2021年6月21日月曜日

カンタブリコのアンチョビとノルマンディーのバター、通称ブッロ・アリーチはピエモンテ人が大好きなものの組み合わせ。

昨日の料理、ペペロナータは、ピーマンの料理。南米からヨーロッパに伝わった、南のイメージがあるピーマンをピエモンテ料理したポイントはアンチョビでした。
アンチョビはリグーリアの話題の時にも登場しましたが、リグーリアの海からピエモンテまで、塩の道を通って漁師が作った保存食として広まったのがアンチョビの塩漬け。
このブログでは、以前、こんな話(こちら)を書いていました。

アンチョビ風味の料理は、なぜかピエモンテに多いんです。
イタリア料理アカデミーの『スーゴとソース』によると、
ピエモンテと言えば、フランス料理の影響が強く、料理のベースはバターの地方。

市場では、毎週、水・木・金が乳製品とバターの日でした。
ピエモンテで脂と言えば、バターの次はラードで、その次がリグーリア産オリーブオイル、さらにくるみ油でした。
ピエモンテのアンチョビのソースと言えば、バーニャ・カウダですが、
オリーブが育たないピエモンテでは、バーニャ・カウダ↓は元々はくるみ油でつくられていました。

『スーゴとソース』のバーニャ・カウダBagna caudaのリチェッタを訳してみます。
材料/12人分
にんにく・・12玉
EVオリーブオイル・・6カップ
くるみ油・・リキュールグラス1杯
スペイン産アンチョビ・ロッソ・・600g

・にんにくを薄く切ってテラコッタの浅鍋に入れ、油1カップを加える。
・木べらでかき混ぜながらとろ火にかけ、色がつかないように熱する。
・塩抜きして骨を取り、赤ワインで洗って水気を拭き取ったたアンチョビを加えて混ぜる。
・残りの油で覆い、揚げないようにしながらとろ火で30分熱する。仕イルドな味にしたければバターの小片を加える。
・熱したテラコッタのfujotに入れてサーブする。
・添える野菜は、生のカルド・ゴッビ・ディ・ニッツァ、トピナンブール(キクイモ)、キャベツの芯、エンダイブ、スカローラ、生や酢漬けのパプリカ、くし切りにしてバルベーラに漬けた葉玉ねぎ、ゆでたビーツ、じゃがいも、玉ねぎのオーブン焼き、カボチャ、ポレンタのフリット、ローストピーマンなど。

そう言えば、イタリアで人気なのはスペインのカンタブリコのアンチョビでした。

今月の「CIR」の1品、“ズッキーニのグリルのパン粉とアンチョビ風味”(リチェッタはP.8)は、
ある意味、ピエモンテ風ズッキーニ料理と言えるのかも。
そう言えば、アンチョビとパン粉、ズッキーニ、バターの組み合わせもよく見ます。
バターが加わると、完全にピエモンテ料理ですね。
下の動画はカンタブリコのアンチョビにノルマンディーのバターのパニーニだって。
フランスのアルティジャナーレのバター。カンタブリコのアンチョビは、お高いようですね。


ブッロ・エ・アリーチburro e alici。
・さやいんげんをアルデンテにゆでる。
・室温のバターにシブレットの小口切りとバニラの種を加える。
・くるみパンをスライスして軽く熱する。バターをたっぷり塗ってアンチョビと半分に切ったさやいんげんをのせ、バターを塗ったパンを重ねる。

アンチョビとバターの組み合わせはまだ美味しそうなリチェッタがあったので、次回に続きます。
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