2026年10月16日金曜日

ナポリ・ピッツァのマークはコメディア・デッラルテの道化、プルチネッラ。ゆるキャラがいない国ではこんな高尚なキャラがシンボル。

今日の(CIR)の料理は、1929年創刊の『La Cucina Italiana』の創刊95周年の祝いのパーティーで出された料理。
100年前の料理でも、全く時代遅れになっていないと自画自賛してますが、その料理は、“ドクター・パラゾーネのパッサテッリ”など。
まずドクター・パラゾーネって誰?とは、誰もが抱く疑問。はっきり言って初めて聞いたのですが、なんと、コメディア・デルアルテ界隈ではよく知られた人物でした。別名ドット―レ・バラン。100年前のイタリア人には、知られていたんですねー。ちなみにボローニャ生まれで退廃的な博識者だそうです。

コメディア・デルアルテでは定番のキャラ。ドットーレとパンタローネは互いのコミカルな対比が特徴。パンタローネは堕落した裕福な商人。

ドットーレとパンタローネ。


コメディア・デッラルテはイタリアの演劇がルーツで、ヨーロッパ全土で人気を博した演劇の形態。すべての演目に共通の標準的仮面キャラがいます。有名なのはアルレッキーノ(道化)。イタリア料理を知る上でも欠かせないイタリアの文化。プルチネッラはナポリには欠かせないキャラ。

コメディア・デルアルテ


アルレッキーノ


プルチネッラを語ることはナポリを語ること。


ナポリ・ピッツァ教会のマークもプルチネッラ。日本ならゆるキャラになりそうなことも、イタリアでは格式高~くコメディア・デッラテの仮面キャラです。


次回は料理の話です。

このブログは(CIR)2024年1月号の記事、“100年前のイタリア料理”の解説です。記事の日本語訳と写真はP.32
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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』という地方料理の本としては最高の雑誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。毎月日本語に翻訳している力作です。イタリア発の地方料理の情報は、昔の有名書籍が売り切れて入手困難になっている昨今ではとても貴重です。
『クチーナ・イタリアーナ』誌ですが、昨今の為替レートや送料の高騰、雑誌出版社の販売方針の変更などの諸条件が重なり、価格の維持が不可能となり、残念ながら、2024年以降の取り扱いを終了することにいたしました。(CIR)の定期購読は1月号から12月号までの12冊の解説ですが、取り扱いが不可能になった場合は『サーレ・エ・ぺぺ』など他の雑誌に換える場合もあります。その場合でも(CIR)の作成は続けます。
(CIR)は、イタリア人発のイタリア料理のリチェッタとイタリアの食文化を日本語でお届けすることが目的です。
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2026年10月15日木曜日

年末年始のご馳走の後のデトックス料理。

昨日紹介したミラノのラッテリアのシェフは、トラットリアのシェフでもはっきりした料理哲学を持っている人でした。イタリア人のシェフからよく聞く言葉に、消化にいい料理、digeribilita、というものがあります。胃にもたれない程度のことかな、と思っていたのですが、それにしてもこの言葉、よく聞きます。特に近年は、和食の普及を見ても、魚を生で食べる習慣が広まって、イタリア中で軽い、消化に良い料理が求められていることを強く感じます。

alta digeribilitaて言葉があるんですね。
アルタ・ディジェリビリタなピッツァ。ピッツァの場合は高水分含有量のピッツァのことのようですが、消化吸収率が高い、という意味で乳糖不使用製品に使うようです。きのうのシェフは、消化できないものは毒か脂肪になる、と明言してました。単純で分かりやすい言葉で言われると、長年の疑問もすっきり解決。


今日のお題は、(CIR)1月号の記事、“年末と新年のご馳走の後の料理”です。年末年始のイタリアは、一年で一番のご馳走を食べる時期。消化に悪い食べ物を満腹に食べるという、なんだかお馴染みの状態のようです。と言う訳で、昨今の傾向とは正反対。そこで必要となるのがデトックス料理です。

肝臓のデトックスに効果的な食材。


レモンとしょうがか(メモ、メモ)。





さて、ご馳走の後のデトックス料理、この発想は、mangiare benesと言います。
マンジャーレ・べネとは、体によいものを食べるという概念。このテーマで議論すると、肉食の人たちは、魚を食べてる人とは考え方がちょっと違うと感じます。


(CIR)の料理、まずは、“ひよこ豆とアーティチョークのソースのファッロの全粒粉のスパゲッティ”

ファッロの全粒粉のスパゲッティは、ヘルシーというテーマの時は必ず登場するパスタ。

ムール貝のソースのファッロの全粒粉のスパゲッティ。
デトックスでも手を抜かないなあ。


スーパーで買える上質パスタ。


ファッロの全粒粉スパゲッティは、好奇心から食べて見たことがあるけど、それ以来、手が伸びない。美味しくいただくのは難しいパスタだけど、デトックスとかマンジャーレ・べネとか、食べて健康になるとか、考えたことなかった。

このブログは(CIR)2024年1月号の記事、“年末と新年のご馳走の後の食事”の解説です。記事の日本語訳と写真はP.30
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2026年10月14日水曜日

アルゼンチン、ジェノヴァ、ナポリの伝統料理のハイブリッド、フガセタはピッツァとフォカッチャのミックス。

今日の料理は(CIR)の記事、移民の料理から、“フガセタfugazzeta”です。
ブエノス・アイレスとジェノヴァとナポリの伝統料理のハイブリッドだって。

ブエノス・アイレスは、アルゼンチンの首都。アルゼンチンはイタリアから遠いけど、イタリア人は親近感を感じるような国だそうです。19~20世紀から多くのイタリア人が移民した国です。


フガセタ
フガセタは新世界理のピッツァだって。
ナポリ人とジェノヴァ人がアルゼンチンに移民してきたという奇跡から生まれた食べ物。なんと海から見るとジェノヴァとブエノスアイレスは一直線上。


ピッツァとフォカッチャとエンパナーダのフュージョンがフガッサ。

エンパナーダは、具入りのぺイストリー。パンで覆うまたは包むという意味のスペイン語およびポルトガル語の動詞「empanar」から派生しました。


フガッサを始めて作ったのはジェノヴァからの移民の息子でパン屋だった人物が経営するピッツェリア。
イタリア系アルゼンチン料理によく見られるように、北と南イタリアの味と食材のフュージョン。もっと詳しく言うなら、北イタリア料理とアルゼンチンに伝わった南イタリア料理のミックス。北イタリアから南米に移民したイタリア人の食文化が溶け合った国際的な料理なのでした。
ポルトガルの人気サンドイッチと主張する人もいます。


エンパナーダは国際的な料理なのでした。アルゼンチンのエンパナーダ。


フガセタは超美味しいエンパナーダ。





イタリアがサッカーでヨーロッパチャンピオンだった頃に対アルゼンチンの試合があると・・・。イタリアが弱くなった現在では、アルゼンチン応援してるのかも。
そう言えば、メッシもマラドーナもルーツはイタリア系移民。メッシは北でマラドーナはナポリでした。ひょっとしてフガセタはイタリア料理界のメッシか!?


アルゼンチンの伝統料理は、ピッツァやパスタだって。


このブログは(CIR)2024年1月号の記事、“フガセタ”の解説です。記事の日本語訳と写真はP.28
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2026年10月13日火曜日

ミラノのラッテリア。シェフのアルトゥーロの信念は、消化できないものは毒か脂肪になる、というもの。だから料理は消化の良さが大切。

今日の(CIR)のお題は、“ミラノの老舗トラットリア”。ミラノの人気トラットリア、La Latteriaの話です。

ミラノの大人気店、ラッテリア。


ラッテリアのシェフのアルトゥーロ・マッジ。
健康な食とはどんなものか、深い考えを持っている人なんですね。こんな人が作った料理を食べたい。食品の化学反応も、食材本来の純粋な味も、軽さと消化の良さも大事、というのが彼の信念。消化できないものは毒になるか脂肪になる、だって。深い・・・。





トレンド命のミラノで、こんなに気取らない店があるなんて、もうそれだけで素晴らしすぎ。70年代にコリエレ・デッラ・セーラの旧本社前にできた店です。土日以外は地元の食材だけを使ったプランゾとチェーナを、この地区にしては格安の値段で出す、25席の小さな店。厨房担当のアルトゥーロとホール担当のマリア夫妻の店で、店は繁盛を続け、息子たちも手伝うようになりましたが、2023年末に引退しました。残念。今はもうないけど、ファンは未だにいるみたい。

このブログは(CIR)2024年1月号の記事、“ミラノの老舗トラットリアの料理”の解説です。記事の日本語訳と写真はP.25
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2026年10月9日金曜日

ニューヨークとイタリアのハイブリッド、ティラミスチーズケーキ

ティラミスの話が出たところで、(CIR)1月号の表紙の料理ですが、これは“ティラミス味のチーズケーキ”でした。


ティラミスからチーズケーキまでは、ほんの一歩。
チーズケーキと言えばニューヨークの名物。


ニューヨークの最高のチーズケーキ店。


ニューヨークチーズケーキファクトリーの内側。
ニューヨークではチーズケーキも工場で大量生産。


ティラミスとチーズケーキ、つまりイタリアとニューヨークのハイブリッドが、この表紙のチーズケーキ。

ティラミス

ニューヨークスタイルのチーズケーキに使われるチーズは、フィラデルフィア。



やっぱりというか、フィラデルフィア生まれではなかった。ニューヨークで生まれて大量生産の技術が開発され、クリーチーズが安価なものになり、人々の間に広まりました。

フィラデルフィアの工場見学


ティラミスに使われているチーズは、マスカルポーネ。工場での大量生産と相性良さそう。

ティラミスが世界を征服するまで。その歴史は70年にも満たないのでした。チーズは、ロンバルディアの酪農家がクエン酸や酒石酸で凝固させた濃厚なチーズ。
(CIR)の表紙のチーズケーキには、リコッタとマスカルポーネをミックスしたクリームが詰まっています。


リコッタができるまで。


フィラデルフィア、マスカルポーネ、リコッタを混ぜたクリームのケーキこそが、この表紙のティラミス味のチーズケーキ。

ティラミス・チーズケーキは、アメリカではもうかなり一般的。そのうち、アメリカのチーズケーキに取り込まれちゃう日も近いかも。

ティラミスチーズケーキ


このブログは(CIR)2024年1月号の料理、“ティラミス味のチーズケーキ”の解説です。日本語のリェッタと写真はP.23
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2026年10月8日木曜日

北イタリアでペーコラのリコッタの役割を担うのはマスカルポーネ。

今日紹介するのはミラノの店、Giacomo。

ジャコモ。ミラノのグルッポ・ジャコモ、オーナーは、ジャコモ・ブッレリ。





リストランテ・ダ・ジャコモでは上質の魚を使った定番のイタリア料理を出しています。
ヴォンゴレのスパゲッティ、インサラータ・ディ・マーレ、ズッパ・ディ・ペッシェ、フリット・ミストなどですが、肉や野菜の料理も出しています。
そして(CIR)1月号でリチェッタを紹介しているのは、“ボンバ・ディ・ジャコモ”というジャコモが考案したドルチェ。
パイ生地でクレーマ・ムパスティッチェリーア、ラズベリーソース、マスカルポーネを包んだ、“爆弾”というその名の通りの、素朴でインパクトの大きなドルチェです。
前回、南イタリアではドルチェのクリームのベースになるのはricotta di perocaという話をしましたが、ペーコラのミルクが必要なこのクリームは、北イタリアにはあまり縁がなさそう。
でも、クリームは、北でも南でもドルチェには欠かせない存在。

リコッタ・ディ・ペーコラ


ペーコラ








きゃわいい~!赤ちゃんヤギがミルクを飲む姿は一日中見てられる。




マスカルポーネは牛乳から造るチーズ臭がないチーズ。製造方法は科学的で、大規模。残念ながらペーコラの面白さが伝わらない。





クリームチーズとマスカルポーネの違いは?


マスカルポーネ・クリーム


アルプスのふもとで暮らす牛を象徴するのは、トランスマンツァ/移牧。
ピエモンテのトランスマンツァの風景。アルプスの移牧はカウベルが賑やか。


マスカルポーネ・クリームのドルチェ


その代表はティラミス。


リコッタ・クリームの代表はシチリアのカンノーリ。


やっぱりみんな考える、リコッタのティラミス。





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2026年10月7日水曜日

南イタリアのドルチェのベース、ペーコラのリコッタ。

次の店は、Pisciottaの店です。カンパーニア州にあります。

上空から見るピショッタ。海とオリーブ畑が背景の丘の上の村。
聞いたことない村だけど、観光客にはまだ全然見つかってなさそう。



マリーナ・ディ・ピショッタのベストレストラン。
観光客には知られてなくても、カンパーニアの人にはすでに良く知られていて美食文化もある村のよう。


紹介する店はOsteria Perbacco。
オステリア・ペルバッコの料理


カンパーニアは、ナポリでピッツァを食べるために訪れる地方、という人が多いかも入れませんが、ナポリには、ピッツァ以外にもおいしいものがあります。私にとってはナポリはドルェが美味しい地。ナポリのパスティッチェリーア巡りは、至福の瞬間。

ナポリのパスティッチェリーア





パスティッチェリーア・スカトゥルキオ


この店のドルチェは日本人まで夢中です、と言ってます。おっしゃる通り。日本人にも人気というのは、イタリア人にとって、イタリアのレストランや製品が外国でも評価されている時の常套句。

で、オステリア・ペルバッコが紹介した店の人気の品は、ビターチョコレ―ト入りリコッタケーキ。
トルタ・ディ・リコッタは、カンパーニアで食べておきたいドルチェの1つ。

リコッタとチョコレートのトルタ


トルタ・ディ・リコッタ


オステリア・ペルバッコのトルタ・ディ・リコッタは、ペーコラのリコッタを使います。

自家製ペーコラのリコッタ。南イタリアのドルチェのベースだけど、日本にいる限り味わう機会はないだろうなあ。

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このブログは(CIR)2024年1月号の料理、“ビターチョコレート入りリコッタケーキ”の解説です。日本語のリェッタと写真はP.13
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