹介したパン作り教室でパンに押す家名のスタンプも自作できると、しっかりアピールしてます。
これは楽しそう。

このパンの味を生み出しているのは、マテーラで古代から栽培されていた小麦(カペッリ種など)とフルーツを加える天然酵母。

パーネ・ディ・マテーラの型は、コルネット型と呼ばれます。
これはマテーラの形で、他の地方で作られるパンの形は丸く、味も軽く違います。

パーネ・ディ・マテーラ(コルネット・ディ・マテーラcornetto di Matera)
の形は父と子と精霊というキリスト教の三位一体の教えを表している。パンの縁に入れる3本のクープもこれを表している。

材料/
セモリナ粉・・650g
水・・450ml
2回セモリナ粉を継ぎ足した天然酵母・・180g
塩・・12g

・粉と水を混ぜて2時間休ませて2倍に膨らんだら、天然酵母、塩、水を加えてこねる。
・ボールの中でこねて、30分毎に3回たたみながら休ませる。ボールで1回折り込んだら打ち粉をした台で1回折り込む。
・ボールに入れて冷蔵庫で2時間休ませる。
・さらに一晩休ませる。翌朝冷蔵庫から出して室温に3時間置き、コルネット型にする。
・水を入れた鍋と一緒に250℃のオーブンで15分、200℃30分、180℃で15分、150℃のコンベクションオーブンで微風で15分焼く。
・最後の15分は鍋を外して乾かす。
・立てて4、5時間冷ます。
・スライスした時の独特の形がこのパンのアイデンティティー。

マテーラはバジリカータの街。
話題になることは少ないけど、素晴らしいところです。

パンにまつわる名言集
パンが落ちても拾ってキスして食べます。

世界中には大勢の飢えた人がいる。だから神はパンの形になってしか、彼らの前にあわられることが出来ない。マハトマ・ガンジー


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総合解説
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2020年5月8日金曜日

ナポリのグランシェフのズッキーニのフリットのパスタ

さて、ズッキーニのスパゲッティです。
ナポリ料理研究の第一人者として知られるジャーナリストのピニャタロさんは、多数ある著書の一冊、『リチェッテ・ディ・ナポリ』には、こう書いています。

ネラノ風ズッキーニのスパゲッティ/Spaghetti con le zucchine alla Nerano

料理の副題には、トニーノ・メリーノのアドバイスによる、と書かれている。
トニーノ・メリーノはネラノ出身で、ネラノのクアトロ・パッシというレストランのシェフで、ナポリを代表するグラン・シェフの一人。
招かれて日本で仕事をしていたこともある人。

ネラノのクアトロ・パッシ



・・・それではどうぞ。
この料理には主役のズッキーニがもたらす2つのリスクがある。
1つはパスタから流れ出たデンプンによって甘さが強まること。
この問題を解決するのは、バジリコとにんにく、そしてプロボローネ・デル・モナコだ。
ヤギのカードで固めたチーズなので適度な辛さがある。手に入らなければ上質の牛乳のカチョカヴァッロを使う。

2つめは、揚げることによってズッキーニがくたっとなり、黒ずんだ離乳食のようになることだ。
この失敗はスカペーチェなどのナポリ料理によく見かけるが、簡単な方法で回避できる。
まず、ズッキーニは、均一に素早く揚げるために薄い輪切りにする。
これをたっぷりのEVオリーブオイルで揚げて油を切り、さらにマンテカトゥーラの前に熱湯にさっとくぐらせるのがメリーニの裏技だ。
これによりズッキーニは失った水分を回復する。
ズッキーニにチーズをかけすぎるのも間違いだ。

材料/4人分
スパゲッティ・・400g
小型のズッキーニ・・700g
EVオリーブオイル
にんにく
粗くおろしたプロボローネ・デル・モナコ・・200g
手でちぎったバジリコ・・4~5枚
黒こしょう、塩

・ズッキーニは薄い輪切りにしてEVオリーブオイルで揚げ、シートで油を切る。
・その間にパスタをゆでる。
・にんにく2かけを油大さじ6で焦がさないようにソッフリットにし、火から下ろす。
・このタイミングでズッキーニの1/3を熱湯にさっと浸して歯ごたえの違う2タイプのズッキーニにする。塩をして油を回しかける。
・ソテーパンからにんにくを取り除き、ズッキーニを加えてとろ火にかける。
・アルデンテにゆでたパスタを加えてさっとマンテカーレする。
・火から下ろしてプロボローネ・デル・モナコを加え、パスタに吸わせる。
・皿に盛り付けてこしょう少々とバジリコを散らす。

※バリエーションは多数ある。その一つがバターを加えてマンテカーレすること。
邪道のようにも思えるが、モンティ・ラッターリ地方は乳製品の生産が盛んな地域なのでバターを加えるのは一般的なこと。太いショートパスタだと食堂のパスタになってしまう。卵を加えるとカルボナーラ風になる。
ネラノのマリア・グラツィアが考え出した料理だが、カプリ出身という説もある。

この料理が有名になるにつれ、どうやらナポリの人には揚げたズッキーニのパスタにはプロボローネ・デル・モナコというのがDNAに刻まれたようです。

プロボローネ・デル・モナコ


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「総合解説」
リチェッテ・ディ・ナポリ
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2020年5月7日木曜日

ソレント半島の小さなパラダイスで生まれた代表的ナポリ料理、ネラノ風ズッキーニのパスタ

初夏のマーレ・エ・モンティな料理の一例として、今月の「総合解説」ではズッキーニのフリットとアサリのパスタを取り上げました。

ズッキーニのパスタというと、ネラノ風というのが有名です。
ネラノ風スパゲッティ

ネラノはソレント半島の美しい海辺の村。


料理の背景については、下の動画の主が詳細に説明しています。
キッチンが素敵すぎる!!

ネラノ風スパゲッティ

ネラノの隠れた小さなリゾート、マリーナ・デル・カントーネ。

今ではカンパーニアを代表する1品になったズッキーニのパスタは、ネラノの入り江にあったリストランテ・マリア・グラツィアによって
シンプルなズッキーニのパスタをリッチな1品にするために考え出されたと伝えられています。

現在もあるマリア・グラティアのwebページはこちら

この料理に欠かせないチーズ、プロボローネ・デル・モナコ

モンティ・ラッターリ地区の特産品で、各家では毎日早朝に、チーズをナポリまで売りに出かけました。

モンティ・ラッターリ



早朝は寒かったので、みんな白くて長いマントを着ていました。
その様子が修道士(モナコ)の用に見えので、チーズにこんな名前がついたのだそうです。
プロボローネ・デル・モナコが手に入らない時は上質のカチョカヴァッロ・セミスタジョナートで代用します。

それでは動画のリチェッタです。
材料/
スパゲッティ・キタッラ・・400g
プロボローネ・デル・モナコ・・200g
小型のズッキーニ・・800g
EVオリーブオイル
こしょう、粗塩
バジリコ
にんにく・・1かけ

・ズッキーニを薄い輪切りにして150~160℃の油で揚げる。
・色が付きだしたらシートに取って油を切りながらちぎったバジリコを散らす。
・パスタをゆでる。
・フライパンに油と潰した皮つきにんにくを熱し、油ににんにくの香りがついたらとろ火にしてズッキーニ、レードル1杯のパスタのゆで汁を加える。
・にんにくを取り除いてゆで汁を足し、こしょうをかけてなじませる。
・ゆで上がる4分前のパスタとゆで汁を加えてなじませる。
・ゆで上がる1分前におろしたプロボローネの一部とゆで汁少々を加えてマンテカーレする。
・プロポローネは一度に全部ではなく少しずつ加えてとろ火で適度なクリーム状にする。
・仕上げにこしょうとフレッシュのバジリコを散らす。

ソースのとろみが濃くてあんかけみたいなパスタですね。

次回は、ナポリ料理の大家、ルチアーノ・ピニャタロの本、“リチェッテ・ディ・ナポリ”のリチェッタを訳してみます。



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総合解説
リチェッテ・ディ・ナポリ
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2020年5月6日水曜日

カリオストロの城のアグリトゥーリズモの初夏のメニューはマーレ・エ・モンティ

今月の「総合解説」は初夏の5/6月号。
というわけで、イタリアと日本の暮らしの差を毎月突きつけられて愕然とする記事、今月のホームパーティーメニューは、
「田舎のつる棚の木陰で友人たちと食べる初夏のプランツォ」です。
毎月、庶民の暮らしからは激しくかけ離れた美しい戸外のパーティー。
撮影場所は、リミニ近郊(エミリア・ロマーニャ)の中世の集落、サン・レオにあるアグリトゥーリズモ、ロカンダ・サン・レオーネ。
店のwebページはこちら
サン・レオは崖の上にある美しい要塞で知られる集落。
カリオストロ伯爵が亡くなった場所で、まさにカリオストロの城。
サン・レオの要塞

この村の1軒のアグリトゥーリズモの庭を貫く1本道は、ぶどうのつる棚で覆われていて、その下に並ぶテーブルで食事を取ります。

つる棚の下でパーティー


初夏の料理の最初の1杯は、トマト、いちご、スイカのスムージーで喉の乾きを癒し、
プリーモ以降はマーレ・エ・モンティな料理のオンパレード。

スイカのスムージー

FRULLATO DI ANGURIA/スイカのスムージー
角切りにしたスイカ・・450g
皮をむいて半分に切ったライム・・1個
ローズマリーの葉・・1枝

・材料をミキサーにかける。
・グラスに氷を入れて冷やし、スイカの果汁を注ぐ。

これにさらにトマトといちごを加えて、白いバスケットに入れた赤いスムージーは、うっとりするくらいゴージャスです。
写真はこちらのページ


前菜はパーネ・カラザウに生ハムを挟んだピアディーナ風。

パスタは、アサリ、ズッキーニのフリット、ボッタルガのスパゲットーニSPAGHETTONI CON VONGOLE, ZUCCHINE FRITTE E BOTTARGA
材料/6人分
スパゲットーニ・・500g
下処理した冷凍アサリ・・1kg
ズッキーニ・・4本
ボラのボッタルガ
にんにく・・4かけ
バジリコ・・1束
EVオリーブオイル
塩、こしょう

・ズッキーニを輪切りにし、油1/2カップとにんにく2かけで揚げる。
・同じ油でこんがり二度揚げしてもよい。
・油を切って塩とバジリコを散らし、油は取っておく。
・残りのにんにくを潰して鍋に入れ、水大さじ3、油大さじ2、アサリを加える。
・蓋をして火にかけ、時々鍋をゆすりながら熱する。貝が開いたら火から下ろして2/3は殻から出す。
・汁は漉して殻から出したアサリにかけ、再びフライパンに入れる。
・パスタをゆでてフライパン加え、さっとなじませる。
・ズッキーニを加えて混ぜ、皿に盛り付けておろしたボッタルガを散らし、殻つきアサリを加える。
・ズッキーニの揚げ油少々とこしょうをかける。

ズッキーニのフリットのパスタと言えば、カンパーニアはネラノの1品が有名。
リチェッタは次回に。


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総合解説
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バーニャ・カウダのポイントはカンタブリコのアンチョビだった。スローフードvs料理アカデミー

スローフードのイタリアの地方料理が1冊にまとまった力作地方料理書 『 イタリア・イン・クチーナ 』を読んでいます。 ピエモンテ州の地理や歴史、主要な食材をざっと紹介したら、次はリチェッタです。 まずはピエモンテ料理の入門料理ならこれ、という代表料理、バーニャ・カウダから。 その次...