今日はピエモンテ風フリット・ミストの話。
日本料理のてんぷらは、西洋(ポルトガル)から伝わった揚げ物の、極東での進化系。
屋台があったりして、江戸時代には庶民の食べ物だったんですね。
一方、イタリアの揚げ物フリットは、フリット・ミストになって、宴席に登場する料理など、国民的なご馳走として定着しました。
そして、ピエモンテ、ナポリ、ローマなど、各地で名物料理として独特のリチェッタが誕生しました。
ピエモンテ風フリット・ミストは、北イタリアを代表するフリット・ミストです。
「総合解説」にもある通り、ピエモンテ風フリット・ミストは、もともとは質素な農民料理でした。
日持ちのしない部位の肉や、貴族の晩餐の残り物を有効利用した料理です。
現代人には、昔のリチェッタであればあるほど人気が高いようですが、昔のリチェッタとは、肺、睾丸、かえるのもも、豚足、脳みそなど、今では滅多に手に入らない内臓系の食材を使います。
個人的には鶏のとさかのフリットに興味あり。
ただし量は、肉体労働が減った現代人向けに、かなりミニサイズ。
ちなみに、昔は約30種類の食材を使ったそうです。
昔も今も共通なのは、アマレッティなどの甘い食材のフリットが入ること。
ナポリ風フリット・ミスト
モッツァレッラ・イン・カロッツァや揚げピッツァ、フランスから伝わったクロッケッテ入り。
ストリートフードの要素が強い。
ボローニャ風はとにかくリッチ。
数種類の肉や旬の野菜が入るの各地に共通。
さらに、地元ならではの食材が加われば、ご土地フリット・ミストの完成。
料理書にお手本はあるけれど、料理人のアレンジの余地が残されている料理です。
特に甘いフリットは、バナナやジャム入りパヴェジーニなど、アイデア出し放題。
-------------------------------------------------------
“ピエモンテ風フリット・ミスト”のリチェッタは、「総合解説」13&14年1月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の地方料理は、パルミジャーナです。 人気のイタリアの地方料理の1品ですが、パルミジャーナと言う名前でも、パルマとは何の関係もない、というのはよく知られています。 というか、下の動画ではナポリ料理と言ってます。 パルミジャーナ。...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿