2020年5月22日金曜日

ナポリの料理遺産と呼ばれる最高のトラットリアと上品で高級なナポリのアップタウン、ヴォメロ。

総合解説」2018年5/6月号から、ナポリのグルメ情報を紹介してきましたが、
ナポリの最高のトラットリアとしてお薦めの店は、動画やwebページが全然見つからず、唯一見つかったのが、ナポリの食文化情報の専門家、ピニャタロさんのブログでした。
料理の写真がどれも素晴らしく美味しそうです!!
訳してみます。

ブアッタはアップタウンのヴォメロ地区にあるが、その周囲はナポリの下町の雰囲気をとどめている。
ちなみにヴォメロはこんな地区。↓
ショップガイドもあります。

なんなんだここは。素敵すぎる。
私が知ってるナポリとはぜんぜん違う・・・。
ちょっとセレブ感漂いすぎだけど、下町のピッツェリアに疲れたら、ここにきて癒やされたい。
ヴォメロの住民にはナポリ・チェントロには行かない、なんて人もいます。

店ではほとんどすべてのカンパーニアワインを揃えている。
カンティーナは女将が切り盛りするラットリアらしく女性らしい気配りが行き届いている。
料理はどれも本物で、素晴らしく、メニューには、ポヴェリエッロのスパゲットやソッフリットのスパゲッティ、ツィーティ・アッラルダーティのような忘れ去られたナポリ料理、新鮮なイワシとレモンのスパゲッティ、パスタ・コン・ファジョーリ、フリアリエッリ入りレンズ豆とじゃがいも、数々のズッパとドルチェが並ぶ。
ナポリの小さな料理遺産のようだ。
この時のチェーナの料理の写真と感想はこちらでどうぞ。
ちなみにブアッタは箱という意味のフランス語で、ナポリやカンパーニア地方で食品を保存する時に使う缶のこと。

ブアッタでは家で食事をするかのようにリラックスした雰囲気の中で食事を味わうことができる。
ブアッタの家庭的な雰囲気を作り出しているのはシェフのアンジェラ。
別名会話するトラットリアと呼ばれているほど気さくな店。
淡々と楽しげにおしゃべりする人です。
話に夢中になって料理を忘れる女性二人をディレクターが時々注意してますねー。
こんな人。↓
探せば見つかるもんだ。

アンジェラシェフが作っているのはイワシとレモンのリガトーニ。
・潰して皮を取ったにんにく1かけをオリーブオイルでソッフリットにし、
焼き色がついたらと唐辛子の小片を加えて火から下ろす。
・イワシの切り身を加えてさっと熱し、レモンの皮とゆでてざっと水気を切ったパスタとこしょうを加えてなじませる。
・仕上げにペコリーノ・ロマーノを散らす。


料理と伝統料理への情熱は小さな頃からおばあちゃんの料理を見て学んだそうです。
スペチャリタは、フリアリエッリ入りパスタ・エ・ファジョーリ、レモン風味のじゃがいものクロッケ、バッカラとイワシのフリット、豆のミネストラ、玉ねぎのフリッタータなど。
どれも値段は控えめ。

次回からは上記の料理などを参考に、ナポリの伝統料理のリチェッタを訳していきます。
まずはカンパーニアのコントルノの定番、フリアリエッリfriarielli。


プーリアではチーメ・ディ・ラパと呼ばれていますが、上の動画ではチーメ・ディ・ラパとは似ているけれど違うと言ってます。
南伊では普及していますが日本だけでなく北伊でも見かけないアブラナ科の野菜なので、ナポリで見かけたら味見しておかないと。
調理方法は、ラードでソッフリットにしたり、サルシッチャに添えるのが一般的。

サルシッチャ・エ・フリアリエッリsalsiccia e friarielli

・硬い茎や黄色い葉は取り除く。
・たっぷりの上質のEVオリーブオイルに唐辛子の小片、刻んだにんにく2かけを入れて火にかけ、油が熱くなったらフリアリエッリを加えて蓋をして蒸し煮にする。
・ボリュームが1/4になったら混ぜて塩を加え、水分を出す。
・サルシッチャ・ナポレターナにナイフの刃先で穴をあける。
・フライパンに皮付きにんににく2かけとオリーブオイル少々を熱し、温まったらサルシッチャを入れて焼く。
ワイン1.5カップをかけてアルコール分を飛ばす。
フリアリエッリは蓋を取って5分熱して水気を完全に飛ばす。
・サルシッチャを加えてなじませ、皿に盛り付ける。

基本のイタリアの地方料理をしっかり細かく押さえている地方料理書の傑作、

によると、サルシッチャの他に、スカモルツァのグリル、モッツァレラ、卵、肉料理などに添えるのがカンパーニアの定番だそうです。

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