2021年6月18日金曜日

サバのミラノ風は、海のないミラノのサバ料理?の訳ない。あの有名な料理のアレンジのこと。

イタリア料理の中でも、略称が世界中に通用する定番料理。
今月の「CIR」では、パルミジャーナの他にも、たくさんその名が知られた定番イタリア料理が登場しています。
中でもちょっと衝撃的だったのが、“サバのミラノ風”(リチェッタはP.7)です。
ミラノ風ドリアとか、日本でしか通じない謎料理もあるけど、サバのミラノ風は、海のないミラノのサバ料理という、かなり衝撃的な名前。
でも、こちらのミラノ風は、世界的にかなり理解されているようです。
つまりこれは、ミラノ風コストレッタのアレンジです。

この料理名が世界的に認知されているのは、もちろん、ミラノ風コストレッタが世界的に有名だから。
ミラノを代表する料理です。
クチーナ・ミラネーゼ

によると、牛の飼育が盛んだったミラノでは、牛肉、というか、ミルクだけで育った乳飲み子牛がその料理の主役でした。
ちなみに、子牛肉は贅沢品でした。肉は貴族の食べ物で、庶民は骨や脂身を食べたのです。
イタリアの地方料理で子牛肉が主役と言える地方はそうはなく、この料理の背後には、ミラノが豊かな地方だったことも要因としてあるのですね。
コストレッタ・ミラネーゼ

トレッタとは、肋骨のこと。
これがコトレッタとなると、骨がついていないただのリブロースの切り身のこと。
上の動画で肉の上に鎮座しているこの1本の骨が、重要。

ついでなので、ミラノ風サバ料理が存在するかどうか、この本で確認してみました。
ミラノで魚料理と言えば、メルルーサやバッカラと川や湖の淡水魚の料理だそうです。
魚料理の章の副題は、カエルとエスカルゴでした。
最近ミラノでの淡水魚の消費量はすごい勢いで増えているそうです。
ミラノの魚は中国やフィリピンなど、東南アジアから来るそうです。
これはこの地方からの労働者が増えていることに関係がありそうですね。
大都市ミラノの食事情は、かなり特殊。
これは、サバのミラノ風が出回るのも時間の問題かも。
ミラノの魚市場↓

ちなみにサバのミラノ風はサバを尾をつけたまま切り身にします。
ここらへんがコストレッタの名残かも。
サバに小麦粉、溶き卵、パン粉を2回つけて揚げるサバのカツですが、添えるマヨネーズはアーモンドミルク入り。
定番料理でも軽くひねりを加えるのが『クチーナ・イタリアーナ』の特徴。

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