2018年10月31日水曜日

トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ1巻

新着書籍のご案内です。

トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ/1巻北・中央イタリア 英語版
が入荷しました。
というか、新入荷の本は、まず「総合解説」の定期購読をご利用の皆様にご案内するのですが、その時点で売り切れたので、現在入荷待ちです。
もうすぐ入荷します。
この本、実は第2巻の
トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ/2巻スッド・エ・イーゾレ

をクレアパッソで発売した時点で、もう売り切れていたので、私もお目にかかるのは初めてでした。
期待を裏切らない内容です。
今回入荷したのはイタリア語版ではなく、英語版ですが、それ以外の内容はまったく同じです。
というか、イタリア語版は中古が出るのを長期間待つ状態でしたが、この英語版は今ならすぐに手に入ります。
逆に、2巻は、今後手に入りづらい状態になりました。
とにかく見つけた時が買い時の本です。

この本の魅力は写真です。
すべての料理がとびきり美味しそう。
英語やイタリア語がわからなくても、問題ありません。
というわけで、1巻の英語版、お薦めです。
1巻のイタリア語版はありません。
数年待ってもいいという方は予約してください。
そしてうちの凄腕バイヤーに奇跡が舞い降りるのを待ってください。
2巻は英語・イタリア語版共にごく少量だけあります。


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総合解説
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2018年10月29日月曜日

イタリア料理は口伝の料理

今日はオリーブ入りのパスタのリチェッタを。

地方料理のリチェッタの中から探すとしたら、ガエータのあるラツィオ、タッジャスカの産地のリグーリア、ギリシャの植民地がたくさんできたシチリアあたりが面白そうです。

グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズのローマとラツィオ料理の本、『ラ・クチーナ・ディ・ローマ・エ・デル・ラツィオ

をパラパラめくってみると、黒オリーブがゴロゴロはいっているスパゲッティが目に止まりました。
“プッタネスカ”です。
オリーブ入りパスタといえば、これですよね。

「このパスタは作り方が簡単なので、使う素材の質の良さがとても重要になる。
風変わりな料理名も込みでイタリア中に知られているので、各地にバリエーションがある。
ローマでは、アンチョビを使うのが特徴。
ローマでは必ず入るが、他の地方では加えないことが多い」
とあります。

イタリア料理は口伝のリチェッタが多い料理です。
フランス料理のように天才が書き残したレシピが広まるということが滅多にありません。
母から娘へと口頭で伝えてきました。
こういう料理はバリエーションが多いのが特徴。
母親の数だけリチェッタがあります。
それなのに、時にはこういう地域限定のリチェッタも生まれるんですね。

イタリア料理界の大家、パオロ・ペトローニの『スパゲッティ・アモーレ・ミオ

には、オリーブはガエータの黒オリーブとあります。
ということはローマ風か?
アンチョビは・・・入りますねー。

皆さんが作っているプッタネスカはどうですか?

ペトローニ氏のリチェッタでは、最初ににんにくをオイルでソッフリットにして、そのオイルでアンチョビを溶きます。
そこにトマト、ケッパー、オリーブを加えて煮てソースにします。

プッタネスカの発祥地は、一説によるとカンパーニアのイスキア。
イスキア風プッタネスカ(クレアティーヴァ・バージョン)
 ↓


アンチョビどころか生のイワシやイワシの骨まで入ってます。
まったく、イタリア料理にはこれが正解というリチェッタは皆無ですねー。
発祥地がここ、という説も、まず疑ってかからないと。




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“生食・料理用オリーブ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年6月号に載っています。
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2018年10月26日金曜日

イタリアのギリシャオリーブ?

料理用オリーブは、黒のガエータが知られています。
このオリーブの原産地ガエータは、ラツィオ州の町ですが、イタリア人を初めとする多くの人々の中では、ギリシャというイメージ。

おそらくそれは、ギリシャの植民都市でオリーブ栽培が広まって古代ローマに受け継がれた歴史のせいでしょう。
ガエータはギリシャ人が比較的初期に植民地化した町でしたが、ローマに近いという場所のせいか、ほどなくローマに征服されて皇帝たちお気に入りの避暑地となりました。
ギリシャ語では Καιέτα/カイエータと言うそうです。

オリーヴァ・イトラーナとして知られるガエータのオリーブ
 ↓



イトラーナという名前もいかにもギリシャのオリーブ的ですが、語源はラテン語で、イトラーナは、イトリとういうラツィオの町のことです。
イタリアのオリーブなのにギリシャ産みたい問題はまだあります。
「総合解説」でも指摘されていた“グレカ・ヴェルデ”。
直訳すればギリシャのグリーンオリーブ、という名前ですが、シチリアで栽培されています。

なぜこうなったのかは、腰を据えて調べないとはっきりしたことは言えないので、今回は深入りは避けます。

今回のテーマは料理用オリーブだったので、オリーブの料理でもさがしてみます。
代表的なのは「総合解説」でリチェッタを紹介しているサラダやフォカッチャ、アンティパスト。
グレカ・ヴェルデがシチリアで栽培されているというので、
グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズのシチリアを

パラパラめくってみたら、オリーヴェ・フリッテというのが目にとまりました。
アスコラーナのように衣をつけて揚げるのではなく、にんにく、タイム、ビネガー風味で10分素揚げにした黒オリーブです。
唐辛子やフィノッキエット・セルヴァティコ、玉ねぎを加えるバリエーションもあります。
バッカラもオリーブと相性が良い食材。
シチリア風バッカラは、クリスマスイブの伝統的料理。
玉ねぎのソッフリットにバッカラとワイン、トマトを加えて煮込み、じゃがいも、種抜き黒オリーブ、ケッパー、松の実、レーズンを加えてさらに煮込んだ1品。
バッカラのように白い食材には黒オリーブがよく映えます。

シチリアを代表するワイナリーのプラネタ家のリチェッタ集、


には、ブラックオリーブ入のオレンジのサラダが。
白いフィノッキオ、オレンジ、黒いオリーブのはっきりした色合いの地中海のサラダです。

オリーブはパスタととても相性が良いようで、リチェッタは地方料理も創作料理も、様々あります。
詳しくは次回に。


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“生食・料理用オリーブ”の生地の日本語訳は、「総合解説」2016年6月号に載っています。
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2018年10月22日月曜日

オリーブのクンツァータとパッソローニオリーブ

オリーブの保存方法ですが、元も一般的なのはサラモイア漬け。
塩水とハーブ、スパイスなどで漬ける方法です。
日本語だと、ちょっと素っ気ないけど、塩水漬けですか。
それと、もう一つよくあるのが、クンツァータ。
これも塩水とハーブ、スパイスで漬けるのですが、サラモイアとの違いがさっぱりわかりません。

クンツァータ
 ↓


クンツァータはシチリアの方言でコンディーレ、味付けする、という意味が。

どうやらイン・サラモイアは塩水に漬ける、という意味で、味付けするという意味は薄く、クンツァータは味付けするという意味で塩水につけるという意味は薄い、こんな解釈でOK?

もう一つの保存方法は、オーブン焼き。
 ↓


オリーブに切り込み位を入れて網に入れ、毎日水を替えながら4~5日漬けます。
水を替えてさらに4~5日漬けます。
水気を切り、塩、にんにく、ローリエで調味して毎日かき混ぜながらさらに4~5日なじませます。
2~3時間水気を切り、弱火のオーブンに入れて混ぜながら乾かすように焼きます。
完全に冷まして出来上がり。
これはもっとも手の込んだ保存方法かも。

黒オリーブは完熟してから収穫するのでそもそも収穫時期がグリーンオリーブとは数ヶ月違い、それをさらに何日も水にさらしてアク抜きし、調味してマリネしてからオーブンで焼いて水分を飛ばして味を凝縮させたオリーブです。



「総合解説」にはオーブン焼きのオリーブをさらにオレンジ、唐辛子、タイム、オリーブオイルでクンツァータするリチェッタもあります。
かなりスペシャルなオリーブになりそう。

こうして保存したオリーブを使って、数々の美味しい料理ができるわけです。

リチェッタにはオリーブの品種を指定しているものもあります。
一般的なのはリグーリアのタッジャスカと、生食用の代表的品種ガエタ。
今回の記事には“パッソローニ”という品種も登場します。
巨大なノチェッラーラ・デル・ベリチ種を黒ずんだ紫色になるまで熟させたオリーブです。







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“生食・料理用オリーブ”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年6月号に載っています。
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2018年10月19日金曜日

生食用オリーブ

総合解説」2016年6月号発売しました。
リチェッタの最初の記事は“生食・料理用オリーブ”。
オリーブは、摘みたては苦くて食べることができないのですが、地中海の人は古代から何世紀もかけて美味しい食べ方を試行錯誤してきました。
保存方法も、古代ローマ時代にはすでに考え出されていました。

その前に、熟し具合ですが、一番青いのは夏の終わりに収穫した実で、黒いものは完熟してから秋の終わりに収穫します。
ふっくら膨らんで柔らかいものはオイルをたっぷり含んでいます。

摘みたてを食べる
 ↓


洗って1分ゆでて塩、オリーブオイル、イタリアンパセリ、にんにく、唐辛子で調味します。

アク抜き
 ↓


洗って蓋付き容器に入れて水に漬け、朝晩水を替えながら30日間漬けます。
これをサラモイア(塩水とハーブやスパイス)で漬けます

サラモイア漬け
 ↓


プーリア風塩漬け
 ↓


洗って傷んだものを取り除いて塩をまぶし、毎日最低1回かき混ぜながら15日漬けます。
ざるに移して混ぜ、一晩休ませます。
オリーブオイル、イタリアンパセリ、にんにく、唐辛子のみじん切りで調味したら2時間休ませて瓶に詰めます。

量は全部目分量。
リチェッタは家族ごとに秘伝のものが受け継がれていそうですね。

オリーブの保存方法はまだあります。
続きは次回に。

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“生食・料理用オリーブ”の記事の日本語訳は「総合解説2016年6月号」に載っています。
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2018年10月17日水曜日

グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ・シリーズ

本を紹介する水曜日。
今日は、“グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの
新入荷
『エミリア・ロマーニャ』と『トスカーナ』です。







このシリーズ、『ウンブリア』が一番最初に品切れになりました。
次は『エミリア・ロマーニャ』で、3番目が『トスカーナ』。
実はこの3冊は、当分手に入らないだろうと思っていました。
なので、今回入荷したこの2冊は、かなり貴重な本です。
2010年版なので多少経年感はありますが、
このシリーズのコンプリートを目指している方にはお薦めです。



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2018年10月15日月曜日

エミリア街道が発展させた食文化と本家争い

ポー河は、エミリア・ロマーニャ州の北側の縁を流れています。
東西に長いエミリア・ロマーニャの真ん中を貫いているのは、via Emilia=エミリア街道です。
グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズ
『エミリア・ロマーニャ』の前書きの第2章は、エミリア街道の話です。

商人、兵士、巡礼、無法者を運びながら、エミリア街道の歴史は流れていきました。
時は流れても街道は変わらず、今も平野を横切っています。

紀元前2世紀に、ローマの執政官マルコ・エミリオ・レピドによってポー河とアペニン山脈の間に通された街道は、ピアチェンツァとリミニを結んでいます。
エミリア街道は人の名前が語源だったんですね。
軍需的目的でしたが、経済活動も担いました。
北西と南東を結び、山と平地を結び、ポー河の支流の町を結び、エミリア・ロマーニャの発展に大いに貢献してきた街道です。

町は中世のシニョリーアの時代には僭主の住む都となり、ヨーロッパ諸国と結びつきのある貴族たちが台頭してきました。
ルネサンスの時代には、これらの街がさらに力を増し、ボローニャ、モデナ、パルマなど、街ごとに独自の食文化を発展させたのです。

料理の本家争い、というエミリア・ロマーニャではよくある話も、隣町同士の間で繰り広げられるなど、街ごとのプライドがすごく強いのは、この時代の栄光の名残かも。

エミリア街道の22世紀
 ↓



さて、次は食材の話。
まず最初は、サルーミ。
次はバルサミコ酢、そしてトルテッリーニ。
こうして食材を並べるだけで自然と、パルマ、モデナ、ボローニャと、エミリア街道を北から南へと移動できますねえ。

エミリア・ロマーニャのバルサミコ酢とパルミジャーノ
 ↓


エミリア・ロマーニャの町の紹介
 ↓



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2018年10月12日金曜日

プロシュットはないけど、クラテッロならあります。

豚肉はトスカーナかな、なんて言いましたが、あれ、やっぱりエミリアだっけと、もう気持ちが揺らいでいます。

グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの、
長らく欠品していた『エミリア・ロマーニャ』が入荷して、最初のページを読んだのです。

「なにがあるんだい?」
「柔らかい豚肉のロースト、美味しいコテキーノ・フレッドがあります」
「プロシュットは?」
「プロシュットはありませんが、クラテッロならあります」
リカルド・バッケリ著『ポー河の水車小屋』より

映画化もされた有名な小説のワンシーンで始まるエミリア・ロマーニャの紹介。
この短い会話で、ここがイタリアの養豚業の伝統の地だということを思い出させますねー。
本は、この地方の料理は陽気で賑やかな、祭り(festa)の料理だ、と続きます。
トルテッリもラザーニャも、アノリーニもタリアテッレも、ラグーもザンポーネも、仲間と食べるのにぴったり。

確かに。
トスカーナとの大きな違いは、どれも職人技が生かされた料理ばかり。
さらにエミリア・ロマーニャにはポー河があるという決定的な違いもありました。

ポー河
 ↓


このシリーズは、リチェッタもいいですが、各州の特徴をまとめた前書きがととても優秀です。
読み返す度に発見があって、ずっと手元に置いておきたくなる本です。
さて、エミリア・ロマーニャについては、どんな事が書いてあるのでしょうか。

ざっと予習
 ↓






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2018年10月10日水曜日

トスカーナの豚肉料理アリスタ、ロスティンチャーネ

グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『トスカーナ』から

トスカーナの肉料理を紹介しています。
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナの次は、チンタ・セネーゼの料理を訳してみましょうか。

まずは
“チンタ・セネーゼのアリスタ/ARISTA DI CINTA SENESE”

アリスタはトスカーナで生まれた豚の部位の名前で、共通語だと“カレcarré”にあたります。
フランス語のキャレのイタリア訛り、つまりあばら骨付きロース。
チンタ・セネーゼのアリスタは、チンタのアリスタと省略する派と、・・・産チンタ・セネーゼのアリスタと、さらに詳細にこだわるシェフとに別れているようです。
最近訳したシェフはオルヴィエト産チンタ・セネーゼにこだわっていました。

参考までに、アリスタのロースト 
 ↓


それではチンタのアリスタのリチェッタに戻ります。

材料/5人分
チンタのアリスタ・・1kg
にんにく・・2かけ
EVオリーブオイル・・大さじ2
白ワイン・・1カップ
ローズマリー、セージ
塩、こしょう

・アリスタは骨付きなら開く。肉と骨の間にローズマリー、セージ、潰したにんにくをはさんでタコ糸で縛る。骨なしの場合は通常のローストの要領で香草はタコ糸の下にはさみながら縛る。
・塩、こしょうする。
・油を引いたソテーパンで表面全体を焼き、白ワインを加えて1時間焼く。オーブンで焼いてもよい。

シンプルですね。
そう思いながらページをめくったら、こんがり焼けた山盛りの豚の骨付きリブローストの皿の上に肘を付きながら肩寄せあって骨付きリブを両手で持ってかぶりつく母子の写真が。

超美味しそう、と思って本を見直すと、チンタのアリスタの横に、
“ロスティンチャーネ/ROSTINCIANE”
という料理のリチェッタがありました。
きっとこの料理です。

本によると、トスカーナではコストレッテのことをロスティッチャーネROSTICCCIANEとか、ロスティンチャーネROSTINCIANEと呼ぶそうです。
コストレッテはアリスタを切り分けたもの。

材料/4人分
豚コストレッテ・・1.2~1.5kg
ローズマリー
塩、こしょう

・炭火で焼くが、なければオーブンでも可。
・ローズマリーで香りをつけて約30分焼く。
・焼き上がったら塩、こしょうする。

アリスタもロスティンチャーネもトスカーナ生まれで全国的に広まった豚肉料理。

ロスティンチャーネとサルシッチャのグリル
 ↓


バーベキューの王様だあ。


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2018年10月9日火曜日

ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ

今、秋だっけ夏だっけ・・・。
年々秋と春が短くなっている気がしますが、秋を飛ばして冬になるのは、やっぱり無理です。
秋になると毎年『アウトゥンノ』を紹介するのが風物詩ですが、


今年は“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『トスカーナ』
なんてどうでしょう。


トスカーナの料理は秋が似合うような気がします。

トスカーナの市場料理


も秋が似合う料理が満載です。

どうして秋が似合うのか・・・ページをめくってみると、ビステッカ・フィオレンティーナからチンタ・セネーゼ、トリッパまで、美味しそうな肉料理のオンパレードで、添えられたパンと、具沢山のズッパと、濃いワインがあれば、トスカーナの田舎で貴族の狩り参加したような気分になります。

さすがに市場料理の本にはキアニーナのステーキは載っていないので、今日は、グイド・トンマージの本のリチェッタを訳してみます。

リチェッタのタイルは、
“ビステッカとコスタータBISTECCA E COSTATA”

「フィレンツェのビステッカは、フィレンツェの外ではフィオレンティーナと呼ばれている。
ビステッカ・フィオレンティーナとは、キアニーナ種の24月齢以上のヴィテッローネの肉で、熟成庫で15~20日熟成させたもの。

カットは背肉の尾に近い側をT字型の骨付きで切ったもので、肉はヒレ(filetto)とサーロイン(controfiletto)に分かれる。
ヒレとサーロインに分けられないものはコスタータとなる。
重さは1.5kg、厚さは4~5cm以内。

焼く時にオイルでマリネしたり、焼く前や後にオイルを塗ったり、フォークやナイフで穴を開けてはいけない。
焼くのに理想的なのはオークやオリーブの炭火で、鉄板等は厳禁。
網は炭から10cm離す。
焼き具合はアル・サングエ(レア)のみ。
片面5分が目安だ。
調味は焼いた後に塩、少量のこしょうのみ。
オイルやレモンは使わない」

リチェッタは人によってかなりバリエーションがあります。
参考動画



赤身肉バンザイ!

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2018年10月5日金曜日

イタリアの定番肉料理

今日のお題は本、
グランディ・クラシチ』です。


イタリア料理の定番を集めて1冊にぎゅっとまとめた、シンプルだけど読みやすい本。
総合解説」では肉のセコンド・ピアットを訳しました。
この本のリチェッタの訳しやすさは素晴らしい!
イタリア語初心者に優しい本で、お薦めです。
と言っていたのですが、とうとうこの本も売り切れのようです。
いい本ほどすぐ売り切れるイタリアでは、売り切れは内容の良さの証明。

今後は中古品になりますが、注文があれば探しますので、イタリア時間でのんびり待てる、という方は、ぜひご利用ください。

訳したリチェッタの1つ、鶏のレンガ焼き。
 ↓



確か昔はアッラ・ディアヴォラと読んでいた料理ですよね。

うさぎのイスキア風も、イタリア料理の定番。
 ↓


よく聞くけど、食べたことなかったなあ。
そういえば、ゴリツィア風グーラッシュもよく聞くけど食べたことない料理。
 ↓


ゴリツィアという名前が登場することも稀です。
フリウリ=ヴェネチア・ジューリア州の街。



異国情緒に溢れた国境の町。

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グランティ・クラシチ』のリチェッタの日本語訳
総合解説」2016年5月号に載っています。
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2018年10月3日水曜日

白肉のスペッツァティーノに合うワイン、カラブリアのチロー

今日はワインの話です。
テーマは白肉のスペッツァティーノに合うワイン。

白肉は鶏、七面鳥、うさぎを代表として、子牛、豚、子羊などが続きます。
スペッツァティーノは、小さく切った肉や、その煮込みのこと。
ざっくり言うなら、シチュー。

この料理と相性がよいのは、まず、イタリア中部の白。
大地のエネルギーが感じられる中部の白は、放し飼いのうさぎや七面鳥のスペッツァティーノにぴったりだそうです。
さらに、力のあるぶどうから作られたロゼの、酸味とタンニンの組み合わせは、脂ののった白肉に合います。

そして野菜と肉の複雑な組み合わせの料理には、エレガントな赤、地中海風味の料理なら、チロー・ロッソ・クラッシコ・スーペリオーレが合うそうです。

という訳で、『サーレ・エ・ぺぺ』お勧めのチローは、どんなワインでしょうか。
まず、チローはカラブリアの町。
東側のイオニア海に面した町。
 ↓


ワイン
 ↓


カラブリアのワインは、まず、カラブリアらしさを追求し、次に各カンティーナが個性を追求し、市場が大きくなると国際市場でも受け入れられるような技術をこぞって取り入れ、その結果個性がなくなり、現在は新しい視点での個性、他がやっていない独自の路線を追求している最中のようです。
そんな流れの中の注目カンティーナ、テヌータ・デル・コンテ。
 ↓



チロー・ロッソ・クラッシコ・スーペリオーレと組み合わせたスペッツァティーノは、豚肉、紫玉ねぎ、ソラマメのビネガー煮。

紫玉ねぎはしんなり炒める。
小麦粉とレモンの皮とこしょうをまぶした豚肩肉を焼き、玉ねぎとビネガー、ブロード、ちぎった食パンとローズマリーを加えて弱火で30分煮る。
ソラマメをゆでて薄皮をむき、スペッツァティーノが煮上がる10分前に加える。
仕上げに塩、こしょうで味を整えて出来上がり。

スペッツァティーノを含む肉料理の入門書。
アッロスト&コー



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“白肉のスペッツァティーノに合うワイン”の日本語訳は「総合解説」2016年5月号に載っています。
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2018年10月1日月曜日

マウラ・ゴジオシェフ、クールマイユールのアルタ・クチーナ

総合解説」の最新号で紹介したシェフは、クールマイユールのホテル・レストラン、ローヤル・エ・ゴルフの女性シェフ、
マウラ・ゴジオさんです。

こんな人
 ↓


『ガンベロ・ロッソ』の記事でした。
ガンベロ・ロッソはミシュランの星付きのアルタ・クチーナのシェフを好んで取り上げます。

今月のシェフは、クールマイユールのレストランのシェフでした。
クールマイユールは、ヴァッレ・ダオスタの山の上というか、西ヨーロッパで一番高い山、モンブランの麓の町です。
標高4810m。

クールマイユール
 ↓


こういうところの星付きシェフは、どんな料理を作るのでしょうか。
「総合解説」を読んでいただければ、かなり頭のいい人だということが分かります。
料理学校に一切行かずに、これだけ複雑で繊細な料理を作るのですから。

専門知識が豊富で地元や世界中の特殊な食材を使いこなすシェフたちのリチェッタは、時にとても哲学的です。
今回は、1品目に“腐葉土”が登場します。
本物の土ではなく、ドライ黒オリーブ、ドライトマト、パーネ・ブリオッシュ、黒パンをミキサーにかけて土そっくりにした、とても美味しそうな、でも見た目は土です。

この土を地元のリラ川で取れた身が締まったマスのマリネに散らします。

リラの滝
 ↓


2品目のパンのニョッキは、パーネ・プリエーゼのカネデルリをゆでて、中に地元の山羊のフレッシュチーズをサイフォンで絞り出して詰めたゴルフボールのような形のニョッキです。

肉料理のアルナ産ホロホロチョウは、すべてを使いきり、自家製りんごのタタンも料理の中に取り込んでいます。
アルナはラルドが有名なヴァッレ・ダオスタの町。
アルナのラルド
 ↓


アルナのホロホロチョウのレバーのヴェネチア風を、モンブランの麓でいただくのは、面白そうな体験。
ホロホロチョウもマスもシェフがイタリアで一番と自信を持っている食材です。

頭脳派だけれどユーモアもある個性的な女性シェフですが、どうやら去年、店を変わったようです。
60歳の彼女が去った後、店は20代の若いシェフが大抜擢されました。
今後どうなるか、彼の頑張り次第ですね。

イタリアのトップ・シェフたちの本
チェント・ペル・ディエーチ


「イタリア料理を変えた100人のシェフ」という副題。
2005年から2015年の10年間に活躍した、イタリアの100人のシェフを紹介する本。


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“マウラ・ゴジオシェフ”のリチェッタは「総合解説」2016年5月号に載っています。
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アサリとムール貝に合うワイン

今日はワインの話。 お題は「アサリやムール貝に合うワインは?」 味も歯ごたえも違う貝ですが、一緒に料理にすると、互いに補完し合って、厚みのある味の貝の料理を生み出します。 で、貝のミックスに合うワインはと言うと、『サーレ・エ・ぺぺ』誌のソムリエによると、イタリアの白は、様...