レモンは地中海の魅力が凝縮したようなフルーツです。ミカン科のレモンは人間が栽培した最古の柑橘果実のザボンとチェードロの交配種だと考えられています。ヒマラヤ山麓原産でアラブ人によってヨーロッパに伝わり、シチリア、スペイン、ポルトガルに広まります。そして品種改良によってさまざまな品種が生み出されました。
レモンの原産地
世界最大の柑橘類、ポメロ(ザボン、ブンタン)
アメリカのレモン
私がナポリに行った時はバカンスシーズンが終わった時期で、ホテルの予約もせずにとにかくフィレンツェから電車に乗ってナポリまでやってきました。フィレンツェとローマ、ミラノぐらいしか知らない正真正銘のお上りさん。ナポリ駅のインフォメーションでホテルの予約をしたら、オフシーズンのポジリポという聞いたことのない町の海の前のリーズナブルな値段のホテルを取ってくれました。確か、かなりお手頃な値段だったと思いますが、ナポリからは私鉄で行ける町のなかなか素敵なホテルでした。スタッフはとても親切で、近くの美味しいレストランをきいたら、生魚は食べれる?と確認され、すぐ近くの店を予約してくれました。その店では超美味しくて新鮮な魚介類を堪能しました。ポジリポはナポリとは海がつながってる漁師町で、ナポリの魚の供給源。ナポリの隣なのにナポリのような危険な街ではなく、小さな田舎の村感があって、おもてなしもとても温かいところでした。
ポジリポ
でも、オフシーズンなだけあってお客は全然いなくてガラガラです。そして部屋に着いてさっそくシャワーを浴びている時、外国ではよくある、あの問題に直面したのです。
そう、突然お湯が出なくなったのです。お湯がタンクにたまっている量を使い切ると出なくなる問題は、聞いたことはありましたが、まさか海の目の前のホテルで自分の身に降りかかるとは思ってもいませんでした。これがナポリの洗礼かと思いながら、頭のてっぺんから足の先までびしょびしょで、寒くてブルブル震えながら、超みじめな思いで半べそでフロントに電話したら、とりあえず、隣の部屋のシャワーを使ってくださいということで、問題はあっさり解決。日本だったら施設の点検なんか初めて大事になりそうな大問題なのに、南イタリアの人は、これしきのことでは慌てもしません。あの手慣れた感じは、多分、こんな苦情を言ってくる客は、よくありそう。ホテル側も慣れてるから多分すぐに対応してくれます。パニックになる必要はなさそう。
下はシャワーの時間をきく動画。
どうやら現在的な感覚だと、お湯を使いすぎるのはあまり現代的ではない行為。シャワー時間を短くして水を節約しましょうと言ってます。
ホテルの従業員の間では、片言のイタリア語を話し、お湯をたっぷり使う若い日本人客のことはこれで知れ渡ってしまいました。まあ、季節柄、他に客はいなかったと思いますので、なかなかのインパクトだったはず。後で、ホテルの中で、掃除をしているおばちゃんとすれ違ったら、ちょうど休憩時間でおやつを食べようとしていたようです。おばちゃんは私を見ると、例のシャワーの客だなとすぐに気づいたようで、食べる?と自分のおやつを差し出してくれました。
それはレモンの“ような”ものでした。とは言え、かなり大きくて、皮が厚くて、白い部分が分厚い物体でした。大きいけどどう見てもレモンのように見えたので、レモンをおやつに食べる?と思いながら、でもせっかくだからいただきます、という感じで受け取って、どうやって食べるのか不思議に思いながら、その巨大なレモンのような物体のくし切りを一口かみました。酸っぱいレモンだとばかり思って、襲い掛かるだろうすっぱさに身構えながら目を細くしてかじったそれは、意外なことにとても甘くてフレッシュで、食べやすい味で、白いわたの部分もおいしくいただけました。意外過ぎてびっくりしました。おばちゃんと半分ずつ食べたけど、ぺろっと1個いけちゃいました。カンパーニアのレモンの知識なんて皆無でしたが、今思えば、あれはナポリのスーパーで売ってるような、ナポリの人が日常的に食べている品種のレモンでしょう。あんなにおいしくて甘いレモンなら、気分がすっきりして、休憩時間に食べるのにぴったりです。
カンパーニアではアマルフィ、カプリ、ソレントなどがレモンの栽培で知られています。もったいないことにナポリではピッツァやドルチェに夢中で、レモンにはあまりはまりませんでした。でも、その後でカプリやアマルフィに行ったら、もうレモンに夢中になりました。日本で知ってるレモンとはあまりにも違うその柑橘果実は、観光地では主役になっていました。トルタ、リキュール、食前酒、ババ、チョコラティーニ、ジェラート、グラニータ、香水、石鹸、陶器、庭、テラスなど、全ての風景にレモンが登場しています。
アマルフィのレモンのソルベット
レモンの話をしてたら懐かしい思い出が続々蘇ってきました。これもレモンの効果。
この話は、(CIR2023年8月号)の記事、“フルーツの変換”の解説です。記事の日本語訳と写真はP.28。
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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』という地方料理の本としては最高の雑誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。毎月日本語に翻訳している力作です。イタリア発の地方料理の情報は、昔の有名書籍が売り切れて入手困難になっている昨今ではとても貴重です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。
現在、2023年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
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週末はクレアパッソのお薦め本の紹介。
『スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』
『春・夏・秋・冬』
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