2015年8月31日月曜日

イタリア産レモン

さて、今日はレモンの話です。

アマルフィの八百屋さん。
 ↓
Limones de Amalfi


イタリアのレモンと聞いて思い浮かぶのは、アマルフィ産、それともシチリア産?

世界的に知名度が高いコスタ・ダマルフィのレモンは、段々畑で栽培されています。




収穫は大変。





イタリア最大のレモンの産地はシチリア。

イタリアで、というかヨーロッパで、最初にレモンが栽培されたのはシチリアとスペインでした。
おそらくアラブ人が支配していた時代に伝わったのでしょう。
カンパーニアはかつてはシチリア王国の一部でした。
栽培の記録は11世紀、輸出の記録は14世紀から残っています。

アマルフィのレモンは船乗りたちの壊血病予防のために広まりました。
アマルフィは海洋共和国として栄え、そのレモンは北ヨーロッパを中心に交易品として世界中に運ばれました。
アマルフィのレモンの外見の特徴は、ぽってりとした下膨れのその形。
紡錘形という意味のスフザートというのが通称です。

シチリアのレモンの代表的産地はシラクーザ。
シラクーザで栽培されている品種はイタリアでもっとも一般的なレモンで、栽培面積はアマルフィの10倍以上。

シラクーザレモンの管理組合が作ったPV。




日本語版のPVもありました。



シラクーザレモンのソルベット。
盛り方が素敵。




広大な畑で栽培されているんですね。

それにしてもシラクーザレモンの管理組合は資金が豊富なのか、バンバンPVを作ってます。
アメリカとイギリスを中心に輸出量が増えて、今やヨーロッパ最大のレモンの産地となっているそうです。

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“アマルフィのレモン”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年1月号に載っています。
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2015年8月27日木曜日

ピッツァに最適のチーズは

さーて今日はモッツァレッラの話。

いまさらですが、ピッツァにのせるチーズと言えば、モッツァレッラですよねえ。
生まれた時から刷り込まれていたかのような常識ですが、では、なぜ?
と考えたことありますか?

Pizza Margherita

なぜ他のチーズではいけないのか。

このすごく根本的な疑問を科学的に解明しようという気になったのは、さすがにイタリア人ではなかったようです。
ニュージーランドのオークランド大学だって。
そう伝えているのは『フードサイエンスジャーナル』誌。
記事はこちら
web版タイムのこちらのページでもその記事を伝えています。

目の付け所が面白いですねー。
モッツァレッラ、チェダー、コルビー、エダム、エメンタール、グリュイエール、プロヴォローネ
を実際にピッツァにのせて焼いて、弾力、脂肪分、水分などを測ったのだそうです。
その結果の写真がこちら

焼き上がりの色が、まるで違うんですねえ。
ふつふつ沸騰してこんがり焼き色がついてカチカチにならずにとろーりと焼きあがるのはモッツァレッラだけ。
恐れ入りました~。

実験の結果を伝える動画。
 ↓



とても興味深いですねー。
それでは、本家はピッツァとモッツァレッラのことをどう考えているのか、vera pizza napoletanaの本
Farina acqua lievito sale passione』のモッツァレッラの章をちょっと読んでみました。

すると、ピッツァにモッツァレッラというのは、マルゲリータとマリナーラを区別する時に、“ピッツァ・コン・モッツァレッラ”、“ピッツァ・センツァ・モッツァレッラ”と呼んでいたことからも、ピッツァにはモッツァレッラというのが定着していたと説明しています。
ただし、水牛のモッツァレッラか牛乳のフィオル・ディ・ラッテのどちらがいいかについては、意見が分かれていたようです。
フィオル・ディ・ラッテのほうがドライでいい、という意見が多かったみたいですね。
ただ、少し前までピッツァイオーリはモッツァレッラとフィオル・ディ・ラッテを区別する習慣がなく、すべてのチーズをモッツァレッラと呼んでいたそうです。
ところが現在では、モッツァレッラ・ディ・ブファラ・カンパーナに匹敵するフィオル・ディ・ラッテはフィオル・ディ・ラッテ・アッペンニーノ・メリデイオナーレ(こんなチーズ)だという専門的な認識が出来上がっていました。

それというのも、食文化の情報を伝えるサイトのこちらのページによると、イタリア中南部で作られるフィオル・ディ・ラッテとそれ以外の場所で作られるフィオル・ディ・ラッテは別物なんだそうですよ。

さらにピッツァを薪で焼くときは、電気のオーブンより短時間で焼き上がるので、水分や脂肪分が少ないチーズのほうが仕上がりがきれいなんだそうです。

さらにさらに、焼いているうちに完全に溶けてしまわないように、フィオル・ディ・ラッテは厚さ2~3㎜に切り、モッツァレッラは5~6㎜に切るのだそうです。
そして切ってから少しおいて水気を切ります。

きっとピッツァイオーリさんたちには常識なんでしょうが、念のため。




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“なぜモッァレッラはピッツァに合うのか”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年1月号に載っています。
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2015年8月24日月曜日

ブッラータとパーレビ国王

今日の話は知られざるブッラータの世界。
ブッラータのことを書いていたら、初めてプーリアのアンドリアでブッラータを買った時のことが蘇ってきましたよ~。
(その時の話は昔のブログに書きました。こちらです。)
あの時は、ブッラータを1、2回食べたことがある程度で、どんなチーズかよくわかっていなかった。
だから、お店でも、ブッラータを指さしてこれを1個くださ~い。
と言えば、それですべて済むと無邪気に思ってました。
というか、何も考えてませんでした。

ところが、店のショーケースを見渡しても、ブッラータが見当たらないのです。
とにかくブッラータ1個くださいと言ったら、いきなり大きさは?と聞かれました。
うっ、この質問は想定外。
いろんな大きさのブッラータがあるのかと思っちゃいますよねえ。
でも、正解は、ブッラータの作り方を見るとわかります。

パスタ・フィラータのチーズで袋を作り、その中に、注文に応じた量のストラッチャテッラを詰めます。




その時は、なすすべもなく呆然と立ち尽くしていたら、店員さんが機転を利かせて何人で食べるのか、と問い直してくれました。
3人、と答えたら、店の奥に引っ込んで、すぐにとても小さなブッラータを持ってきました。
作り置きしないで、注文が入ってから、上の動画の作業をするんですね。
そして、さらに、今日中に食べろ、冷蔵庫には入れるな、と店員や他のお客さんからもきつーく念を押されまました。
店員さんはニコリともしないので、こちらはお説教されてる気分です。
アンドリアではブッラータを冷蔵庫に入れたら罪に問われるに違いない、くらいの気持ちで、小さなブッラータを抱えて、その日一日、プーリアを歩き回ったのでした。

でも、ようやくホテルに戻って味わったブッラータは、バターみたいに濃厚で、草原の草のようにフレッシュで、チーズってこんなに美味しいもんなんだーと、味覚の新しい世界を体験することができるくらいの衝撃でした。

それから8年後。
ブッラータの記事を訳していたら、ブッラータにまつわる驚きのエピソードを知りました。
なんと、イランのパーレビ国王が、ブッラータ大好きだった。

パーレビ国王って、今どきの若いもんは知ってるかなあ。
ホメイニ氏によって国外追放されたイランの最後の皇帝で、当時は大きく報道されていたので、普段馴染みのないイスラム圏の人でも、かなり注目されていました。
でも、その王様がブッラータが大好きで、有名なイラン建国2500年の祭典で、世界中から集まったVIPにブッラータを振舞ったと聞くと、なんだか親しみが持てるなあ。

イランの国威発揚の場の公式晩餐会で、唯一のイラン以外の国の産物がブッラータだったというのだから、王様がどれだけでブッラータが好きだったのか想像できるというものです。
しかも招待客は約600人。
アンドリアのチーズ業界も盛り上がったんだろうなあ。

イラン建国2500年祭典
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冷蔵庫には入れない、というのは、ブッラータとモッツァレッラ共通の、南イタリアの鉄の掟。
もし入れちゃたら、食べる前に湯煎にかけるんだそうです。

モッツァレッラクイ~ズ。
冷蔵保存するときの適温は?というひっかけ問題に、冷蔵庫に入れてはだめと答えたおじさんを大賞賛。
 ↓



その他の問題。
モッツァレッラ1㎏作るにはミルクが何リットル必要?
答えは4リットル。
なぜかみんな知っています。
モッツァレッラ1㎏と水1リットルはどっちが重い?
答えは、同じ。
みんな意外と冷静。



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“モッツァレッラとブッラータ”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年1月号に載っています。
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2015年8月20日木曜日

モッツァレッラとブッラータ

今日はブッラータとモッツァレッラの話。
「総合解説」で、ブッラータとモッツァレッラは似ているようで意外と違う、という記事を紹介していますが、なるほど、記事を読んでみると確かに違いました。

上がモッツァレッラで下がブッラータ。

Mozzarella Di Bufala e Pomodorini

burrata

白くてフレッシュそうだけど、外見は微妙に違う。
さらに、産地が違う。
モッツァレッラはカンパーニアで、ブッラータはプーリア。
しかもモッツァレッラは水牛のミルクから作るけど、ブッラータは牛乳が原料。
もちろん味も違う。
決定的に違うのは、モッツァレッラは中世から作られていたけど、ブッラータは1920年代に誕生。
まだ100年しか歴史がなかった。

この二つのチーズの共通点は、パスタ・フィラータというタイプのチーズ、ということ。
パスタ・フィラータはモッツァレッラに代表される南イタリアのチーズ独特のテクニック。
フィラータとは糸を紡ぐという意味。
お湯や熱いホエーにカードを漬けて水分を出してから練ると、カゼインが糸のようになり、長く伸び~る弾力のある生地になります。

パスタ・フィラータ作り
 ↓



このパスタ・フィラータを水牛のミルクから作ったのがモッツァレッラ。
牛乳から作ったものはフィオル・ディ・ラッテと呼んで区別します。
そしてブッラータは、フィオル・ディ・ラッテから作ります。

ブッラータの製造過程。
 ↓


牛乳のカードを刻んでお湯に漬けて練るとフィオル・ディ・ラッテになりますが、そのフィオル・ディ・ラッテをさらに刻んで生クリームに入れるとストラッシャテッラというものになります。
これをフィオル・ディ・ラッテで作った袋に詰めたものがブッラータです。

なんでそんなに手間暇かけるのかとも思いますが、
そもそも、フィオル・ディ・ラッテを作った残りのパスタ・フィラータを有効利用するために考えだされたのがブッラータなんだそうです。

ブッラータの話、次回に続きます。


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“モッツァレッラとブッラータ”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年1月号に載っています。
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2015年8月17日月曜日

ピッツァ・フリッタとナポリのストリート

今日はピッツァ・フリッタの話。
以前にこのブログでソフィア・ローレンがピッツァ・フリッタを作っている映画を紹介しましたっけ。
こちら

今回の「総合解説」では『ピッツァ・エ・コーレ』の記事を訳したわけですが、この記事でリチェタを提供している店「ピッツェリーア・ラ・フィーリア・デル・プレジデンテ」(HP)がピッツァ・フリッタの動画を上げていたのでどうぞ。





屋台で揚げる文字通りストリート・フードのピッツァ・フリッタ。



食べた~い。
今、食べた~い。

1970年代のナポリのストリート。




安全で小ぎれいな街になる前のナポリ。
すごいエネルギーが伝わってきます。
観光地巡りでは知ることのできないナポリの一面。

下は現在のナポリ(の観光名所)を紹介する動画。
BGMはナポリ生まれのシンガーソングライターでジャズ・ギタリスト、ピーノ・ダニエーレが1977年にリリースした『Napule E'』。
ナポリの厳しい現実を歌っていますが、大ヒットしてナポリの公式賛歌として定着しました。






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“ピッツァ・フリッタ”のリチェッタは「総合解説」13/14年1月号に載っています。
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2015年8月13日木曜日

ピエモンテ風フリット・ミスト

今日はピエモンテ風フリット・ミストの話。

日本料理のてんぷらは、西洋(ポルトガル)から伝わった揚げ物の、極東での進化系。
屋台があったりして、江戸時代には庶民の食べ物だったんですね。
一方、イタリアの揚げ物フリットは、フリット・ミストになって、宴席に登場する料理など、国民的なご馳走として定着しました。
そして、ピエモンテ、ナポリ、ローマなど、各地で名物料理として独特のリチェッタが誕生しました。

ピエモンテ風フリット・ミストは、北イタリアを代表するフリット・ミストです。




「総合解説」にもある通り、ピエモンテ風フリット・ミストは、もともとは質素な農民料理でした。
日持ちのしない部位の肉や、貴族の晩餐の残り物を有効利用した料理です。

現代人には、昔のリチェッタであればあるほど人気が高いようですが、昔のリチェッタとは、肺、睾丸、かえるのもも、豚足、脳みそなど、今では滅多に手に入らない内臓系の食材を使います。
個人的には鶏のとさかのフリットに興味あり。

ただし量は、肉体労働が減った現代人向けに、かなりミニサイズ。
ちなみに、昔は約30種類の食材を使ったそうです。

昔も今も共通なのは、アマレッティなどの甘い食材のフリットが入ること。


ナポリ風フリット・ミスト
モッツァレッラ・イン・カロッツァや揚げピッツァ、フランスから伝わったクロッケッテ入り。
ストリートフードの要素が強い。




ボローニャ風はとにかくリッチ。




数種類の肉や旬の野菜が入るの各地に共通。
さらに、地元ならではの食材が加われば、ご土地フリット・ミストの完成。
料理書にお手本はあるけれど、料理人のアレンジの余地が残されている料理です。
特に甘いフリットは、バナナやジャム入りパヴェジーニなど、アイデア出し放題。




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“ピエモンテ風フリット・ミスト”のリチェッタは、「総合解説」13&14年1月号に載っています。
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2015年8月10日月曜日

エルバッツォーネ

今月の「総合解説」地方料理の2品目は、エミリア・ロマーニャのエルバッツォーネです。

旬の青菜を炒めてパルミジャーノで調味し、タルトの具にしたこの料理は、パルマとモデナの中間にある街、レッジョ・エミリアの農民料理がルーツで、この地方のソウルフードのようなもの。
地元の人からはこよなく愛されているようですが、地元から一歩外に出ると知名度はいまひとつ。
なので、エルバッツォーネを世界中の人に知ってもらいたいというのがレッジョ・エミリア人の悲願。


地元、レッジョ・エミリアの中学生が作ったお見事な動画。



センスいいですね。
なんだか、大阪の人が得意そうなイメージ。
使う青菜は、ビエトラ、ほうれん草、エルベッテが一般的。
名前からして、エルベッテを使う料理なんだろうなあ、と思ったら、なんと、地元ではこの料理
“scarpasòun”(スカルパソウン?)という、エルバッツォーネとは似ても似つかない名前です。

このスカルパというのは、なんとも悲しいことに、畑でとれたビエトラの柔らかい緑の部分ではなく、一番硬くて食べづらい白い部分のことなんだそうです。
だから、純粋に伝統的なスカルパッツォーネは、少々とっつきにくい食べ物なんですねー。
ピーマンを食べない子供になんとか食べさせようとお母さんが工夫するように、みんなが食べたがらないビエトラの硬い部分を、お母さんが工夫を重ねて美味しい料理に改良していったのが、現在のエルバッツォーネ、という訳です。
縁に近い部分と中央部分では歯ごたえが違うから、どこの部分が欲しいと指定できれば、通ですねえ。


ビエトラ(フダンソウ、スイスチャード)は、南ヨーロッパの地中海地方原産の優れた栄養価の野菜。



洗練されたアレンジ。
ビエトラとスカモルツァのキッシュ




最近ではスーパーでも見かけるようになったスイスチャード。
日本のお母さんは、どんな工夫をするんでしょうか。


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“エルバッツォーネ”のリチェッタは「総合解説」13&14年1月号に載っています。
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2015年8月6日木曜日

カルボナーラとカーチョ・エ・ぺぺ

さて、新しい「総合解説」ですが、今号から、2013年と2014年の合併号となっています。

まず最初の記事は、イタリア料理の定番中の定番、カルボナーラ。

この料理は、ルーツが謎に包まれているので、これが正解というリチェッタがない。
地方料理として手に入りにくい地元ならではの食材を使うのに、リチェッタはとてもシンプル。
なのでアレンジし放題。

という訳で、この料理のルーツやリチェッタや伝統を軽々しく語るのは無理、というのが大方の専門家たちの意見のような気がします。
一応、最も信頼されているリチェッタでは、ソースの材料は、グアンチャーレ、ペコリーノ、卵、こしょうのみで、これには大方異論がないよう。

木こりの料理、とする説では、この料理の原型はカーチョ・エ・ぺぺ(チーズとこしょう)と考えられています。
卵の入らないカルボナーラですね。
そう思って見るとなかなか興味深いです。
まずは素朴なカーチョ・エ・ペペ。



次はローマの有名店、ミシュラン1つ星の店、コンヴィヴィオのアンジェロ・トロイアーニシェフが作る洗練されたカーチ・エ・ペピ。




同じシェフのカルボナーラ。




今回の記事を訳していて、初めて、ナポリ料理がルーツという説を聞きました。
チーズと卵のソース、“カーチョ・エ・オーヴァという料理の存在がその根拠です。

カーチョ・エ・ウオヴァ



こうして見ると、日本のカルボナーラはナポリ料理に近いかもしれないなあ。
カルボナーラの謎は、そう簡単には解けそうにありません。



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2015年8月3日月曜日

チンクエ・スタジョーニ

ようやくですが、次号の「総合解説」の販売日は今週末です。
ちょっと面白そうな記事が『ピッツァ・エ・コーレ』、2015年1/2月号に載っていたので、ここでご紹介。
ちなみにこの雑誌は、イタリアのピッツァ業界の業界誌です。

その記事は、“レ・チンクエ・スタジョーニ”(webページ)というブランドのピッツァ用粉で有名な、モリーノ・アグジャーロという製粉会社の、創業家の一員で輸出部長のリッカルド・アグジャーロ氏へのインタビュー。

5 スタジョーニのPV
 ↓




コック服まで売ってるんですね。

インタビュー

御社は30年前にピッツェリーア専門の製粉業を始めて、いわばこの分野の開拓者ですが、このアイデアはどこから生まれたのですか?

 当時のアグジャーロ社の創始者は、このビジネスが今後成長するとを見抜いていました。
30年前、ピッツェリーアはパン用の粉を買っていましたが、配達の問題がありました。
そこで参入の余地があると考えたのです。
そしてそれ以来ずっと、ピッツァに最適な粉のことを研究、開発してきました。
結果的に、モリーノ・アグジャーロはピッツァ専用の粉を作って問屋を通して販売する最初の会社になりました。

御社とイタリアのピッツァイオーリとはどんな関係ですか?

 我が社の発展の基礎はピッツァイオーリです。
ピッツァイオーリ養成の学校を開いたおかげで、ピッツァイオーリが望む粉を作るための新しいアイデアや製品に対する無尽蔵のフィードバックを絶えず入手できるようになりました。

現在のイタリアのピッツァの平均的なレベルはどの程度なのですか?

最近になってようやく、ピッツァイオーリは適切な注目を受けるようになりましたが、イタリアを世界中に有名にした長い伝統のあるこの仕事は、ずっと前からもっと評価されるべきでしたね。
もちろん、食材の品質のよさがそれに貢献していることは明らかです。

国外に目を向けてみましょう。
外国へはいつから、どんな国へ輸出していますか?

 90年代末から、世界中に輸出するようになりましたが、量はわずかです。
小麦粉ような製品を輸出するのは難しいのです。
まだ主な顧客は移住したイタリア人ですね。

あなたの考えでは、どの国がイタリアのピッツァの文化にもっとも近く、敏感ですか?

絶対に日本ですね。
日本のシェフやピッツァイオーリは、頑なにイタリアの品質を求めています。


モリーノ・アグジャーロは、2003年に伝統的な製粉業者2社が合併してできたアグジャーロ・エ・フィーリアグループの一員です。
イタリアで最初のピッツァ用の粉と半加工品専門の会社となりました。
現在はパドヴァ、パルマ、ペルージャの3か所に工場があり、チンクエ・スタジョーニのラインはパドヴァにあります。
この工場では品質や技術の研究開発も行い、工場見学も受けつけています。


アグジャーロ社の古い水車小屋での粉ひき
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ピッツァ用の粉が30年の歴史しかないのは意外ですが、各メーカーがピッツァイオーリの要望を取り入れて作るのがピッツァ専用粉なわけで、ピッツァイオーリとの結びつきの強さが粉の人気に直結しそうですね。


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生ハムの一番美味しい部位はガンベレットこと端っこ。

生ハムやパルミジャーノを、パルマの食文化の観点で見ると・・・。 食の都パルマのシェフが語るパルマの食文化 これはアルタ・クチーナとしてのパルマ料理ですね。 もう少し庶民的な、パルマの日曜日の家庭のプランゾの場合、スタートは、クラテッロ、パルマの生ハム、コッパ、ストロルギーノなどの...