2021年6月9日水曜日

パーネ・カラザウがカルタ・ダ・ムジカと呼ばれたのは、戻して柔らかくして具を挟んでくるくる巻いた状態が楽譜みたいだったから。

サルデーニャ料理の締めくくりは、サルデーニャ料理に欠かせないパン、パーネ・カラザウ(カルタ・ダ・ムジカ)の料理、パーネ・カラザウ↓
一度焼いて膨らませたパンを2枚にして再び焼くパーネ・カラザウは、かなり手間をかけて作るパンですが、昔は主婦が早朝から一人で作っていました。
カリカリで、食べるときににぎやかな音がするので楽譜と呼ばれるほどカリッと焼き上げたこのパンをあえて羊のブロードに浸して柔らかくし、トマトソースをかけた料理(バリエーションはたくさんあります)。パーネ・フラッタウ↓。

サルデーニャの農家は小麦を栽培していたので、少量ながら小麦は手に入りました。量は少なくても、質は抜群なのがサルデーニャの小麦です。
パーネ・カラザウの発祥地はバルバージャ地方。羊飼いの暮らしがベースにあります。移牧に持っていくために考え出されたパンでした。
カリカリにしたのは保存のため。
ダヴィデ・オルダーニシェフのモダンなイタリア料理の本、『メイド・イン・イタリー』(売り切れました)によると、

パーネ・カラザウは乾いた状態では“trokeddu”と呼び、ゆでて戻すと“pane infusthu”と呼びました。柔らかくすると、サラミやチーズを挟んで巻いたり、料理のベースとして使うことができました。ちなみに楽譜と読んだのはくるくる巻いた状態が楽譜に似ていたから。
(バリエーションはたくさんあります)
オイル、ソース、塩で調味すると、“pane  guttiau”と呼びました。
よくイタリアでは、パンは捨てるところがない、と言います。
パーネ・カラザウのパンくずは、朝食のカフェラッテに入れて食べるのが伝統的なお作法。
一番シンプルな食べ方は、オリーブオイルと塩で調味します。
移牧に出かけるサルデーニャの羊飼い↓


サルデーニャ料理は質素な羊飼の料理とゴージャスな海の幸で構成されています。

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