2024年7月20日土曜日

ハンガリーの羊飼いのシチュー、グーラッシュの、マルケージの新解釈は・・・。

マルケージが創り出したイタリア料理の革命的料理を紹介する『サーレ・エ・ペペ』誌の記事から。今日は“マグロのグーラッシュ”です。
この料理はハンガリーのグーラッシュを見ていて思いついたそうです。

マルケージのマグロのグーラッシュ。

ハンガリーのグーラッシュ。


この羊飼いの料理に、マルケージは牛肉ではなくマグロを使いました。調理方法は一種のブラザートです。さらに、葉玉ねぎなど各素材を別々に調理して、甲殻類と赤ワインのソースを敷いた皿に盛り付けました。さっと焼いたマグロにフライパンで焼いた葉玉ねぎをのせます。ごった煮の煮込み料理ではなく、各素材に素材を活かした調理方法を用い、比類のないソースをかけた1品。

羊飼いの煮込み料理をさっと焼いたマグロや甲殻類のソースで再現するという発想は、ある意味、革命児のマルケージらしい発想なのかも。

赤ワインのソースは、赤ワイン750gと赤のポルト酒375gを沸騰させてアルコール分を飛ばし、エシャロット100gのジュリエンヌを加えて半分に煮詰める。ここに甲殻類のフォンド375gを加えて半分に煮詰めてソースにし、濾す。

最後は彼の代表作、リーゾ・オーロ・エ・ザッフェラーノ。ミラノの伝統料理、サフランのリゾットを、どんな素材の組み合わせでも、エレガントな料理にしてしまうという彼の芸術家的な感性が最大に発揮された料理ですが、(CIR)1月号によると、なんとレストランの顧客で金箔の生産者から、甥っ子を驚かせるために金箔を使った料理を作って欲しいと強引に依頼され、何も思いつかなかったのでサフランのリゾットにのせてみた、という偶然の産物だったことが暴露されています。その後数年間忘れ去られていたものが、写真家のリクエストで再現してメニューに載せることにして、大ヒットしたわけです。

リーゾ・オーロ・エ・ザッフェラーノ。

この料理によって、新しい料理人は食文化を知るだけでなく、食材も知っている人物、という考えが広まりました。つまりこの料理はイタリアの伝統を個人の感性でデザインしたものとして一世を風靡したのでした。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

0 件のコメント:

パレルモのスファンチョーネは、ナポリのピッツァに匹敵する存在。その語源はラテン語とギリシャ語のスポンジという言葉のミックス。

今日はイタリアのストリートフードの聖地、シチリアのシンボル的名物ストリートフード、 スフィンチョ―ネsfincioneの話。 スフィンチョ―ネ スフィンチョ―ネ・バレルミタノの日本語のリチェッタは、(CIR7月号P.25) パレルモのスフィンチョ―ネの屋台。 スフィンチョ―ネの移...