2025年1月22日水曜日

バカーロでシーフードのチケッティを選べるようになればベネチア通。モエケの次はマテガイのローストにチャレンジ

(CIR)のチケッティのリチェッタから、

ベネチアのチケッティとバカーロ

今日の料理は日本語のリチェッタはP.22の“マテガイのロースト”です。

グイドトンマーゾの傑作地方料理シリーズ、『クチーナ・ディ・ベネチア・エ・ラグーナ

によると、マテガイcapelungheは、昔はリドの砂浜ではよく見かけた貝だそうです。

マテガイの下処理と調理

ベネチアはカニなどシーフードが豊富な地ということを思い出しました。
旅先で食べた甲殻類や軟体動物は、たいていどれも強烈な思い出になりますが、ベネチアでは、有名なソフトシェルクラブ、モエケを食べてみたいとずっと思っていたので、初めて食べた時は感無量でした。イカ墨のパスタも楽しみだったけど、マテガイはさすがにノーチェックでした。
この細長い貝を、チケッティではローストにして出します。

マテガイのオーブン焼き


さらに、モスカルディー二・スポルキは、モスカルディー二をゆでてイタリアンパセリとこしょうを散らした1品。
スポルキとは汚れたという意味だけど、散らしたイタリアンパセリを汚れと呼ぶ、いかにも居酒屋風ネーミング。

次の料理、エビのラルド風味は、殻をむいたエビにラルドを巻いて焼く、というこれもシンプルな居酒屋メニューですが、ポレンタを添えると、まぎれもなくベネチア料理になります。

エビのラルド巻き

(CIRP.24)のリチェッタは、ポレンタのクロスティーニ、いんげん豆のクレーマ、パンチェッタとアジア―ゴ風味。

ポレンタのクロスティーニ

モスカルディー二(小ダコ)の下処理

チケッティのリチェッタは、珍しい貴重な記事でした。
次はパスタの話

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現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
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2025年1月21日火曜日

バッカラ・マンテカートは、ハリーズ・バーの創業者がノーベル賞に値する、と言うくらいの好物。口の中で溶けるようなマイルドさがポイント。

ベネチアのチケッティの話。
イワシのイン・サオールの次は、“バッカラ・マンテカート”です。(CIR)の日本語リチェッタはP.21。
ベネチア料理を代表する1品。
バッカラの話は、何度も取り上げてきました。
北欧のメルルーサがイタリアに普及するその歴史はとても劇的です。
そもそも、メルルーサは北の海で穫れる魚。北大西洋のグリーンランドとノルウェー海、北海、バレンツ海の間に多く棲む魚で、これを干したものはベネト料理の代表的な食材。
北欧の人はメルルーサを生かスモークで食べ、バッカラにはあまり興味を示さない。一方、地中海は大西洋ほど魚が穫れないので、大航海時代以降は、北国から様々な魚の保存食が輸入されてきた。
海洋共和国として強力な力を持ってていたベネチアは、バイキングの時代から北欧の干し魚を取引していた。新大陸発見後の1497以降は、カナダ産のメルルーサの塩漬けがヨーロッパに大量に出回るようになる。大口の輸入先は、イタリア、スペイン、ポルトガルだった。

北海のメルルーサで作るフィッシュ・アンド・チップス

ノルウェーのメルルーサ漁■■■


バッカラとイタリアの出会いは、映画になりそうなくらい、詳しく知れ渡っている。そもそもは1432年、ベネチア共和国のピエロ・クイリーニ艦長がロフォーテン諸島のロフト島に流れ着いたのがきっかけだった。

ロフォーテン諸島■■■


艦長と乗組員は地元の漁師からもらった風と天日で干して木のように硬くなった大量の魚で命をつないだ。
それは脂肪分が少ないので傷む心配がなく、味も変わらなかった。しかも完璧に保存ができたので予想にも適していた。
食料を腐らせずに輸送することが大問題だった時代には理想的な食材だ。
艦長は、ノルウェーを出発する前にライ麦パンと60本のストッカフィッソを贈られたと言うことまで分かっている。このうち何本かがベネチアまで届いたわけだ。
さらにキリスト教の肉食を断つ断食の規則もイタリア中の魚の消費を増やした。
ベネチアではバッカラは重要な食材となり、バッカラ・マンテカートが誕生する。
ジェノバやメッシーナ、アンコーナにもストッカフィッソの伝統料理がある。それらがストッカフィッソの強い味を活かしたものなのに対して、ベネトではストッカフィッソをできるだけマイルドにして口の中で溶けるような料理にするのが好まれた。

ちなみに、ストッカフィッソはメルルーサを天日と風で乾燥させたもので、棒(ストック)のように硬いのでストックフィッシュと呼ばれる。ベネトとその周辺ではストッカフィッソのことをバッカラと呼ぶ。

安くて味がよいバッカラは、あっという間に国民食になり、現在では戻すのに手間のかかるバッカラはトラットリアやリストランテで食べる料理となっている。

大衆的な地方料理をイタリアで最初に出したリストランテ、と言われるハリーズバーの創業者、アリーゴ・チプリアーニは、その著書『ハリーズ・バー』で、バッカラ・マンテカートを発明した人はノーベル賞に値する、と言うほどこの料理゛か大好きだった。

バッカラ・マンテカート信者会のリチェッタ


ベネチア料理の象徴、サルデ・イン・サオールと、バッカラ・マンテカートはチケッティでも定番のメニュー。さらにポレンタを添えるのが定番中の定番。



(CIR)のリチェッタは、バッカラ・マンテカートにサリコルニアを添えている。海のアスパラガス、アスパラジ・ディ・マーレと呼ばれる和名はアッケシソウという植物。

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2025年1月20日月曜日

ベネチアの疫病の終息を祝うレデントーレの祭りは、家族みんなで祝う参加型の祭り。

(CIR)のチケッティの記事から、ベネト料理の話題を続けていますが、今日からは、具体的な料理の話。
まずは、ベネト料理の主役、サルデ・イン・サオールです。
“サオール”とは、玉ねぎとビネガーでマリネする料理。ベネチアには魚をマリネする料理は古くからありました。長い航海で壊血病になるのをふせぐためです。
一番シンプルなサオールは、揚げた魚を玉ねぎ、ビネガー、こしょう、シナモン、砂糖のマリネで覆った。ルネサンス時代には魚をワイン、ビネガー、セージでマリネする“カソナータcasonata”が広まった。ベネチアの家庭で、7月第3日曜日のレデントーレの祭りの日に食べる料理。

2024年のレデントーレの祭りのアペロール・ドローン・ショー。

疫病の終息を祝ったレデントーレの祭りの歴史

2023年のレデントーレのメニュー


(CIR9月号)には、“サバのイン・サオール”のリチェッタ(P.21)がありますが、サオールはイワシ以外の魚にも使います。

ベネチアの社交界を象徴する店、『ハリーズ・バー』の自伝的本には、“サオールSaor”は“agro”酸っぱいという意味で、主にイワシの保存食に使ろつたとあります。ハリーズバーのサオールは、野菜の甘味を活かす軽い味で、ラモンのいんげん豆となすを添えてオリジナルの前菜にしました。

本には、サオールのリチェッタと、ファジョーリ・イン・サオール、メランザーネ・イン・サオールのリチェッタも載っています。

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2025年1月18日土曜日

リアルトの魚市場は、観光客が名画でも鑑賞するかのように好奇心一杯で魚を眺めていく。

なつかしい2011年8月号の「総合解説」には、もう一つ、ベネチア関連の記事の翻訳がありました。記事は“リアルトの魚市場”、雑誌は『ガンベロ・ロッソ』でした。『ガンベロ・ロッソ』はワインやレストランの格付け本でおなじみの、プロ指向の雑誌。
記事では、リアルトの魚市場を“ベネチアの観光スポット”と紹介しています。

リアルトの市場

それでは記事をどうぞ。食の専門知識を持つイタリア人の目でリアルトを語る興味深い記事です。

「ヴェネチアの現代の食生活の中心にあるのは魚だ。食材としてだけでなく、旧市街の数少ない住民のコミュニケーションの素材でもある。現実には、魚は常に現代のように評価されていたわけではない。嫌われないまでも、単に無視されていた時代もあった。料理本は肉料理ばかりで、現代になって初めて、状況は逆転したのだ。有名な橋の近くにあって、ヴェネチア料理を象徴している魚市場も、現在のように豊富な種類はなく、品質も高くなかった。
 市場には、世界中から商品が商品が集まる。カナダ産のイセエビがリド産の蟹の横に並び、チュニジア産コウイカとヴェネチアの潟産の小さなイカが並ぶ。いずれにせよ、地元産の魚はあまりにも少なくて、商売にならず、結果として外国産に頼らざるを得ない。ブラーノの漁師もリアルトに魚を持ち込む。さらに、周辺を観光客が名画でも鑑賞するかのように好奇心一杯で魚を眺めていく。



リアルトの市場には商取引の場として千年以上の歴史がある。小売りや卸売市場であるだけでなく、古代には都市の金融機関でもあった。取り引きされるのは、主に遠くオリエントから運ばれてヴェネチアに富をもたらしたスパイスだった。市場は朝7時30分から夜の12時まで開いていた。
 市場の仕事は過酷だ。どんなに寒い日でも、夜明け前には仕事か始まる。そのせいか、若者が働いている姿はあまり見ない。どこも後継者不足だ。26年間市場で魚を売っているロリスは、ここをやめて魚料理を出すレストランを始めた」

記事には彼が始めた店、al fontengo dei pescatoriの紹介もありました。飾らないが食材にはこだわった店だそうです。さすがはガンベロ・ロッソ、店の情報は詳しい。

とても興味深い記事ですが、イタリア語の雑誌のわずか1ページの記事を読む人はほとんどいないだろうと思うので、この記事も、埋もれていちゃうんだろうなあ。もったいない。

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2025年1月17日金曜日

ヴェネト料理は独特の地形と歴史から生まれるまさに郷土料理

ベネチア名物のオステリア、バカーロのワインのつまみ、“チケッティ”の話をしていますが、知れば知るほど感じるのが、ベネチアの食文化との結びつき。
そもそもベネチアはベネト州。
という訳で、ベネト州について、見てみます。

ベネト

昔の(CIR)を見ていたら、なんと2011年8月号にヴェネト料理の記事がありました。
当時は6冊の雑誌を翻訳していて、(CIR)を「総合解説」と呼んでいました。その記事は、今はもうなくなってしまった雑誌『ヴィエ・デル・グスト』誌の記事です。この雑誌は、リチェッタよりも食文化に重点を置いた雑誌で、かなり専門的な内容でした。
記事は、ヴェネト料理のことを“独特の地形と歴史から生まれる伝統料理”と表現していました。記事からは一生懸命翻訳したことが感じられて、ぜひ読んでいただきたいと思います。イタリア人の専門家ならではの視点で語るベネト料理の記事は、ベネト料理を作る人やヴェネトに行く人には知っておいてほししいことばかりでした。ちょっと長いけどどうぞ。

「ヴェネト料理は、驚くようなその地形から生み出される。多くの川が流れ、森が広がる豊かな自然からの恵みを奇をてらうことなく賢く使いこなすその料理は、まさに郷土料理だ。
 
クチーナ・ヴェネタ


ヴェネトの食材

 ヴェネトの地形は3つに分かれる。沿岸部と潟地帯、内陸の平野部、そして山間部だ。基盤となるのは、漁業、養殖業(魚と甲殻類)、農業と牧畜、山の農業と放牧。共通して流れているのは農民の伝統だ。生きるための食べ物、とうもろこしの粉やそば粉のポレンタは、今ではあらゆる食事に登場する。ポレンタは古代からある料理だ。付け合わせとしてだけでなく、きのこやジビエのソース、山のチーズ、野草などと混ぜてメイン料理にもなる。

ヴェネチアは、歴史的に他の地方に君臨していたので、沿岸地方全域に影響を与えた。主役はアドリア海産と潟産の魚だ。他に、ウナギ、ボラ、スズキ、ヒメジ、モレケ、イワシ、カニなどもある。コウイカのヴェネチア風やイワシのイン・サオールは、ヴェネチアの家庭で7月第3日曜日のレデントーレの祭りの日に食べる料理だ。カニは殻に身が詰まる11月から1月の間のご馳走だ。復活祭前の四旬節の聖金曜日には、ビーゴリ・イン・トルト、バッカラ・マンテカート、レバーのヴェネチア風、リゾットなどを食べる。ラディッキオ、アスパラガス、アーティチョークといった名物野菜もある。

ヴェネトの平野部は、牛や豚や家禽類の飼育の伝統がある。鶏が名物のパドヴァでは、鶏はリゾットのベースになり、アヒル、ガチョウ、ホロホロ鳥はヴェネト全域で飼育されている。数種類の肉を使ったボッリート・ミストや煮込みもある。

名物料理のリゾットは、肉、魚、野菜、きのこと相性が良い。バッカラもよく食べられる。マンテカート以外では、牛乳、玉ねぎで煮るヴィチェンツァ風、きのことポレンタを添えたとレヴィ―ゾ風も有名だ。
山間部では、羊と子山羊肉料理も多く、アジアーゴやモンタジオなど、イタリアを代表する山のチーズの産地でもある。

ヴェネトは知れば知るほど面白い地方。2011年8月号の記事、まだあります。


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2025年1月16日木曜日

安さと小ささがキーワードのチケッティ。でも、ベネチアの魔法がかかるとすごく魅力的になります。たとえ半分に切ったゆで卵にアンチョビを楊枝でとめただけでも。

今日のお題はチケッティです。
(CIR)9月号の記事によると、チケッティはラテン語でかなり小さい、という意味のciccusが語源。小さな厨房で造るチケットを出す店がバカーロ。
そのキーワードは庶民的居酒屋、安い、小さい。
典型的な料理はサルデ・イン・サオール。
オステリア・ド・スパーゴのフランチェスコ・ムナリー二シェフが作ります。きのうの動画でバカーロは消滅する、と言っていた人ですね。
人件費、材料費、交通費、光熱費など、全てが値上がりしている昨今、安くて小さなつまみを出す居酒屋は、かなり苦戦しているようです。
それでも、ベネチア料理の根底にあるチケッティの精神は不滅です。

イワシのイン・サオール

イワシのイン・サオール、ゆでたじゃがいも、肉の残り物のポルペッテ、脾臓のベネチア風、バッカラのポレンタ添え、冷たいパスタ・エ・ファジョーリなどが典型的なチケッティ。レバーのベネチア風が有名ですが、庶民にとってはレバーは高級すぎて、庶民は脾臓で造っていたそうです。
華やかなイメージのあるベネチアですが、庶民はかなりの倹約家。
ベネチアの伝統料理

グイド・トンマージの地方利用理シリーズ『クチーナ・ディ・ヴェネチア・エ・ラグーナ

そういったことを知ったうえで見ると、チケッティの料理から始まるこの本のベネチア料理は、ゆで卵にサンドイッチにポルペッテと、とても庶民的。

ベネチアの華やかな上流階級の象徴、ハリーズ・バー。


かなり慎ましいチケッティも、ベネチアの魔法でイスやテーブルのないバカーロで立ち食いしていても、とても魅力的に見えます。


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2025年1月15日水曜日

ベネチアのチケッティ

今日のお題は“チケッティcichetti”。(CIR9月号P.19~)の記事の解説です。

チケッティと言えばベネチアです。
初めてベネチアに行った時は、張り巡らされた水路にゴンドラが行き来する光景に魅了され、街の中に、こんなすてきな習慣があるなんて、気づきもしませんでした。そういえば、某夢の国は、ベネチアのような雰囲気ですが、チケッティを出す店は、多分ないですよねー。ベネチアに行かないと体験できない。
何度か行くうちに、チケッティ、オンブラ、バカーリなど、ベネチアの楽しい面も知るようになり、すごい勇気を振り絞って、若い地元民ですし詰めのそのうち1軒に入って見ると、なにこれ、超楽しい。特にワイン好きなら、ドはまりします。
それ以来、私がベネチアに行く目的はチケッティ巡りになりました。

今月の(CIR)の地方料理は、このチケッティの特集です。チケッティを出す店がバカーロ。

ベネチアのバカーロ巡り

チケッティはベネチアの食の伝統を感じられる。

オーバーツーリズムの象徴になっているベネチアですが、この街は、中世からすでに観光客が多すぎる、と言われて、入域料を取るという考えがありました。そして警察の規則の一つとして生まれたのがバカーリと呼ばれる居酒屋。ワインだけでなく、寝床と食事も提供する店です。現代は、バカーリは無数にありますが、本物らしさは消え去っているそうです。
バカーリになる前、それらの店は安く食べることができるオステリアでした。ベネチアの庶民料理を出していましたが、リチェッタは次第に消滅し、現在のチケッティはフィンガーフードのことになっています。

一番古いバカーロは、1462年開業のド・モーリ。
ここはもう伝説の店として観光客が必ず訪れる店。



リアルトのド・スパーデも老舗の一つ。下の動画の人はド・スパーデのオーナー。この店はベネチアの最後のバカーロと言ってます。ベネチアからバカーロが消える理由についても説明しています。

これらの料理の中でも最も安いのは“スカルトッソscartosso”というフリット。
スカルトッソ

ナポリのクオッポのアドリア海版だと書いてありますが、港町にはどこにもこのような、小魚のフリットミストがあります。

ナポリのクオッポ



チケッティの話、次回に続きます。

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