世界のサフランの90%はイラン製。
イタリアは年間450~600㎏生産されていますが、EUで定められた方法に基づいて、手作業で行われています。
具体的には特徴が失われないように、花が開く前の夜明け直後に花を1個ずつ切り取り(スペインでは花が開いてから摘み取ります)、摘んだその日のうちにおしべとめしべを取って網に乗せ、炭で弾力を失わない程度に乾燥させます。
サフランは天日で干すんじゃないんですね。薪はアーモンドやオークが最高、と言われています。
1㎏あたり100万円近い値が付き、1ヘクタールの畑からは乾燥させた飯しべが約8㎏採れます。
栽培や収穫のほとんどが手作業で、サフランの栽培が始まった数千年前から同じ方法で造られています。アルティジャナーレな食材です。
イタリアを代表するサフランの産地、アブルッツォのラクイラのサフラン。
ラクイラのサフランのライバルは値段の安いスペイン産だそうです。存続の危機に陥ったようですが、ナベッリ高原のサフラン生産者は協同組合を結成し、香りが10年もつラクイラのサフランの品質は世界一、と自信を強めて生産を続けました。でも、現在の生産量は高原全域でわずか40㎏。
ラクイラのサフラン栽培の中心地、ナベッリ高原のサフラン。
サフランはとても高価で特殊な食材、ということで、日本にもそんな食材があることを思い出しました。ワサビです。一獲千金を夢見て世界中の農家がわさびの栽培に挑戦しましたが、そんなに簡単に作れるもんじゃない。こういう食材の栽培には、地域の協力や強い情熱、知識、妥協しない継続が欠かせないですよね。
値段の安い外国産のライバルとの競争に勝ち残るために、イタリア各地で繰り返されている戦いなんだろうなあ。
次回はリチェッタです。
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