2020年5月9日土曜日

バジリカータではパンは何も無駄にしません。落ちても拾ってキスして食べます

今日のお題は「総合解説」2018年5/6月号P.30から
メイド・イン・イタリーの食材、“パーネ・ディ・マテーラ”です。

見たこともない形をしたこの大きなパンは、それまで知っていたどんなパンにも似ていなくて、どんな味なんだろう、と空想がどんどん膨らみ、初めて知った時から、世界遺産の街のことよりもパンが気になっていました。
あの味は、口では説明しにくいので、とにかく一度食べてみてほしいパンです。
私は、このパンや、パーネ・プリエーゼの存在を知って、南イタリアのパンはおいしい!!という結論に達しました。

総合解説」では、ごつごつした穴だらけのマテーラのイメージとそっくりのパンと、実にうまいこと言ってます。

パーネ・ディ・マテーラ

マテーラ

このパンの特徴については、さらに、
南イタリア特有の強い味で、真っ白な皮のパンが好きな北部人には焦げたようにも思えるほど黒く、厚みも3mm以上と厚い、
と、北部のパンとはぜんぜん違うことを軽く自慢しているような口調。

このパンは村の共同かまどで焼くので、自分の家のパンを区別するために目印に各家庭の家長のイニシャルを生地に押してから焼くのが特徴。
このイニシャルは、マテーラ名物のお土産にもなっています。

マテーラは、古い街なのに、至るところに若者が移り住んできて、自分の仕事場や住居を改修していて、活気のある若い職人の街みたいです。
上の動画でマテーラのパンを紹介した人は、マテーラにUターンしてガイドをする傍ら、趣味でイニシャル用のスタンプを作成していて、紹介したパン作り教室でパンに押す家名のスタンプも自作できると、しっかりアピールしてます。
これは楽しそう。

このパンの味を生み出しているのは、マテーラで古代から栽培されていた小麦(カペッリ種など)とフルーツを加える天然酵母。

パーネ・ディ・マテーラの型は、コルネット型と呼ばれます。
これはマテーラの形で、他の地方で作られるパンの形は丸く、味も軽く違います。

パーネ・ディ・マテーラ(コルネット・ディ・マテーラcornetto di Matera)
の形は父と子と精霊というキリスト教の三位一体の教えを表している。パンの縁に入れる3本のクープもこれを表している。

材料/
セモリナ粉・・650g
水・・450ml
2回セモリナ粉を継ぎ足した天然酵母・・180g
塩・・12g

・粉と水を混ぜて2時間休ませて2倍に膨らんだら、天然酵母、塩、水を加えてこねる。
・ボールの中でこねて、30分毎に3回たたみながら休ませる。ボールで1回折り込んだら打ち粉をした台で1回折り込む。
・ボールに入れて冷蔵庫で2時間休ませる。
・さらに一晩休ませる。翌朝冷蔵庫から出して室温に3時間置き、コルネット型にする。
・水を入れた鍋と一緒に250℃のオーブンで15分、200℃30分、180℃で15分、150℃のコンベクションオーブンで微風で15分焼く。
・最後の15分は鍋を外して乾かす。
・立てて4、5時間冷ます。
・スライスした時の独特の形がこのパンのアイデンティティー。

マテーラはバジリカータの街。
話題になることは少ないけど、素晴らしいところです。

パンにまつわる名言集
パンが落ちても拾ってキスして食べます。

世界中には大勢の飢えた人がいる。だから神はパンの形になってしか、彼らの前にあわられることが出来ない。マハトマ・ガンジー


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