2020年9月28日月曜日

ナポリの注目店。今どきのナポリのレストランのトレンドは伝統と革新。貧しさや庶民とは無縁のキラキラした世界。

今日は、voielloの『ナポリの黄金』企画で取り上げられたナポリのレストランの一部を動画で紹介。
1944年創業の老舗のナポリ駅のそばの超有名店ミミ・アッラ・フェッロビア↓
一生に一度は食べるべきと言われる名物料理はペペローニのリピエーニ、ナスのパルミジャーナ、サルトゥ・ディ・リーゾなど。
webページはこちら


若者たちが経営する若い店、リスランテ・パラッツォ・ドミニチ。↓
高級ホテルのリストランテ。店のwebページはこちら
店のモットーは伝統と革新。

次も2007年にできた若い店、パラッツォ・ペトルッチ。↓
webページはこちら
オーナーの一人はグルメな会計士。
かなり儲かってるみたいですね。
この店も伝統と革新を提供すると謳っています。
別の場所で9年営業して2008年にナポリで最初のミシュランの星を獲得後、ポジリポに移転。現在は洗練さのさらなるアップグレードを目指しています。

シェフはナポリ出身。今どきのナポリ料理はオサレだね~。ロブスターのスパゲットーニ。

次はポンペイの遺跡に近くて広い駐車場もあるミシュランの星付き店、プレジデンテ↓
1986年創業。2018年には2軒めオープン。シェフは家族経営のリストランテの2代目。
世代交代までに伝統を受け継いだとシェフは語っています。
伝統のベースができてから改革に取り組んだそうで。
スペチャリタはナポリの定番、カンデーレのジェノベーゼ。
落ち着くいい店だなあ。

最後はア・フェネステッラ。
ナポリの隣の漁師町、ポジリポの有名店。
店のwebページはこちら
店の窓のことがカンツォーネで歌われたことで有名になった店。窓はこれらしい。

ア・フェネステッラ↓

ポジリポはナポリの隣の小さな漁師町で、ナポリの人にとっては夏のちょっとしたビーチリゾート、超美味しい魚料理を出す店が一杯ある。
ポジリポ漁協のPV。漁協のPVになぜイケメンが出てくるのか意味不明。
ひょっとして漁協ブランドの服売ってるとか?

美女がでてくるPVもあった。
ナポリ人の考えてること、やっぱりさっぱりわからない。


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総合解説
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2020年9月27日日曜日

ナポリのカラヴァッジョの行きつけの店の卵が入らないフリッタータ、スカンマロ。

voielloの『ナポリの黄金』シリーズ。
今日は、ナポリの中心部でディープなナポリ料理を伝える店、ラ・ロカンダ・デル・チェリッリオの“ヴェルミチェッリのスカンマロscammaro”。
店はナポリのかなりディープな場所にある。
なんと、ローマで殺人事件を起こしてナポリに逃亡した画家のカラヴァッジョが、さらにそこで暴漢に襲われた場所として知られているやばい場所でした。
この店に足繁く通ったせいで、行動が読まれていたんですね。
今はカラヴァッジョの店として知られ、大勢のナポリ市民が通っています。


店のwebページはこちら

ロカンダ・デル・チェリッリオの料理は、“スカンマロscammaro”です。
ナポリ料理に詳しいこちらのサイトによると、この料理はナポリで四旬節の間に食べた料理。
四旬節は大雑把に言うと、復活祭の前の肉食を断つ期間。
スカンマロはナポリ名物のパスタのフリッタータの、卵や動物性油脂を使わないバージョン。
ナポリでは料理研究家で食通として知られる偉人、ブオンヴィチーノ公のイッポリート・カヴァルカンティが考え出したと言われています。
しかもある神父の要望で、動物性の食材が入らなくても、満足できるような料理にしたのだそうです。
こういうアレンジは、ナポリ人の得意分野でした。
参考動画


それでは、ロカンダ・デル・チェリッリオのスカンマロlo scammaroのリチェッタです。

材料/4人分
ヴォイエッロNo.105のヴェルミチェッリ・・320g
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル・・100ml
種抜きガエタオリーブ・・100g
松の実・・50g
レーズン・・50g
塩抜きしたケッパー・・30g
イタリアンパセリ
アンチョビ(好みで)
塩、こしょう

・にんにくを油で炒め、焼き色がついたら取り除く。松の実、オリーブ、レーズン、アンチョビ、イタリアンパセリ、パスタのゆで汁少々を加える。火を弱めてソッフリットにする。
・パスタをゆでる。
・フライパンにアルデンテにゆでたパスタを加えて両面を焼く。

多分、みんなが思ったこと、アンチョビは加えていいんかい!?
質素すぎて肉や魚のうちに入らなかったのかな。


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2020年9月26日土曜日

ナポリ、サンタ・ルチア地区の人気店、リストランティーノ・デル・アッボカートのアンチョビクリームとコラトゥーラのフィデリーニ。


ナポリの人気店のヴォイエッロのパスタのリチェッタを紹介する『ナポリの黄金』から、今日は、サンタ・ルチア地区で典型的なナポリ料理を出す人気店、“リストランティーノ・デッラッボカート”。
webページはこちら
シェフは父親と息子。
上質の地元の食材にこだわった伝統料理を出しています。
メニューがバッカラから始まってました。
やっぱりナポリの庶民の魚の代表はバッカラとアンチョビでしょうか。

料理はアンチョビ・クリームとコラトゥーラのフィデリーニ、アーティチョークのチップスとタラッロ・ナポレターノ添えFidelini con crema di alici la sua colatura, chips di carciofi e tarallo napoletano
料理の写真とリチェッタの原文はこちら

材料/4人分
ヴォィエッロNo.102フィデリーニ・・400g
新鮮なアンチョビ・・500g
チェターラのイワシのコラトゥーラ・・25g
アーティチョーク・・1個
タラッリ・ナポレターニ・スーニャ・エ・ペペ・・1個
じゃがいも・・2個
EVオリーブオイル
にんにく・・1/2かけ
イタリアンパセリ

・アンチョビは骨を取る。
・じゃがいもは薄くスライスする。
・アーティチョークは中央部分だけにしてスライスし、レモン水にさらす。
・にんにく、アンチョビ、じゃがいもを油と水少々でソッフリットにする。
・冷ましてミキサーにかけてクリーム状にする。
・たっぷりの湯と少量の塩でパスタをアルデンテにゆでる。
・パスタをいわしのクリームとコラトゥーラでマンテカーレする。
・アーティチョークを揚げる。
・アンチョビを塩と砂糖でマリネする。
・皿にパスタを盛り付けてアンチョビとアーティチョークのチップスを加え、砕いたタラッリを散らす。油と粗挽きこしょうをかける。

   
タラッリ・スーニャ・エ・ペペTaralli sugna e pepe↓
タラッリはナポリやプーリアなど南イタリアのリング型のスナック。
ナポリ風はアーモンドとイースト入りのサブレ生地のようなスナック。
普通はタラッリと複数形にするが、リチェッタで使うのは1個なのでタラッロと単数形。
下の動画ではメルジェッリーナ地区を散歩する時に食べたり、冷えたビールのつまみにする、と言っています。
スーニャはラードのこと。


ちなみにメルジェッリーナとはこんな地区。
カプリなどの島へ行くフェリーの発着する港があり、ちっょと高級なイメージで美しいナポリの定番の散策コース。↓


おまけのリチェッタ。
昨日紹介したブアッタのシェフの
ナポリ湾のアンチョビとアマルフィ海岸のレモンのパスタをどうぞpasta con le alici。


・アンチョビを開いて骨を取る。
・フライパンににんにく1かけ、唐辛子1片、オリーブオイルを入れてソッフリットにし、軽く焼き色がついたら火を止めてアンチョビ、イタリアンパセリ、レモンの皮のすりおろしを加える。
・ゆでたパスタを加えてなじませる。
・皿に盛り付けてレモンの皮の千切りとイタリアンパセリを散らす。

ナポリ湾のアンチョビ漁↓
メルジェッリーナの目の前の世界。

アマルフィ海岸のレモン↓






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2020年9月25日金曜日

ナポリの人気トラットリア、ブアッタのジェノベーゼのリガトーニ。

ヴォイエッロ版『ナポリの黄金』から、
パスタメーカーヴォイエッロが創業135周年を祝った大プロジェクトです。
ナポリのアルティジャナーレな企業と、9ヶ所から選ばれた50人のシェフの作品を美しい写真で紹介するイベントです。
原文はこちら

ナポリのヴォメロ地区の女性シェフの大人気店、トラットリア・ブアッタtrattoria buattaは、
genovese con baccalàバッカラ入りジェノベーゼのリガトーニ
を収録しています。

材料/4人分
ヴォイエッロN.124リガトーニ・・300g
モントーロの玉ねぎ・・2kg
小さく切った子牛肉・・200g
おろしたペコリーノ・ロマーノ・・80g
サン・マルツァーノのホールトマト・・50g
白ワイン・・1/2カップ
EVオリーブオイル・・100ml
塩抜きしたバッカラ・・400g
セロリ・・1本
にんじん・・1本
塩、こしょう

・深さのある鍋に玉ねぎ、セロリ、にんじんのみじん切り、小さく切ったトマト、子牛肉、ワイン、塩、こしょうを入れて煮る。
・別の鍋でバッカラを油と水少々で蓋をして15分煮る。
・その間にパスタをゆでる。
・パスタ、バッカラ、ジェノベーゼをよく混ぜる。
・皿に盛り付けてペコリーノを散らす。

ジェノベーゼはリグーリアのジェノバとは何の関係もない料理で、玉ねぎがベースのナポリの代表的ソース。

ナポリでは、モントーロ平野(アベリーノ県)で栽培される玉ねぎが人気のよう。
モントーロの玉ねぎ↓

ジェノベーゼ・ナポレターナというこんがらかりそうな呼び方がなぜか人気。


玉ねぎをたっぷり使うこの料理を作ると、玉ねぎの匂いが数日消えないので、玉ねぎを切った後、酢や挽いたコーヒーを手につけるなどしています。

ブアッタのリチェッタは仔牛肉の一部をバッカラで代用したもの。
バッカラはイタリア中に広まったお手頃価格の魚。
生の魚が採れるナポリでも広まって、様々なナポリ料理に使われている。
ということは、生魚より安かったということですね。



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2020年9月24日木曜日

バリラグループとボローニャ種苗業者組合が生み出した南伊に適した新しいパスタ用小麦。グラノ・アウレオ。

ヴォイエッロがどんなパスタメーカーか、ちょっとおわかりいただけたでしょうか。
webページ(こちら)によると、タガンログ消滅後は、最高のパスタを目指して、2009年に誕生したイタリア産のアウレオという小麦100%で製造しているそうです。
アウレオ小麦はバリラグループとボローニャの種苗生産者組合が中心となって作り出した、イタリア南部の気候に適した上質の品種。イタリアのパスタ産業が本気になって取り組んだパスタの国産小麦化の一大プロジェクトから生まれた新しい小麦のようです。
タンパク質の質も量も、他の小麦より優れているそうです。
グラノ・アウレオ↓
これまでの、アリゾナの砂漠で栽培された小麦に変わるパスタ用小麦だそうです。
砂漠で小麦を育てるには大規模な灌漑設備が必要ですが、南伊で栽培されるこの品種は天然の水で育つのでCo2の排出も抑えられます。
輸送距離も短くなります。

イタリアのパスタが北米産の小麦で作られていた時代は終わるのでしょうか。


バリラグループが、農家やパスタメーカーを巻き込んだこの一大企画に、カンパーニアのパスタメーカーの代表として選んだのがヴォイエッロでした。
確かに、品質を追求するその姿勢は、カンパーニアでも一目置かれています。
ヴォイエッロはカンパーニアのパスタ文化を広めるために、“ナポリの黄金プロジェクト”というものを展開しています。
ナポリを代表する9人のシェフにヴォイエッロのパタを使ったリチェッタを提案してもらい、本にしました。
その詳細は次回に。

北の大資本と、ボローニャのアルティジャナーレ精神に満ちた企業と、ナポリの美味しいパスタを情熱的に追求するパスタメーカーが手を組んだ、素晴らしいビジネスの始まりです。
今後のイタリア産パスタはどう変わるか、楽しみです。

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2020年9月23日水曜日

ヴォイエッロが教えてくれたパスタの歴史。タガンログはナポリのパスタ産業に革命を起こしたと言われるロシアの小麦だが、本物の革命で消え去ってしまった。

今日は以前見つけて気になっていた本から。
カンパーニアの有名パスタメーカー、ヴォイエッロが作ったパスタの本です。
まずはヴォイエッロの歴史をさらっと。
webページはこちら
ナポリには、イタリアで最初の鉄道があります。
その時、アウグスト・ヴァンヴィッテルというスイス人のエンジニアがナポリにやってきました。
彼は製麺業で栄えた街、トッレ・アンヌンツィアータの製麺業者の娘と結婚します。
ナポリがピエモンテと合併したことによりイタリア王国が建国され、
(こうホームページには書かれています。両シチリア王国とピエモンテの立場を、南イタリアの人はこう考えていたという典型のような上から目線)
これを機会にヴァンヴィッテルは名前をヴォイエッロと変えます。
そして1879年、アウグストの息子のテオドロは、会社をトッレ・アンヌンツィアータの北にあるコントラーダ・マレスカに移し、アンティカ・パスティフィーチョ・ジョヴァンニ・ヴォイエッロを創業したのです。
ヴォイエッロはパスタには理想的とされ、この地方のパスタ産業に革命を起こしたと言われているロシアの小麦、タガンログを使いました。
それ以来、最高の品質を追求したパスタメーカーとしてその名を轟かせています。
ナポリの歴史に詳しいこちらStorie di Napoliのサイトによると、
タガンログは19世紀にはイタリアのパスタの70%以上に使われていた小麦です。
20世紀初頭まで、ロシアは小麦の世界最大の輸出国で、イタリアは大輸入国でした。最高の小麦、技術革新によるブロンズのダイスの普及、グラニャーノやトッレ・アンヌツィアータのパスタのゆっくりした乾燥に最適の気候、これらの好条件に恵まれて、ナポリのパスタはどんどん品質が上がっていきました。
ところが10月革命によってタガンログは消滅します。
ロシアは食糧不足になり、硬質小麦より軟質小麦の栽培が優先されました。
ヴォぃエッロはその代わりに、プーリアの最高の農家の小麦、カペッリとサンゴッラを使うようになります。

タガンログはパスタの歴史を調べていると必ず出てくる名前です。
フィリピンの小麦と勘違いしそうですが、少し調べると、ロシアの地名だとわかります。

トッレ・アンヌンツィアータ↓

ロシアの港湾都市、タガンログ。発音がかっこいい↓


ヴォイエッロのパスタは、ちょっとお高い高級パスタのイメージがあるけど、パスタの値段は味とかなりシビアに結びついている、ということはイタリアではよく知られているので、値段だけでパスタを選ばないで、たまには高いパスタを買ってみては、なんて入門者向けのアドバイスを時々見かけます。
高いパスタを食べる度に思い出すアドバイスです。

この情熱のナポリ人と精密なスイス人の結婚から生まれたのがヴォイエッロのパスタだと、ホームページでは誇らしげに宣言しています。

ヴォイエッロのPV↓



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2020年9月22日火曜日

エンジニアもアルティジャナーレなボローニャ魂。

最近、ボローニャのある工業学校の話を知って、昔の話ですが、あるイタリアの大手ジェラートマシンメーカーの若いエンジニアが、仕事で日本にやってきた時に感じたことを思い出しました。
そのエンジニアは、ごく普通のイタリアの若者だったのですが、イタリア人なのにシャイで、しかも巻き舌ができない人で、同じく巻き舌ができない私は、眼鏡とそばかすの彼が気になって気になって、彼の日本出張の間、何かとおせっかいを焼いていました。
そしてその間に、日本のいわゆる下町ロケット系のエンジニアとは、なにか違うなあ、と常に感じていたのです。

ボローニャの話をする時は、料理の話題以外気にしたことがなかったのですが、この街は精密機械の中小製造業も盛んだそうです。
あのジェラートマシンメーカーもボローニャにありました。
料理の世界でアルティジャナーレと言えば、代々続く人間の手作業を極めていく職人のこと。腕だけじゃなく、その生き様や思想も独自のもので、そこが多くの若者を惹きつけています。
ボローニャは、そういう職人を目指す若者たちを育てることにも力を入れていました。
ボローニャの職人の卵たちが学ぶ、アルディーニ・ヴァレリアーリ工業専門高校では、ボローニャの工業の未来や可能性、さらには起業精神についてまで、一流の講師たちが熱く教えています。↓

アルティジャナーレは、何も食の分野だけの話ではないのですね。
巻き舌ができない彼は、一人で異国にいても、立派に自分の会社を背負っていました。
機械の操作方法を教えに来ただけじゃなく、見てるとちょっとハラハラしちゃうのに、なんの迷いもなく、自信を持って楽しげに仕事をこなしていました。
彼の生き様が魅力的で、そのジェラートまで、なんとも魅力的でした。
その自信の根拠は、多分独創性だろうと今は感じています。
まさに彼はアルティジャナーレのエンジニアだったのです。

彼が務めるジェラートマシンメーカーのジェラート大学。

もし、あなたの店にやってきたジェラートマシンのイタリア人エンジニアが巻き舌できなかったら、優しくしてやってね。



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ナポリの注目店。今どきのナポリのレストランのトレンドは伝統と革新。貧しさや庶民とは無縁のキラキラした世界。

今日は、voielloの『ナポリの黄金』企画で取り上げられたナポリのレストランの一部を動画で紹介。 1944年創業の老舗のナポリ駅のそばの超有名店ミミ・アッラ・フェッロビア↓ 一生に一度は食べるべきと言われる名物料理はペペローニのリピエーニ、ナスのパルミジャーナ、サルトゥ・ディ・...