2021年6月29日火曜日

発酵させない生地をオーブンを使わないで焼く、という縛りからフォカッチャは生まれた。

今日のお題は、フォカッチャです。

参考にした本は、スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの

パーネ・ピッツェ・フォカッチェ

一節では、フォカッチャは、発酵やオーブンが発見される前からあるパンと言われています。
発酵させない薄い生地を、オーブンがない中で、どうやって焼くと思いますか?
この方法を考えるのが、フォカッチャについて知る一番手っ取り早い方法です。

発酵させない薄いパンは、イタリアの地方料理には案外たくさんあります。

その代表は、ピアディーナ。
ピアディーナはロマーニャ地方の名物。ピアディーナの話題は、今月のCIRでも後ほど取り上げます。


オーブンを使わない薄焼きパンのピアディーナは、ピッツァやフォカッチャのルーツとも言えるかも。
ピアディーナをどう焼くかがわかれば、オーブンを使わない薄焼きパンの作り方も分かります。
答えは熱した平らな石に載せて焼くです。
逆に平らな石にのせないでオーブンで焼くと普通のパンになります。
ピアディーナはピアーダというテラコッタの皿で焼きます。陶器以外にも、金属など、平で高温に熱せられるものがあれば焼けます。
モンテティッフィのピアーダ↓

粘土からパンが焼ける板を作り出すののは簡単ではないはず。
ただの民芸品ではない。
フォカッチャ・ジェノベーゼ↓

イタリアのフォカッチャと言えば、ジェノべーゼが代表的。
でも。プーリアのバーリのフォカッチャも、とても有名。
有名とは言っても、日本ではまったく知られていません。
だから、私を含めて殆どの日本人がバーリやプーリアで初めて出会って、その美味しさにびっくりして、大ファンになります。
正直言うと、ジェノバで初めてフォカッチャ・ジェノベーゼに出会ったときも、ナポリで初めてピッツァ・ナポレターナに出会ったときも、衝撃でした。
これから初めて食べる人がどんな出会いをするか、楽しみですねえ。


トスカーナのスキアッチャータも代表的な地方料理の薄焼きパン。フォカッチャにそっくり。
トスカーナのスキアッチャータは軟質小麦粉のビーガがベース。

ちなみに、フォカッチャは生地が大きくなると、浅くて大きなオーブン皿などに入れて焼くようになりました。

フォカッチャ・バレーゼとフォカッチャ・ジェノベーゼの違いは、リチェッタを見るとすぐに分かります。
バレーゼはじゃがいも入り生地です。

バーリのフォカッチャにハマると店を食べ比べたくなる。フォカッチャ・バレーゼのことをまったく知らなかったので、せっかくプーリアにいながら当時は興味がなかった。数十年経った今も後悔してる。


リグーリアのパンの本、『リグーリアの発酵生地


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(CIR)
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