イタリアの自慢の食材を紹介する記事(CIR5月号P.39)を解説していますが、モッツァレラの例として取り上げたのが、よりによって“muzzarella ind'à murtetta” という、聞いたこともないクセの強い笹かまぼこ型のモッッァレラでした。多分、知名度的には誰も知らないんじゃないの、と思うようなモッツァレラで、しかも香りが強すぎてピッツァには使わないなんて、攻めてますよねー。モッツァレラのバリエーションなら、普通はブッラータあたりを取り上げますよ。逆にこだわりを感じますねー。
ブッラータの製造過程
ブッラータは袋形にしたモッツァレラにフィオル・ディ・ラッテを詰めて閉じたもの。フィオル・ディ・ラッテは刻んだモッツァレラとヘビークリームを混ぜたもの。その名の通り、フレッシュでクリーミーなバターを食べているようなチーズ。トロトロさが重要で、冷蔵庫に入れてはいけないフレッシュチーズ。産地のアンドリアの店では注文が入ってから造っていました。
次の食材はもっとメジャー。ペースト・アッラ・ジェノヴェーゼです。
このソースのポイントはバジリコ。リビエラ・リグレ産のものが理想的ですが、プラのバジリコの生産者を見学した時は、小さな若葉を使っていました。庭で勝手にぼうぼうに育ったものとは全然違います。
プラのバジリコの栽培
バジリコの違いは常々感じていましたが、さらに本場では、松の実はピサ産、にんにくはインペリア県のヴェッサリコ産、チーズはパルミジャーノかペコリーノ・サルド、オイルはリビエラ・リグレのエキストラ・バージン、塩はシチリアの海塩というこだわり。
そのルーツはにんにくのソース、“アリアータ”とくるみのソース、“サルサ・ディ・ノーチ”。
アリアータ
くるみのソース
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