2021年9月18日土曜日

ボローニャの玉ねぎのソース、フリッジョーネ。

今月の日本語解説(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)から、
今日からのお題は、世界中に広まった定番イタリア料理です。
イタリア料理の代表的1品は、まずはボロニェーゼ、bolognese(リチェッタはP.34)。
正確に言うと、タリアテッレ・コン・ラグー・アッラ・ボロニェーゼ、またの名をラグー。
外国人をからかう時の決り文句は、スパゲッティ・ボロネーゼ(www)。

でも大半の人が、からかわれているとは気が付かない。
それどころか、今じゃ、こっちのほうが正解になるくらい広まっちゃった。
タリアテッレ・ボロニェーゼは、古代ローマからの長い歴史と、ポー河沿いの独特の地形から生まれたエミリア・ロマーニャの名物です。
スパゲッティ・ボロネーゼには実はボローニャならではのものはたいして入ってない。


イタリア料理アカデミーの本、『スーゴとソース

によると、
イタリアの地方料理は、地域の農民の暮らしから生まれました。つまりこの地域で豊富に生産されていたものを使って造られた料理です。
ボロネーゼのベースとなる食材は、ざっくり言うと、玉ねぎと肉。
豚肉は豚を屠殺した時だけ手に入るちょっと特殊な食材。
で、肉が入らない玉ねぎのソースがこの地方にはあるのです。フリッジョーネfriggioneといいます。
イタリア料理の基本のラグーのさらにベースとなるソースです。
本によると、ボローニャの東の平野は中世から玉ねぎの産地として知られていたそうです。この地域の料理にも玉ねぎはしっかり取り入れられていました。ボローニャのレストランでは、クリスマスの季節の料理、ボッリートのソースとしてサルサ・ベルデ・ボロニェーゼとこのフリッジョーネをサーブするのが定番。

ボローニャ風玉ねぎのソースfriggione alla bolognese

材料:
玉ねぎ・・2kg
カットトマト・・400g
粗塩・・小さじ1
砂糖・・小さじ1
バター(オリジナルのリチェッタではラード)

・玉ねぎを薄くスライスして粗塩と砂糖をまぶし、覆いをして時々混ぜながら最低3時間休ませて水分を出す。
・玉ねぎを汁ごと鍋に入れて火にかけ、バターを加える。バターが溶けたら蓋をしてとろ火にし、最低2時間煮る。1時間煮たら蓋をずらす。2時間後にトマトを加え、蓋をずらしてのせて玉ねぎが煮崩れるまで1時間30分煮る。
ボッリートに添えてソースにもする。
ボローニャの隣のグルメシティー、モデナのグラン・ボッリート・ミスト↓

スパゲッティは硬質小麦が育つ南イタリアの食べ物で、北イタリアでは軟質小麦の食べ物が広まった。タリアテッレはその代表格。都会では乾麺のスパゲッティが主婦や労働者の強い味方となったが、ボローニャでは、手打ち麺は女性の職業としても広まった。そしてこのタリアテッレのために生まれたソースがラグーだった。
   ボローニャ・スフォリーナ協会のタリアテッレ作りの動画↓


手打ち麺の料理で、代表的イタリア料理に選ばれたのはもう1品、トルテッリーニ・イン・ブロードです。
詳しくは次回。

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