2026年8月27日木曜日

イタリアの新しいマスター・オブ・ワイン、アンドレア・ロナルディ

イタリアの飲食界隈のオピニオンリーダーの話、今日はイタリアワイン界隈の話です。
その人は、アンドレア・ロナルディと言います。新しいマスター・オブ・ワイン・イタリアーノだそうです。ワイン業界で最も権威のある資格だそうで、イタリアではこの資格を持つ人は彼で2人め。ワインを評価し、市場を分析し、農学的な選択を理解し、セラー技術を議論し、国際貿易の動態を読み、現代の主要な問題を解釈できる能力が求められる資格だそうです。
マスター・オブ・ワイン試験

なぜこんなに取得が難しいのか。




彼はイタリア最大のワイングループ(GIV)でマーケティングと営業のキャリアをスタートさせ、南イタリアの地元ブドウ品種をアメリカ市場に拡大しました。アンドレアはブドウ栽培ディレクターに昇進し、アルプスからシチリアにかけて1000ヘクタール以上と13の農園を担当した人物。なんだかすごい人みたいですね。
1974年、ヴェローナ生まれ。

アンドレア・ロナルド





難しい話ばかりで、ちょっと息ができなくなりかけてますが、そんな彼が推しているのが、フレッシュでモダンな赤ワイン。この分野のワインをまとめて、Pinosophyと名付けています。名前からして難しそう。
具体的なワインの話は、次回。

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記事の内容は以前の(CIR)や販売している書籍から引用しています。

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2026年8月26日水曜日

人間力最高のカリスマ、ダリオ・チェッキ―ニ。

お題は、イタリアの料理界隈を牽引した人たち。
主役はアルタクチーナのグランシェフから、天才ピッツァイオーロへと移り変わりました。あの熱狂の時代を経験した後に、冷静に当時を振り返ってみると、すごいうねりでした。世界中が湧きたちました。ピッツァイオーロの次に、この世界的な熱狂を引き起こした人物は、シェフでさえありませんでした。肩書は、肉屋で詩人。ダリオ・チェッキーニという人です。トスカーナの彼の店には信者と言える人たちが世界中から集い、彼の肉に夢中になりました。当然ネットフリックスあたりに注目されて、ドラマになったりして、カリスマ度は、多分過去最大かもしれません。
最高の肉を探す番組の常連。

ダリオ・チェッキ―ニのイタリア最高の肉屋。




肉を食べると幸せホルモンが出るという話は、彼の肉を食べる人を見てると本当なんだ、と信じられました。


彼が注目されるきっかけになったのは、確か狂牛病問題だったような。骨付き牛肉の販売が禁止されるという大問題も飛躍のきっかけにしてしまった彼は、ダンテの朗読とか、とにかくパフォーマンスが天才的で、人間力がずば抜けてました。彼のような人は、その後出てきていません。


彼の肉のベースにあったのは、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ。
フィレンツェでこの肉を食べない人はいないと思いますが、食べた人を幸せにするステーキです。動画で見てるだけで幸せ。



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この話は(CIR)2023年12月号のリチェッタ、シェフのリチェッタの“クリスマスのプランゾ”の解説です。

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2026年8月25日火曜日

アルタ・クチーナの次は天才ピッツァイオーロが牽引するあまりフォーマルでない料理の時代がやってきます。

グアルティエロマルケージに代表されるアルタ・クチーナのシェフとその料理が一世を風靡した時代の後、あまりフォーマルでない料理の時代になります。その代表は、フランコ・ペペのピッツァ。
フランコ・ペペはそのピッツァが国際的な賞を次々に取り、雑誌や配信動画などのマスコミに注目され、あれよあれよという間に大ブームが起きて、世界一のピッツァという評判が世界中に定着します。

フランコ・ペペのピッツァ

マルゲリータが彼の得意ピッツァ。マルゲリータ・ズバリアータ(間違ったマルゲリータ)というピッツァの概念も世に出し、ナポリピッツァの普及に大きな影響を与えました。





世間は熱病にとりつかれたみたいに大騒ぎでした。

ガブリエ―レ・ボンチはローマ・ピッツァの帝王。彼の影響もものすごかった。ネットフリックスですべてをさらすなど、フランコ・ペペと似たような道を歩んできました。

ガブリエリ・ボンチ。





フランコ・ペペもガブリエレ・ボンチも世界的な影響力を持ち、イタリアのピッツァに活気をもたらしました。すごい影響力でした。
ピッツァはアルタ・クチーナを凌駕しました。グランシェフの時代から、ピッツァイオーロの時代になったと感じさせる、すごい勢いでした。

次の時代の寵児は、シェフではありませんでした。その話は次回。

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2026年8月24日月曜日

マルケージが牽引した30年。

ミラノのリストランテ界隈を引っ張ってる注目の若手シェフの料理を紹介してきましたが、その元祖はグアルティエーロ・マルケージGualtiero Marchesiで、彼のレストランはフランチャコルタFranciacortaの丘のアルべレートAlbereto、そして彼の代表的な料理は“金箔入りのリゾット・ジャッロrisotto giallo con la foglia d'oro”。マルケージシェフはイタリアのアルタクチーナのマエストロで、ルレ・エ・シャトーrelais & châteauxの最初のシェフとなりました。

ルレ・エ・シャトーで働く。


マルケージとフランチャコルタ。


マルケージの代表作、金箔のリゾット・ジャッロ。


マルケージの弟子、マルケージ・チルドレンたちは、イタリアのアルタクチーナに確固たる軌跡を刻み、一大勢力となりました。代表的なシェフは、カルロ・クラッコCarlo Cracco、アンドレア・ベルトンAndrea Berton、ダヴィデ・オルダーニDavide Oleani、パオロ・ロプリオーレPaolo Loprioneなど。

イタリア料理と、多くのグランシェフたちの父、マルケージ。


ダヴィデ・オルダーニシェフが語るマルケージ。


パオロ・ロプリオーレシェフが語るマルケージ。


おそらく、イタリアのアルタ・クチーナは彼らが長い間牽引してきました。次の世代のシェフの出現が強く待たれていると感じる今日この頃。
マルケージチルドレン以外にも、イタリア料理界隈で話題になった人たちは、もちろんいました。次回は彼らの話。

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2026年8月21日金曜日

キャロットケーキとマスカルポーネクリーム。

ミラノの注目シェフのクリスマスのプランゾのドルチェは、ド派手なインパクト強めの料理を考え出している人には珍しく、どちらかというと素朴なケーキ、“にんじんとくるみのドルチェ”。ベースはキャロットケーキで、ペカンナッツ入り。そこにミラノお得意のマスカルポーネソースをかけたドルチェ。

キャロットケーキはイタリア語ではトルタ・ディ・カロ―テtorta di carote。
シェフのキャロットケーキはペカンナッツ入りですが、下の動画のキャロットケーキはアーモンド入り。ちなみにキャロットケーキはにんじんとくるみの組み合わせの生地をクリームチーズのアイシングで覆うのが定番。ルーツはアメリカやイギリスの、アングロサクソン系のケーキ。
それをマスカルポーネクリームでイタリア風にしたドルチェという訳。
シェフのリチェッタでは、クリームは別に添えて食べる人がかけるというシステム。

キャロットケーキ。





アングロサクソンのドルチェにマスカルポーネクリームをかけると、かなりイタリアンに変身。
マスカルポーネクリーム。


純白のクリームで、ベースは練って柔らかくしたマスカルポーネにホイップクリームを加えたシンプルなもの。これにオレンジピールやグランマニエを加えるなど、アレンジは無限。
素朴な色合いのキャロットケーキにもよく合います。アングロサクソンとイタリアンの融合は、ズッパ・イングレーゼの昔から相性がよいのです。

ズッパ・イングレーゼ


マスカルポーネクリームとキャロットケーキは、考えてみると、かなり画期的な組み合わせかも。

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この話は(CIR)2023年12月号のリチェッタ、シェフのリチェッタの“クリスマスのプランゾ”の解説です。
“にんじんとクルミのドルチェ”の日本語のリチェッタと写真はP.46。

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2026年8月20日木曜日

見た目もご馳走風の詰め物入りロースト。

ミラノのシェフのクリスマスのプランツォの話、今日は肉料理です。
料理は、“プンタレッレのサラダの詰め物入り子牛のロースト”。
料理名で気になるのは2点。まずはプンタレッレ。ローマの名物野菜です。

プンタレッレ。
産地ローマの食べ方は複雑な下ごしらえを経て、サラダにします。
ローマ風プンタレッレのサラダ。プンタレッレはチコーリアの一種カタローニャ菜の芽。


ローマの観光名所の市場カンポ・デイ・フィオーリ広場では、下処理して細く切ったものを売っています。


アんチョビとにんにく風味がサラダの味付けの定番ですが、子牛肉に詰めるプンタレッレのサラダは、ざくろの粒も加えてクリスマス風に華やかになっています。

 ミラノの代表的肉、子牛肉のローストはクリスマス料理の定番。



今回のリッカルド・メルリシェフのリチェッタでは、肉屋で袋状にしてもらった子牛のバラ肉にプンタレッレのサラダを詰めます。

ゆで卵詰め子牛のロースト。フィレンツェのイタリア語学校に通っていた時は、食事付きの下宿に泊まっていました。そこのシニョーラの料理のご馳走と言えば、このゆで卵入りロースト。アジアから初めてイタリアにきた若い女の子が初めて見るド派手なロースト。なんて美しくて美味しい料理、と感動し、シニョーラに料理を作っているところを見学したいと言ってみました。すると、高齢だったシニョーラは、見学者がてきてすごく頑張り、普段の倍の時間をかけてこのご馳走を作ってくれたのでした。一緒に食べるはずのシニョーラの甥っ子は、待ちきれなくて、何度も様子を見に来て、いつできるのか確認していました。きっと彼もこの料理が大好きだったに違いありません。もうその日の昼食は、大感激していただきました。今思えば、これが私をイタリア料理の世界に引き込んだ1品でした。


ローストは塊肉の料理ですが、詰め物入りローストにすると、派手さが倍増。


詰め物入りローストは、少量の肉でもボリュームアップして立派なご馳走になり、作る人のアイデアと感性次第で見た目のインパクトもアップ。


今考えると、ゆで卵入りローストを作ってくれるおばあちゃんてすごい。

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この話は(CIR)2023年12月号のリチェッタ、シェフのリチェッタの“クリスマスのプランゾ”の解説です。
“プンタレッレのサラダの詰め物入り子牛のローストの日本語のチェッタと写真はP.45。

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2026年8月19日水曜日

キャベツのサルシッチャは、キャベツとソーセージを一緒に煮るのではなく、サボイキャベツに具を詰めるという力技。見た目のインパクトは強烈。

今日のクリスマスのプランゾは、“サボイキャベツのスパイラル”。素人にも分かる言葉にすると、キャベツのソーセージ。普通は腸に詰めるソーセージを、縮緬キャベツで包んで、スパイラル、つまり螺旋状に巻いた見た目のインパクトが強烈な1品。

アルティジャナーレなサルシッチャ。


ゆでて葉脈を取り、柔らかくしたキャベツを重ねてひも状にし、中に詰めるのはレモン汁、ミント、フィノッキエット風味の米とサボイキャベツの切り落とし。
キャベツとソーセージと言えば、一緒に煮込むのが普通ですが、腸詰めの腸をキャベツにするというのは画期的なアイデア。初めて見ました。


サボイキャベツとサルシッチャのパスタ。キャベツをゆでる香りは、イタリアでは戦後の貧しさのイメージと結びついている。質素でシンプルな食材のキャベツを、シェフの才能で豪華なクリスマスの料理に変身させた1品。よーく考えると、これは肉を一切使っていない野菜料理。さすが。


キャベツのパスタというと、アンチョビが定番だけど、下の動画のパスタはトマトとチーズのソースでアンチョビは入りません。
高級料理のイメージがないパスタとキャベツは、シェフの腕のふるいどころ。


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“米の詰め物のサボイキャベツのスパイラル”の日本語のリチェッタと写真はP.44。

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