2021年6月30日水曜日

パンツェロッティとパンツァロッティが別物だったなんて、知ってた?

フォカッチャ・バレーゼのリチェッタを訳すなら、人気店のものがいいので、どんな店があるのか探してみました。
まずは『クチーナ・イタリアーナ』の記事で紹介されている店。
チッタ・ベッキアにあるフィオーレ/Fiore。住所など詳細は今月のCIRのP.22にあります。


フォカッチャのリチェッタは店のオリジナル。
かなりの人気店のようで、動画もあれこれ公開しています。
下の動画はフィオーレのリチェッタがベースの一般的なじゃがいものフォカッチャ・バレーゼのリチェッタ。
 材料/
 0番の軟質小麦粉・・350g
 セモリナ粉・・250g
 水・・340ml
 生イースト・・12g
 砂糖・・5g
 ゆでて潰したじゃがいも・・1個、150g
 塩・・大さじ1、10g
 トマト・・800g
 オレガノ
 オリーブ・・10粒
 プーリア産オリーブオイル
 

・イーストを水少々で溶き、砂糖を加える。
・2種類の小麦粉、溶いたイースト、水200ml、ゆでたじゃがいも150g、塩10g、ぬるま湯、油をこねる。
・天板かテーリアに油を塗り、指で押して生地を広げて発酵させる。
・手でトマトをちぎりながらのせる。トマトの間にオリーブを埋め込んで油をまわしかける。
・塩とオレガノを散らす。250〜270℃のオーブンで25〜30分焼く。

youtubeを使いこなしてるフィオーレに対して、口コミで地道に人気を獲得している店が、El Focacciaro。詳細は今月のCIRのP.22。
じゃがいも入フォカッチャのリチェッタは、スローフードの

パーネ・ピッツェ・フォカッチェ

にも載っています。
パンツェロッティもバーリの、またはプーリアの名物。

もっと正確に言えば、プーリアの食べ物として北イタリアや外国にも広まっている半月型の揚げ物のストリートフードです。
別名カルツォーネ。
そもそも、ナポリではパンツァロッティpanzarottiじゃなくて、パンツェロッティpanzerotti。
しかもカルツォーネじゃなくてコロッケでした。
パンツァロッティ↓


この違いは難しい。
そういえば、ブッラータもモッツァレラをレベルアップさせたチーズ。
ナポリとプーリアの食文化は根っこがそっくり。

ナポリ料理のお勧め本、GT地方料理シリーズの『クチーナ・ディ・ナポリ

にも、ポテトコロッケと小さなカルツォーネにそっくり。と紹介されている。

ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』 

にはプーリア風パンツェロットのリチェッタがあります。
かなり混乱してきましたが、プーリアのパンツェロッティはミニカルツォーネで、ナポリのパンツァロッティはポテトコロッケなのでした。
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旧「総合解説」新(CIR)

パーネ・ピッツェ・フォカッチェ

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2021年6月29日火曜日

発酵させない生地をオーブンを使わないで焼く、という縛りからフォカッチャは生まれた。

今日のお題は、フォカッチャです。

参考にした本は、スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの

パーネ・ピッツェ・フォカッチェ

一節では、フォカッチャは、発酵やオーブンが発見される前からあるパンと言われています。
発酵させない薄い生地を、オーブンがない中で、どうやって焼くと思いますか?
この方法を考えるのが、フォカッチャについて知る一番手っ取り早い方法です。

発酵させない薄いパンは、イタリアの地方料理には案外たくさんあります。

その代表は、ピアディーナ。
ピアディーナはロマーニャ地方の名物。ピアディーナの話題は、今月のCIRでも後ほど取り上げます。


オーブンを使わない薄焼きパンのピアディーナは、ピッツァやフォカッチャのルーツとも言えるかも。
ピアディーナをどう焼くかがわかれば、オーブンを使わない薄焼きパンの作り方も分かります。
答えは熱した平らな石に載せて焼くです。
逆に平らな石にのせないでオーブンで焼くと普通のパンになります。
ピアディーナはピアーダというテラコッタの皿で焼きます。陶器以外にも、金属など、平で高温に熱せられるものがあれば焼けます。
モンテティッフィのピアーダ↓

粘土からパンが焼ける板を作り出すののは簡単ではないはず。
ただの民芸品ではない。
フォカッチャ・ジェノベーゼ↓

イタリアのフォカッチャと言えば、ジェノべーゼが代表的。
でも。プーリアのバーリのフォカッチャも、とても有名。
有名とは言っても、日本ではまったく知られていません。
だから、私を含めて殆どの日本人がバーリやプーリアで初めて出会って、その美味しさにびっくりして、大ファンになります。
正直言うと、ジェノバで初めてフォカッチャ・ジェノベーゼに出会ったときも、ナポリで初めてピッツァ・ナポレターナに出会ったときも、衝撃でした。
これから初めて食べる人がどんな出会いをするか、楽しみですねえ。


トスカーナのスキアッチャータも代表的な地方料理の薄焼きパン。フォカッチャにそっくり。
トスカーナのスキアッチャータは軟質小麦粉のビーガがベース。

ちなみに、フォカッチャは生地が大きくなると、浅くて大きなオーブン皿などに入れて焼くようになりました。

フォカッチャ・バレーゼとフォカッチャ・ジェノベーゼの違いは、リチェッタを見るとすぐに分かります。
バレーゼはじゃがいも入り生地です。

バーリのフォカッチャにハマると店を食べ比べたくなる。フォカッチャ・バレーゼのことをまったく知らなかったので、せっかくプーリアにいながら当時は興味がなかった。数十年経った今も後悔してる。


リグーリアのパンの本、『リグーリアの発酵生地


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(CIR)
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2021年6月28日月曜日

プーリアのお勧めの町、アンドリア

(CIR)の記事、“新しいバーリ”(P.21)のビジュアル解説、今日はオレッキエッテ以外のバーリの代表料理。米、じゃがいも、ムール貝と言えば、ティエッラtiella。バーリのティエッラは、ティエッラ・バレーゼTiella bareseと呼ばれてちょっと特別。
リチェッタは家庭の数だけあります。
ティエッラ・バレーゼ↓


材料は4人分で
じゃがいも・・1kg
米・・150g
ムール貝・・500g
玉ねぎ・・2個
ミニトマト・・約20個
ペコリーノ
オリーブオイル、粗塩
バジリコ、イタリアンパセリ
にんにく・・1〜2かけ
こしょう、水

・陶器のオーブン皿に粗塩を散らし、薄い輪切りにしたじゃがいもを敷く。
・その上に片側の殻に入れたムール貝を均一に並べ、生の米を散らす。
・さらにおろしたペコリーノをたっぷり散らし、玉ねぎの薄切りで覆う。
小さく切ったミニトマトをのせてこしょうをかけ、再びペコリーノを散らす。
・粗くちぎったバジリコとイタリアンパセリ、半分に切ったにんにく2かけ、粗塩を散らして油をかける。
・さらにじゃがいも、チーズ、こしょう、ミニトマト、バジリコ、イタリアンパセリ、油を重ねる。
・水でひたひたに覆い、180℃のオーブンで40〜45分焼いて表面に焼き色をつける。

イタリアのマーレ・エ・モンティな味を象徴するような料理。
イタリア料理書の傑作、『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ/2巻』 (売り切れ)
には、定番のティエッラは米料理だが、ピエトロ・ジートはプーリアは小麦の地だからと、小麦でティエッラを作ります。本では、畑を耕すシェフの姿と一緒に、小麦のティエッラを紹介しています。

プーリア料理の話をする時、プーリアどころかイタリアを代表するシェフとして尊敬されているピエトロ・ジートシェフの話をしないわけにはいきません。
シェフはアンドリアのアンティキ・サポーリというレストランで、
自ら畑で育てた旬の食材を使って料理する農民シェフの一人。


アンティキ・サポーリは、シェフが母親や姉妹と共に始めた店。祖父は農民でした。
店の名前には、シェフが目指す料理がずばり語られています。

アンドリアはカステル・デル・モンテ観光のベースになる町。
世界遺産のお城も素晴らしいけど、ふらっと立ち寄った小さな店でも料理は美味しく、大繁盛しているチーズ屋のブッラータはイタリアのトップシェフ御用達の素晴らしさ。老舗のアルティジャナーレのコンフェッティも絶品と、食のレベルが超高い町です。
アンドリア↓


バーリの名前がつくバーリの名物料理は、なんと言ってもフォカッチャ・バレーゼ。


ファーベ・エ・チコーリアは乾燥ソラマメのピューレと野生のチコーリアの組み合わせ。
プーリアの大地の味がします。プーリアで初めて食べてハマる人続出なのでは。

ティエッラ・バレーゼもフォカッチャ・バレーゼもファーベ・エ・チコーリアも、プーリアで食べると何倍も美味しい。一生忘れたくない味です。


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2021年6月27日日曜日

揚げポレンタ、スカリオッツィはイタリアの国民食。

きのう紹介したバーリ・ベッキアのストリートフード、scagliozzi。
ストリートフードのお勧め本、『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』 
では、カンパーニア料理として扱われています。
完全に、ナポリ名物の揚げ物料理の1つでした。


ナポリのフリットは、それ自体が、ピッツァやパスタと同様の一つのジャンル。
バーリのscagliozziはバーリ訛りだとズガリオッツィ。ナポリではスカイウッツ・・・、と言っているように聞こえます。
とにかく、ナポリ人なら名前を聞いただけで涎が出てくるような、揚げ物のなかでも大人気のストリートフード。


バーリのズガリオッツィ↓

ベースはどちらも濃いポレンタ。パーリ風とナポリ風の違いは、形。ナポリは三角形です。
scagliozziとは、小片にするという意味。拍子木型よりチップスのほうが語源に近いかも。

ところが『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』 によるとて、フォッジャもスカリオッツィが名物として知られているらしい。
フォッジャのスカリオッツィ↓

フォッジャはこんなとこ↓

とにかく、ポレンタ・フリッタは、イタリア人のソールフード。ナポリかバーリかフォッジャで食べ比べてみたいですね。


ポレンタ・フリッタのバリエーションの一つ、ポレンタ・チップス↓
拍子木状に切って揚げる。フレンチフライより美味しそう。



“GT地方料理シリーズ”の『クチーナ・ディ・ナポリ

から、スカリオッツィscagliozziのリチェッタを訳してみます。
材料/6人分
水・・800ml
ポレンタ粉・・200g+打ち粉少々
塩、こしょう
揚げ油(ピーナッツ油)

・水を沸騰させて塩を加える。ポレンタ粉を振り入れてかき混ぜながら鍋肌から剥がれるようになるまで煮て、濃いポレンタを作る。
・薄く油を塗ったバットにあけて表面を平らにし、少なくとも翌日まで、完全に冷ます。
・裏返して台にあけ、長方形に切ってさらに三角形に切る。
・ポレンタ粉をまぶし、熱した油で少量ずつきつね色に揚げる。
・シートにとって油を切り、塩、こしょう(好みで)して熱々をサーブする。

バーリ風でもナポリ風でもいいけど、とりあえず、ポレンタ・フリッタが食べたくなった。
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2021年6月26日土曜日

バーリの魅力が詰まった旧市街。

今月の(CIR)から2つめの記事は、バーリのグルメガイド(P.21)です。

初めてプーリアに足を踏み入れた時は、プーリアの知識は皆無。
有名なガイドブックで名物料理をちゃちゃっとチェックした程度。

オレッキエッテ以外、今月の(CIR)に書かれているようなことは、まったく知りませんでした。
でも、人の温かさと料理の美味しさで、たちまち夢中になりました。
今でも、大好きなイタリアの街です。
バーリ・ベッキア↓


記事によると、バーリは20年前まではとても美しい街と呼ばれていたそうです。
でも、観光客は軽犯罪を恐れてサン・ニコラ教会までしか行かないで戻ってくる。
確かに、旧市街をぶらつく時は、ちょっと緊張感があったかも。
サン・ニコラ教会ののどかでおごそかな南国風の雰囲気は、今でも覚えています。
道端でオレッキエッテを作っているこのあたりの風景は、人気の観光スポット。
とにかく、プーリアに行く人観光客すべてがオレッキエッテ作りを見たがるので、当時はちょっとビジネスの香りが・・・。
でも、プーリアの人たちの裏表のない底抜けの人懐っこさを知ると、これが普通なんだと分かります。

サン・ニコラ教会から旧市街をちょっと歩いただけで、シニョーラから小学生まで、様々なバーリ人に声をかけられて、膨大なカルチャーショックに襲われて、これが南イタリアかと、感動しました。

記事の中でバーリを2つに分けている路、と呼ばれているのが、ヴィットリオ・エマヌエーレ通りです。通りの片側は、大きくて真っ直ぐな通りに整然と区切られたムラット地区。


そして対象的な旧市街↓人気のストリートフードのスガリオッツェを揚げている姿がちょっと映ってました。細くて入り組んだ路地が張り巡らされた地区。

旧市街はビザンツ時代(東ローマ時代)にできた地区。もう一方のムラット地区は、フランス人のムラットがナポリ王だった地代に造られた地区。
旧市街のズガリオッツェsgagliozze。

当然ながら、当時の私は旧市街も、ズガリオッツェのことも知らなかったので、食べなかったなあ。残念。
ストリートフードのお勧め本、『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』 によると、
ポレンタは元々、東北イタリアの庶民の食べ物だが、揚げ物の伝統があるナポリやプーリアのフォッジャなど南イタリア各地にも広まった。

フォッジャでは残り物という意味が語源でスカリオッツェscagliozzeと呼ばれる。

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旧「総合解説」新(CIR)
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2021年6月25日金曜日

卵黄40個のタヤリンはスローフード発祥の店として知られるブラのボッコンディヴィーノのシェフ、マリアの傑作。別名マリアのタヤリンとして世界中に広まった。

今日は、ピエモンテにある、食通が注目するレストランの話。
タヤリンの話が出ると必ず登場する店の1つ。
クーネオ県のブラのボッコンディヴィーノです。店のwebページは(こちら)。
ブラのスローフード・チーズフェスティバル↓




世界的に大きな運動を巻き起こしたスローフード。ブラのボッコンディヴィーノは、まさにその発祥地として、またスローフードの目指す新しいレストランの理想の姿として知られています。
イタリア流のマンジャーレ・ベネを表している、ピエモンテ料理を適正価格で味わえる店。
この店の名物料理が、地元の伝統料理でもあるタヤリンです。

シェフはシニョーラ・マリア・パリアッツォ。
数年前に96歳で亡くなりましたが、そんな高齢のシェフが、卵黄が40個も入る硬い生地のタヤリンを打っていたのかと思うと、驚きます。
スローフードの本、

オステリエ・ディ・イタリア

(売り切れました)。

には、ボッコンディヴィーノのリチェッタとともにメニューも載っていますが、そこには“卵黄40個のタヤリンTajarin "40 tuorli”と書かれています。

本のリチェッタの料理名は、マリアのタヤリンTajarin di Maria。
卵黄40個のタヤリンはマリアのタヤリンの別名として定着しています。
下の動画は卵黄40個のタヤリンですが、パスタマシン使ってますね。



材料は、00番の小麦粉1kgに、卵黄40個、塩です。
この材料をこねて透き通るくらい薄く伸ばして細く切ったのが、タヤリンです。

スローフードがリニューアルした代わりのお勧めはイタリア・イン・クチーナ

タヤリンの話に必ず登場するもう一人は、ランゲ料理の女王として知られるジェンマ・ボエーリ・シェフ。2軒の店を世界的繁盛店にした凄腕シェフです。

ジェンマのタヤリンは卵白も使う。配合は小麦粉1kgにつき全卵14個。
生地はの厚さは2mm。毎週木曜と金曜に打つそうです。


オステリア・ダ・ジェンマ


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イタリア・イン・クチーナ

総合解説」は「CIR」(クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)に名前が変わりました)
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2021年6月24日木曜日

タリアテッレとタヤリン。

今月は遅くなりましたが、総合解説改め『CIR(クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』の紙版とPDF版、2019年9・10月号を発売いたしました。
よろしくお願いいたします。

このところピエモンテ料理の話題が続いたので、「CIR」からも、ピエモンテ料理の話題。
“タヤリンtajarin”です(日本語訳はCIRのP.17)。


イタリアの料理雑誌には、ほんの数語で的確にその料理を言い表したフレーズが毎回あるので、イタリア人のイタリア料理感は日本人とは全然違うなあ、と、いつも思います。
今回は、こんなフレーズでした。
「タヤリンはピエモンテの方言でタリエリーニtaglieriniをイタリア語化したもの。よく似たエミリア地方のタリアテッレtagliatelleが語源ではない。」
・・・深いなあ。
タヤリンは細いタリアテッレみたいなもの、と、多分多くの人が思っているけど、それとは違う、というこだわりが感じられます。そして強い説得力も。

エミリア・ロマーニャのタリアテッレ↓


タリアテッレとタリオリーニ(タヤリン)は同じ材料で同じ製法で、どこが違うのか、まったくわからないけど・・・。
ピエモンテ人やエミリア・ロマーニャ人にはわかるらしい。
一つだけ確かな違いは、タヤリンはランゲ地方の食べ物で、タリアテッレはボローニャの名物、ということ。
イタリア料理は世界中に広まったけど、コピーもされやすく、世界中でなんちゃってイタリア料理にアレンジされている。
オリジナルの料理のアイデンティティーを守るのは、地元の人の情熱だ。
ランゲもボローニャも、様々な手段でオリジナルのリチェッタを伝えてきた。

タリアテッレとタリオリーニの違いを知る一番確実な方法は、ランゲとボローニャを知ることだ。
動画で世界中を旅できる時代だけど、パスタ作りの重要な要素は、実は動画からは伝わりにくい。パスタ作りの重要な点は、麺を乾燥させること。

これは生麺だけでなく、乾麺にも当てはまる原則。
例えば乾麺は低温で長時間かけて乾燥させるのが麺の味を強めるために重要だけど、タリアテッレもタリオリーニも、ごく薄いパスタなので(タリアテッレは約3mm、タリオリーニは約2mm)、産地の湿度が大きく影響する。
さらに、麺を薄く均一に伸ばすのに必要なのは腕の力。そして細く切るのに必要なのは熟練の技。
ボローニャの麺打ち職人(スフォリーナ)は尊敬される伝統の仕事だ。

でも、湿度も職人の腕の筋力も、動画からは伝わりにくい。
ボローニャは霧が有名な地方。
下の動画はボローニャの隣町が霧で覆われる様子。
この霧のおかげで麺はゆっくり乾燥する。


タヤリンは水分が少ない麺なので伸ばすのが大変。
卵黄がたっぷりはいるので麺は濃い黄色になる。
動画の先生は、麺の細さには麺の厚さが影響すると言ってます。タヤリンは固くて大変だけど、細く伸ばします。ちょっと力がいると言ってますが、これを年配のおばあちゃんが作るのは大変そう。
下は、ピエモンテのホテル学校の動画。ランゲ地方のタヤリン↓


『サーレ・エ・ぺぺ』のタヤリンの記事には、ボッコンディヴィーノの伝説のシェフ、マリア・パリアッソが、タヤリンの生地が固くて伸ばすのが大変だった、とぐちっていることを暴露していますが、この店は、スローフード発祥の地。
ということは、スローフードの本、

オステリエ・ディ・イタリア
には詳しいリチェッタが・・・ありました。

売り切れの本ですが、これに変わる新しい本、イタリア・イン・クチーナ

が発売されています。

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オステリエ・ディ・イタリア

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2021年6月23日水曜日

ローマのロッショーリは相変わらずアイデアが一杯。

アンチョビバターの話が続いてますが、こんな写真を見つけました。


burro e aliciと書かれたおしゃれな箱。
その下には、店のロゴが、roscioliとくっきり書かれています。

ロッショーリはローマの、トレンドを取り入れるのが天才的にうまい繁盛店です。
オリジナルのアンチョビバターを商品化していたのですね。

さっそく、『ロッショーリ』の本を見てみました。

流行に敏感なこの店は、過去にカルボナーラで大ブレークした経験があり、あまり地方にはとらわれずに、手軽で美味しいイタリアンをバリバリ店のメニューに取り入れています。
そんなロッショーリが、アンチョビバターを第2のカルボナーラにしようと思っていたとしても、不思議はなかったのでした。
この店の考えることはもっとすごかった。
下の動画で紹介しているのはカーチョ・エ・ぺぺ・キット。
ロッショーリのカーチョ・エ・ぺぺクリームと、イタリアではレストラン御用達の上級こしょうとして知られるサラワクのこしょう、18ヶ月熟成のペコリーノ・ロマーノ、スパゲッティ・アッラ・キタッラのセットです。
この動画の通りパスタをゆでてクリームとゆで汁であえて、ペコリーノとこしょうを散らせば、出来上がり。


では、ブッロ・エ・アリチ“burro” e aliciのリチェッタを訳してみます。
材料/4人分
ベネデット・カバリエーリのスパゲットーニ・・360g
フランスの甘いバター・・240g
アンツィオのアンチョビ・・220g
粗塩

・ラツィオ産アンチョビのピリッとした味とフランス産上質バターのミルク風味を組み合わせたシンプルで奥が深いパスタ。
・スパゲッティをゆでる。
・その間にフライパンにバターとアンチョビを溶かしてよく混ぜる。
・パスタを加えてマンテカーレする。アンチョビを1枚のせてサーブする。

ちなみにロッショーリのパスタは、他に、グリーチャ、アマトリチャーナ、トルテッリーニ・イン・ブロードと、シンプルで本格的なものばかり。
    アンツィオの港↓大衆魚や小魚が中心、ローマ近郊の庶民的な漁港。アンツィオのアンチョビはモッツァレラとも相性が良さそう。


ちなみに、ベネデット・カバリエーリのスパゲットーニはレストランのカーチョ・エ・ぺペやカルボナーラによく使われているプーリアのアルティジャナーレのパスタ。



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2021年6月22日火曜日

アンチョビとバターのパスタはピエモンテ風、これにパン粉が入るとシチリア風。

きのうはアンチョビとバターのピエモンテ風組み合わせでしたが、今日は、ジョルジョーネシェフの料理の動画です。
シェフの組み合わせはアンチョビ、バター、ブッラータ。

ピエモンテ風の組み合わせが、バターをブッラータに変えると、とたんに南イタリア風になりますねー。
しかも溶かすだけ、という超簡単リチェッタ。

ジョルジョーネシェフは、ウンブリアで畑を耕して家畜を飼いながらレストランを経営しています。
その気取らない人柄から、TVで大人気に。
彼の本、『オルト・エ・クチーナ

は、自ら育てた食材を使うシェフの季節ごとの料理をまとめた本。
本も気取りがなくて親しみやすい内容です。

ブッロ・アリチ・エ・ブッラータのスパゲッティspaghetti burro alici e burrata

バターとブッラータを弱火で熱してアンチョビとこしょうを加える。全部が溶けたら火を止めてゆでたパスタを加え、再び火にかけてマンテカーレする。崩したブッラータをのせて火を止め、粗挽きこしょうを散らす。
ブッロ・エ・アリチのバリエーション、その2はパン粉、またはパンのクランブル入り。


パンのクランブルはパン粉150gをEVオリーブオイルで炒めて塩をしたもの。
アンチョビバターは、室温にした、またはさっとレンジにかけたバター120gとアンチョビ120gをミキサーにかけます。
パスタ320gはアンチョビの塩気を考慮して少なめの塩でゆでます。
パスタをアンチョビバターとゆで汁少々でマンテカーレし、巻いて縦にこんもり皿に盛り付けてパン粉を散らします。
パスタにパン粉を散らすのは、シチリアを中心とした南イタリアの伝統。
シチリア風パン粉のパスタpasta con la mollica
材料
パン粉・・160g
塩・・小さじ1
粗挽き黒こしょう
EVオリーブオイル・・大さじ3
にんにく・・1かけ
スパゲッティ(またはブカティーニ)・・250g
イタリアンパセリ
パスタのゆで汁・・レードル2、3杯

・パン粉に塩、こしょうを加えて油大さじ3で炒める。にんにくの薄切りを加えて弱火でソッフリットにする。油が熱くなったらパン粉を加えて弱火で炒める。焼き色がついたら火から下ろす。
・ゆでたパスタにゆで汁、油、刻んだイタリアンパセリ、塩、こしょうを加えて2分混ぜ、パン粉を加える。

グイド・トンマージの『クチーナ・シチリアーナ

には、アンチョビ入りのパン粉のパスタのリチェッタがありました。

ブランカートのシチリア料理のミニシリーズ、『シチリア・イン・ターボラ』には、もっとずばり、アンチョビとパン粉のパスタが。ケッパー入りでした。なるほど。



ピエモンテ料理とシチリア料理の共通点を見つけたみたい。
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2021年6月21日月曜日

カンタブリコのアンチョビとノルマンディーのバター、通称ブッロ・アリーチはピエモンテ人が大好きなものの組み合わせ。

昨日の料理、ペペロナータは、ピーマンの料理。南米からヨーロッパに伝わった、南のイメージがあるピーマンをピエモンテ料理したポイントはアンチョビでした。
アンチョビはリグーリアの話題の時にも登場しましたが、リグーリアの海からピエモンテまで、塩の道を通って漁師が作った保存食として広まったのがアンチョビの塩漬け。
このブログでは、以前、こんな話(こちら)を書いていました。

アンチョビ風味の料理は、なぜかピエモンテに多いんです。
イタリア料理アカデミーの『スーゴとソース』によると、
ピエモンテと言えば、フランス料理の影響が強く、料理のベースはバターの地方。

市場では、毎週、水・木・金が乳製品とバターの日でした。
ピエモンテで脂と言えば、バターの次はラードで、その次がリグーリア産オリーブオイル、さらにくるみ油でした。
ピエモンテのアンチョビのソースと言えば、バーニャ・カウダですが、
オリーブが育たないピエモンテでは、バーニャ・カウダ↓は元々はくるみ油でつくられていました。

『スーゴとソース』のバーニャ・カウダBagna caudaのリチェッタを訳してみます。
材料/12人分
にんにく・・12玉
EVオリーブオイル・・6カップ
くるみ油・・リキュールグラス1杯
スペイン産アンチョビ・ロッソ・・600g

・にんにくを薄く切ってテラコッタの浅鍋に入れ、油1カップを加える。
・木べらでかき混ぜながらとろ火にかけ、色がつかないように熱する。
・塩抜きして骨を取り、赤ワインで洗って水気を拭き取ったたアンチョビを加えて混ぜる。
・残りの油で覆い、揚げないようにしながらとろ火で30分熱する。仕イルドな味にしたければバターの小片を加える。
・熱したテラコッタのfujotに入れてサーブする。
・添える野菜は、生のカルド・ゴッビ・ディ・ニッツァ、トピナンブール(キクイモ)、キャベツの芯、エンダイブ、スカローラ、生や酢漬けのパプリカ、くし切りにしてバルベーラに漬けた葉玉ねぎ、ゆでたビーツ、じゃがいも、玉ねぎのオーブン焼き、カボチャ、ポレンタのフリット、ローストピーマンなど。

そう言えば、イタリアで人気なのはスペインのカンタブリコのアンチョビでした。

今月の「CIR」の1品、“ズッキーニのグリルのパン粉とアンチョビ風味”(リチェッタはP.8)は、
ある意味、ピエモンテ風ズッキーニ料理と言えるのかも。
そう言えば、アンチョビとパン粉、ズッキーニ、バターの組み合わせもよく見ます。
バターが加わると、完全にピエモンテ料理ですね。
下の動画はカンタブリコのアンチョビにノルマンディーのバターのパニーニだって。
フランスのアルティジャナーレのバター。カンタブリコのアンチョビは、お高いようですね。


ブッロ・エ・アリーチburro e alici。
・さやいんげんをアルデンテにゆでる。
・室温のバターにシブレットの小口切りとバニラの種を加える。
・くるみパンをスライスして軽く熱する。バターをたっぷり塗ってアンチョビと半分に切ったさやいんげんをのせ、バターを塗ったパンを重ねる。

アンチョビとバターの組み合わせはまだ美味しそうなリチェッタがあったので、次回に続きます。
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2021年6月20日日曜日

アーリオ・オーリオ・フリッジテッリは、ピーマンのパスタ。

今日の料理は冷やして食べても美味しい夏向きコントルノ、ペペロナータです。
リチェッタは今月の「CIRP.9」。

ペペロナータはその名の通り、ピーマンの料理ですが、シチリアからリグーリアまで、イタリア各地の伝統料理という説が飛び交っていて、発祥地はここだという決定的説はありません。
でも、今月のリチェッタは、どこの料理かすぐに分かりました。
あらゆる種類のピーマンを集めた、ピーマン嫌いの子なら泣き叫びそうな料理ですが、今どきのピーマンは甘くてカラフルなパプリカなので、ピーマン料理と呼ぶのにも若干の抵抗が・・・。
ペペロナータ↓

材料を見ると、緑のパプリカ、黄のパプリカ、と各種のパプリカの中に、フリッジテッリという名前が、しれっと紛れています。
フリッジテッリfriggitelliは度々登場していますが、ナポリ特産のししとうにそっくりな辛くない唐辛子の一種です。甘いパパプリカが主流の最近では、むしろししとうよりピーマンに近いかも。
フリッジテッリ↓

フリッジテッリのパスタは、言い換えればピーマンのパスタ↓

ピーマンの代わりに赤い唐辛子を少量混ぜるとアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノに。
イタリア料理の世界では、ペペロナータはピエモンテ料理として知られています。
ピエモンテはおいしいパプリカの産地なんです。
ピエモンテのカルマニョーラCarmagnola↓はクアドラータと呼ばれる四角いパプリカの産地として有名。
ペペロナータやバーニャ・カウダに最適の品種です。


ピエモンテ風ペペロナータ↓

アンチョビを加えるのが特徴。
スローフードの『オステリエ・ディ・イタリア

には、アンチョビ入りペペロナータのリチェッタがありました。

アンチョビ入りペペロナータPeperonata con acciughe
材料/4人分

締まって肉厚のペペローニ・クアドラーティ・・黄、緑・赤を各1個
にんにく・・2かけ
塩漬けアンチョビ・・4尾、またはペースト大さじ1
EVオリーブオイル・・大さじ4、塩(好みで)

・パプリカは種とわたを取って粗く切る。
・ソテーパンに油大さじ4と半分に切ったにんにくを熱し、パプリカを加えて炒めながら水気を飛ばす(最初は中火で、徐々に強める)。焼き色がついたら(焦がさない)火を弱めて30分熱する。
・その間にアンチョビを塩抜きして骨を取り、刻む。
・パプリカにアンチョビを加えて潰しながら溶かす。またはペーストをオイル少々で溶いて加える。
・にんにくを取り除いて必要なら(ピーマンがかなり甘かったら)塩を加え、火から下ろす。
・熱いうちに、夏なら粗熱を取って、ボッリートや肉料理に添えてサーブする。
パプリカの産地として知られるカルマニョーラは、ランゲのモンフェッラート地方の美しい町。
毎年、パプリカの収穫祭も開かれます。

オステリエ・ディ・イタリア』は売り切れている本ですが、代わりにスローフートが作った本、『イタリア・イン・クチーナ

は、内容はほぼ同じで写真付き。お勧めです。
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2021年6月19日土曜日

ビーフ・ウェリントンもイタリア人の手にかかると豚ヒレ肉の料理、フィレット・ウェリントンに変身する。

きょうの料理は“ビーフウェリントン”のアレンジです。
きのうのコストレッタ・ミラネーゼは子牛のリブロースのイタリアの国民的料理ですが、こちらは欧米の古典料理(リチェッタは今月の「CIR」のP.11にあります)。
ウェリントンはワーテルローの戦いでナポレオンを破ったイギリス人の英雄で、首相まで努めた人なので、イギリス人に敬意を払って、たまにはイギリス人の料理を見てみますか。


イタリアでも定番の牛ヒレ料理として知られているので、ビーフウェリントンと言えばどんな料理か説明しなくてもわかります。
牛ヒレ肉にデュクセルを塗り、パイで包んで焼くご馳走です。
でも、イタリア人には牛ヒレ肉は贅沢すぎたのか、今月のリチェッタでは、豚ヒレで代用しています。
この料理の名前は、ビーフ・ウェリントンで、そもそも、牛のヒレ肉の料理というのが大前提です。
下のイタリアの動画では、一回り小さな子牛のヒレ肉を使っています。


牛のヒレ肉の代わりに豚のヒレ肉を使ったのは、経済的だから、という理由だけではないようです。
そもそも、北イタリアはミルク用の牛の飼育が盛んな地方でした。なので、仔牛肉料理も普及しています。
ところが、イタリアでは、牛と豚は、違う伝わり方をしました。
豚はケルト人が伝えました。猪は大昔からいました。
肉を食べるステーキが主流の牛に対して、どこも捨てるところがない、と言われてあらゆる部位が利用された豚は、かなり違う食文化が発展しました。
子牛料理が広まったミラノには、どんな豚肉料理があると思いますか?
ミラノの子牛料理のシンボルがコストレッタ・ミラネーゼなら、豚肉料理のシンボルは、豚のあらゆる部位を使う料理、カスーラCassoeulaです。↓

ビーフ・ウェリントンはある意味、とてもアングロサクソン的料理で、カスーラはケルト風。
ケルト人は後にゲルマン人に吸収されていく民族。

ちなみに、ビーフ・ウェリントンを作っていたキッチンの後ろの中央にあった本は、スローフードの『オステリエ・ディ・イタリア

イタリア地方料理書のお勧めはイタリア・イン・クチーナ



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2021年6月18日金曜日

サバのミラノ風は、海のないミラノのサバ料理?の訳ない。あの有名な料理のアレンジのこと。

イタリア料理の中でも、略称が世界中に通用する定番料理。
今月の「CIR」では、パルミジャーナの他にも、たくさんその名が知られた定番イタリア料理が登場しています。
中でもちょっと衝撃的だったのが、“サバのミラノ風”(リチェッタはP.7)です。
ミラノ風ドリアとか、日本でしか通じない謎料理もあるけど、サバのミラノ風は、海のないミラノのサバ料理という、かなり衝撃的な名前。
でも、こちらのミラノ風は、世界的にかなり理解されているようです。
つまりこれは、ミラノ風コストレッタのアレンジです。

この料理名が世界的に認知されているのは、もちろん、ミラノ風コストレッタが世界的に有名だから。
ミラノを代表する料理です。
クチーナ・ミラネーゼ

によると、牛の飼育が盛んだったミラノでは、牛肉、というか、ミルクだけで育った乳飲み子牛がその料理の主役でした。
ちなみに、子牛肉は贅沢品でした。肉は貴族の食べ物で、庶民は骨や脂身を食べたのです。
イタリアの地方料理で子牛肉が主役と言える地方はそうはなく、この料理の背後には、ミラノが豊かな地方だったことも要因としてあるのですね。
コストレッタ・ミラネーゼ

トレッタとは、肋骨のこと。
これがコトレッタとなると、骨がついていないただのリブロースの切り身のこと。
上の動画で肉の上に鎮座しているこの1本の骨が、重要。

ついでなので、ミラノ風サバ料理が存在するかどうか、この本で確認してみました。
ミラノで魚料理と言えば、メルルーサやバッカラと川や湖の淡水魚の料理だそうです。
魚料理の章の副題は、カエルとエスカルゴでした。
最近ミラノでの淡水魚の消費量はすごい勢いで増えているそうです。
ミラノの魚は中国やフィリピンなど、東南アジアから来るそうです。
これはこの地方からの労働者が増えていることに関係がありそうですね。
大都市ミラノの食事情は、かなり特殊。
これは、サバのミラノ風が出回るのも時間の問題かも。
ミラノの魚市場↓

ちなみにサバのミラノ風はサバを尾をつけたまま切り身にします。
ここらへんがコストレッタの名残かも。
サバに小麦粉、溶き卵、パン粉を2回つけて揚げるサバのカツですが、添えるマヨネーズはアーモンドミルク入り。
定番料理でも軽くひねりを加えるのが『クチーナ・イタリアーナ』の特徴。

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2021年6月17日木曜日

パルミジャーナはイタリアの国民的料理だけどナポリとシチリアがライバル同士。パルマも一応本家争いには加わってる。

先日観た、イタリアンのシェフとフレンチのシェフの恋愛映画で、主演の二人が口にした、“パルミジャーナ”という料理の名前が、思いがけずロマンチックで、パルミジャーナにキュンキュンする日がくるとは思ってもみませんでした。
はっきり覚えていませんが、確か我が家のパルミジャーナのリチェッタが一番美味しい、とか、言い争うんじゃなかったっけ。
確か、パルミジャーナの説明は映画中には一切なし。
つまり、世界中の人がパルミジャーナとはどんな料理か、知っているということでしょうか。

パルミジャーナは、ナポリの揚げたナス、トマトソース、チーズを重ねたオーブン料理として知られていますが、シチリア料理としても有名なので、ナポリ対シチリアのライバルシェフの対決にも使えるなーなんてこと考えたりして・・・。
まあ、どちらにせよ、パルミジャーナはイタリア中で愛されている定番のイタリア料理です。

今月の「CIR」にも、パルミジャーナのリチェッタがありました。
ズッキーニのパルミジャーナです。
ちなみに今月のリチェッタは季節柄、ズッキーニを使ったものが多かったです。
“ズッキーニとリコッタのテリーヌ”は、夏向きの、色合いも涼し気な1品でした。
下の動画はズッキーニのパルミジャーナを夏向きに軽くアレンジしたもの。

ズッキーニのパルミジャーナ↓


「CIR」のリチェッタでもズッキーニは揚げずにグリルして軽く仕上げています。
さらに、ナポリのズッキーニ料理はプローボラとの組み合わせがポイント。
詳細は後ほど、プローボラの話題の時に改めて。
ナポリ風ナスのパルミジャーナ↓

グイド・トンマージの『クチーナ・ディ・ナポリ

に、パルミジャーナのバリエーションの一つとして、ズッキーニのパルミジャーナのリチェッタがあったので、訳してみます。
ナポリのズッキーニのパルミジャーナにはロッソとビアンコがあります。
このリチェッタはロッソ。

ズッキーニのパルミジャーナparmigiana di zuchine
材料/6人分

ズッキーニ・・1.5kg
プローボラ・・400g
トマトのパッサータ・・400ml
EVオリーブオイル・・大さじ4
にんにく・・1かけ
おろしたパルミジャーノ・・100g、塩

・ズッキーニを縦に薄くスライスする。
・ザルに並べて粗塩を散らし、水分を出す。
・すすいで水気をふき取る。
・熱した油で少量ずつ揚げ、シートを敷いたバットに取る。
・トマトソースを作る。にんにくを油で炒め、トマトのパッサータを加えて煮詰めて塩をする。
・オーブン皿の底にトマトソース大さじ2を敷き、揚げたズッキーニを1段敷く。
・プローボラの小角切りとパルミジャーノ大さじ2を散らしてトマトソースをかける。
・これを材料がなくなるまで繰り返し、180℃のオーブンで1時間焼く。
・休ませてサーブする。



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2021年6月16日水曜日

カボチャのトルテッリはマントバ人に言わせれば、世界で一番美味しいラビオリ。

このところのブログがゴルゴンゾーラのお題になるきっかけは、ゴルゴンゾーラとカボチャのペンネでした。
リチェッタは今月の『CIR』にあります。
ゴルゴンゾーラと相性のよい組み合わせの素材、今回取り上げるのは、カボチャです。
ミラノ料理の本という、ありそうでなかった興味深い本、『クチーナ・ミラネーゼ

によると、米とカボチャは、ミラノ料理の2大伝統食材だそうです。
カボチャはミラノからマントバにかけてのバッサ・パダーナ地方の名産品で、甘いカボチャ、中でも有名なのが、マントバカボチャzucca mantovanaとズッカ・ビオリーナzucca violina。
ポー河の流域に広がる北イタリアの平野の名物です。
その中でも河に近い中央部分の標高の低い土地をバッサ・パダナ地方と呼びます。
粘土質で水をっくり吸い込む、農耕に適した土壌。
マントバはバッサ・パダーナ地方の都市↓

マントバは、芸術を擁護したイザベラ・デステで知られる街。
ゴンザーガ家が領主の高貴な生まれの街。
宮廷料理の流行や優秀な料理人を排出したことでも知られています。

マントバカボチャ↓

マントバカボチャのトルテッリを紹介する一番面白そうな番組は、この料理が有名なレストランを取材したフランスの番組でした。

動画で紹介されていた店はリストランテ・ニッツォーリNizzoli 店のwebページはこちら

カボチャのトルテッリ。

現在のマントヴァの料理人を代表するのは、3つ星店、ダル・ペスカトーレのナディア・サンティーニシェフ。

ダビデ・オルダーニシェフのモダンイタリア料理の本、『メイド・イン・イタリー

(売り切れました)には、カボチャのトルテッリのページにこんなことが書いてありました。
マントバに住んでいない人、つまりアマレッティやモスタルダが好きでない人は、カボチャのトルテッリというと、カボチャだけを問題にする。カボチャのトルテッリが大好きなマントバ人にとっては、この料理には、カボチャもアマレッティもモスタルダも重要だ。
そもそもモスタルダは、ボッリートの付け合せに最適のミックスフルーツのクレモナ産ではなく、りんごと洋梨のマントバ産でなければならない。カボチャはもちろん、オーブンで皮ごと焼いたマントバカボチャだ。焼き上がったら数時間から一晩休ませて詰め物にする。パスタは三角形でもいいが、切れ端は使わず、できるだけ薄く伸ばす。
    そ、そんなこだわりがあったなんて、知らなかった・・・・。

それでは本のリチェッタをどうぞ。
カボチャのトルテッリTortelli di zucca

《詰め物》
カボチャ・・1kg
アマレッティ・・160g
マントバのモスタルダ・・160g
パルミジャーノ・・180g
ナツメグ、塩
・カボチャは180℃のオーブンで45分焼いて裏漉しし、細かく刻んで振るったアマレッティ、
刻んだモスタルダ、おろしたパルミジャーノ、塩、こしょう、ナツメグを加えて練る。乾いた詰め物にする。

《パスタ》
00番の小麦粉・・60g
卵・・6個
・小麦粉、卵、水を最低10分こねてまとめ、麺棒で打粉をした台で厚さ1mmに伸ばす。

《仕上げ》
バター・・80g
パルミジャーノ、塩
・パスタを幅3、4cmに切って詰め物を等間隔に並べる。
・別の生地で覆い、詰め物の周囲を指で摘んで閉じる。
・カッターで長方形のトルテッリに切る。
・塩を加えた湯でゆで、溶かしたバターとおろしたパルミジャーノで調味する。


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2021年6月15日火曜日

ミラノでは、洋梨とチーズの組み合わせは、農民には教えるな、と長い間言い伝えられてきた。姑いびりかい。

今日は、ミラノ料理の本、『クチーナ・ミラネーゼ

洋梨とゴルゴンゾーラという黄金の組み合わせについて、こんなことが書いてありました。

洋梨とゾーラはミラノの定番の伝統的農民料理、ポレンタ・エ・ゾーラのバリエーション。
ゾーラ(ゴルゴンゾーラ)はタレッジョやストラッキーノなど、溶けるチーズで代用できる。
ミラノには、チーズと洋梨の組み合わせの美味しさは、お百姓には秘密にしておけ、という言い伝えがあって、長い間、この秘密が守られてきたんだとか。
多分大抵は、レストランでこの組み合わせを体験して、食材の組み合わせの魔法の虜になる。
超簡単なゾーラと洋梨のペンネFilmato zola e pere



・洋梨とゴルゴンゾーラ・ピッカンテを小角切りにする。
・バター50gを小角切りにしてフライパンで熱し、洋梨を加えて5分炒める。溶いたサフランとゴルゴンゾーラを加えて2分熱し、ゆでたパスタを加えてマンテカーレする。

ポレンタとゾーラ(ゴルゴンゾーラとポレンタ)

材料/
ポレンタの粉・・300g
水・・1500ml
バター・・20g
ゴルゴンゾーラ・・150g

・鍋に湯を沸かして塩を加える。
・ダマにならないようにホイッパーで強くかき混ぜながらポレンタ粉を入れる。
・時々かき混ぜながら30分煮る。
・火から下ろしてバターを加える。
・オーブン皿に入れて表面に粗く切ったゴルゴンゾーラをのせる。
・オーブンで焼き色がつくまでグラティナーレする。
ポレンタとゾーラのバリエーション
ポレンタに混ぜ込まないで表面にのせてオーブンで焼いてクロスティーニにする。

ゴルゴンゾーラのリチェッタはどれも超簡単でシンプル。
ということはゴルゴンゾーラの質が重要。

下の2つの動画は、ゴルゴンゾーラの優れた造り手として知られるパルゾラのCM。
徹底的に笑いを追求するその企業姿勢、はまるわー。





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2021年6月14日月曜日

ゴルゴンゾーラのソースはアーリオ・オーリオに匹敵する北の基本のパスタソース。ミラノは別名チーズの街と呼ばれていた。

今月のパスタのリチェッタがゴルゴンゾーラとカボチャのペンネだったので、色々リチェッタを調べてみましたが、ゴルゴンゾーラとカボチャというのは、定番の組み合わせだったよう。
ゴルゴンゾーラは溶かすだけでソースになるので、パスタとの相性は抜群。
しかも、カボチャはロンバルディアが誇る名物野菜。その代表的料理はトルテッリという詰め物パスタ、というわけで、両者の組み合わせはパスタソースにも最適。

Pasta al gorgonzola


大御所のスパゲッティの本、『スパゲッティ・アモーレ・ミオ
にゴルゴンゾーラのカペッリーニCapellini al Gorgonzolaのリチェッタがあったので、訳してみます。
材料/4人分
 カペッリーニかソプラカペッリーニかスパゲッティーニ・・350g
 ゴルゴンゾーラ・ドルチェ・・150g
 バター・・50g
 牛乳・・1カップ
 塩、おろしたパルミジャーノ

・鍋に小片にしたゴルゴンゾーラ、バター、牛乳を
入れてかき混ぜながら弱火にかけて5分熱して溶かし、塩をする。
・パスタをアルデンテにゆでて熱したボールに入れ、ゆで汁を加える。その上からソースをかける。
・パルミジャーノ大さじ4を加えてマンテカーレし、すぐに皿に盛り付けてパルミジャーノを散らしてサーブする。

溶かすだけの簡単パスタ。
アーリオ・オーリオに匹敵するかも。
今まで、主に南のパスタを中心に取り上げてきましたが、チーズが主役になると、たちまち北イタリア風になりますね。
よく、イタリアでも北はバターで南はオリーブオイルと言いますが、
イタリア料理アカデミーの『スーゴとソース

によると、バターとオイルの北の境界線は、リミニとガルファニャーナを結ぶ線なんだそうです。ガルファニャーナはトスカーナ。リミニはエミリア・ロマーニャ。
ちなみに今月の『CIR』にはリミニの記事もあるので、リミニの話は後ほど詳しく。

ここは、豚や牛の飼育が盛んだった地方の分かれ目で、動物性脂肪の利用が一般的で、逆に植物性脂肪が珍しかった地方。
もちろんこの地方にトマトは広まらなかったけれど、硬質チーズやバター、ラードは広まりました。
パスタより、パンやポレンタに合う脂肪です。
バターや、チーズ、生クリームは、ほぼすべての料理に惜しみなく使われていました。
溶かしたチーズのクリーミーさは、パスタだけでなく、肉料理にも合いました。
ソースのベースになるチーズの王者は、マスカルポーネです。上の動画ではゴルゴンゾーラにはグラッパを加えていましたが、マスカルポーネにはラム酒を加えました。
下の動画によると、マスカルポーネの故郷はミラノ。あたりまえだけど、ミラノで放牧されている牛のミルクからミラノのマスカルポーネはできるんですね。クリームチーズは牛乳から作るけど、マスカルポーネは生クリームから作るので値段が高い、と結論づけています。


北イタリアのソースは、チーズの次は内蔵へと進化します。
その代表が、牛の骨髄を活かしたオッソブーコです。



乳製品の産地としての中心となったのはミラノです。ミラノはチーズの街とも呼ばれましたcitta del formaggio。
クレシェンツァ、ゴルゴンゾーラ、タレッジョ、ストラッキーノ、マスカルポーネ、トーマ、クアルティローロなどは厳しい冬の間に牛が食べた草から造られたチーズです。

ミラノ料理のお勧め本、『クチーナ・ミラネーゼ


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2021年6月13日日曜日

ブルーチーズは北イタリアのチーズ、ゴルゴンゾーラの本拠地はノヴァーラ。

次号の「総合解説」改め『クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ』、略して『CIR』。
名前が変わりました。
よろしくお願いしします。
今月のリチェッタのプリーモ1品目は、“カボチャとゴルゴンゾーラのペンネ”です。
カボチャとゴルゴンゾーラ、この相性バツグンの組み合わせ、まず取り上げるのは、ゴルゴンゾーラです。

ゴルゴンゾーラはロンバルディアのチーズ。
ブルーチーズは北のチーズです。

州都ミラノから18km離れたゴルゴンゾーラという街が発祥地です。
ゴルゴンゾーラはこんなとこ↓

ミラノ近郊が発祥地という情報は、ミラノにいると綺麗サッパリ忘れているので、ゴルゴンゾーラに行ってみようと思ったことはなかったなあ。
ちなみにDOC製品になった時に設立された管理組合はノヴァーラにあります。
本部はカーメリにあるテニメント・アル・カステッロというレストラン↓。
こここそが。ゴルゴンゾーラファンの目指す場所かも。


このチーズの誕生については様々な伝説が伝わっています。

その代表的なのが、10世紀頃、ゴルゴンゾーラ村の宿屋の主人が、食料庫でカビが生えて緑色になっているストラッキーノチーズを見つけて、捨てるのはもったいないと客に出したらなんと大評判になったというもの。
色んな意味で、怖い。
ストラッキーノ↓

別の説では、ある農家の若者が恋人とのデートに夢中になって、加熱鍋にカードを入れたまま一晩中忘れてしまった。そこで翌朝、これをできたてのカードに加えてかき混ぜてみた。しかし、前の晩のカード(酸味が強い)は朝のカードとは完全に混ざらず、シワや隙間の多い生地になってしまう。この生地を熟成させたところ、チーズの中にカビが生えてしまった。ところが味は上々で、人気のチーズになったのだった。

前の晩のカードに朝のカードを加えるのはドッビオ・パスタと呼ばれる製法。

ゴルゴンゾーラの愛称はゾーラ。
管理組合のマークは、ちょっと控えめなかわいい“g”。

ゴルゴンゾーラがイタリアに広まった一因は管理組合のTVCM。

ゴルゴンゾーラの普及と研究を目的に信者会が結成されたのもノヴァーラ。

ヴァッレ・ダオスタのブルーチーズ、ブルー・ダオスタ↓


フランスの影響を受けて2004年に生産が始まったチーズ。

自家製フレッシュチーズの本、フォルマッジ・フレスキ・ファッティ・イン・カーザ


クチーナ・ミラネーゼ

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フォルマッジ・フレスキ・ファッティ・イン・カーザ

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2021年6月12日土曜日

小型にするだけでアランチーニは50年は今どきになる。

サルデーニャの話が続いたので、すっかりサルデーニャにバカンスにでも行く気になってました。
現実に戻らなくては。
「総合解説」ですが、次号の9・10月号は若干時間がかかっていますが、順調に行けばもうすぐ完成予定です。ところで、長い間気になっていた「総合解説」という名前。
雑誌を何種類も販売していたかなり昔の名残で、そのまま放置していましたが、ようやく変えることにしました。
新しい名前は『クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ』です。
イタリア料理の基本は地方料理にあり、ということを改めて初心に戻って、イタリア地方料理、という名前の解説書にました。
イタリアの料理雑誌の記事を日本語に訳すという編集方針は今までのままです。
新しい『クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレCIR』もよろしくお願いします。
新生CIRの第一号は9月号。
前菜の1品目は、ミニ・アランチーニです。
アランチーニはシチリア名物のラグーを詰めたライスコロッケ。
今までにも何度か取り上げてきましたが、バリエーションは非常に豊富です。
今回のアランチーニは、一口サイズのミニアランチーニで、米ではなく雑穀のアワで作ります。
逆に言うと、下の動画のような典型的なラグーのアランチーニは、少なくなっているという印象です。

今月のリチェッタのアランチーニは一口サイズ。
具のモッツァレラの小角切りが1個入るサイズ。

小さくなるだけでだいぶ都会的でモダンになります。


しかも、米の代わりに使ったりのが、アワです。
イタリア語ではmiglio。
さすがにあまりメジャーではない食材です。
なぜ、この雑穀なのでしょうか。
食通には注目されているようですね。


まず、グルテンフリー。
さらに加熱時間が短い。2倍の水で約20分。ゆでる前に浸水する必要がないので、忙しい現代人向き。


アワのモダンな料理2品。
1品目はアワのミニコロッケchrocchette di miglio
材料/
アワ・・100g
野菜のブロード・・400g
粗塩・・5g

・アワ100gを野菜のブロード200mlで弱火で蓋をして20分ゆで、さっとほぐす。
・ゆでたアワ、粗く下ろしたズッキーニ、乾燥タイム、米粉大さじ1を混ぜる。アワを潰しながら手でこねる。
・1個50gずつまとめて米粉をまぶし、ピーナッツ油で片面3〜4分ずつ焼く。

次はアワと野菜のソテー、ブルーベリービネガーソースmiglio saltato con aceto di lampone 
・野菜(にんじんとズッキーニ)を小角切りにして、オイル、にんにく、塩、ローズマリー少々、カレー粉でソッフリットにする。ゆでたアワを加えてマンテカーレし、皿の中央に置いたセルクルに詰める。
・ラズベリーを油と塩、ローズマリー(好みで)で1分炒め、リンゴ酢をかけて1分煮詰める。これをセルクルのアワと周囲にかける。ローズマリーとセージで飾ってセルクルを抜く。

シチリア料理のお勧めの本

グイド・トンマージ地方料理シリーズの『クチーナ・シチリアーナ

ストリートフードの本としても面白い『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』 

シチリア料理のミニシリーズ、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ 

シチリアを代表するワイナリー、プラネタのシチリア料理の本、『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ

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マリア・ルイジアの小さな街、パルマのバターとグラナの娘、アノリーニ。本物は牛と去勢鶏のブロードでゆでます。

昨日の最後にサラっと登場したアノリーニですが、このパスタ、(CIR12月号P.5)にもリチェッタが載っていました。クルルジョネスの次の料理です。花の形の可愛い詰め物入りパスタ、なんていうのがこのパスタの印象ですが、イタリア人は、こんな風に思ってるんですね。 「マリア・ルイジアの小...