さーて今日はモッツァレッラの話。
いまさらですが、ピッツァにのせるチーズと言えば、モッツァレッラですよねえ。
生まれた時から刷り込まれていたかのような常識ですが、では、なぜ?
と考えたことありますか?
なぜ他のチーズではいけないのか。
このすごく根本的な疑問を科学的に解明しようという気になったのは、さすがにイタリア人ではなかったようです。
ニュージーランドのオークランド大学だって。
そう伝えているのは『フードサイエンスジャーナル』誌。
記事はこちら。
web版タイムのこちらのページでもその記事を伝えています。
目の付け所が面白いですねー。
モッツァレッラ、チェダー、コルビー、エダム、エメンタール、グリュイエール、プロヴォローネ
を実際にピッツァにのせて焼いて、弾力、脂肪分、水分などを測ったのだそうです。
その結果の写真がこちら。
焼き上がりの色が、まるで違うんですねえ。
ふつふつ沸騰してこんがり焼き色がついてカチカチにならずにとろーりと焼きあがるのはモッツァレッラだけ。
恐れ入りました~。
実験の結果を伝える動画。
↓
とても興味深いですねー。
それでは、本家はピッツァとモッツァレッラのことをどう考えているのか、vera pizza napoletanaの本
『Farina acqua lievito sale passione』のモッツァレッラの章をちょっと読んでみました。
すると、ピッツァにモッツァレッラというのは、マルゲリータとマリナーラを区別する時に、“ピッツァ・コン・モッツァレッラ”、“ピッツァ・センツァ・モッツァレッラ”と呼んでいたことからも、ピッツァにはモッツァレッラというのが定着していたと説明しています。
ただし、水牛のモッツァレッラか牛乳のフィオル・ディ・ラッテのどちらがいいかについては、意見が分かれていたようです。
フィオル・ディ・ラッテのほうがドライでいい、という意見が多かったみたいですね。
ただ、少し前までピッツァイオーリはモッツァレッラとフィオル・ディ・ラッテを区別する習慣がなく、すべてのチーズをモッツァレッラと呼んでいたそうです。
ところが現在では、モッツァレッラ・ディ・ブファラ・カンパーナに匹敵するフィオル・ディ・ラッテはフィオル・ディ・ラッテ・アッペンニーノ・メリデイオナーレ(こんなチーズ)だという専門的な認識が出来上がっていました。
それというのも、食文化の情報を伝えるサイトのこちらのページによると、イタリア中南部で作られるフィオル・ディ・ラッテとそれ以外の場所で作られるフィオル・ディ・ラッテは別物なんだそうですよ。
さらにピッツァを薪で焼くときは、電気のオーブンより短時間で焼き上がるので、水分や脂肪分が少ないチーズのほうが仕上がりがきれいなんだそうです。
さらにさらに、焼いているうちに完全に溶けてしまわないように、フィオル・ディ・ラッテは厚さ2~3㎜に切り、モッツァレッラは5~6㎜に切るのだそうです。
そして切ってから少しおいて水気を切ります。
きっとピッツァイオーリさんたちには常識なんでしょうが、念のため。
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“なぜモッァレッラはピッツァに合うのか”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年1月号に載っています。
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