2022年6月18日土曜日

ナポリではアサリが高価すぎて手に入らない時は、アサリが入らないボンゴレを作った。その名も逃げたアサリ。

アマルフィ生まれのパスタ、シャラティエッリは、生麺のシーフードパスタで、ナポリのパスタとしてはちょっと異色。
そもそも、どケチなナポリ料理に、ミックスシーフードは、豪勢すぎるし・・・。
ナポリには有名なシーフードのパスタがあります。
ボンゴレです。
モダンな調理方法でパスタを作ることで知られるイグレス・コレッリシェフのボンゴレ。

・熱したフライパンにアサリを入れ、数秒後にワインをかけて蓋をする。
・貝が開いたら取り出し、汁は濾す。
・アサリのブロードを作る。玉ねぎ、セロリ、にんじんを油でソッフリットにし、アサリの殻を入れて炒めて氷で覆う。こうして貝柱の旨味を出す。
・パスタをフライパンに入れてアサリのブロードで覆い、ブロードをかけながらリゾッタートの方法でゆでる。
・パスタが2/3ほどゆで上がったらアサリを加え、レードルとトングを使って皿に盛り付ける。アサリをのせてパルミジャーノを散らし、オイルをかける。

ところが、かつてナポリではアサリさえ高価な食材でした。
イタリアでは、メインの食材が高価すぎて手に入らないとき、“逃げた”とつける便利な料理名があります。
実は、逃げたアサリという名前の、アサリが入らないボンゴレが、ナポリにはあるのです。
ナポリ料理の本、『クチーナ・ディ・ナポリ

にはそのリチェッタがあるで訳してみます。

アサリのフユーテのスパゲッティ Spaghetti alle vongole fujute


材料/4人分

スパゲッティ・・400g
フレッシュトマト(冬ならピエンノロ)・・数個
にんにく・・3かけ
EVオリーブオイル・・大さじ5
イタリアンパセリのみじん切り・・たっぷり、塩

・パスタの湯を沸かす。
・その間に大きなフライパンににんにくと油を入れてソッフリットにする。
a.焼き色が付いたらにんにくを取り出し、トマトを加えて火を弱める。数分煮る。
・パスタをアルデンテにゆでる。
・フライパンにパスタとa、パスタのゆで汁少々、イタリアンパセリを入れて強火でマンテカーレし、すぐにサーブする。

※ソッフリットに砂浜の石を少量入れて海の風味を出す、なんて冗談のようなアドバイスが付いていました。
でも、これはまぎれもなくリゾッタートの調理方法。
超モダンな調理方法が、伝統料理のリチェッタに取り入れられていたとは、ナポリのお母さんは、かなり時代の先端を行ってたんですね。
それにしても、ナポリのリチェッタ、面白すぎる。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
Riso
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