今日の料理は“ぶどうのスキアッチャータ”です。
9月のぶどうの収穫時期にワイン農家が作る伝統料理。エミリア地方とトスカーナでぶどうの収穫の時期に作り、朝食や軽食として食べるぶどう入りの甘いパンですが、地方によっては多少バリエーションがあります。
ぶどうのスキアッチャータ。
(CIR/9月号)には、“ぶどうのフォカッチャfocaccia all'uva(P.3)”と“ぶどうのスキアッチャータschiacciata col'uva(P.18)”というよく似た料理が取り上げられています。
ぶどうや薄く伸ばした生地を重ねるのがスキアッチャータ。造り方の詳細は写真付きで解説しています。
ぶどうのフォカッチャ。
トスカーナの2023年のぶどうの収穫。
理の傑作本『ルフィーノのトスカーナ』によると(この本はトスカーナの食文化の伝承に力を入れすぎて、うんちくはあるけどリチェッタがない、という問題作)、ぶどうのスキアッチャータは質素でも美味しいドルチェで、かまどの温度を見るために発酵させたパン生地を少しちぎって伸ばして焼いたパンにオイルと砂糖をかけたものがベース。普段はオイルのスキアッチャータと呼びますが、9月の収穫の時期だけは、パン生地に潰したぶどうと砂糖を散らし、さらに薄く伸ばした生地をかぶせて焼いてぶどうのスキアッチャータと呼びます。
それにしてもこの本にはなすのスキアッチャータやファッロのスキアッチャータ、カーニバルのスキアッチャータなど、各種のスキアッチャータが登場します。季節に合わせて作る伝統の食べ物で、中でもぶどうの収穫期に作るこの甘いパンは、大人気だったようです。
オイルのスキアッチャータは、砂糖ではなく貴重な塩を散らして作りました。現在では、オイルのスキアッチャータはトスカーナの人気のストリートフードだそうです。子供には大人気なんだそうです。
オリーブオイルのスキアッチャータSCHIACCIATA ALL'OLIO 。
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