イタリアンの鶏料理、と言うと多分、一番有名なのは“鶏肉のマレンゴ風pollo alla Marengo”。
この料理を有名にしたのは、ナポレオン。マレンゴというのは、ピエモンテのアレッサンドリアに近い町。ここでナポレオン率いるフランス軍とメラス将軍率いるオーストリア軍が衝突します。1800年6月14日のことでした。
ナポレオンの戦闘、マレンゴの戦い。
当時北イタリアはフランスとオーストリアが支配権を奪い合っていました。当初、ナポレオンは苦戦し、一時はもうだめだとも思われました。戦力もオーストリアより大幅に少なかったので援軍を要請します。しかし、答えたのは歩兵部隊1隊のみ。他の舞台は遠すぎて、要請が間に合わなかったのです。そのめた、フランス軍は撤退を余儀なくされます。勝利を確信したメラス将軍はウィーンに勝利を知らせる伝令を送ります。ところがその直後、事態は一変します。遅れて要請を受け取ったフランス軍のドセ―将軍が到着して、オーストリア軍に奇襲をかけたのです。あっという間に状況は逆転し、フランス軍は北イタリアの大部分を奪回したのでした。
実写ドラマを探したけどなかった。netflixがまだ見つけてないネタのようです。
マレンゴの教会
この話は、ナポレオンという人の食習慣を知ると、一層面白くなります。
歴史的人物にはグルメが多いのですが、彼は生粋の軍人で、美食家ではありませんでした。食事に時間を取られることを嫌い、朝と晩の2回しか食事をとらなかったそうです。著名な会食者がいても食事に10分以上かけることは滅多になく、食事に遅れることも多く、会食者は時には何時間も辛抱強くナポレオンの到着を待ちました。彼はワインの目利きでもなく、飲むのはシャンベルタンだけで、しかも水で薄めました。コーヒーや紅茶は好きだったようですが。
シャンベルタン
ナポレオンは関わるものすべてを伝説にした人物。
鶏肉のマレンゴ風は、そんなナポレオンのわずかな好物の一つでした。
この料理が生まれたのは、マレンゴの戦いが終わった後の夕食でした。
詳しくは次回に。
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