2022年8月10日水曜日

シチリア名物のフルッタ・ディ・マルトラーナは、死者の日のためのドルチェ。死者をカラフルで活気に満ちたものでもてなすのがシチリア風。死を嘆くのではなく生を祝う。

今日のお題はノートのアーモンドです。
昨日とは微妙に違うのわかります?
きのうはアーボラのアーモンドと言ってたのですが、ノートのアーモンドというのも質が高いと言われているようです。
バル・ディ・ノートはとても魅力的な場所。
1693年の地震で壊滅的な被害を受け、10㎞ほど離れた丘の上に新たにノートという町が造られた、という歴史も文化も魅力的な街。

バル・ディ・ノートの食文化。
この地域の食文化の象徴は、モディカのチョコレートとノートのアーモンド。


シチリアのドルチェの代表格、マジパンのフルーツ、フルッタ・ディ・マルトラーナ。

フルッタ・マルトラーナは11月2日の死者の日のためのドルチェ。今風に言うとハロウィーンですね。この日は死者が子供たちへのお土産と共に生気に満ちたものを探しにくると信じられていて、死者をこんなにカラフルで活気にあふれたものでもてなそうとしたんですね。
マジパンにそっくりで、材料はアーモンドの粉と砂糖。
マルトラーナというのはパレルモのマルトラーナ教会で、近くのベネディクト派の修道女が、考え出したと言われています。
今では、一年中造られていて、シチリアの人にとても人気があったことが分かります。


シチリアのお盆は死者の生きた日々を祝う日。




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2022年8月9日火曜日

シチリアのバロックの味の象徴はギリシャ人が伝えたアーモンド。

アーモンドはビアンコマンジャーレを始めとするシチリアのデザートの主役。

アーボラのアーモンドは、昔ながらの方法で人力で栽培されていて、香りのよさは世界一と評価されている。ポリフェノールやビタミンEがなどの抗酸化物質が豊富といった栄養価も注目されている。
アーボラとノート、シラクーザ県の世界遺産のバロックの街。

この地方はシチリア南東部のイブレイ山の周囲に広がる美しい自然に恵まれた地方。


イブレイ山麓のアーボラのアーモンドの収穫。

アーモンドはギリシャ人がシチリアに伝えた。特に南西部では、町の周囲の野原をアーモンドの花が埋め尽くす。


エトナ山麓の町、ブロンテのピスタチオの収穫。


ブロンテでは収穫は2年に一度、9月に行われる。
春に出た芽を1年おきに取り除いて翌年の実の養分に回す。


アーモンドからはジェラート、グラニータ、マジパン、ビアンコマンジャーレ、パスクアの子羊など、各種のシチリアのバロックの味のドルチェが造られた。

アーモンドをドルチェにするテクニックをシチリアに伝えたのはアラブ人だった。
そして新大陸からスペイン人がカカオを伝える。


アーモンドの話、次回に続きます。



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2022年8月8日月曜日

白い食べ物ビアンコマンジャーレには、シチリア系、フランス系、スペイン系など様々なタイプが生まれた。

今日のお題はビアンコマンジャーレbiancomangiareです。
イタリア語より、フランス語のブラン・マンジェblanc mangerのほうがメジャー。
イタリア料理の場合も、シチリアのドルチェとしてよりサルデーニャのドルチェとしてのほうが有名かも。

プラネタのシチリア料理の本

シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ
には、プラネタ家に伝わる修道院のリチェッタと、とても洗練されて美しい料理の写真が
載っています。

このセンスの良さは一流の国際的ワインメーカーならでは。
ベネディクト会の修道女が作ったと伝えられているようですが、そのルーツは謎で、はっきりしたことは分かっていません。
フランスのブランマンジェはシチリアではアーモンドミルクがベースのブディーノとして伝わったそうです。
このドルチェは“白い”ことがポイント。
白は清貧の象徴。
ピエモンテのパンナコッタも、生クリームの代わりにアーモンドミルクを使ったシチリアのビアンコマンジャーレも清くて純粋な食べ物。

シチリアのビアンコマンジャーレ

濃度をもっとゆるくしてアンティックなグラスに注ぐとプラネタ風。
フランスのブラン・マンジェはスターチではなくゼラチンでつなぎます。

サルデーニャのビアンコマンジャーレはスペインのカタロニア系。
クリームのとろみはスターチでつけ、生地で覆うのが特徴。

ピエモンテ風はパンナコッタ。


ピエモンテ系、クリームをスターチで固めるシチリア系、ゼラチンで固めるフランス系、生地で包んでタルト風にするスペイン系と、白い食べ物には様々な流派ができました。その基本は清楚で純粋な修道院の教え。

(CIR10月号)は8/10発売予定です。

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2022年8月7日日曜日

スイカのジェーロはシチリアの暑い夏のデザート。シナモンのジェーロはカターニアの修道院で生まれたオリエントの香りのデザート。その対極にあるのがビアンコマンジャーレ。

今日のお題はスイカのジェーロです。
シンプルなリチェッタなので、真っ赤に熟したジューシーなスイカが手に入ることが絶対条件。
トッピングは動画のように、チョコチップ、ピスタチオあたりが定番ですが、お勧めは真っ白なジャスミンの花。
スイカの赤さが一段と引き立ちます。

スイカのジェーロ。Gelo di anguria


材料/
スイカの果汁・・1ℓ、約1/4個分
砂糖・・80g
コーンスターチか小麦デンプン・・90g
チョコチップ・・20g+飾り用
ピスタチオ

・鍋にコーンスターチとスイカの果汁を入れて混ぜ、砂糖を加える。
・火にかけてかき混ぜながら沸騰直前まで熱し、さらにかき混ぜながら数分冷ます。
・チョコチップを加えて型に流し入れる。室温に冷まして冷蔵庫で6時間冷やし固める。
・皿にあけ、チョコチップ、刻んだピスタチオを散らす。

ジェーロの応用
レモンのジェーロ


カターニアの修道院で生まれたシナモンのジェーロ。

シチリアの人にとって、シナモンはオリエントの香り。
シナモンのジェーロはシチリアのアラブとオリエントの貿易を仕切っていた修道院で生まれたエキゾチックなドルチェ。
超地味な外見だけど、くずもちに似ていなくもない。

同じ修道院生まれでも対極にあるのがビアンコマンジャーレ。


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2022年8月5日金曜日

夏のお助けメニュー、クルード・エ・メローネ。

毎年暑くなるとアイスばかり食べて夏バテしますが、そんな時、助かるのが生ハムとメロンです。
イタリア料理の最強の夏の料理だと思ってます。
もちろんそう思っているのはイタリアの人も同じのよう。
生ハムとメロン。


シェフの生ハムとメロンは一般ピーポーのよりやっぱりワンランク上。

生ハムとメロンのアレンジ。


やっぱりメロンの美味しさがポイントかな。
メロンは香りを嗅いでみてメロンの香りが感じられるものが塾しているんだって。
スぺックとメロンのパスタTagliatelle speck e melone


・エシャロット1個をみじん切りにする。
・スペックを巻いて細く切り、さらに小さく切る。
・メロンは皮と種を取って薄く切り、さらに小さく切る。
・エシャロットを油でソッフリットにし、スペックを加える。スペックが軽くカリッとなったらメロンと生クリームを加える。
・ゆでたパスタを加えてなじませる。

もうそろそろ次号の(CIR10月号)の発売です。

メロンはやっぱりシチリアが合うなあ。

黄色いメロンのジェーロ



赤いスイカのジェーロもありますね。
リチェッタは次回。



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2022年8月4日木曜日

アルティジャナーレな製品は造り手の研究から生まれる。

以前、ちらっと触れましたが、今月取り上げられているシェフは、フリウリのアントニア・クグルマンシェフです。
フリウリの食文化は中央ヨーロッパの影響を受けたイタリア料理の中でもかなり独特のもの。メインストリームではない地方に暮らしながらその伝統を尊重し、イタリア人に広く愛される料理を作るシェフです。

ドレ―ニャ・デル・コッリオにある彼女のリストランはArgine a Vencó。店名は、トリエステ、オーストリア・ハンガリー帝国という2つの食文化の国境の地という意味。自家菜園で様々な作物を育てています。
国境の地というのは自らのアイデンティティーを深く意識する場所。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』誌では、シェフのノンナのりんごケーキ(P.13)のリチェッタや、シェフが選んだ地元で最高の小麦粉も紹介されていました。
小麦粉のメーカーは、ムリーノ・トゥッツィMulino Tuzzi。とうもろこしの粉やオルゾの粉も挽いています。
フリウリの小麦粉なんて、知ってる小麦粉とはまったく別物と考えがちですが、アルティジャナーレの世界では、職人の研究次第で様々な製品が生まれます。
このメーカーやフリウリの小麦粉は元々注目されていたようです。

イタリア各地にあるアルティジャナーレな製粉所。
下の動画はアルト・アディジェのアルティジャナーレな製粉所。



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2022年8月3日水曜日

イタリアの生ハムはパルマだけじゃない。北から南まで個性豊か。

イタリアでは“北はヴァッレ・ダオスタから、南はシチリアまで、実に様々な生ハムが造られています。ネブロディの黒豚の生ハムの話が出たところで、今日は、パルマ以外の生ハムの話です。
イタリアには、DOPとIGPの生ハムが11種類あります。

サルメリアの王様と呼ばれているパルマの生ハムProsciutto di Parma。

生ハムの材料は、豚肉、塩、風、そして時間。
法律的には、豚の後ろ足に塩をまぶして最低7か月熟成させたものが生ハムになります。
さらに各管理組合が定めた豚の原産地や加工方法、品質基準などの細かい規定があります。
管理組合は大小の生産者の組合で、規定を定めて製品の安全を世界的に保障し、製品のプロモーションを行います。
一番最近IGPの生ハムとなったのは、アマトリチャーナの生ハムProsciutto Amatriciana。ラツィオで最初のIGPの生ハムです。

トスカーナの生ハム、プロシュット・トスカーノDOP, Prosciutto crudo Toscano


バッレ・ダオスタのジャンボン・ド・ボッスDOPIl Jambon de Bossesは、標高1600m以上で熟成させる。

プーリアの生ハム、プロシュット・ディ・ファエ―トProsciutto crudo di Faeto。
ブナの森で覆われたファエート村でドングリやハーブを食べながら半野生状態で飼育された黒豚から作る生ハムは、とても美味しいと評判だった。それをプーリアの大手生ハムメーカー、サルミフィーチョ・モレ―ノが製品化した。

コルモンス(フリウリ)の生ハムProsciutto di Cormonsの一種、ドズバルドの生ハムProsciutto d'Osvaldoはスロベニアの国境からから3㎞のところで造られている中央ヨーロッパの影響を受けた生ハム。軽いスモーク香がある人気の生ハム。

ドズバルドの生ハム



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シチリア名物のフルッタ・ディ・マルトラーナは、死者の日のためのドルチェ。死者をカラフルで活気に満ちたものでもてなすのがシチリア風。死を嘆くのではなく生を祝う。

今日のお題はノートのアーモンドです。 昨日とは微妙に違うのわかります? きのうはアーボラのアーモンドと言ってたのですが、ノートのアーモンドというのも質が高いと言われているようです。 バル・ディ・ノートはとても魅力的な場所。 1693年の地震で壊滅的な被害を受け、10㎞ほど離れた丘...