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2022年10月6日木曜日

ジェノベーゼのバリエーションはナポリ人の得意分野、節約レシピ。マグロのジェノベーゼ、フィンタ・ジェノベーゼ。

ラグー・ナポレターノのリチェッタ、『イタリア・イン・クチーナ

から、ナポリのアントニオ・トゥベッリシェフのリチェッタをどうぞ。
シェフはナポリの人気店、“ティンパニ・エ・テンプラ”のシェフの一人↓
本を出版した際のインタビューです。ナポリ料理は地元の食材を活かした料理だが、戦後のものがない時代にはナポリ人はフィンタ・ジェノベーゼ(finta genovese/偽のジェノベーゼ)を考え出した、ナポリ料理は必要から生まれた料理でもある、と語っています。面白そうな本なので取り寄せてみる予定です。入荷したらいつも(CIR)お届けの際に同封している新入荷リストでご案内します。


材料/4人分

ジーティ・・450g
豚のすね肉・・300g
子牛すね肉・・300g
豚スペアリブ・・300g
サンマルツァーノトマトのパッサータ・・5.5ℓ
パプリカペースト・・大さじ1
赤ワイン・・1カップ
パルミジャーノ・・150g
EVオリーブオイル、塩

・深鍋に油大さじ4を入れて粗く切った肉を焼く。ワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・パプリカのペーストを加えて溶かし、トマトのパッサータと塩を加えて蓋を取って弱火で2時間、様子を見守りながら煮る。
・スペアリブが煮崩れないように取り出し、鍋の蓋をずらしてのせて火を最も弱くして、鍋肌にこびりつかないように注意しながら4時間ペッピアーレpeppiareする。
肉を取り出し、スーゴでアルデンテにゆでたジーティをあえる。皿に盛り付けておろしたパルミジャーノを散らし、肉の小片を添える。

フィンタ・ジェノべーゼのリガトーニRigatoni con la finta genovese↓



材料/2人分
グラニャーノのリガトーニ・・200g
赤玉ねぎ・・600g
グアンチャーレ・・75g
おろした、または薄片のペコリーノかパルミジャーノ・・20g
EVオリーブオイル・・大さじ2
塩、粗挽きこしょう

・肉を全く加えないリチェッタだが、グアンチャーレを少量加えてアレンジした。ラルドでもよい。オリジナルのリチェッタではラードを使っている。同じくオリジナルのリチェッタでは、仕上げにパルミジャーノ、ペコリーノ、カチョカバッロを加えてマンテカーレするとなっているが、塩気の利いたペコリーノと玉ねぎの甘さの対比が好みなのでペコリーノを加えている。ちなみに、少ない材料で作る料理は昔ながらの味になる。

・玉ねぎは薄切りにして氷水にさらす。
・グアンチャーレを細く切る。
・鍋に油大さじ1とグアンチャーレを入れて油を溶かしながらカリッと炒め、火を弱める。
・玉ねぎと熱湯少々を加えて弱火で最低30分煮る。とろ火にしてさらに30分煮る。
・半ばで塩少々を加えて水分を出す。
・パスタをアルデンテにゆでて玉ねぎの鍋に加え、ゆで汁少々も加えてさっとなじませる。
・火を消してこしょうをかけ、ペコリーノ・ロマーノの薄片少々を散らして混ぜる。皿に盛り付けてペコリーノを散らす。

ジーティのラグー・ナポレターノ。

料理を作るのは、アヴェッリーノ人気店、ヴィア・デッレ・タヴェルネ↓のシェフ。
ラグー・ナポレターノは店の看板料理。シェフはマリア・ロザリーナ。右の男性はオーナー。


ジェノベーゼの有名なバリエーションの一つ、マグロのジェノベーゼ↓
作っているのはカンパーニア料理のシェフとして知られるチェターラのリストランテ・アル・コンベントのシェフ、パスクアーレ・トッレンテ↓


彼はルチアーノ・ピーニャターロの
リチェッテ・ディ・ナポリ

にリチェッタを提供しつつ、こう書いています。
マグロのジェノベーゼのパスタPasta alla vaenovese di tonno。
このパスタは万人受けするわけではない。都市に住むナポリ人だけが、肉の代わりに魚を使うというその真の価値を理解することができる。リストランテ・アルコンベントのオーナー、トッレンテシェフはこの料理の酸味を減らしてモダンにしてメニューに載せようと考えた最初のシェフだ。

材料/4人分
4つに折ったツィーティ・ルンギ・・320g
にんじん・・1本
セロリ・・1本
白玉ねぎ・・1.5㎏
マグロ・・300g
たっぷりのEVオリーブオイル

・人参とセロリをみじん切りにして油でさっとソッフリットにし、薄切りの玉ねぎを加えてとろ火で1~2時間煮る。乾きすぎるようなら沸騰した野菜のブロード(セロリ、にんじん、玉ねぎで取る)を加える。玉ねぎのクリーム状になる。
・粗い角切りにしたマグロを加え、やや強火で5分炒めて軽く塩をする。
・ツィーティを手で4つに折ってアルデンテにゆでる。
・玉ねぎのスーゴに加えてなじませ、皿に盛り付ける。ペコリーノや、できればカネストラート・ディ・モリテルノを散らす。

バジリカータのペコリーノ、カネストラート・ディ・モリテルノ↓


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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2022年6月21日火曜日

巨大タコはグリルしてバーベキューに、小さなタコはアッフォガートしてパスタに。その中間はルチア風。

今月の(CIR)の記事から、最後はタコです。
タコの様々な調理の仕方を紹介する記事です。
リチェッタは、グリル、オーブン焼き、ゆでてサラダ、赤ワイン煮を紹介しています。
タコはナポリの名物食材なので、このところ取り上げていたお題に沿って、今日取り上げるのはナポリのタコのパスタです。
タコと言えばアッフォガートですが、パスタの場合は小さなタコを使うので、大きなタコのアッフォガートとは違って、ソッフリットにします。

ナポリのタコは大きさによって料理も違います。

クチーナ・ディ・ナポリ

に載っているタコのパスタは、タコのアッフォガーティのスーゴのベルミチェッリVermicelli con sugo di polpi affogati。
1杯50~80gのタコを使います。

タコのアッフォガートのパスタ

材料/4人分
小ダコ・・1㎏
ホールトマト・・500g
にんにく、EVオリーブオイル
イタリアンパセリ、塩、唐辛子
リングイーネかスパゲッティ・・320g

・タコを下処理する。
・全部の材料(タコ1㎏につきトマトは400g)を鍋に入れてソッフリットにし(皮が取れる)、動画ではトマトを裏漉ししているが粗く切って加えてもよい。蓋をして水は加えずに弱火で45分煮る(トマトの缶に残った汁を水で溶いて加えたりしない)。
・パスタをゆでる。
・タコが煮上がったらにんにくを取り除いてイタリアンパセリのみじん切り、唐辛子(好みで)を加える。

もうちょっと大きな(500~700g)タコのアッラ・ルチアーナPolpo alla luciana。

・フライパンに油、潰したにんにく、唐辛子を熱し、にんにくに焼き色がついたらタコを入れてさっとソッフリットにする。
・白ワインをかけてアルコール分を飛ばし、裏返して水気を飛ばす。
・半分に切ったミニトマト、トマトのパッサータ、水少々を加え、蓋をずらしてのせて中~弱火で約40分煮る。
・煮上がる10分前にオリーブとケッパーを加える。
・塩味を整え、仕上げにイタリアンパセリのみじん切りを散らす。

(CIR)のリチェッタは、なすと一緒にグリルしたり、オーブンで焼いてポレンタを添えたり、じゃがいもと一緒に赤ワインで煮たりと、定番以外のなすのリチェッタを各種紹介しています。

巨大なタコのグリル。

さすがに司会者の手には負えなくて料理人登場。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
Riso
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2022年6月18日土曜日

ナポリではアサリが高価すぎて手に入らない時は、アサリが入らないボンゴレを作った。その名も逃げたアサリ。

アマルフィ生まれのパスタ、シャラティエッリは、生麺のシーフードパスタで、ナポリのパスタとしてはちょっと異色。
そもそも、どケチなナポリ料理に、ミックスシーフードは、豪勢すぎるし・・・。
ナポリには有名なシーフードのパスタがあります。
ボンゴレです。
モダンな調理方法でパスタを作ることで知られるイグレス・コレッリシェフのボンゴレ。

・熱したフライパンにアサリを入れ、数秒後にワインをかけて蓋をする。
・貝が開いたら取り出し、汁は濾す。
・アサリのブロードを作る。玉ねぎ、セロリ、にんじんを油でソッフリットにし、アサリの殻を入れて炒めて氷で覆う。こうして貝柱の旨味を出す。
・パスタをフライパンに入れてアサリのブロードで覆い、ブロードをかけながらリゾッタートの方法でゆでる。
・パスタが2/3ほどゆで上がったらアサリを加え、レードルとトングを使って皿に盛り付ける。アサリをのせてパルミジャーノを散らし、オイルをかける。

ところが、かつてナポリではアサリさえ高価な食材でした。
イタリアでは、メインの食材が高価すぎて手に入らないとき、“逃げた”とつける便利な料理名があります。
実は、逃げたアサリという名前の、アサリが入らないボンゴレが、ナポリにはあるのです。
ナポリ料理の本、『クチーナ・ディ・ナポリ

にはそのリチェッタがあるで訳してみます。

アサリのフユーテのスパゲッティ Spaghetti alle vongole fujute


材料/4人分

スパゲッティ・・400g
フレッシュトマト(冬ならピエンノロ)・・数個
にんにく・・3かけ
EVオリーブオイル・・大さじ5
イタリアンパセリのみじん切り・・たっぷり、塩

・パスタの湯を沸かす。
・その間に大きなフライパンににんにくと油を入れてソッフリットにする。
a.焼き色が付いたらにんにくを取り出し、トマトを加えて火を弱める。数分煮る。
・パスタをアルデンテにゆでる。
・フライパンにパスタとa、パスタのゆで汁少々、イタリアンパセリを入れて強火でマンテカーレし、すぐにサーブする。

※ソッフリットに砂浜の石を少量入れて海の風味を出す、なんて冗談のようなアドバイスが付いていました。
でも、これはまぎれもなくリゾッタートの調理方法。
超モダンな調理方法が、伝統料理のリチェッタに取り入れられていたとは、ナポリのお母さんは、かなり時代の先端を行ってたんですね。
それにしても、ナポリのリチェッタ、面白すぎる。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
Riso
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2020年9月28日月曜日

ナポリの注目店。今どきのナポリのレストランのトレンドは伝統と革新。貧しさや庶民とは無縁のキラキラした世界。

今日は、voielloの『ナポリの黄金』企画で取り上げられたナポリのレストランの一部を動画で紹介。
1944年創業の老舗のナポリ駅のそばの超有名店ミミ・アッラ・フェッロビア↓
一生に一度は食べるべきと言われる名物料理はペペローニのリピエーニ、ナスのパルミジャーナ、サルトゥ・ディ・リーゾなど。
webページはこちら


若者たちが経営する若い店、リスランテ・パラッツォ・ドミニチ。↓
高級ホテルのリストランテ。店のwebページはこちら
店のモットーは伝統と革新。

次も2007年にできた若い店、パラッツォ・ペトルッチ。↓
webページはこちら
オーナーの一人はグルメな会計士。
かなり儲かってるみたいですね。
この店も伝統と革新を提供すると謳っています。
別の場所で9年営業して2008年にナポリで最初のミシュランの星を獲得後、ポジリポに移転。現在は洗練さのさらなるアップグレードを目指しています。

シェフはナポリ出身。今どきのナポリ料理はオサレだね~。ロブスターのスパゲットーニ。

次はポンペイの遺跡に近くて広い駐車場もあるミシュランの星付き店、プレジデンテ↓
1986年創業。2018年には2軒めオープン。シェフは家族経営のリストランテの2代目。
世代交代までに伝統を受け継いだとシェフは語っています。
伝統のベースができてから改革に取り組んだそうで。
スペチャリタはナポリの定番、カンデーレのジェノベーゼ。
落ち着くいい店だなあ。

最後はア・フェネステッラ。
ナポリの隣の漁師町、ポジリポの有名店。
店のwebページはこちら
店の窓のことがカンツォーネで歌われたことで有名になった店。窓はこれらしい。

ア・フェネステッラ↓

ポジリポはナポリの隣の小さな漁師町で、ナポリの人にとっては夏のちょっとしたビーチリゾート、超美味しい魚料理を出す店が一杯ある。
ポジリポ漁協のPV。漁協のPVになぜイケメンが出てくるのか意味不明。
ひょっとして漁協ブランドの服売ってるとか?

美女がでてくるPVもあった。
ナポリ人の考えてること、やっぱりさっぱりわからない。


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総合解説
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2020年9月27日日曜日

ナポリのカラヴァッジョの行きつけの店の卵が入らないフリッタータ、スカンマロ。

voielloの『ナポリの黄金』シリーズ。
今日は、ナポリの中心部でディープなナポリ料理を伝える店、ラ・ロカンダ・デル・チェリッリオの“ヴェルミチェッリのスカンマロscammaro”。
店はナポリのかなりディープな場所にある。
なんと、ローマで殺人事件を起こしてナポリに逃亡した画家のカラヴァッジョが、さらにそこで暴漢に襲われた場所として知られているやばい場所でした。
この店に足繁く通ったせいで、行動が読まれていたんですね。
今はカラヴァッジョの店として知られ、大勢のナポリ市民が通っています。


店のwebページはこちら

ロカンダ・デル・チェリッリオの料理は、“スカンマロscammaro”です。
ナポリ料理に詳しいこちらのサイトによると、この料理はナポリで四旬節の間に食べた料理。
四旬節は大雑把に言うと、復活祭の前の肉食を断つ期間。
スカンマロはナポリ名物のパスタのフリッタータの、卵や動物性油脂を使わないバージョン。
ナポリでは料理研究家で食通として知られる偉人、ブオンヴィチーノ公のイッポリート・カヴァルカンティが考え出したと言われています。
しかもある神父の要望で、動物性の食材が入らなくても、満足できるような料理にしたのだそうです。
こういうアレンジは、ナポリ人の得意分野でした。
参考動画


それでは、ロカンダ・デル・チェリッリオのスカンマロlo scammaroのリチェッタです。

材料/4人分
ヴォイエッロNo.105のヴェルミチェッリ・・320g
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル・・100ml
種抜きガエタオリーブ・・100g
松の実・・50g
レーズン・・50g
塩抜きしたケッパー・・30g
イタリアンパセリ
アンチョビ(好みで)
塩、こしょう

・にんにくを油で炒め、焼き色がついたら取り除く。松の実、オリーブ、レーズン、アンチョビ、イタリアンパセリ、パスタのゆで汁少々を加える。火を弱めてソッフリットにする。
・パスタをゆでる。
・フライパンにアルデンテにゆでたパスタを加えて両面を焼く。

多分、みんなが思ったこと、アンチョビは加えていいんかい!?
質素すぎて肉や魚のうちに入らなかったのかな。


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「総合解説」
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2020年9月26日土曜日

ナポリ、サンタ・ルチア地区の人気店、リストランティーノ・デル・アッボカートのアンチョビクリームとコラトゥーラのフィデリーニ。


ナポリの人気店のヴォイエッロのパスタのリチェッタを紹介する『ナポリの黄金』から、今日は、サンタ・ルチア地区で典型的なナポリ料理を出す人気店、“リストランティーノ・デッラッボカート”。
webページはこちら
シェフは父親と息子。
上質の地元の食材にこだわった伝統料理を出しています。
メニューがバッカラから始まってました。
やっぱりナポリの庶民の魚の代表はバッカラとアンチョビでしょうか。

料理はアンチョビ・クリームとコラトゥーラのフィデリーニ、アーティチョークのチップスとタラッロ・ナポレターノ添えFidelini con crema di alici la sua colatura, chips di carciofi e tarallo napoletano
料理の写真とリチェッタの原文はこちら

材料/4人分
ヴォィエッロNo.102フィデリーニ・・400g
新鮮なアンチョビ・・500g
チェターラのイワシのコラトゥーラ・・25g
アーティチョーク・・1個
タラッリ・ナポレターニ・スーニャ・エ・ペペ・・1個
じゃがいも・・2個
EVオリーブオイル
にんにく・・1/2かけ
イタリアンパセリ

・アンチョビは骨を取る。
・じゃがいもは薄くスライスする。
・アーティチョークは中央部分だけにしてスライスし、レモン水にさらす。
・にんにく、アンチョビ、じゃがいもを油と水少々でソッフリットにする。
・冷ましてミキサーにかけてクリーム状にする。
・たっぷりの湯と少量の塩でパスタをアルデンテにゆでる。
・パスタをいわしのクリームとコラトゥーラでマンテカーレする。
・アーティチョークを揚げる。
・アンチョビを塩と砂糖でマリネする。
・皿にパスタを盛り付けてアンチョビとアーティチョークのチップスを加え、砕いたタラッリを散らす。油と粗挽きこしょうをかける。

   
タラッリ・スーニャ・エ・ペペTaralli sugna e pepe↓
タラッリはナポリやプーリアなど南イタリアのリング型のスナック。
ナポリ風はアーモンドとイースト入りのサブレ生地のようなスナック。
普通はタラッリと複数形にするが、リチェッタで使うのは1個なのでタラッロと単数形。
下の動画ではメルジェッリーナ地区を散歩する時に食べたり、冷えたビールのつまみにする、と言っています。
スーニャはラードのこと。


ちなみにメルジェッリーナとはこんな地区。
カプリなどの島へ行くフェリーの発着する港があり、ちっょと高級なイメージで美しいナポリの定番の散策コース。↓


おまけのリチェッタ。
昨日紹介したブアッタのシェフの
ナポリ湾のアンチョビとアマルフィ海岸のレモンのパスタをどうぞpasta con le alici。


・アンチョビを開いて骨を取る。
・フライパンににんにく1かけ、唐辛子1片、オリーブオイルを入れてソッフリットにし、軽く焼き色がついたら火を止めてアンチョビ、イタリアンパセリ、レモンの皮のすりおろしを加える。
・ゆでたパスタを加えてなじませる。
・皿に盛り付けてレモンの皮の千切りとイタリアンパセリを散らす。

ナポリ湾のアンチョビ漁↓
メルジェッリーナの目の前の世界。

アマルフィ海岸のレモン↓






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2020年9月25日金曜日

ナポリの人気トラットリア、ブアッタのジェノベーゼのリガトーニ。

ヴォイエッロ版『ナポリの黄金』から、
パスタメーカーヴォイエッロが創業135周年を祝った大プロジェクトです。
ナポリのアルティジャナーレな企業と、9ヶ所から選ばれた50人のシェフの作品を美しい写真で紹介するイベントです。
原文はこちら

ナポリのヴォメロ地区の女性シェフの大人気店、トラットリア・ブアッタtrattoria buattaは、
genovese con baccalàバッカラ入りジェノベーゼのリガトーニ
を収録しています。

材料/4人分
ヴォイエッロN.124リガトーニ・・300g
モントーロの玉ねぎ・・2kg
小さく切った子牛肉・・200g
おろしたペコリーノ・ロマーノ・・80g
サン・マルツァーノのホールトマト・・50g
白ワイン・・1/2カップ
EVオリーブオイル・・100ml
塩抜きしたバッカラ・・400g
セロリ・・1本
にんじん・・1本
塩、こしょう

・深さのある鍋に玉ねぎ、セロリ、にんじんのみじん切り、小さく切ったトマト、子牛肉、ワイン、塩、こしょうを入れて煮る。
・別の鍋でバッカラを油と水少々で蓋をして15分煮る。
・その間にパスタをゆでる。
・パスタ、バッカラ、ジェノベーゼをよく混ぜる。
・皿に盛り付けてペコリーノを散らす。

ジェノベーゼはリグーリアのジェノバとは何の関係もない料理で、玉ねぎがベースのナポリの代表的ソース。

ナポリでは、モントーロ平野(アベリーノ県)で栽培される玉ねぎが人気のよう。
モントーロの玉ねぎ↓

ジェノベーゼ・ナポレターナというこんがらかりそうな呼び方がなぜか人気。


玉ねぎをたっぷり使うこの料理を作ると、玉ねぎの匂いが数日消えないので、玉ねぎを切った後、酢や挽いたコーヒーを手につけるなどしています。

ブアッタのリチェッタは仔牛肉の一部をバッカラで代用したもの。
バッカラはイタリア中に広まったお手頃価格の魚。
生の魚が採れるナポリでも広まって、様々なナポリ料理に使われている。
ということは、生魚より安かったということですね。



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2020年9月24日木曜日

バリラグループとボローニャ種苗業者組合が生み出した南伊に適した新しいパスタ用小麦。グラノ・アウレオ。

ヴォイエッロがどんなパスタメーカーか、ちょっとおわかりいただけたでしょうか。
webページ(こちら)によると、タガンログ消滅後は、最高のパスタを目指して、2009年に誕生したイタリア産のアウレオという小麦100%で製造しているそうです。
アウレオ小麦はバリラグループとボローニャの種苗生産者組合が中心となって作り出した、イタリア南部の気候に適した上質の品種。イタリアのパスタ産業が本気になって取り組んだパスタの国産小麦化の一大プロジェクトから生まれた新しい小麦のようです。
タンパク質の質も量も、他の小麦より優れているそうです。
グラノ・アウレオ↓
これまでの、アリゾナの砂漠で栽培された小麦に変わるパスタ用小麦だそうです。
砂漠で小麦を育てるには大規模な灌漑設備が必要ですが、南伊で栽培されるこの品種は天然の水で育つのでCo2の排出も抑えられます。
輸送距離も短くなります。

イタリアのパスタが北米産の小麦で作られていた時代は終わるのでしょうか。


バリラグループが、農家やパスタメーカーを巻き込んだこの一大企画に、カンパーニアのパスタメーカーの代表として選んだのがヴォイエッロでした。
確かに、品質を追求するその姿勢は、カンパーニアでも一目置かれています。
ヴォイエッロはカンパーニアのパスタ文化を広めるために、“ナポリの黄金プロジェクト”というものを展開しています。
ナポリを代表する9人のシェフにヴォイエッロのパタを使ったリチェッタを提案してもらい、本にしました。
その詳細は次回に。

北の大資本と、ボローニャのアルティジャナーレ精神に満ちた企業と、ナポリの美味しいパスタを情熱的に追求するパスタメーカーが手を組んだ、素晴らしいビジネスの始まりです。
今後のイタリア産パスタはどう変わるか、楽しみです。

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2020年5月22日金曜日

ナポリの料理遺産と呼ばれる最高のトラットリアと上品で高級なナポリのアップタウン、ヴォメロ。

総合解説」2018年5/6月号から、ナポリのグルメ情報を紹介してきましたが、
ナポリの最高のトラットリアとしてお薦めの店は、動画やwebページが全然見つからず、唯一見つかったのが、ナポリの食文化情報の専門家、ピニャタロさんのブログでした。
料理の写真がどれも素晴らしく美味しそうです!!
訳してみます。

ブアッタはアップタウンのヴォメロ地区にあるが、その周囲はナポリの下町の雰囲気をとどめている。
ちなみにヴォメロはこんな地区。↓
ショップガイドもあります。

なんなんだここは。素敵すぎる。
私が知ってるナポリとはぜんぜん違う・・・。
ちょっとセレブ感漂いすぎだけど、下町のピッツェリアに疲れたら、ここにきて癒やされたい。
ヴォメロの住民にはナポリ・チェントロには行かない、なんて人もいます。

店ではほとんどすべてのカンパーニアワインを揃えている。
カンティーナは女将が切り盛りするラットリアらしく女性らしい気配りが行き届いている。
料理はどれも本物で、素晴らしく、メニューには、ポヴェリエッロのスパゲットやソッフリットのスパゲッティ、ツィーティ・アッラルダーティのような忘れ去られたナポリ料理、新鮮なイワシとレモンのスパゲッティ、パスタ・コン・ファジョーリ、フリアリエッリ入りレンズ豆とじゃがいも、数々のズッパとドルチェが並ぶ。
ナポリの小さな料理遺産のようだ。
この時のチェーナの料理の写真と感想はこちらでどうぞ。
ちなみにブアッタは箱という意味のフランス語で、ナポリやカンパーニア地方で食品を保存する時に使う缶のこと。

ブアッタでは家で食事をするかのようにリラックスした雰囲気の中で食事を味わうことができる。
ブアッタの家庭的な雰囲気を作り出しているのはシェフのアンジェラ。
別名会話するトラットリアと呼ばれているほど気さくな店。
淡々と楽しげにおしゃべりする人です。
話に夢中になって料理を忘れる女性二人をディレクターが時々注意してますねー。
こんな人。↓
探せば見つかるもんだ。

アンジェラシェフが作っているのはイワシとレモンのリガトーニ。
・潰して皮を取ったにんにく1かけをオリーブオイルでソッフリットにし、
焼き色がついたらと唐辛子の小片を加えて火から下ろす。
・イワシの切り身を加えてさっと熱し、レモンの皮とゆでてざっと水気を切ったパスタとこしょうを加えてなじませる。
・仕上げにペコリーノ・ロマーノを散らす。


料理と伝統料理への情熱は小さな頃からおばあちゃんの料理を見て学んだそうです。
スペチャリタは、フリアリエッリ入りパスタ・エ・ファジョーリ、レモン風味のじゃがいものクロッケ、バッカラとイワシのフリット、豆のミネストラ、玉ねぎのフリッタータなど。
どれも値段は控えめ。

次回からは上記の料理などを参考に、ナポリの伝統料理のリチェッタを訳していきます。
まずはカンパーニアのコントルノの定番、フリアリエッリfriarielli。


プーリアではチーメ・ディ・ラパと呼ばれていますが、上の動画ではチーメ・ディ・ラパとは似ているけれど違うと言ってます。
南伊では普及していますが日本だけでなく北伊でも見かけないアブラナ科の野菜なので、ナポリで見かけたら味見しておかないと。
調理方法は、ラードでソッフリットにしたり、サルシッチャに添えるのが一般的。

サルシッチャ・エ・フリアリエッリsalsiccia e friarielli

・硬い茎や黄色い葉は取り除く。
・たっぷりの上質のEVオリーブオイルに唐辛子の小片、刻んだにんにく2かけを入れて火にかけ、油が熱くなったらフリアリエッリを加えて蓋をして蒸し煮にする。
・ボリュームが1/4になったら混ぜて塩を加え、水分を出す。
・サルシッチャ・ナポレターナにナイフの刃先で穴をあける。
・フライパンに皮付きにんににく2かけとオリーブオイル少々を熱し、温まったらサルシッチャを入れて焼く。
ワイン1.5カップをかけてアルコール分を飛ばす。
フリアリエッリは蓋を取って5分熱して水気を完全に飛ばす。
・サルシッチャを加えてなじませ、皿に盛り付ける。

基本のイタリアの地方料理をしっかり細かく押さえている地方料理書の傑作、

によると、サルシッチャの他に、スカモルツァのグリル、モッツァレラ、卵、肉料理などに添えるのがカンパーニアの定番だそうです。

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2020年5月11日月曜日

パスタを手づかみで食べさせたら伝説級のトトとナポリの守護聖人のスパゲッティ

今月のグルメガイドは“ナポリ”「総合解説」2018年5/6月号p.32
は、訳しながら、ナポリ人の食へのこだわりに頭が下がる思いでした。
冒頭の写真の少年は、ナポリの人気キャラクター、プルチネッラが手づかみでパスタを食べる有名なポーズを真似しています。

実写版プルチネッツラとスパゲッティ

ちなみにスパゲッティを手づかみで食べさせたら、イタリアの国民的喜劇俳優トトの演技が絶品。『Miseria e nobiltà』のワンシーンはもはや伝説。

パスタを食べるシーンが語り継がれているもう一つの映画、『Un americano a Roma』

数十年ほど前までは、パスタはこれほど庶民の、というか貧しい庶民の食べ物でした。

パスタの地位が向上したのは、小麦の品種や製造方法にこだわった造り手が現れ、パスタの品質を向上させていき、その味を最大限に味わえる料理を考え出してきた料理人の工夫の結果です。
現在は、パスタ・プライドと呼ばれる時代。


上のパスタはトトの好物だった1品です。
トトの娘のリリアナが料理書に書き残して広まりました。
ジェンナーロはナポリの守護聖人のこと。

ナポリ人に熱烈に信仰されている聖ジェンナーロ。

ジェンナーロ風スパゲッティSpaghetti alla Gennaro
材料/1人分
太いスパゲッティ・・100g
アンチョビ・・3枚
にんにく・・2かけ
オレガノ・・少々
バジリコ・・1房
固くなったパン・・3枚
EVオリーブオイル、塩

・パンににんにくをこすりつけて刻む。
・油とにんにく1かけを熱してパンを炒める。
・別のソテーパンに油とアンチョビを熱して溶かし、オレガノを加える。
・ゆで上がったスパゲッティとパン粉を加えてなじませる。
・皿に盛り付けてちぎったバジリコを加える。

シンプルで素朴なパスタ。
天才のことを思い出しながらどうぞ。
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総合解説
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バンド―ロかパネットーネ問題は、きのこたけのこ論争に等しいんだって。

そろそろ12月号の話も終わりに近づいています。 今日のお題は、イタリアのクリスマスと年末に欠かせない食材の話。 クリスマスと言えばパネットーネ。で、パネットーネと言えばすぐに出てくるのが、パネットーネとバンド―ロ、どっちにするか問題。 いつもなら我が家はバンド―ロ派だとか、パネッ...