2024年7月18日木曜日

マルケージの傑作、ラビオロ・アぺルトには、パスタをお腹を満たすためだけの貧しい料理から解放したいという強い思いが込められたまったく新しい詰め物パスタ。

(CIR3月号)に、載せなかった『サーレ・エ・ペペ』誌の記事があります。
それは、グアルティエロ・マルケージの記事です。実は2月号で彼の料理を取り上げたばかりだったので、繰り返しになると判断しました。
 1930年にミラノで生まれたマルケ―ジは、後にミシュランで3つ星を取ったイタリア最初のシェフになり、ヌーベル・キュイジーヌの旗手となり、イタリア料理を世界的なアルタ・クチーナに仲間入りさせて、イタリア料理界の巨匠となります。
彼が生み出した数々の傑作料理の中でも有名なものの1つに、“ラビオロ・アペルトraviolo aperto”という料理があります。これは、ある日「ゆですぎて開いてしまったラビオリの話を耳にし、パスタは腹を満たすための貧しい料理というイメージを打ち砕きたい、と感じた。こうしてラビオロ・アベルトが誕生した。」というのです。これはイタリアの伝統的な詰め物入りパスタに革命を起こす料理でした。ほうれん草入りの緑のパスタと、イタリアンパセリ1枚を閉じ込めたパスタで、帆立て貝の白ワインとしょうが風味という伝統的な詰め物とはまったく違う詰め物をはさみ、閉じないこのパスタには、あらゆる意味での新しさがありました。

ラビオロ・アベルトについて語るマルケージ。

このパスタにそんな壮大な考えが込められているとは何も知りませんでしたが、私は、イタリアンパセリを挟んで伸ばすと葉がちぎれて広がり、見たこともない美しいパスタになることに衝撃を受け、それ以来私にとってのマルケージのシンボルは、金箔のリゾットではなくてイタリアンパセリを閉じ込めたパスタになりました。時々、イタリアンパセリではなく、各種のハーブで若いシェフたちが作っているを料理を見ると、とてもうれしくなりました。

マルケージ・チルドレンの一人、ダビデ・オルダーニが作るラビオロ・アペルト。



は、地方料理を現代風に解釈したもの。マルケージのことを父と呼び、自分が作っているものは芸術という明確な考えを持って料理を作る彼は新世代のリーダーですね。

リチェッタの翻訳は明日です。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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