2022年6月15日水曜日

サルデーニャの過疎の村、オヴォッドの名物、ス・ピッツードは地元の食文化の遺産を受け継いで守っていくような料理。

今月の(CIR)の地方料理はサルデーニャの中心部、バルバージャ地方の大きなラビオリのような料理、ピッツードPitzudosです。

サルデーニャ料理には、住民の独特の歴史と暮らしがたっぷり反映されているので、知ってるイタリア料理とは全然違います。
その根本にあるのは農民と羊飼いの文化。ペコリーノの種類はヨーロッパで一番豊富。海産物が加わるのはずっと後になってから。やはり、我々の食文化とサルデーニャの食文化を大きく隔てているのは羊飼いの食文化。
サルデーニャでは米の栽培はあまり普及せず、でも硬質小麦はバルバージャ地方でも昔から栽培され、独特の羊飼いのパンが作られていました。羊飼いのパンは軽くて持ち運びやすく、長期間保存できるパン、つまり、パーネ・カラザウでした。パーネ・カラザウは毎日食べるパンですが、サルデーニャのパンには宗教的な意味を持った特別なパンもあります。

サルデーニャの食文化。

サルデーニャのパン、コッコイcoccoi。

セモリナ粉から作るサルデーニャのクスクス、フレーグラfregula。

1ユーロで空き家を売った村、オヴォッダのピッツード祭り。

謎の食べ物、Pitzudosは、どうやらsu Pitsudoス・ピッツードと呼ぶようですね。リチェッタは今月の(CIR)P.42にあります。じゃがいも入り生地に軽い酸味があるフレッシュなペコリーノを詰めたラビオリを揚げたものです。
蜂蜜をかけた食べるセバーダスに似てますが、ドルチェではなく、サラダを添えて前菜として食べます。ヤギのチーズも硬質小麦粉も、忘れ去られつつある地元の食材だそうです。

オヴォッドは長寿で知られる村で、素晴らしい伝統や産物もあるけど、伝える人がいないと消滅する。過疎の問題は、世界中でかなり深刻。サルデーニャはひと昔前の世界に生きているような・・・。

セアーダスseadas。

オヴォッダの伝統的なチーズ作り。







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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
Riso
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