2022年6月17日金曜日

ナポリのシャラティエッリは南イタリアのセモリナ粉の編み棒のパスタが全国区になってシンプルなタリアテッレやフェットゥッチーネになったもの。

今日はアマルフィの名物パスタ、シャラティエッリscialatielliです。
1978年とかなり最近考案されたパスタでも、アマルフィ名物になるほど有名になり、今ではナポリの伝統的食材の一つに入っています。
(CIR)8月号のリチェッタは(P.38)、ズッキーニのクリーム、アサリ、ムール貝の具のオリジナルのリチェッタです。

考案者はアマルフィ生まれのエンリコ・コゼンティーノシェフ。
料理の国際コンクールに出すために、家族のパスタをベースに考え出したそうです。
アマルフィはカンパーニア州にあり、ナポリにも近いので、このパスタはナポリのパスタと考えられがち。
でも、タリアテッレを短くした生パスタとシーフードの組み合わせのパスタは、ナポリのパスタと言うには、どこか違和感があります。

このリチェッタを考案したコゼンティーノシェフのシャラティエッリ。


ちなみにパスタはセモリナ粉に牛乳、卵、ペコリーノ・ロマーノ入り。
スローフードの『パスタ・フォルメ・デル・グラノ

によると、このパスタは、もともと編み棒に巻き付けて作るタイプのパスタでした。これならかなり南イタリアの伝統的パスタと言えます。
ところが、この料理が北イタリアに広まるにつれ、タリアテッレやフェットゥッチーネの一種、と解釈されるようになります。
そして現在は、かなりタリアテッレに近い姿をしています。
シャラティエッリの定番ソースはミックスシーフード。

上の動画の材料/2人分
《シャラティエッリ》
セモリナ粉か小麦粉・・300g
卵と牛乳・・計150g(液体は粉の50%)
バジリコのみじん切り・・3枚
ペコリーノ・ロマーノ・・150g
塩、こしょう
《スーゴ》
ピエンノロかピカデリーのミニトマト・・7~8個
イタリアンパセリ
塩抜きしたケッパー・・7~8粒
黒かグリーンオリーブ・・7~8個
トマトペースト・・小さじ1
にんにく・・1かけ
アサリ・・500g
ムール貝・・200g
ヤリイカ・・1杯
コウイカ・・1杯
モスカルディー二・・2~3杯
エビか車エビ・・5~6尾

・セモリナ粉、卵、牛乳、バジリコ、ペコリーノ、塩、こしょうをこね、ボールをかぶせて30分休ませる。
・厚さ2~3㎜に伸ばして細く切り、長さを半分に切る。
・にんにく、イタリアンパセリの茎、唐辛子を油でソッフリットにし、ムール貝、アサリ、水少々を加えて蓋をして開くまで熱して取り出し、汁を濾す。
同じフライパンにエビと白ワインを入れてさっと熱する。
・細く切ったイカを油で炒める。貝の汁、半分に切ったミニトマト、ケッパー、オリーブ、トマトペーストを加え、蓋をして30分煮る。
・パスタを加えてマンテカーレする。火を止めて貝とエビを加え、イタリアンパセリのみじん切りを散らす。


パスタをタリアテッレにすると、さらに違和感が強くなる。
シーフードのタリアテッレ。

伝統のパスタ、シャラティエッリに合わせるなら、スーゴもナポリならではのものでないと。
というわけで、アサリのシャラティエッリというのはどうでしょう。
リチェッタは明日です。



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
Riso
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